劇場公開日 2020年9月18日

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「ノーラン流の「007映画」への落とし前」TENET テネット 清藤秀人さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0ノーラン流の「007映画」への落とし前

2020年9月26日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

クリストファー・ノーランにはかねてから「007映画」を撮りたいらしいという噂があった。しかしその際、彼ははっきりとこう言ってきた。「もし、作るなら新たな解釈で自分らしい作品である必要がある」と。確かに、「テネット」は主人公のエージェントが第3次世界大戦も引き起こしかねない未知のツールを所有する悪漢の野望を挫くべく世界中を行脚し、ロケーション映画の楽しさを満喫させつつ、途中で謎めいた美女と接触するという、もろ「007映画」のルーティンを踏襲はしている。が、扱うのが時間の前進と逆行が同時に起こるという誰も描いことがない(多分)世界観だ。このとんでもない映画を観て、バーバラ・ブロッコリーとマイケル・G・ウィルソン(「007映画のプロデューサー・コンビ)は胸を撫で下ろしているに違いない。「やっぱりノーランに頼まなくてよかった」と。劇中での白眉は、何と言っても前進と逆行が入り乱れるハイウェイでのカーチェイスシーンだと思う。それは、かつて「007映画」が手を変え品を変え投入してきた肝入りのカーチェイスシーンに対する、ノーラン流の落とし前、と僕は解釈した。他にも、人間の知覚と視覚を上回る理論の応酬が全編を埋め尽くすが、個人的に最も驚愕したのは、エリザベス・デビッキ演じる悪漢の妻、キャットが、191センチのボディにハイウエストのスーツを着て、I MAXスクリーンの上下ギリギリ(言い過ぎかもしれないがそう感じた)で闊歩する場面。それは、理論を超えた人間の超自然を表現していて、思わず仰け反ってしまったのだった。

清藤秀人
清藤秀人さんのコメント
2020年10月7日

ユマ・サーマン、ありですね。

清藤秀人
drunkenrider1さんのコメント
2020年10月7日

塩梅の良い名レビュー。
小生は日本刀を振り回す前のユマ・サーマンを思い出しました。

drunkenrider1
じきょうさんのコメント
2020年9月26日

上下ギリギリ(笑)

じきょう