MOTHER マザーのレビュー・感想・評価
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テーマを言葉にすること
テーマを言葉にしちゃうとダサいと思ってる派なんですけど、割り切れなさを丁寧に描いた先にテーマを言語化すると、割り切れなさがより鮮明になって、言語が追いつけない現実が浮き彫りになる法則が発動してる映画はヤバい(語彙力)って事に気づきました。
そして、それこそが芸術が持つ意味の一つなんだろうなーとも思います。
周平くんが持つ境遇に流されながらも決して失われない美しいものと、長澤まさみ(役名忘れた)の瞬間瞬間で変わる怪しい美しさ・獣感・子供の様な存在感は、作品のテーマとは別にそれだけで映画館に足を運ぶ価値があると思います。
タイトルなし
実話を元にした作品らしく鑑賞後にネットで調べてみたら記憶が蘇った。事件が報道された当時は少年が自分や仲間の遊ぶ金欲しさに犯した犯行と勝手に思い込んでいたから、鑑賞中は作品と事件が全く結びつかなかった。ただ、全く別の事件ではあるが母親の育児放棄や虐待が報道された時に自分が想像する母親像とはさほど変わらなかった。
作品を鑑賞した事で少年の心境や行動原理は解らないでもないと思ったが、母親の思考回路は全く理解できない。一緒に育てられた両親や妹を見る限り普通の家庭で育てられたように見えるのに何が彼女をここまで自堕落な人間へと突き落としてしまったのか。何度も助けの手は差し伸べられていたというのに、どうでもいい男を優先して払い除けていく。自分と男以外の人間の事を餌にしか見ていないが、同類の人間が少なからず世の中には一定数居るんだろうなと考えると本当に怖くなる。
凄い毒女だったけど長澤まさみさんが妙に色っぽく素晴らしかったが阿部サダヲさんはが本当にムカつくだけだった。
秋子の立ち居振る舞い
<映画のことば>
あたしがあいつをどう育てても、親の勝手じゃあないですか。
あれは、あたしが産んだ子なの。
あたしの分身。
ものの本によると「今日では、親権の権利性は、親として子に対して有する養育の義務を遂行するのに必要な限りで認められ、他人から不必要に干渉されない法的地位として構成されている。2011年の改正により、「親権を行う者は、子の利益のために子の監護及び教育をする権利を有し、義務を負う」とし、「子の利益のために」がそう入され、その趣旨が示された。」とあります(二宮周平「家族法」 新世社 2020年)
本作で、秋子の立ち居振る舞いが、どんなことで周平や冬華の「利益のために」なっていたのか、評論子は、全く理解することができませんでした。否、周平や冬華を自分の「召使い」や(文字通り)「子分」として意のままに支配しようとする姿ばかりが目についたのは、果たして評論子だけだったでしょうか。
(むしろ、外形面で支配性を発揮しようとしていることは、実は、内面では周平・冬華に依存していて、本作のDVDパッケージの写真は、そのことを暗示している?)
親の子への接し方について、一部の人の間では「親業」という言葉も使われています。
改めて、そのことに思いが至った一本になりました。評論子には。
毒親
見ていてほんと楽しくない作品でした。
こんな親にはなってはいけないと心から思える作品である点は、評価できます。
自分では何もせず、子供の親を慕う気持ちをいいように利用した、子供を自分の所有物のように扱うさまは見るに耐えなかったです。
このような役をこないした長澤まさみさん、阿部サダヲさんはすごいですね。視聴者にほんとにダメな親、大人だと思わせるので。
最近、コンフィデンスマンJPを見たのでそのギャップが半端ない。
どこにも救いのない映画
重いテーマなので覚悟して鑑賞したのだが、想像をはるかに超えていた。
息子に依存する母と、そんな母を愛する息子。なぜ母を突き放さない、なぜ母から逃げない、私には理解できない共依存という名の呪縛。依存しあいながら堕ちていき最悪のラストへ。
精神的にゆとりのあるときでないと、かなりキツい作品。
長澤まさみの演技は言うまでもないが、幼少期・少年期を演じた二人に圧倒された。
理解も共感も出来ず
アキコはなぜあそこまでクズになってしまったのか?
それを傍観者として眺めて考える。
最後まで見てもその答えは分からなかった。
家庭では妹の方が可愛がられてたとしても、あそこまで落ちてしまうのはなんとなく納得がいかない。という事はクズなのは彼女の個性であり、本性なのだろう。そうであれば自業自得としか言いようがない。
息子の方は辛環境だったのは間違いない。市役所の男がただの女目当てでお湯も沸かせない家に1人子供を放って置くのは許せない。洗脳され続け、共依存の関係から抜け出せないまま少し大人になって、少し周りが見えて来るとなんとなくこのままで良いのかと考えるようになり、最後は祖父母を殺して刑務所に入れば母親から離れられると考えたんじゃないかなとも思う。
難しいと思う、
これを見て、私の身近にいたら助けてあげれるのに〜とか思う人がいるなら、どうぞ今すぐボランティア活動、保健所への就職をしてみたらいい。
たかが一食そこら食べさせたり服や物をあげたところでこの人たちはなにも変わることはないだろう。
日本の法律ではまだなかなか親子を引き離せるような法律ってないよね、
長澤まさみ演じる母親像は典型的な毒親であり、またいろんなものに依存したちょっとした精神病もあると思う。
ホームレスになろうが子供を手放さなかったり、でも子供には"他人はあんたのこと嫌いだよ"と妄想を押し付けたり、、
もしできるならこの親をまず病院に輸送したり、カウンセリングをつけれたりできたらいいのかなぁ、
没入度が高いが、何故母が好きなのか伝わらなかった!!
