TENET テネットのレビュー・感想・評価
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ノーランの妥協なき映像的探究は、“映画の再発明”の域へ
ノーランは過去作で常に時間をテーマにしてきたと語られるが、ただ単に時間をいじってきたわけではない。一貫していたのは、映画内で流れる時間をコントロールし、その映像によって喚起される観客の感覚や思考を開拓、刷新していくことだった。
“映画内の時間”と映像に関して「TENET テネット」と最も関連があるのは「メメント」だ。冒頭、主人公が銃を撃つショットが逆再生され、床の空薬莢が跳ね上がり銃身に収まる描写がある。同作は10分しか保てない男の記憶を観客に疑似体験させるため、短いシークエンスを時間軸と逆に構成。それを最初に示唆する仕掛けとしての冒頭場面だったが、この逆再生による人や物の動きにセンス・オブ・ワンダーを感じ、「TENET テネット」に発展させたと考えられる。
逆再生自体は目新しくもないが、SF設定で時間を順行する者と逆行する者が同時に存在し、格闘や戦闘さえ行うという、前代未聞のアクション場面(CGを極力使わず、リバース動作の演技と逆再生映像を巧みに編集)を生み出した。人が目にするものを映像で再現する、編集によって時間を操作する(時間を飛ばしたり、過去に戻ったり)という映画黎明期の発明を、さらに進化させて新たな知的刺激をもたらす本作は、映画の再発明と評したい偉業だ。
ノーラン流の「007映画」への落とし前
クリストファー・ノーランにはかねてから「007映画」を撮りたいらしいという噂があった。しかしその際、彼ははっきりとこう言ってきた。「もし、作るなら新たな解釈で自分らしい作品である必要がある」と。確かに、「テネット」は主人公のエージェントが第3次世界大戦も引き起こしかねない未知のツールを所有する悪漢の野望を挫くべく世界中を行脚し、ロケーション映画の楽しさを満喫させつつ、途中で謎めいた美女と接触するという、もろ「007映画」のルーティンを踏襲はしている。が、扱うのが時間の前進と逆行が同時に起こるという誰も描いことがない(多分)世界観だ。このとんでもない映画を観て、バーバラ・ブロッコリーとマイケル・G・ウィルソン(「007映画のプロデューサー・コンビ)は胸を撫で下ろしているに違いない。「やっぱりノーランに頼まなくてよかった」と。劇中での白眉は、何と言っても前進と逆行が入り乱れるハイウェイでのカーチェイスシーンだと思う。それは、かつて「007映画」が手を変え品を変え投入してきた肝入りのカーチェイスシーンに対する、ノーラン流の落とし前、と僕は解釈した。他にも、人間の知覚と視覚を上回る理論の応酬が全編を埋め尽くすが、個人的に最も驚愕したのは、エリザベス・デビッキ演じる悪漢の妻、キャットが、191センチのボディにハイウエストのスーツを着て、I MAXスクリーンの上下ギリギリ(言い過ぎかもしれないがそう感じた)で闊歩する場面。それは、理論を超えた人間の超自然を表現していて、思わず仰け反ってしまったのだった。
興奮と混乱が一気に押し寄せた
興奮と混乱が一気に押し寄せた。私はまだ多くを理解できていないし、理解という呪縛から解き放たれてもいない。ただ、こんな映画は初めて。それだけは断言できる。長らく時間との格闘を続けてきたノーランだが、さながら本作は「007」に時間の概念を掛け合わせた怪作と呼ぶべきか。主人公、宿敵、ファムファタール、マクガフィンと全ての立ち位置は明確なのに、この映画は決して線形に進まない。そこが厄介だ。そもそも我々にとって「時間軸」とは、ストーリーから振り落とされないための安全ベルトのようなもの。この固定観念のネジをちょっと緩めただけで、こんなに慌てふためく自分がいる。来るべき新時代の映画はかくも容赦なく進化していくのだろうか。その意味で本作は革命であり、パンドラの箱。少なくとも、たった一度見ただけではスタート地点に立ったに過ぎない。真の冒険は、起こるべきことを把握した上での、二度目以降に始まるのかもしれない。
