劇場公開日 2019年11月22日

失くした体のレビュー・感想・評価

全18件を表示

3.0右手首が魂を持つ物語。記憶と希望。

2022年8月10日
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鑑賞方法:VOD

悲しい

知的

幸せ

内容は、体と切り離された右手首とが再び出会うかもしれない場面を描いた言葉の少ない映像作品。右手首から見た過去映像や自分や主人公ナウフェルから見た過去の映像が重なり微妙な違いが複雑な感じを抱かせる。主人公がハエを🪰恐れているのではなく右手自信が恐れている🪰を見るシーンは👁上手い表現と共に怖かったです。その前の鳩🐦にもパンチありました。好きな言葉は『腕時計でも買いに行け!』ピザの配達員🍕ナウフェルの上司に仕事注意された時の言葉。それが最後の伏線になっているとは…キチンと抑える所を弁えてて凄い。起こる出来事が全て逆らえない運命の様に見え、結果右手首を落としてしまうが、最後はそれすらも乗り越え飛んでいくという希望と僅かな再生に向けたストーリー展開が素晴らしい。これほどの映像作品は流石フランス🇫🇷と言わざるを得ません。好きな場面は、右手首を落とした直後のナウフェルに出会え、付いていた体にくっつきそうで付かない奇跡は起こらない所です。それと主人公ナウフェルは、深く世の中に絶望した所にピザの宅配から知り合ったガブリエルに会い、ストーカー紛いな行動から彼女に近付く場面。初めての自分を気遣ってくれた人に好意を寄せる独りよがりな場面が見ていて、そう!これこれっ!って感じになりました。実際はこんな感じで不細工なモノです。まさにこの作品で出て来るガープの世界そのものです。右手首が1人歩く…ホラーな感じが緊張感を伴い随所に寂しさと恐怖を感じました。映画内で常に右手と主人公ナウフェルの心理が表現されているのは、微妙な映像表現は見落としがちですがよく見ると声にならない右手首の声が聞こえて来る様で面白い。右手のホクロ・右手に付く赤いペンキ・よってたかるハエ🪰・コップと間違われる右手首・右手の腕時計⌚️右手が見ていた世界がこうだったのかぁー!恐れ入りました。長編映像表現での良さが繊細に描かれて克明にカタルシスの解放へと誘われ最後は、細やかな笑いと再生が何とも苦い。大人の感じが楽しめるアニメでした。これが実写なら怖すぎて映像に集中出来ないしね。右手🫲の細かなら作画は意気込みを感じます。最後に右手首が病院冷蔵庫から逃げ出す事から始まり本体ナウフェルに会いにいく話の流れで冒険の途中様々に見るモノが本当は見てないのかもしれないと感じる所に面白さがあるのかもと感じました。右手首はあの事故を防ぎたかったのかもしれませんが、失う事で得るモノもある。体の一部は失くしたかもしれませんが強く生きる魂を得る事が出来た事は、分かりにくいかも知れませんが、二度見すると非常に面白い映画🎞でした。

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コバヤシマル

5.0岐路

2022年5月16日
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鑑賞方法:VOD

本作は手首が主人公という、異色の作品。
手首が自分の本体を探す旅路を描いた本作、なぜ手首とナオフェルを切り離して考えなければならないのかというと、手首が切断されてから両者が別人格になっていく過程がテーマだからだ。
『失くした体』これは、手首が体という存在を喪失する物語なのである。
しかし、本作の素晴らしいところは、その背景、ナオフェルの過去の表現や比喩にある。
●ターニングポイントで毎回登場するハエ。
これは悪魔ベルゼブブとして不運をもたらす。
●どん底の人生に突如舞い降りたガブリエル。
彼女はナオフェルの天使として描かれている。
宗教的背景をベースに世界観の質を向上させたり、鳩と主人公の何気ない絡みのシーンさえ、ナオフェルの不幸な事故のメタファーとして描くなど、細部への拘りに感心した。
登場するリアルなキャラクター、若者の理想と現実、そして挑戦や飛躍、泥臭くも完璧に描かれていると私は思った。
ネタばれになりますが、最後砂浜に残された手形にノスタルジーを感じました。
是非、皆さんにもこの素晴らしい1時間20分を体感してほしいです。

