劇場公開日 2020年9月4日

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「清原果耶のピュアさと表現力は◎。屋上のセット感が惜しい」宇宙でいちばんあかるい屋根 高森 郁哉さんの映画レビュー(感想・評価)

4.5清原果耶のピュアさと表現力は◎。屋上のセット感が惜しい

2020年8月30日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

泣ける

楽しい

幸せ

2017年の「3月のライオン」から清原果耶に注目し、主演ドラマも観てきたので、遅すぎとさえ思える映画初主演作。場数を踏むたび着実に表現力を伸ばしてきたが、ピュアさが変わらないのも彼女の魅力の一つだ。

藤井道人監督は「デイアンドナイト」で清原のファムファタール的資質を引き出したが、今回は家族や学校での悩みと淡い恋心を抱くごく普通の中学生・つばめ役に起用。思いや感情を内に向かわせがちな14歳が、毒舌だが妙に頼れる星ばあ(桃井かおり、悲しい表情が絶品)と出会い、自らの殻を破って変わる姿をさわやかに描いた。

つばめの憩いの場である雑居ビルの屋上は、ファンタジーと捉えるならある種の異空間として存在すべき重要スポットなのに、安っぽく仕立てられたセット感丸出しのルックに…。他のロケ撮影シーンの映像がごく現実的なタッチで統一されたのに、屋上セットだけ半端に浮いているのが惜しい。

高森 郁哉