時間の順行しか許されない映画館フォーマット
もうここまで来ると、ノーランは「映画」という概念すらブッ壊すつもりなんじゃないかとすら思う。IMAXカメラでの撮影にこだわって劇場体験を半ば強要する一方で、その難解さは繰り返し観られる配信視聴向きとくる。もちろん、本物志向のアクションはスクリーンや音響施設が良いほどにその威力を増すし、“これぞ映画体験”と感動させてくれる。でも一方で、“そこちょっとよくわからなかったからもう一度見せて!”と映画館フォーマットでは叶わない欲求にジレンマを抑えられない。時間の逆行という新しい世界の可能性を描きながら、われわれ観客は時間の順行しか許されない映画館フォーマットの限界にイライラさせられるというわけだ。そうなると、決まった時間、決められた椅子に縛り付けられる映画館フォーマットって果たしてベストなんだっけ?という疑問すらわいてくるのだが、果たしてノーランはそのへんどう考えているのだろうか。
“巨匠感”を感じさせる大スケール映像と大風呂敷のSFストーリーによる怒濤の展開
「ダークナイト」以降、IMAXカメラ撮影による大スケール映像とCGに頼らないクラシックな絵作りで、なんてことない場面でも“巨匠感”を感じさせる大作を送りだしてきた、クリストファー・ノーラン監督。
本作では、「インターステラー」以上に大風呂敷を広げたSFストーリーが繰り広げられます。過去作上映に参加した人は再見(カットが追加されていて、微妙に違いますが)となる冒頭のオペラハウスのシーン以降、スパイ映画のような潜入シーンが続き、中盤のあるポイントからこの映画の真骨頂といえる怒濤の展開が待っています。ある理由で死んだ目をしているヒロイン(?)のエリザベス・デビッキの存在感も印象に残りました。
IMAXフルサイズ(画面比率1.43:1)の絵力と、普通の会話シーンでもグワーンと大きな通低音が鳴る大音響で、2時間半があっという間でした。幾つか確認したいところがあったので、近いうちに見直す予定です。
視覚と概念の両面から「人間の脳の限界」に挑んでくるクリストファー・ノーラン監督の集大成的な作品。
初期の頃から「凝った作品」を作ることで、これまでになかった体験を観客にさせることに心血を注いできたクリストファー・ノーラン監督。
しかも、これだけCG全盛時代になっても、あくまでリアルに拘り、必要とあらばビルも本当に爆破しますし、本作「TENET テネット」ではボーイング747を購入して爆破しています。
本作はクリストファー・ノーラン監督作で最高の製作費となっていますが、それでも、購入したボーイング747は、事前にエンジン部分を取り除いて売却するなどして、意外とコストパフォーマンスは考えられているのです。
本作ではこれまでと同様に内容をとことん考え、遂に設定が「時間の逆回転」にまで行っています。しかも、これは「ドラえもん」のタイムマシンといったレベルの話ではなく、キチンと物理学的な考察を行なっていて、「時間の逆回転」をした場合に、人間は酸素を吸うことができるのか、等も考えられています。
クリストファー・ノーラン監督念願の初のスパイ映画というだけあり、撮影が7か国も飛び回るなど展開が速くなります。
そしてリアリティーのある「時間の逆回転」という概念に思考が追い付かなくなったり、視覚的にも「順行するもの」と「逆行するもの」が行き交ったりと、ここでも思考の混乱が出ます。
このように、視覚と概念の両面から「人間の脳の限界」に挑んでくるのです!
