ジョジョ・ラビットのレビュー・感想・評価
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サム・ロックウェルが
「スリー・ビルボード」に続いて重要な役で出ています。
私にとってはとても好きな作品になりましたが、賛否両論あるそうですね。
見終えて、みんなが思うことは「ヨーキー○○○○○○○○ね」だと思います。
追記
5年ぶりの劇場での鑑賞。この機会を作ってくれた映画館に感謝です。
私にとっては、生涯のうちでもベスト30にも入りそうな大事な作品だったのに、ここでのレビューを読むと、必ずしも全員が絶賛という感じでなかったのが不思議だった。
しかし、久しぶりにこの映画を見て、この映画を受け入れられない人の気持ちも少しわかった。
昨年来、数多くの映画を見るようになって、入りやすくはあるが、本当に戦争で苦しんだ人たち(あるいは、その悲惨な状況を身に染みて感じることができるようになった人たち)にとっては受け入れにくい作品なのかもしれないと初めて気づいた。
この5年間で、ウクライナやガザでの出来事があったことも大きいかもしれない。
とはいえ、やはりこの映画は私にとって大切な作品だ。この機会に一人でも多くの人に見て欲しい。
第2次世界大戦下の子供の視点からのナチスドイツ。 ナチスに心酔して...
少年の目を通して見るナチスの栄枯盛衰
『ライフ・イズ・ビューティフル』と『アンネの日記』をミックスしたようなお話なのに、テイストは『イングロリアス・バスターズ』に近い。全体を通して、タイカ・ワイティティの味付けが行き届き、極限状況や絶望をすごく薄めてある。そして、乾いた笑いや大人との関係性が、時に美しく、時に哀しく胸に響く。それは必ずしもリアリティだけが観衆の心に訴える手段ではない、という監督のこだわりに思える。
たとえばジョジョだけに語り掛けてくるヒトラーは実体として存在していながら実は少年の心の声を強調するためのスピーカーに過ぎない。ナチズムという運動体が少年の心にどのように届いているのかを表現するためのひとつの手段なのだ。監督自らがヒトラーに扮し、当時の子供たちがいかに戦争によって歪んだ価値観を植え付けられていたかを一瞬で説明できるうまいやり方だ。まるでピノキオにくっついてくるジミニー・クリケットだ。少年にとってはヒトラーは悩みをなんでも打ち明けられる親友で、最も遠い存在のはずが、すごく身近にいる。
そしてユダヤ人に抱いている誤解や偏見も、あくまでコメディのテイストで語り掛ける。ユダヤ人の少女に「どうして角が生えていないんだ?」と、大真面目で質問する少年を怒ったり呆れたりすることなく「まだ子供だから。20歳になったら生えてくる」なんて軽口で片付けてしまう。非常にデリケートな問題を、鮮やかな切り口で見せ、一つのファンタジーとして成立させてしまう手腕は見事だ。
その細部にわたるまで実に様々な味付けが行き渡っているのがわかる。少年のセリフはドイツなまりっぽく聞こえる英語を使うが、サム・ロックウェル演じる出世コースを外れてやさぐれている軍人はこてこてのヤンキー英語を喋っているように聞こえる。大けがを負ったジョジョの傷跡も、あえて痛々しさを出さないようひっかき傷程度にしか映してない。母親とのファンタジックなつながりや、家族構成も必要最小限にしか描いていない。それなのに、靴ひもを結んであげるシーンでは思わず涙が溢れてしまうほど残酷で哀しく美しい。
アカデミー賞にノミネートされたスカーレット・ヨハンソンの、これほど豊かな表情の母親ぶりもとても新鮮だった。それを引き出したのも、監督の功績の一つと言えるだろう。結末のあっけなさだけはもう少し何とかしてほしかったが、とてもよく出来た少年の成長物語を見ることができた。満足だ。
2020.1.27
劇場版優しい世界
