行き止まりの世界に生まれて

劇場公開日

行き止まりの世界に生まれて

Check-inCheck-in機能とは?

Check-in機能を使うにはログインが必要です。

新規会員登録

0/120文字

(連携設定はこちら

解説

閉塞感に満ちた小さな町で必死にもがく若者3人の12年間を描き、第91回アカデミー賞長編ドキュメンタリー部門にノミネートされた作品。かつて栄えていた産業が衰退し、アメリカの繁栄から取り残された「ラストベルト(錆びついた工業地帯)」に位置するイリノイ州ロックフォード。キアー、ザック、ビンの3人は、それぞれ貧しく暴力的な家庭から逃れるようにスケートボードに熱中していく。スケート仲間は彼らにとって唯一の居場所であり、もうひとつの家族だった。そんな彼らも成長するにつれ様々な現実に直面し、少しずつ道を違えていく。低賃金の仕事を始めたキアー、父親になったザック、そして映画監督になったビン。幼い頃からスケートビデオを撮りためてきたビンのカメラは、明るく見える3人の悲惨な過去や葛藤、思わぬ一面を浮かび上がらせていく。そんな彼らの姿を通して、親子、男女、貧困、人種といった様々な分断を見つめ、アメリカの知られざる現実を映し出す。

2018年製作/93分/G/アメリカ
原題:Minding the Gap
配給:ビターズ・エンド

オフィシャルサイト

スタッフ・キャスト

全てのスタッフ・キャストを見る

受賞歴

第91回 アカデミー賞(2019年)

ノミネート

長編ドキュメンタリー賞  
詳細情報を表示

U-NEXTで関連作を観る

映画見放題作品数 NO.1(※)! まずは31日無料トライアル

※GEM Partners調べ/2021年10月|Powered By U-NEXT

関連ニュース

関連ニュースをもっと読む

映画評論

フォトギャラリー

  • 画像1
  • 画像2
  • 画像3
  • 画像4
  • 画像5
  • 画像6
  • 画像7
  • 画像8
  • 画像9
  • 画像10

(C)2018 Minding the Gap LLC. All Rights Reserved.

映画レビュー

5.0スケボーはコントロール

2020年9月29日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

ロストベルトの街で、貧困と暴力が日常の家庭でそだった3人のスケーターたちのドキュメンタリー。理不尽な理由で暴力を振るわれた3人の少年たちは、居場所をストリートに求め、スケートボードに明け暮れる。監督自身も登場人物の一人でスケーターだ。彼は、スケートボードを通して、自分の痛みに対してのコントロール感覚を取り戻していったと語っている。登場人物の一人は、「スケボーはコントロールだ、細部までコントロールできないとイカれた世界でマトモじゃいられない」と言う。自分がコントロールを間違えば転んで痛みを得る、コントロールに成功すれば痛みはない。親からの暴力は自分でコントロールできない理不尽なものだ。だから、彼らはストリートで自分たちの試行錯誤によって得た痛みを通して人生をコントロールすることを学んだ。
彼らの置かれた状況は厳しい。それでも、自分で人生をコントロールする意思を捨てずに、希望を掴んでいく。アメリカの今を切り取る最上級の青春映画だ。

コメントする (コメント数 0 件)
共感した! (共感した人 8 件)
杉本穂高

3.5この12年、スケボーを滑走させ大人になりゆく少年たちの姿を見つめた秀作ドキュメンタリー

2020年8月26日
PCから投稿

賞レースでも話題になったドキュメンタリー。その冒頭、まるでスケートボード映画が始まったように思えた私だが、描写を重ねるごとに、これがスケボーカルチャーを視座に、少年たちの成長や社会の変移に焦点をあてたクロニクルであることに納得がいった。そもそもスケボーは低所得者層の多い地域でも若者の間で広く根付き、彼らが絆を深めるきっかけとなりうる文化。個々のグループにはハンディカムで自分たちの技を記録する撮影担当もいたりして、こうやって残された映像記録が本作を構成する重要な素材となっている。あの頃、各々のメンバーは一体どんな家庭の悩みや問題を抱えていたのか。そして今、どんな思いを抱えて歳を重ねているのか。産業の錆び付いた故郷へ思いを馳せながら、かつてスケボーを走らせハンディカムを手にしていた映画監督がエモーショナルに紡ぎだす自分たちの記録。彼らに寄り添いながらこの10年の月日を共に噛みしめる自分がいた。