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針のむしろ

4.0不思議な体験

2021年11月17日
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鑑賞方法:VOD

なんだこれは・・・?パリの街並みに彷徨う手首のイメージと手首の存在によってバウプレーヤーとなってしまった男の哀愁がパリの街並みとの対称でこの作品がこれ以上無いパワーと言う街のPVとなっている。パリをよく知る者にとってパリの非情さがよく表現されている。

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mark108hello

3.0僕の右手を知りませんか

2021年7月27日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

2021年7月27日
映画 #失くした体 (2019年仏)鑑賞

男の手首のロードムービーと青年の恋の行方を描いた作品です、と言うと???となりますよね。
しかし、中身としては、うーん、色んな解釈ができる内容なので、評価はかなり別れそうな作品です。
もう少し分かりやすかったらな!

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とし

3.0不思議と惹かれる

2020年10月12日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

(フランスだけど)アメリカのアニメによく出てくるアジア人のタッチがあまり好きではなかった。
あとは話も結局理解できないまま終わってしまった。
なのに、何か惹かれる。「手」にも親近感を覚える。なんなんだろう、説明できない。

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ちかし

4.0【大切なモノを亡くしても、”生きる”という事。哀愁溢れるトーンの中、薄ぼんやりと見える明るい未来を感じさせる作品。】

2020年5月3日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

 主人公はナウフェルというアジア系の風貌の青年と、”手首で切断された手”という可成り、ダークファンタジーかな?と思わせる設定。

 ”手首で切断された手”は序盤から、地下鉄の階段を一人で降りていき、ホームから落ちた際には、ネズミと格闘する・・。
 -この手首が見ていると思われるアングルで描き出される画が、良い。-

 オープニングシークエンスから裕福で両親から愛されていた、幼きナウフェルに何が起こり、その後、何が起きるかは何となく予想出来る。
 -”手首で切断された手”の人差し指と中指の付け根の黒子・・。ー

 青年になったナウフェルは、貧しき暮しでピザの配達をしながら生計を立てているようだ・・。そこで、出会った声の”ある優しき言葉”にナウフェルは惹かれ、その言葉を発した女性、ガブリエルの叔父が営む木工屋の見習いになるが・・。

 ・ナウフェルが大切にしているカセットデッキの意味も徐々に明らかになり・・

 ラストの雪が積もったビルの屋上のシーンは少しハラハラするが、”ナウフェル君、君の事は彼女がきっと支えてくれるよ・・”、と勝手に思ってしまったよ。

<奇抜な設定と、それを描き出す画の不思議な美しさと、哀愁溢れる音楽が魅力的で物語に引き込まれ、(作品が81分と短尺な事もあり)あっという間に時は過ぎる。
 大仰な展開があるわけではないし、セリフも少ないが独特な世界観が面白きアニメーションであった。>

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NOBU

3.5ハッピーエンドなのかバッドエンドなのか

2020年4月21日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

人生いろいろあるってことなのかもしれないが、なんでピザ屋にいたのかがわからなかった。

つまらなくはない。世界観は独特。ストーリー的にはよかったのかも。ただ、バッドエンドなのかな・・・。

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フェイト8@精神障がい持ちです。

3.0繊細なアニメ

2020年3月4日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

自分の体を求めて街を彷徨う右手と少年の心を描いた繊細なアニメ作品で不思議な魅力を感じました。
皆さん、ハエには気をつけましょう。
2020-46

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隣組

3.0Leap

2020年1月18日
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ショートフィルムをそのまま長編にしたような作品。メタファーであろう手や蝿は、長編だと表現意図が見透かされすぎて、長く感じてしまう。
しかし、冷蔵庫に保管されていたのはどういうシチュエーションだったのだろうか?

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Kj

3.0詩的作品

2020年1月8日
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鑑賞方法:VOD

個人評価:3.0
コマ落ちしたような動きだが、動きも見やすいアニメだと感じる。
非常に暗示的ストーリーで、詩的とも言える。
過去の自分を、切り離された手と比喩し、最後はわかりやすくジャンプする。
好きな作風ではないが、いい作品だと感じる。

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カメ

3.5希望を捨てた青年

2019年12月16日
Androidアプリから投稿

原作は『アメリ』の脚本家ギヨーム・ロランが書いた小説『Happy Hand』。事故で切断した主人公の手が持ち主を探し求めて、パリのうす汚い街中をさまよう一種のロードムービーなのだが、アダムス・ファミリーの“ハンド”を連想させる不気味の谷を埋めるために、映画化にあたってはアニメーションという手法がとられている。全編を通じて暗―いムードが漂っているので、ファミリー観賞にはむいていない大人(特に若い人)向けの映画となっている。