盲目的にアドルフヒトラーを崇拝する10歳の少年ジョジョが自宅に隠れ住んでいたユダヤ人の少女エルサと出会い、少しずつ変化していく様子を描いた愛と勇気に満ちた感動作。
第92回アカデミー賞において脚色賞を受賞した今作は人類史上最悪の出来事を信じられないほどポップでカラフルに描きつつコミカルでシニカルな演出で表現された予想外な感動作だった。
中でもひときわ存在感を放っていたのがジョジョの母ロージーを演じたスカーレットヨハンソンだった。
かつての優しかったジョジョに戻ってほしいと切に願う母役として愛に溢れた演技を見せる一方、反ナチス運動を根気よく続けていく芯の強い女性像も見事に表現し、近作にあたる『マリッジストーリー 』と同様に彼女の一つのキャリアハイを堪能できる素晴らしい存在だった。
またジョジョの上官役のキャプテンKを演じたサムロックウェルも素晴らしい演技を披露していた。
戦前から退いた高慢な指導官の印象を最初は持っていたが、話が展開するにつれロージーに頭が上がらなかったり、実は優しい一面もあったりと人間味溢れる存在でジョジョの成長を不器用に見届ける人物を好演。
オスカーを受賞した『スリービルボード』のディクソン同様に彼の代表作と言える存在感だった。
また監督兼俳優としてアドルヒトラーを演じたタイカワイティティも独特の存在感だった。
常にコミカルにジョジョの良き友として居続けた一方、ジョジョの思想が次第に自らの思想と離れていくにつれ、顕著になっていく怒りの姿勢と命令口調の怒号で隠していた本物のヒトラーの素顔を垣間見せる演技が見事だった。
MCUデビュー以降引っ張りだこの彼が賞レースでも戦える作品を送り出してきたことも印象的だった。
長々と書いてしまったがトーマシンマッケンジーが最高に美人だからとにかく見てほしい笑。
あとヨーキーに友達になってもらいたい笑。
シリアステーマのコメディ
重い題材を扱っているのに明るい力をもらえる映画
熱狂的なナチ信者のジョジョは、母親が家に匿っているユダヤ人と関わっていく中で、それまでの自分の考え方やナチスに対して疑問を持つようになっていきます。
この作品では、ナチス支配下でのドイツ国民の心情や行動が伝わりやすくなっていました。重い題材扱っているにも関わらず、映画の印象が明るいのは、ジョジョの空想の友達のヒトラーや、所々の微笑ましいシーンなどの、親しみやすい演出が多かったからなのではないかと思います。
周りに流されず、自分の正しいと思ったことを信じる強さがジョジョにはあり、その姿に力をもらえます。個性豊かな登場人物たちが作品を彩り、様々なメッセージ性がありました。「何を信じるべきか」、現代の世界情勢にも繋がりのある内容で、まさに今見るべき映画だと感じました。
ショッキングなシーンが忘れられないかも
今だからこそ観てもらいたい
全体を通してコメディータッチで描かれ、主人公ジョジョにだけ見えるヤンチャでまるで子供のような総統と一見楽しげに見えるが、これは年端も行かぬ少年までもが政府のプロパガンダによる洗脳を受けていることを意味する。
ジョジョの回りには、強く美しい母親、面倒見のよい上官、達観している友人、そしてジョジョの初恋となるユダヤ人の少女と魅力的な人物が登場するが、物語は悲しみへと進んでいく。
自分達とは違う人、よく分からない人たちのことを、こういう人たちだと聞いたから、きっとこういう人たちなんだろうと実際に見ず憶測で決めつけてしまうことの恐怖。直近の世界情勢を考えると冒頭のコメディー部分ですら涙が止まらなくなる。
教育現場で使える名作
ユニークなシリアス映画
上映中から評判がめっちゃ高かったからずっと見たかったけどどこにも配信されてなくて、Disney+にきたからやっと見れた。