細かいトリックを含めると平均的には100個くらいは気付けない部分が出てくるのかもしれません。
ただ、不思議と2回目を見ると理解度が上がったりと、謎解きができてきて知的なエンターテインメント作品として成立することが分かってきます。それは、まさに名作「インセプション」や「インターステラー」と同様に。
とは言え、今回の「TENET テネット」は、少し難易度が高いのかもしれません。私は、本作がクリストファー・ノーラン監督の集大成的な作品で、これが「多くの人たちが楽しめるエンターテインメントのピークのライン」だと思っています。
本作によって「時間のトリック」の限界にまで到達したと思われるクリストファー・ノーラン監督が、次に挑むのはどんなジャンルなのか、今から楽しみになってきます。
ノーランパイセン パネぇっす
映画作ってる時に
ノーラン以外全員が何やってるのか理解してない状態で
撮影されてたって話だけど
まんまやな 本当のラストはラストのちょっと前とか
なんなん
行って帰ってまた行っテネット
時間と空間をひん曲げるのが大好きなノーランが、またまた色々ひん曲げた!
時間を切ってつなげて早回しからの逆回し、まるでDJがターンテーブルこねくるように映像がグリグリ自在に動きます。
【ストーリー】
主人公は名もなきアメリカ人。
CIA局員の彼は、不屈の闘志で核物質の拡散を防ぐべく奔走する。
その影にロシアマフィアがいると知った彼は、その妻に接触するが。
彼に世界を救えと命じたのは誰なのか。
彼は世界を救えるのか。
未来から時間軸を遡って別の人類がやってくるというネタはバリントン・J・ベイリーの「時間衝突」にも出てきましたが、それをもっとミニマムに、映像を使って生々しくやるのがノーラン節。
ラストに伏線がスコスコ回収されてゆくあのアハ感を、みんなに楽しませてくれます。
ぼんやり観る
ぼんやり観るくらいが良いのかなぁ
数年後にまた観たいと思う
不思議な時間体験
ノーラン監督、いつも難解な映画作品ありがとうございます。大好きです。
挿入部から分かる主人公のペルソナ設定。
時間を逆転させる発想と、そのイメージを現代で具現化するとその表現になるんかー、ってまさに異次元のSF映画でした。
最後の伏線回収も感無量。ただ、やっぱり、、
難しい。泣
随分と手の込んだ意外性も有るストーリー展開で感心させられるが、感動には結びつかない
ノーラン監督による2020年製作のアメリカ映画、原題:Tenet、配給:ワーナー・ブラザース映画。
過去と未来の同一人物が一映像内に共存し、何が起きているか理解するのが非常に難しかった。結局3回目鑑賞でようやく、主人公(ジョン・デビッド・ワシントン)やニールの生き方が何ともカッコ良い映画との印象を覚えた。ただインターステラーの様な「愛」が登場しなかったせいか感心はさせられたが、残念ながら感動は全ての視聴であまり覚えなかった。
とは言え、済んでしまったことは仕方がないと割り切るが、自らの死をおそらく知りながら、未来の主人公と出会い暗い未来を変えようと今を懸命に闘うニール(ロバート・パティンソンが好演)の姿には、ノーランの主張したい様に思える、一人一人のこの世界の主人公としての人類の未来への真摯な今の対応、と絡んでくるせいか、ぐっとくるものがあった。
007映画の方向性での迫力を追求してか、本物のジェット戦闘機まで登場させ建物にぶつけて炎上させる演出には驚かされたが、スピード感に乏しいせいか自分の感性的にはあまり迫力がある映像にはなっておらず、勿体ないと思ってしまった。また悪役セイター(ケネス・ブラナー)を妻(エリザベス・デビッキ)が撃ち殺し海へ投げ込むシーンでの海へ落ちていく人間の人形感もいただけなかった。