コメントする
共感した! (共感した人 6 件)
牛津厚信

3.5監督が体を張ったドキュメンタリー

2020年8月26日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

舞台となるイリノイ州ロックフォードは、かなりやさぐれた街です。その街で、スケボーが大好きで、スケボーで繋がる近隣の貧しい青年たちの、青春と友情と家族とDVを赤裸々に記録したドキュメンタリー。2019年のオスカー候補になっています。白人、黒人、アジア人(本作の監督)と、人種の異なる3つの貧困家庭の青年が主人公で、当初、監督の友人たち(白人1名と黒人1名)がおもな被写体となって展開します。ところがある瞬間、監督が自らと自らの家族にカメラを向け、「自分ごと」として語り始める。この瞬間から、作品に深みが増大します。3人の関係はフラットになり、見る者の共感も強くなっていくのです。やはりドキュメンタリー監督は、体張んないといい映画撮れないよねってことでしょうか。

コメントする (コメント数 0 件)
共感した! (共感した人 7 件)
駒井尚文(映画.com編集長)

4.5環境と人となり

津次郎さん
2022年5月18日
PCから投稿

人は環境によってつくられる。
が、それには幾つかの意味がある。

(基本的に)安定した国の中産階級に生まれると衣食住が与えられ教育がほどこされ、それなりにいい子に育つ。

ここに出てくる三人は不安定な経済圏の貧しい家庭に生まれている。
監督でもあるビンは中国で生まれ5歳でアメリカに渡り14歳で母親が再婚し米市民権を得たものの、継父から人種差別と虐待をうけながら育った。他の二人も家庭内暴力と貧困の毒の中で育った。
ひどい環境に育った彼らはひどい大人になっただろうか。──ならなかった。

じぶんは日本で貧しくない親のもとに生まれた。まあまあな教育もうけた。まっとうな大人になっただろうか。そうであってほしいが、おそらくザックやキアやビンよりもヒューマニティや生活力が脆弱ではないか──と思う。

いい環境で人はいい子に育つ。だがそんな凪(なぎ)の中で育った彼/彼女に人生のダイナミズムはない。(凪=無風でおだやかなこと)
ビンがこのドキュメンタリーを撮った2018年、彼はまだ30歳に達していなかった。おそらく30歳に達していない日本人はこんな熱い人生訓に満ちたドキュメンタリーをつくることはできない。

(たとえば)豊かなバブル期をなんの不自由もなく生き、なんにも無かったことを書いた小説/映画ボクたちはみんな大人になれなかったの作者はこの映画の三人よりもずっと年上である。そこに人生訓はなく物語は何者でもない自分を発見した──と結論する。
(牽強付会な対比だが、かれらとわたしたちがその生活環境から享受しうるダイナミズムの格差を言いたかった。)

もちろん、ザックもキアもビンも、まっとうに育ったのは偶然だった。本来ならばグレて犯罪者かアル中か与太者か野垂れ死ぬか──になるのがその地方の低層の現実だった。
だが三人はスケートボードを見つけた。そこで鬱憤を晴らし、そこに逃避しながら、世界と大人たちを反面教師にしたことによって「いい環境で育ったいい子」以上のヒューマニティと生活力を勝ち得た──のだった。

このようなことはしばしば起こり得る。すなわち、ひどい環境が反面教師となるとき、人はいい環境で育つ以上の成長をする──ことがある。だがそれは一種の奇跡のようなものだ。映画にはその輝きがある。トマトメーターでも冷評ゼロ、100%だった。

ところで、いい環境なのにわるい大人に育ったひとたちもいる。そんな輩がいちばんやっかいではなかろうか。きょうび、ほとんど総ての犯罪のニュースでやったやつが「やってません」とか「しりません」とか言う。(むろん彼らがどんな環境で育ったか知らないが雑感として普通の人間が卑劣なことが日常化した)
もはや日本人クズすぎ。

じぶんがアート系シアターのコーディネーターだったらボクたちはみんな大人になれなかったとこれMinding the Gapを同時上映したい。

コメントする
共感した! (共感した人 0 件)
津次郎
すべての映画レビューを見る(全55件)
関連DVD・ブルーレイ情報をもっと見る

他のユーザーは「行き止まりの世界に生まれて」以外にこんな作品をCheck-inしています。