主人公の男の子がかわいい。想像上のアドルフのタイカワイティティが似合ってる。母親役で息子の思想を否定しないで密かに反戦運動を行っている気丈なスカーレット・ヨハンソンがぴったり。終盤は笑いどころがほぼなくシリアスな雰囲気に。
サム・ロックウェルが良い役だった。
ユダヤ人がお姉ちゃんと偽って、誕生日を間違えても見逃してあげたり、最後男の子を庇ったり、、。
アルフィーアレンとサム・ロックウェルはゲイの役だった。
当時のゲイはユダヤとほぼ同じ扱いを受けるため隠していたらしい。
スカヨハが吊るされてるシーンで靴だけ映されるのは作り方が上手だなと思った。それまでのシーンに靴がよく出てきたから一瞬でわかった。その時の男の子の演技がとても良かった。
母が伝えた愛
人生で一番感動した映画。
第二次世界大戦真っ只中のドイツを内側から描き、観客に愛を伝えたこの映画に出会えて本当に良かった。
全体的に重いテーマであるが、色鮮やかで可愛らしいテイストでタイカワイティティでなければ撮ることは難しかったのだと思う。
登場するキャラクターも全員魅力的で主人公のジョジョはナチスに傾倒しているが家族を愛する可愛らしい男の子でその友達のヨーキーは出てくるだけでほのぼのした。
ジョジョの家に住むユダヤの少女エルサも賢く強い精神で生き抜く強さを感じた。ジョジョを見守る母ロージーはこれまで観た映画で最も強く愛に溢れていた。
自分が最も好きなキャラクターであるキャプテンKは誰よりも勇敢で優しさがあり、その最期には涙が止まらなかった。
その他にも賑やかで愛すべきキャラクターが多く、これだけ全員のことを好きになる映画はないと思う。
ストーリーとしてはジョジョが経験するにはあまりにも辛い現実が次々と起こり、当時について深く学ぶきっかけとなった。
テーマがテーマだけにどうしても暗く重いストーリーになっていたが、最後には力強く希望を見出してくれる映画だった。
〔ベストシーン〕
デビッドボウイのドイツ語版heroesが流れ、ジョジョとエルサの残された2人がダンスをする最後のシーン。このシーンで母が命をかけてでも伝えたかった愛が確かに2人に伝わったのだと分かり、温かい気持ちになった。
ラスト30分の急展開
それまでコミカル調だった雰囲気が一変。
徐々に見え隠れしていた不穏な雰囲気から「嘘でしょ!やめて! 」って言いたくなるシーンが急にくる。
それでも、悲壮感を極力排除して、冒頭からたくさん散りばめられた伏線を一気に回収されるので、確かにカタルシスを感じられる。映画.com公式の評価どおり!
いい映画。色んなエッセンスが詰まってる。
しかしスカヨハの魅力すごいな。
強い母のシーンはどうしても、ブラックウィドウが変装してるように見えちゃうけど。笑
そしてゲームオブスローンズで大変だったあの人は、なんかふくよかになってて、呑気?な感じで安心してしまった。
そしてドイツ語でなく英語なのが、なんか終始違和感。。あえて?
最後は大尉ー!って号泣。
誰もが自由にダンスできる世界がいいよね。
もしもの時には、自分の子供にもジョジョやエルサのように、たくましく希望を捨てずに、心に正直に生きていってほしい。
ほんとに愛おしい映画でした!
誰かの靴紐を結んであげる
ファンタジックでユーモアたっぷり。だけどこれは戦争の話で。不思議な感覚でした。重く悲しいというよりは考えさせられる。何について?どんなふうに?一度観ただけでは理解しきれずもう一度観ました。
まだ咀嚼し切れていない部分もありますが、これは幼い少年の気付きと自立を描いた成長物語でもあるのかなと思いました。
戦争万歳!ヒトラー万歳!敬愛するヒトラーとの妄想でのおしゃべりが好きで、立派な兵士になる事を夢見てやまないジョジョ。ユダヤ人には角が生えていると信じて疑わないジョジョ。
だけど、実際にユダヤ人少女と出会ったり、大切な人の突然の最期や、街の空襲を目の当たりにして、わかってきた事。幼い彼が自分の目で耳で心で、見て聴いて感じた事とは?