過去の自分との格闘や、逆走車とのカーチェイス、逆向きに進む戦争破壊シーン、実はこういった映像を見せたいがための映画だった気もするが、見ている方は目新しいアイデアと感心はするものの、従来のノーラン監督らしい映像の美しさには欠け、あまり心は動かされなかった。随分と手の込んだ脚本で、謎解きの魅力は確かにあり(ただ見逃しがあるかもしれないが、セイターを殺しても世界が破滅にならなかった理由付けがクリアとなっていない気がしている)、イントロ映像のスピード感、主人公を助ける謎の人物提示とそのソリューション、及びヒロイン(デビッキ)による夫殺しや主人公によるヒロインの命救済物語の意外性は見事ではあったが。
監督クリストファー・ノーラン、製作エマ・トーマス、クリストファー・ノーラン、製作総指揮トーマス・ヘイスリップ、脚本クリストファー・ノーラン、撮影ホイテ・バン・ホイテマ、美術ネイサン・クロウリー、衣装ジェフリー・カーランド、編集ジェニファー・レイム、音楽ルドウィグ・ゴランソン、主題歌トラビス・スコット、視覚効果監修アンドリュー・ジャクソン。
出演ジョン・デビッド・ワシントン(名もなき男)、ロバート・パティンソン(ニール)、
エリザベス・デビッキ(キャット)、ケネス・ブラナー(セイター)、ディンプル・カパディア(プリヤ)、アーロン・テイラー=ジョンソン(アイヴス)、ヒメーシュ・パテル(マヒア)、クレマンス・ポエジー(バーバラ)、マイケル・ケイン(クロスビー)。
順行と逆行の交叉
役者さんたちがインタビューで、撮影が終わってもどんな作品になるのか判らなくて試写でようやく理解できたと話していた。脚本だけ読んでも状況が不明だろうし、順行と逆行の撮影は何をやらされているか理解し難かったであろうことは想像に難くない。
本作の素晴らしいところは順行と逆行が交叉するシーンの撮影にあろう。これらのシーンの構成と撮影方法の考案にどれだけのカロリーが費やされたのか。実際の撮影にどれだけの困難があったか。考えるだけで頭が沸きそうだ。
交叉シーンをみてスゲーと満足出来る人にとっては評価の高い映画だが、交叉シーンが凄くないと仮定すると、他の要素は総じて大人しめなのは否めない。映画好きの玄人ほど評価が高いのはそのためだろう。
面白くないと思った人も今は配信があるので複数回見てみて欲しい。順行と逆行の交叉シーンが頭の中でカチっと嵌まる瞬間がくれば、脳内で色んなモノがドバドバ溢れて映画の評価が変わるはず。
クリストファー・ノーラン、時空を操る
クリストファー・ノーランの作品は、時空をゆがめたりすることが多い気がするんですが、これはその極めつけ。
ストーリー自体は、『世界を危機に陥れる危険な武器の除去を目指す』という、言ってしまえば数多あるストーリーなんだけど、そこに時間の逆行という軸が入ってしまうと、少しややこしい。画ずらがね、逆行しているので、混乱してしまうんですよねぇ。“ええっ??どーゆーこと?”ってね。
特に終盤のクライマックス、その傾向が強いです。まぁ、クライマックスなので、話を解決?にもっていくために、そこまで謎にされてきたことが解き明かされたりするんですが、それはそれで、逆に言うと謎を生んだりしています。
いやぁ、映画は娯楽作品なので、もうちょっと気楽にみられる作品にしてほしいですねwww。なので、評価の採点は、申し訳ないけど低めですm(__)m
映像を楽しめば
ストーリーと映像素晴らしい
難しく考えると失敗する映画
2回この映画を視聴したが2回目で気付いたのは難しく考えないことである。
細かいことを考えるから混乱するのである。
主人公だけの視点でずっと見てみれば、マシンに入るたびに時間を折り返して進んでいると考えればいいのだ。逆行している時の行動は本人の意思より既に決まった結果を辿るように動くため、そこも混乱する要因なのだろう。逆行中の主人公の行動は順行していたときの主人公が観測していた行動を踏んでいるのであり、例えば、逆行中に車で前に進むのではなく、順行中に後向きに進んでいた車を、時間を逆行することで逆の方向(逆行中視点から見た前向き)に進むことになる。