キャスティングが良く、どの方も演技が上手く没入できました。大森監督は「星の子」でも子供を綺麗に撮るのが上手いと思いました。周平君がどのように洗脳されていったのか、また母の事が何で大好きなのかの描写は、クズ母が周平君だけは大事にしていたという訳でも無いので、ああそうなのと「さよなら渓谷」と同じものを感じて何か物足りなかったです。夏帆が毎回どんな汚れ役で出て来るか楽しみ(失礼)なのですが、今作では天使でした。フリースクールの職員に興味を持ちました。
長澤まさみが好きな「男」のための映画
社会派ヒューマンドラマを求めて観たらデスクをかち割りたくなります。
まず、観ていれば監督を知らなくても男性だと分かった。
長尺で男女が無言で近付きいきなり行為が始まる流れのしつこさ。
さすがに初っ端から無言すぎて違和感ある。
女性なら言葉を求めるからこんな演出はしないだろう。
いかにも男が憧れるシチュエーションが随所に見えた。
だらしない女だけど痩せてて美人でなぜか料理はできる。いかにも男がそそられるシングルマザー。
監督は女は生きていれば自然とじゃがいもが剥けるようになるとでも思っているのだろうか?
実家との関係性から察するに家の手伝いもろくにしてこなかったであろう秋子。子供の食事はカップラーメン。なのになんで、じゃがいもの皮がサクサク剥けんねん。
そして、そんな女のために男が都合よく創作した「息子」というキャラクター。
確かに虐待を受けても親を愛している子供はいる。
だが、幼くもない、心配してくれるまともな父親がいて世界に母親しか味方がいない幼少期を過ごしたわけでもない、自分で何も考えないわけでもない、機嫌がいい時は優しくて明るいお母さんになるわけでもない。ひたすら人権を蹂躙され、自由を奪われ、金稼ぎのロボットとしてこき使われるだけ。
なのに一度も怒ることなく母親のマリオネットに甘んじる息子を見て、あくまでもこの作品は長澤まさみの色気を堪能するためのものでしかないことを突きつけられる。
他の男どものように、息子まで女の色香だけで虜になるとでも思っているのか?
殺人までの心情の流れもお粗末極まりない。
犯罪者にさせられても母への愛を口にする息子の姿は、まるで処女営業のキャバ嬢に貢ぐおっさんそのものだ。
阿部サダヲの演技は必見。
あとおしゃれメッシュみたいな白髪はなんとかならなかったのか?
どうしてこんな母親になってしまったのか
子どもたちがひたすらかわいそう。
学校に行かせてあげたかった、いつもお腹いっぱい食べさせてあげたかった、いい匂いの清潔な服を着せてあげたかった。
どうしてこんなモンスターみたいな人になってしまったのか、そして、その人が母親になってしまったのか、そっちの方が知りたいです。
毒母と息子の悲しい《共依存》
2020年公開。監督・脚本:大森立嗣
実際に起きた「少年による祖父母殺害事件」に着想を得た映画です。
長澤まさみが、この映画で演じた母親に“1ミリの共感も持てない”
そうキッパリと話してました。
怠惰で男にだらしなく、それでいて男と長続きしない母親の秋子(長澤まさみ)
親から金をくすめる事しか考えない。
自分では息子の周平(奥平大兼)を愛してるつもりでも、親に金の無心するために息子を利用している。
無断で金を漁ることもたびたびで、父親から愛想を尽かされて、
ついには実家から絶縁されて更に孤立して生活は困窮する。
秋子と言う女・・・腹が立って仕方がなかった。
愛情・・・(男にも・・・子供にも・・・親にも・・・)
一度でも持ったことがあるのだろうか?
怠け者で働かない。パチンコ狂い。
放浪癖がある。
計画性がない・・・
全てが行き当たりばったり。
長澤まさみは1ミリも共感の持てない母親・秋子を熱演。
人から嫌悪感を持たれる秋子からは、好感度ナンバーワンの女優の顔は1ミリも見られなかった。
新境地を自らの演技で切り開いた。
いくら常識を否定して社会にバリアを張っても子供を護れない。
薄汚れた洋服をダラダラと引きずり、締まりのない体型でドタドタ歩く。
小狡くて頑なな態度。
福祉事務所の女性の好意にも、周平を盗られると拒絶する。
子供を自分の所有物だと勘違いしている。
こんな母親でも愛情を持っていて言いなりの周平。
周平もまた母親を否定したら居場所がないと思い込んでいる。
悲しい《共依存》
周平が哀れでならない。
秋子が心の底から憎たらしかった。
貧困や虐待・ネグレストに自分はどう向き合うか?