裕福な家庭で育ったモロッコ移民であるナウフェルの夢は宇宙飛行士とピアニストになること。音楽家の母親が奏でるチェロや、家族の楽しい会話、ドライブ中風の音をマイクで集音してカセット・テープレコーダーに録音するという一風変わった趣味を持っているナウフェル。そんな一家がドライブ旅行中交通事故にあい両親が即死、生き残りのナウフェルは施設に引き取られる。青年に成長したナウフェルの仕事は先の見えないピザ配達員だった…

人体パーツが保管された施設から脱出したナウフェルの右手、触覚のみならずちゃんと五感が備わっており、失った身体にくっついていた時の記憶まで持ち主と共有しているという設定だ。“外敵”や“餌”と勘違いされた右手は、屋根の鳩には突き落とされそうになるわ、地下鉄のネズミにはかじられるわで、盲導犬にくわえられピアニストの部屋にたどり着いたもののネズミと間違われあわや…そんなナウフェルの右手が(運命を変えようと行動をおこす度に)道中出くわすさまざまな困難を描きながら、幸福だった幼少期の記憶と、図書館司書ガブリエルへの淡い恋がカットバックで挿入される。

このアニメーションにはまた、ナウフェルの運命が暗転する直前に必ず悪魔の使者“ハエ”を登場させている。旅行中交通事故の原因となった山羊の角にとまるハエ、そしてガブリエルにふられ二日酔いの状態で命じられた木工作業をしている時にもナウフェルの目前に現れる。まるでナウフェルを導くかのような動きを見せるハエをやっとこさ捕まえた時ある悲劇がナウフェルを襲うのだ。『君僕』に比べるととても分かりやすいベルゼブブとして描かれる。

主人公の方から“何か”を探し求めアクションを起こすのが普通の映画だとすれば、本作はあえてその探し求めれている“何か”を擬人化し主人公にした演出が実に効いているのだ。「何か異常なことをしたら、運命を変えられるかも」とガブリエルに語ったナウフェル。ビルの屋上からクレーン車に飛び移った瞬間何か憑き物が落ちたように笑いだすナウフェルは、はたして自らの運命を変えることができたのだろうか。両親、恋人…そして仕事までも失いそうなナウフェルが捨て去ったもの…それは右手という“希望”だったのかもしれない。

“希望”などというきれい事に踊らされてるうちは人生なんて切り開けっこない。すべての“希望”をすて目の前の現実に向き合ってこそ、未知なる運命へと一歩前に踏み出すことができる、そんな人生の真理をこの映画は我々に語りかけているのではないか。

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かなり悪いオヤジ

3.0So so

2019年12月6日
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It’s so so.
I supposed young people were having trouble with something all through the ages.

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Telomere

3.5背景画、構図、構成が秀逸

2019年11月30日
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鑑賞方法:VOD

知的

見事な背景画と構図で確固たる世界観が築かれているように感じた。
構成もかなり凝っていたように思う。いつの間にかアニメというより、ある一つのドラマを見ている意識に変わっていた。
これまでに見たことがないような視点や光景を生み出すような着想も素晴らしいと思ったし、あくまでアニメの強みである自由なカメラ目線というものを存分に生かし切っていたように思う。
ただ、個人的には感動や共感的なところは薄かった。

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SH

3.5自身の存在を探す哲学的な物語

2019年11月30日
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鑑賞方法:映画館

知的

難しい

欠落した小部位、何かを求め徘徊、最終的に本体へと戻る、
もう一つのジョーカーの物語の様とも、私には難しいかな(^_^;

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褐色の猪

2.0タイトルなし

2019年11月27日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

悪くはないんだけど、強烈に良くもない。安定し過ぎててスリルがないのかなあ。趣味が良すぎて荒ぶってない。キュアロン監督のローマと似た印象。ネットフリックスの好みなのかしら。

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kazuyuki chatani

2.0ハエだけが時間を超えて飛んでいる

2019年11月25日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

一体、この映画は何がやりたかったのか?
現在、少し前、子供時代の、3つの“時間”が意味もなく入り乱れる。
「手は、何かに触れるたびに記憶がよみがえっていき」だそうだが、その3つの時間で描かれるストーリーに関連性はない。また、記憶がよみがえったところで、後続の展開に何の影響もない。
“女”とのいきさつと“手の切断”も、実質的に関係がない。
表面的にいろいろと観客を攪乱するだけで、関連性や内容に乏しいのだ。