あくまで物語の核心は通常の時間の流れの中で生きた人物たちが観測した出来事であるため、時間が逆向きに流れるシーンで混乱をきたすのである。
ここさえ理解すればあとは映像美に優る映画ときて鑑賞することができる。
SF映画では時間の流れについては触れるものは少ない。時間を巻き戻し終わり、その後、昔の時点から時間を進むものはがりである。そういった中でこの映画はある意味革新的とも言える題材を扱ったのである。
過去からの贈り物
よく分からないから後でもう一回見ようという思いと、
どうせ分かっても面白さは変わらないから純粋に楽しもうという思いが、
共存して最終的に、分からなくても面白かったよ。
という映画でした。
未来人が過去に送ったテクノロジーにより、
それを受け取った現代人がそれを活用する。
その結果過去が変わり、未来ではそのテクノロジーは生まれない。
というような、めんどくさいタイムパラドックス理論を
言わせない力強さがこの映画にはある。
それは、
赤と青の色分け、
回転ドア、網入りガラスでの界壁、
酸素ボンベマスク・・・
など
複雑化したシナリオに
記号としての分かりやすさを用いりながらも、
あえてカメラワークや時間軸をずらし、
観客を混乱させるという
ノーラン監督の巧さとズルさも影響している。
そしてこの映画でヒシヒシと伝わってくるメッセージが
「今」の重要性。
先日、こんなことがあった。
10年ほど前に買った未読の本を開くと、
間に1万円札が挟まっていた。
ふと、思い出した。たしか10万円ほどのあぶく銭があったとき、
家のあちこちに1万円札を隠した。
過去のオレから未来のオレへの贈り物。
記憶をたどり、もう3万円見つけたところで探すのをやめた。
得しているのか損しているのか分からない、この贈り物。
未来は過去の結果でしかなく、
その刹那、現在はすでに過去になっていく。
それでも確実に現在は前に進み続けるから、
重要なのは「今」なのだ。
と、2020年の大変な世の中で上映を決意した
ノーラン監督(を含む関係者)を称賛したい。
いまいち分かりずらい
面白いとは思うけど時間の逆行と進行が複雑すぎて考えながらの鑑賞でスッキリしない。
アクション映画じゃないジャンルなら良かったのに。
時間の逆行
難解だと評判になったクリストファー・ノーラン監督作。
SFアクション大作で、プルトニウムを使用して、
「第三次世界大戦」を目論む悪徳武器商人の企みを阻止する話し。
まぁストーリーより列車が逆走する最初のシーンから、
カーチェイス、人も後ろ歩きしたり、「時間の逆行」のアイデアが
奇抜で驚かされる。
『メメント』『インターステラー』『インセプション』『ダンケルク』と、
ノーラン監督の作品はどれも時間と関係が深い。
本作は『時間の逆行』のアイデアではじめから最後まで一貫して
押し切っている。
なんだか書いていても訳が分からなくなって来た。
「何故、名も無き男は、過去と現在を行き来しなければならないのだろう?」
「過去を書き換えるため?」
「そもそも、名も無き男は、何故過去へ行ったのだろう?」
これは、名も無き男の意図ではなく、監督のこの映画のコンセプトだから?
「過去や現在を行き来したから、第三次世界大戦を阻止できたのか?」
「過去へ逆行せずには出来ないことだったのか?」
様々な疑問が湧く。
私は何も分かっていない。
イヤ、そんなことは、どうでも良いのかもしれない。
兎も角、ノーラン監督は
逆走する列車や、
逆走する車のカーチェイスがやりたかったんだ!
疑問・・・過去へ行く時のマスクは何のために必要だったのだろう?
