失くした体

劇場公開日:

解説

2019年・第72回カンヌ国際映画祭批評家週間でグランプリを受賞し、世界最大のアニメ映画祭である第43回アヌシー国際アニメーション映画祭でも最高賞のクリスタル賞と観客賞をダブル受賞、第92回アカデミー賞の長編アニメーション賞にノミネートもされるなど高い評価を獲得したフランス製長編アニメーション。「アメリ」の脚本家としても知られるギョーム・ローランの小説「Happy Hand」を原作に、これまで主に短編作品を発表してきたジェレミー・クラパン監督が自身初の長編作品として手がけた。パリのとある医療施設から、切断された手が逃げ出す。再び自身の身体とつながりたい手は、身体の持ち主である孤独な青年ナウフェルを捜して、ネズミやハトに追いかけられながらも街をさまよう。手は、何かに触れるたびに記憶がよみがえっていき、ナウフェルの幼少期や、思いを寄せる図書館司書ガブリエルとの思い出が明らかになっていく。Netflixで2019年11月29日から配信。日本では配信に先立つ11月22日から、一部劇場にて公開。

2019年製作/81分/G/フランス
原題または英題:J'ai perdu mon corps
配給:Netflix
劇場公開日:2019年11月22日

スタッフ・キャスト

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受賞歴

第92回 アカデミー賞(2020年)

ノミネート

長編アニメーション賞  
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映画レビュー

2.5感想メモ

2024年3月15日
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ヒラめ

0.5『ぼくを探○に』

2023年1月24日
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マサシ

3.0右手首が魂を持つ物語。記憶と希望。

2022年8月10日
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鑑賞方法:VOD

悲しい

知的

幸せ

内容は、体と切り離された右手首とが再び出会うかもしれない場面を描いた言葉の少ない映像作品。右手首から見た過去映像や自分や主人公ナウフェルから見た過去の映像が重なり微妙な違いが複雑な感じを抱かせる。主人公がハエを🪰恐れているのではなく右手自信が恐れている🪰を見るシーンは👁上手い表現と共に怖かったです。その前の鳩🐦にもパンチありました。好きな言葉は『腕時計でも買いに行け!』ピザの配達員🍕ナウフェルの上司に仕事注意された時の言葉。それが最後の伏線になっているとは…キチンと抑える所を弁えてて凄い。起こる出来事が全て逆らえない運命の様に見え、結果右手首を落としてしまうが、最後はそれすらも乗り越え飛んでいくという希望と僅かな再生に向けたストーリー展開が素晴らしい。これほどの映像作品は流石フランス🇫🇷と言わざるを得ません。好きな場面は、右手首を落とした直後のナウフェルに出会え、付いていた体にくっつきそうで付かない奇跡は起こらない所です。それと主人公ナウフェルは、深く世の中に絶望した所にピザの宅配から知り合ったガブリエルに会い、ストーカー紛いな行動から彼女に近付く場面。初めての自分を気遣ってくれた人に好意を寄せる独りよがりな場面が見ていて、そう!これこれっ!って感じになりました。実際はこんな感じで不細工なモノです。まさにこの作品で出て来るガープの世界そのものです。右手首が1人歩く…ホラーな感じが緊張感を伴い随所に寂しさと恐怖を感じました。映画内で常に右手と主人公ナウフェルの心理が表現されているのは、微妙な映像表現は見落としがちですがよく見ると声にならない右手首の声が聞こえて来る様で面白い。右手のホクロ・右手に付く赤いペンキ・よってたかるハエ🪰・コップと間違われる右手首・右手の腕時計⌚️右手が見ていた世界がこうだったのかぁー!恐れ入りました。長編映像表現での良さが繊細に描かれて克明にカタルシスの解放へと誘われ最後は、細やかな笑いと再生が何とも苦い。大人の感じが楽しめるアニメでした。これが実写なら怖すぎて映像に集中出来ないしね。右手🫲の細かなら作画は意気込みを感じます。最後に右手首が病院冷蔵庫から逃げ出す事から始まり本体ナウフェルに会いにいく話の流れで冒険の途中様々に見るモノが本当は見てないのかもしれないと感じる所に面白さがあるのかもと感じました。右手首はあの事故を防ぎたかったのかもしれませんが、失う事で得るモノもある。体の一部は失くしたかもしれませんが強く生きる魂を得る事が出来た事は、分かりにくいかも知れませんが、二度見すると非常に面白い映画🎞でした。

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コバヤシマル

5.0岐路

2022年5月16日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

本作は手首が主人公という、異色の作品。
手首が自分の本体を探す旅路を描いた本作、なぜ手首とナオフェルを切り離して考えなければならないのかというと、手首が切断されてから両者が別人格になっていく過程がテーマだからだ。
『失くした体』これは、手首が体という存在を喪失する物語なのである。
しかし、本作の素晴らしいところは、その背景、ナオフェルの過去の表現や比喩にある。
●ターニングポイントで毎回登場するハエ。
これは悪魔ベルゼブブとして不運をもたらす。
●どん底の人生に突如舞い降りたガブリエル。
彼女はナオフェルの天使として描かれている。
宗教的背景をベースに世界観の質を向上させたり、鳩と主人公の何気ない絡みのシーンさえ、ナオフェルの不幸な事故のメタファーとして描くなど、細部への拘りに感心した。
登場するリアルなキャラクター、若者の理想と現実、そして挑戦や飛躍、泥臭くも完璧に描かれていると私は思った。
ネタばれになりますが、最後砂浜に残された手形にノスタルジーを感じました。
是非、皆さんにもこの素晴らしい1時間20分を体感してほしいです。

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針のむしろ