目の前にこの母子が孤立して道端に寝ていたら、手を差し伸べるだろうか?
きっと、関わりたくないと思う。
見て見ぬふりをすると思う。
母親と息子を引き離してさえいたら?
周平の諦めきった正気のない瞳が、切なかった。
過去鑑賞
同じ母としてはなんとも言えない感情が湧く映画
共依存とは怖い。最後まで母親を好きと言う息子。君には違う生き方があるよって伝えたい。歪んではいるが母親にも愛がある。愛ってなんだろう、親子ってなんだろうって考えさせられる作品。
でも、子供は親の所有物ではなく分身でもなく親が好きにしていいことではないと自分の子育てに考えさせられるものがあった。
現実なのだろうが・・・・
母親と子供関係をこのような形で描く。これは事実の断片、分かってはいる。この星はこの作品に対してではない、この現実に対してだ。母と子の本質をこのような形で描く必要があるのだろうか?
極限設定で母親の存在に迫る
これほど心に響く作品だとは想像していなかった。本作は、屈折してはいるが断ち切ることができない母親と息子の絆を赤裸々に描いた衝撃作である。否、絆という綺麗な表現ではなく、業という生々しい表現の方が本作のイメージには相応しいだろう。暗い、重い、救いがない、後味が悪いなど、の評価が多い作品だが、宣伝パンフレットに映し出されていた母子の姿を見た時、母親の異常さは理解できたが、気になったのは、息子の表情である。正常、異常という範疇ではなく、内に秘めたる何かを持っていると感じたので、百聞は一見に如かずということで鑑賞した。
シングルマザーの秋子(長澤まさみ)は金にも男にもだらしなく、自堕落な生活をしていた。息子の周平(奥平大兼)は秋子に頼るしか術がなく、秋子の理不尽な要求に戸惑い、矛盾を感じながらも、秋子の要求に応えていく。そんな母子はどんどん追い詰められていく。親兄弟から見放され、社会的に孤立していく。やがて、周平が17歳になった時、母子は破滅寸前状態にあり、常軌を逸した秋子の提案に周平は・・・。
秋子役の長澤まさみの成り切り度が完璧である。演技というよりは秋子が憑依しているかのようだ。従来の役柄のイメージをかなぐり捨てて、従来とは真逆の汚れ役に挑む意気込みと覚悟を感じる。役者としての新境地を開いた感がある。
息子・周平役の奥平大兼は、寡黙で表情の演技を求められる難役を生真面目な演技で好演している。眼の表情に息子の母親への秘めた想いが宿っている。
周平は寡黙であり、自分の想いを主張することは稀であったが、ラストシーンでの周平の台詞は、力強い自己主張である。救いの言葉である。本作のメッセージである。周平が秋子を慕う理由はただ一つ。秋子が母親だからである。周平にとって秋子は唯一無二の母親という存在だからである。本作は、極限の母親・秋子を登場させることによって、子供にとって母親の存在とは何かを鋭く問題提起している。
重い
さすが怪物長澤まさみ
上手すぎでした。
しいて言うなら、息子、小学校も出てないならもっともっとたどたどしさや言語のおぼつかなさがあるのかな?なんて想像しちゃいました。
まあ、頑張ってきたんだろうけど。
『誰も知らない』を彷彿とさせるネグレクト作品
母親と長男がメインのネグレクト系のお話しで
誰も知らないを思い出した
ずーっと母はそばに居るけど
息子を利用し続ける点では
こちらの方が重い生き地獄の様な。
母をどうしても裏切れない息子
それをわかっていながら
お金のために手下の様に利用する母
『私の産んだ子なの、どう育てても私の勝手でしょ。』
すぐ女をだして何とかしよう
という感じも気持ち悪いし
そういうの見て育った子供ってほんとにトラウマ。
息子が初恋をしたタイミングで
また母を選ぶことになりその場を立ち去る…
もどかしいけど、凄くわかる。
どんな親でも親なんだよなぁ。
はらわた煮えくり返るくらい嫌でも
どうにかしないと、そばにいてあげないとが勝ってしまう
この気持ちはなんと言うのかな…語彙力が(´・_・`)
味のある阿部サダヲさんはムカつくし
長澤まさみさんのクズ演技が上手すぎて
ほんとになんとも言えない胸糞最高作品!!!
(こういう作品は考えさせられるので好き)
タバコを1回で付けられないシーンとか
細部のリアリティさが◎
終わりは凄く心がモヤっとするけど
タイトル的にはなるほどな『MOTHER』
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