(なんか言ってた気がするが思い出せない)
(・・・言葉も逆再生の様に聞こえる。そのため酸素が吸えなくなるので、
(・・・マスクをする・・・ネタバレ解説・・・)
TENETに戻ろう。
悪役はロシア人らしき武器商人のケネス・ブラナー。
結婚生活の破綻している夫婦で、妻は191センチの長身の
エリザベス・デビッキ。
ノーラン監督は最初からデビッキをヒロインに決めていて、
当て書きだったそうな。
その長い足は、クルーズ船から海へ飛び込むシーンやら、
途中、彼女が車の後部座席に縛られていて、車は走っている・・・
車を止めようと長い足でハンドルを操作しようとするも叶わず、
名も無き男(ジョン・デヴィッド・ワシントン)が併走する車から
横っ飛び乗ってブレーキを手で踏むのだが・・・
中々面白いシーンではあった。
ボーイングのエアバスが爆破されたり、本物だと言うから
贅沢な話である。
本物志向が強くCGの嫌いな監督は、
カーチェイスの逆行も、逆行しながら揉み合う格闘シーンも
実際にやったらしいから、スタントマンもキャストも
大変な撮影だった思う。
終盤のプルトニウム奪還大作戦!
この戦いは、「挟み撃ち攻撃」と名付けられる。
タイムリミットを10分先に設定する「赤チーム=前進」と、
タイムリミットを10分前に設定する「青チーム=逆行」の、
2手に分かれて戦う!!
地雷の煙が地面に吸い込まれたり奇妙なものだったが、
大迫力のクライマックス・シーンだ。
(編集によって時間を操作する)
(現在時間を飛ばて早送りしたり、過去を巻き戻してつなげる)
ラストでニール(ロバート・パティソン)と
名も無き男(ジョン・デヴィッド・ワシントン)の、
ホントの主従関係が明らかになる。
キャットと名も無き男に流れてみえた「愛」のようなもの。
・・・それは観客の錯覚に過ぎなかったのか?
過去にも現在にも未来にも、ノーランの世界は、
愛する女無き世界なのか?
返すためのどんでんを作りこんでみた
言うまでもなく映像やお話も面白いからこそ気になること。
言葉のまま"舞台転換"することで逆さに見ることもで出来ます。まさにどんでん返しがおきますが、そこが。
順行時も、どんでんのピースになる"逆行の挙動"が、不自然な伏線と逆再生の答えを繰り返して襲ってきます。"逆行"のルールは教えて貰ってるので、脳みその中でだけ"逆行"させて、不自然についての解釈を繰り返していきます。物語もスパイ映画の速度進行するため振り落とされないようにしなければいけず、分かったような分からんような。とモヤモヤが溜まっています。
そのモヤモヤが溜まりに溜まって、どんでん返し!さぞすっきりと色々分かるのだろうーと期待してると肩透かしを食らいます。逆再生しても、分かったような分からん。違う視点が見えてくるのは良いですが、見えた視点がクリアになるとは言っていない。何度も視聴すると面白いというのはまさに、その細かいピースが繋がっていくのでしょうね。ただ、それ面白い?というのが率直の感想。
脳みその負荷の原因の大半は、映像美です。変換(デコード)コストです。どちらに再生しても、順行と逆行が入り乱れてるため、単純に分かりづらい。もちろん、すごく真面目に嘘を組み立ててると映像と感覚では分かるのですが、泥臭さ節が微妙。スパイ映画でこのカッコ悪さは相性悪いよ。労力のわりにアイディア一発芸程度の感覚に襲われます。難解というよりは、混濁。
物語としては、よくよく考えれば何となくシンプルに決着されてるし、主人公に強烈な魅力があるわけでもありません。強いて言えば、主人公よりも、相棒サイドの視点で話を見てみたい感はあります。
映像美のしっちゃかめっちゃかを頭の中で整理したい人以外、引っ張る力が非常に弱い。なんだろう、すごく真面目に道筋を立てた風に見えるのに、なぜか魅力が弱い。最後は勢いで宇宙にぶん投げて放り投げちゃうのは監督の持ち味として飲み込むにしても、監督が魅せたいそれと、こちらのそれが折り合いつかない感は、過去作をさらに超えてきた。
私達の脳みそが理解しきれてないのかも?という意味ではいつもの作品。
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