身も心も戦争に支配されていたジョジョが、自身の体験を通して、自分で考え判断できるようになった。母の語る愛もダンスも拒絶していた彼が、エルサへの愛を自覚し、二人で踊る姿は、何ものからも解放され自由に自分の足で歩んでいける事の喜びを表しているのだと思いました。
大人の責任
子供というのは、全くの無知の存在で、母親から生まれます。そのため、育つ環境によって、価値観や当たり前がそれぞれ変わってきます。それは、ごく普通で当たり前のことであるが、子供を育てる上で関わる親や教師などが背負うべき責任である、そんなテーマがヒシヒシと伝わってくる映画でした。
また主人公ジョジョの成長を靴紐を通して分かりやすく見せてくれるシーンが素晴らしいと感じました。スカーレット・ジョハンソン演じる母ロージーは、自身が反ナチスでありながらも、ナチスであるジョジョを否定することはなく、息子の仕事を応援するなど、自らの意見を押し付けることをせず、息子巻き込まないようにし生活を守ってあげていました。しかし、ユダヤ人を匿って処刑された人々を見るシーンではしっかりと、ジョジョに現実を見せつけ、すべきことをしなさいと、社会に飲み込まれずに自身で考えるように促していました。母親として完璧であったがため、ロージーが処刑されたシーンでは、川辺で意味深に映されていたロージーが履いていた靴を写すことで母が死んだことを視聴者に見せた。本当に悲しくなりましたね、、、
エルサに関するシーンも良かったですよね!登場シーンで、今まで教え込まれてきたユダヤ人と自分が今見ているユダヤ人が全く違い、同じ人間であることを強制的に理解させられる。そして、エルサと会話を繰り返し、少しずつ知っていくことで、洗脳からの脱却をみせ、ジョジョ自身の成長も感じられました。これらのシーンより、監督の人種差別に対するメッセージが強く感じられましたよね。
今回は少し長くなりましたが、個人的に素晴らしい映画と出会えることができたと感じています。私自身まだ学生であり、将来的に結婚し、家庭を持つ前にみれたことが本当に良かったと感じる映画でした!
靴ひもを結んでやる温もり
ヨーロッパ征服を目指すナチスドイツにとって、ユダヤ人排斥・大ドイツ主義は国是であり、国家に洗脳された少年の憧れがヒトラー・ユーゲントなのもまた当然な時代に 10歳のジョジョが懸命にグループに馴染もうとする姿を、抵抗運動に身を潜める母親だって否定できないのは、あの戦争で軍国少年を見る隣組の呪縛に縛られた日本の母親と同じ悲劇だ。
その母親役のスカーレット・ヨハンソンの眼差しが哀れにも温かく印象的だ。銀幕露出度が多い中で、ヨハンソンのエポックメーキングと言えよう、彼女が息子の靴紐を結んでやる動作が、この映画のキーポイントである。
(中略)
少年の家に匿われていたアンネの日記的少女との関係がルネ・クレマンの「禁じられた遊び」に引けを取らない、エンディングの名場面に昇華される。
愛は最強
登場人物1人1人のキャラ立ち、ファッション、世界観、何を取っても素晴らしい。
11歳で主人公を演じたローマングリフィンディビスの演技には荒みきった社会で毎日を送る私の心を浄化してくれた。
サムロックウェル演じるクレンツェンドルフ大尉の男気、スカーレットヨハンソンの演技、そしてユダヤ人の少女を演じたトーマシンマッケンジーに私が心を射抜かれたのはなんら不思議ではない話だ。観ていただければ分かる。
【ナチス】というジョークでは済まされないテーマをメルヘンチックな皮で包み込む奥深く
油断ならない作品。
子供の純粋さを利用して巧妙に忍びよるプロパガンダの恐ろしさが、このメルヘンチックなドラマから痛いほど伝わってくる。
しかし観た後に何とも言えない心が温まる作品。
鑑賞は1人映画だったがエンドロール中に隣の知らない女性の手を握ろうとしてしまう衝動に駆られるぐらいだからこの映画の素晴らしさを分かっていただけるだろうか。愛は最強。
ハイルヒトラー!!
89点/100
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