宇宙でいちばんあかるい屋根

劇場公開日:

宇宙でいちばんあかるい屋根

解説

作家・野中ともその同名人気小説を映画化し、「愛唄 約束のナクヒト」の清原果耶が映画初主演を果たしたファンタジードラマ。14歳のつばめは、隣人の大学生・亨にひそかに恋心を抱くごく普通の女の子。両親と3人で幸せな生活を送っているように見えたが、父と、血の繋がらない母との間に子どもができることを知り、どこか疎外感を感じていた。誰にも話せない思いを抱える彼女にとって、通っている書道教室の屋上は唯一の憩いの場だった。ある夜、いつものように屋上を訪れたつばめの前に、ド派手な装いの見知らぬ老婆が現れる。その老婆「星ばあ」がキックボードに乗って空を飛ぶ姿に驚きながらも、不思議な雰囲気を漂わせる彼女に次第に心を開き、恋や家族の悩みを相談するつばめだったが……。監督・脚本は日本アカデミー賞最優秀作品賞受賞作「新聞記者」や、清原も出演した「デイアンドナイト」を手がけた藤井道人。

2020年製作/115分/G/日本
配給:KADOKAWA
劇場公開日:2020年9月4日

スタッフ・キャスト

監督
原作
野中ともそ
脚本
藤井道人
企画
前田浩子
プロデュース
前田浩子
プロデューサー
金井隆治
共同プロデューサー
高口聖世巨
飯田雅裕
アソシエイトプロデューサー
筒井史子
ラインプロデューサー
森太郎
撮影
上野千蔵
照明
西田まさちお
録音
岡本立洋
美術
部谷京子
装飾
田中宏
スタイリスト
SAKAI
ヘアメイク
福島久美子
編集
古川達馬
音楽
大間々昂
主題歌
清原果耶
主題歌(作詞・作曲・プロデュース)
Cocco
VFXスーパーバイザー
大澤宏二郎
スーパーバイジングサウンドエディター
勝俣まさとし
助監督
逢坂元
制作担当
栗林直人
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(C)2020「宇宙でいちばんあかるい屋根」製作委員会

映画レビュー

3.5映画初主演の大役を見事に演じ切った清原果耶。世界観に慣れれば良作。

2020年9月1日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

2016年公開の「ぼくは明日、昨日のきみとデートする」で小松菜奈の中学生時代を演じてから、ある種のスター性のようなものを感じつつも、まだ主演までは早いのか、と思っていたら、本作で「14歳の中学生」役で映画初主演を果たした清原果耶。 「3月のライオン」「ちはやふる 結び」など、脇役での演技しか見てこなかったので、まずはフルバージョンの清原果耶の演技の上手さに驚きました。 本作は日本アカデミー賞で作品賞を受賞した「新聞記者」の藤井道人監督作品です。「清原果耶×藤井道人監督」としては2019年公開の「デイアンドナイト」がありましたが、「デイアンドナイト」は作品のトーンが暗く、2人の良さがそれほど出ていないと感じました。 それが本作では一転して、「14歳の中学生の、お隣に住む大学生への淡い恋心」などを描いていてファンタジー色さえもあります。 正直、桃井かおりが最初に出てきた時には面くらいましたが、ただすぐに作風に慣れると思います。 しかも、だんだん桃井かおりの良さが出てきます。 「ぼくは明日、昨日のきみとデートする」においてもそうですが、とにかく最後まで焦らず見届けることが大事な作品だと思います。 例えば、「なぜ本作は2005年を描いているのか」はずっと分かりませんでしたが、終盤に分かりました。このように、意外と設定もキチンとしている作品でした。 また、お隣の大学生を演じている伊藤健太郎ですが、このところ、急激に演技の上手さが出てきて魅力が増しているように思います。 予定では2021年春のNHK連続テレビ小説の「おかえりモネ」では清原果耶がヒロインを演じるなど、本作は世の中の一歩先を行く作品になっているのも注目点です。(評価は難しく他作品とのバランスを考え★3.5にしていますが、★4に近い気もします)