結局、「切断された“手”が、自身の身体を求めてさまよう」というアイデアに、無理やり背景として、いろいろ尾ひれを付けてみただけの作品なのだろう。
ずっと“手”の視点から描かれていたはずだが、突然何か変わったようなラストは、自分にはよく分からなかった。
現代フランスの生きづらい社会を映し撮っているのかもしれないが、自分には合わなかった。

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Imperator

4.0冒険と記憶

2019年11月25日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

手首が思い出を追い、自分を追う。
まず手首を喪った描写が描かれ、何故か目覚めた手首は一心にある場所を目指す。手首の冒険と共に、主人公の青年が負ってきた「運命」が描かれる。
子ども時代の幸福な思い出と、カセットに録音された記録。
両親を事故で喪った少年が、幼い頃の夢を叶えられぬまま、社会の底で生きている。漂うのは無常。空。これが青年の序盤である。
観客は彼が手首を喪うことを知りながら、彼の思い出を追うことになる。ささやかな出会いと恋、仕事に巡り合う幸せ。前向きと見えた物語の裏側で、手首は悪戦苦闘を続ける。
主人公はある意味自己中心的な青年である。本質的にはとても優しく、愛を知っていて感受性も強いけれども、恐らくいくつかの経験が彼を走らせてしまう。思い込みは活力にもなるが、ひとを傷つけ、結局は自分をも傷つける。
走り続けた果てに喪った右手、それが彼の元に辿り着いたとき、過去の一片が明かされ、奇跡を起こす。
何ともいえぬ終わり方だった。逃げ続けるしかないけれど、喪った代わりに何かを得たはずの青年はどこに行ったのか。そこには絶望ではなく儚い希望が感じられる。
最初から最後まで蠅の羽音が頭に残った。音は重要な要素。
「失くした体」は本人を探し続ける。失くしたものに残った記憶を伝える為に。切れそうな絆を結ぶために。だから右手なのかもしれない。まあ、足とかに比べたら、目立たなくて指が使えて動かしやすいのもあるけど。
不可思議なリアリティあるアニメ描写だった。

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andhyphen

4.5ガープの世界

2019年11月23日
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ガープの世界は、映画で初めて知って、その後、本を読んでみた。村上春樹さんが、熊を放つを翻訳してるので、作家のジョン・アーヴィングを知ってる人は多いのではないかと思う。
物語は、映画を観るか本を読んで欲しいのだが、マジかと思うようなところから始まる。そして、不条理とも違う、人間の欲望と、それにともなう愚かな行動や、当然、良い結果など生まれないのだが、でも、どこか滑稽な感じが、僕達の生きる世界と重なって、本当に面白い(人によるとは思うけど)。
前置きが長くなりましたが、この作品も、そういう意味では、ガープの世界の影響を、プチ、受けてる気がする。
「失くした体」を探して必死に持ち主(?)のところに帰ろうとする「手」。
回想も、ちょっとした独りよがりの行動で引き起こされる事故や事件など、自分の体験を重ねて慎重に振り返ると、誰にでもあり得るかもしれないような出来事を、大切に描いてる。
「手」の冒険もなかなかイケてる。
僕の後輩で、ロスでジャズピアノを習ってたのがいて、ピアノは訓練に次ぐ訓練だと言っていた。
確かに、ギターも、PCのキーボードのブラインドタッチも訓練といえばそうだが、たまに自分の手が意識より先に行動してるような時があって、エッと思うことがある。
そういう意味で「手」というものについても考えさせられる。
そして、この映画の「手」には、もしかしたら、作中で語られるように、運命を信じていて、奇跡があるのではとの期待がプチ、高まる。
しかし、手が「失くした体」は、過去の苦い記憶を振り払い、新しい未来にジャンプするのだ。
「手」は少し寂しかったのではないか。
象徴的に「手」を使って描いた、なんか、ちょっとイカした映画だった。
アニメだが、アニメを観て育った世代には、面白く観れるのではないかと、そんな気がします。

これも、アイリッシュマンに続いてNetflixか。
日本の映画製作会社も、メディアも、ソニーも頑張んないと、ねえ。

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ワンコ