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細野真宏

4.5清原果耶のピュアさと表現力は◎。屋上のセット感が惜しい

2020年8月30日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

泣ける

楽しい

幸せ

2017年の「3月のライオン」から清原果耶に注目し、主演ドラマも観てきたので、遅すぎとさえ思える映画初主演作。場数を踏むたび着実に表現力を伸ばしてきたが、ピュアさが変わらないのも彼女の魅力の一つだ。 藤井道人監督は「デイアンドナイト」で清原のファムファタール的資質を引き出したが、今回は家族や学校での悩みと淡い恋心を抱くごく普通の中学生・つばめ役に起用。思いや感情を内に向かわせがちな14歳が、毒舌だが妙に頼れる星ばあ(桃井かおり、悲しい表情が絶品)と出会い、自らの殻を破って変わる姿をさわやかに描いた。 つばめの憩いの場である雑居ビルの屋上は、ファンタジーと捉えるならある種の異空間として存在すべき重要スポットなのに、安っぽく仕立てられたセット感丸出しのルックに…。他のロケ撮影シーンの映像がごく現実的なタッチで統一されたのに、屋上セットだけ半端に浮いているのが惜しい。

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高森 郁哉

4.0ちょっと不思議なファンタジー

2024年7月17日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

清原果耶扮する女子中学生大石つばめは朝からふさぎ込んでいて登校時に自転車でコケたりしていた。 いきなり屋上で起こった桃井かおり扮する星ばあとのからみは意外だったね。それに何となくつばめって名前は取っ付き悪くないかな。後悔は行動してからしろなんて言われたりしてね。 清原果耶の初主演作だそうだが、初々しくていいね。ちょっと不思議なファンタジーが功を奏しているかな。桃井かおり完全バックアップ作品だね。でも現実は多少複雑だったな。それに大学生と中学生では危ない関係だもんね。思春期の麗しい年頃だからね。

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重

5.0胸が熱くなるファンタジー

2024年5月15日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

幸せ

勝手な想像だが、作者は自分自身の過去を振り返り、当時の自分に言ってあげたかったことをこの作品を通して表現したのかなと感じた。 物語としての辻褄合わせのような種明かしも含まれてはいるが、ファンタジーである以上理由の深堀は必要ないかなと思った。 高校生の娘大石ツバメと妊娠中の母という画の違和感の正体。 なぜツバメが書道教室に通っているのかという謎。 星婆という存在に感じる秘密。 臨月の時期に起きた奇跡。「君の名は」でいうところの「誰そ彼時」ということだろうか。 鳥はツバメにとって自由の存在。鳥の名前を持つ水墨画作家「ヒバリ」 勇気を出して母の絵を見に出かけたツバメは、3羽のツバメの絵に本当の家族の姿を重ね合わせるが、10年前に描いたその絵のモデルは「ヤマガミ家」を描いた3羽だった。そして母はツバメに気づかなかった。 やがて訪れるだろう家族の中での疎外感がツバメの中に広がる。また孤独になるのか、それともそれは巣立ちの時期を暗示しているのか。 星婆は言う「年を取ったら何でもできるようになる」 星婆の言葉は悩める青春時代を過ごしてきた作家と似たように悩める娘たちに向けた「メッセージ」 それをファンタジーとして描き出した作品。 「後悔は行動してからしろ」 「後悔は、時間がたてば大きくなる」 屋上に置かれていたスクーターは星婆が孫のために買ったものだろう。 最後に孫に会えたのは、星婆の喜びだったが、本当はもう少し長くいたかったのだろう。 本当はいい子のマコトのことがどうしても気がかりだったのか。彼と少し付き合っていたのと、臨月の母という「誰そ彼時」の条件を持ったツバメの力を借りて彼女の前に現れたと想像した。 「屋根を見ればどんな人間かわかる」 ちょっと良くわからない言葉。 屋根とは頭上にあるもの。スピリチュアル的にそこにあるのは真我。それを天から実際に見ているのが星婆ということだろうか? 星婆の教えに従って自分自身の内面と対峙してきたツバメは、2020年に水墨画家になる。つまり物語のほとんどが2005年の出来事だ。 アレンジを加えて色が乗った水墨画。あの「ねずみ」の絵から見れば相当な成長だ。 その絵を見る書道の先生がいるが、ツバメも家族も登場しない。 それはきっと、高校時代のツバメと同年代の娘たちの「成功」を願っているから。 だからあの水墨画展に立っているのは、成功した将来の「私」。つまり視聴者自身だ。 先生が見た最後の絵 公園にいる二人が屋根を見下ろしている光景。おそらくその絵のタイトルがこの作品のタイトルなのだろう。 多感な時期に悩んでいる青春時代の若者。 些細な勇気で乗り越えられるたくさんのことがある。 糸電話の糸はない方がよかったように思う。物理的な意味で。 でも基本的にあるのが作家から多感な青春時代を過ごしている若者への純粋なメッセージだ。 良い作品だった。

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