劇場公開日 2020年1月17日

ジョジョ・ラビット : 特集

2019年12月27日更新

2020年の“ベスト愛され映画”が、1月の段階でもう決定しました
少年と“空想上のヒトラー”の交流は、破壊力抜群の意外な結末へ――
キュートな子役、コメディ、音楽、恋愛…どれも“最強”に愛くるしい!

「面白かった」ではなく、「心の底から愛せる」と強く感じる映画には、そうそう出合えるものではありません。2020年1月17日から公開される「ジョジョ・ラビット」は、全力で抱きしめて「ヨ~シヨシヨシ」と撫でたくなる、なんとも愛くるしい作品です。

第44回トロント国際映画祭の観客賞に輝き、アカデミー賞受賞も有力視される本作。観客も批評家も俳優もメディアも、み~んな“ジョジョ・ラビット”の世界にメロメロ。映画.com編集部が選ぶ2020年の“ベスト愛され映画”が、本作に決定しました。1月の段階で、早くも。おめでとうございます。

本記事ではその魅力を詳述していくわけですが、とりあえずは、予告編をご覧ください。


【予告編】 愛は最強。 “天才”タイカ・ワイティティが描く物語

【最強の愛され映画】アカデミー賞常連のFOXサーチライトが贈る――
あまりにユニークな物語、チャーミングなキャスト…全てが最高のクオリティ

本作を表現する言葉をいろいろ探しましたが、シンプルにこれが最適なのではないでしょうか。“最強”。最も、強い、です。

製作を担ったのは、「スリー・ビルボード」「シェイプ・オブ・ウォーター」など、エッジとドラマが両立した高品質作品を連発するFOXサーチライト・ピクチャーズ。監督は、「マイティ・ソー バトルロイヤル」などのタイカ・ワイティティです。アカデミー賞の常連とも言える同スタジオと、存在感を増し続ける“天才クリエイター”が新たに創出したこの物語。注目ポイントを、4つにわけてご紹介しましょう。


・少年のイマジナリーフレンドはヒトラー!? ユニークがすぎる物語

第2次世界大戦下のドイツ。10歳のジョジョは、青少年集団「ヒトラーユーゲント」で、立派な兵士になるべく奮闘中、でも訓練では失敗続き。落ち込むジョジョを励ますのは、なんと総統アドルフ・ヒトラー! ……空想上の、です。

ある日、ジョジョは母と暮らす家の片隅に、小さな隠し部屋があることを発見。恐る恐る覗くと、なかには見知らぬ少女の姿が! エルサと名乗る少女は、“最大の敵”“下等な生物”とされるユダヤ人。しかも、母が匿っていたことがわかります。空想上のヒトラーは彼女を排斥しようと躍起ですが、ジョジョは聡明なエルサに次第に惹かれていきます。


・こんな映画、ほかにある? 最強に多ジャンル、しかもすべてが最強品質!

この作品、ジャンルをひとつに絞るのが非常に難しい……。刻一刻とムードが変化していくからです。序盤は「グーニーズ」などのジュブナイルもののさわやかさを感じ、次いで、ウェス・アンダーソン作品のような計算された画作りが好感触。さらに社会を風刺するブラックユーモアも鋭く、目を背けてはならない迫力の戦争描写も飛び出します。

そして音楽も恋愛も……目まぐるしく色彩を変え、しかもすべてのレベルが目を見張るほど高い。そんな作品、過去に記憶がありません。そうした希少性も、本作を愛せる要素のひとつなんです。


・キャラクターが魅力的すぎる! チャーミングなキャスト陣

ジョジョ役で主演したのは、11歳のローマン・グリフィン・デイビスくん。子どもとは思えない驚きの表現力ですが、今回が映画初出演。9歳のころからオーディションを受け始め、80回以上の落選を経験したという、幼いながらも大変な苦労人です。

また、お父さんが実はすごい人。「アベンジャーズ エイジ・オブ・ウルトロン」「スリー・ビルボード」などを手掛けた撮影監督ベン・デイビス! 父親を通じて、共演のスカーレット・ヨハンソンやサム・ロックウェルらとも、すでに知り合いだったのかもしれません。

さらにヒトラー役は、ワイティティ監督自らが担っています。マオリ人とユダヤ人のハーフである同監督が、偏見にさらされて育った経験を糧に、ユダヤ人を憎んだヒトラーに扮する――そのことに重大な意味が込められています。演技のアプローチは「ヒトラー 最期の12日間」などの“そっくり”ぶりとは異なり、どちらかというと“似せない役づくり”を志向。呪縛から解き放たれ、「ジョジョの肩に乗るおかしな悪魔」というコメディリリーフとしても巧みに機能しています。

ほかにもトーマシン・マッケンジー、ロックウェル、ヨハンソンら、共演陣の魅力もとてつもない。文字数の都合上、ここらで一旦終わりますが、本当は全員分の紹介を書きたかった……!!


・観客も批評家も恋に落ちた…! 一躍、アカデミー賞の“有力候補作”に

トロント国際映画祭の観客賞は、過去に「英国王のスピーチ」「それでも夜は明ける」「グリーンブック」などが獲得しているため、“アカデミー賞作品賞に最も近い賞”とされています。それだけに「ジョジョ・ラビット」にも、大きな期待がかかっているんです。

また観客賞ということは、批評家ではなく一般人が評価したということ。要は「批評家が好んでいるだけで、観客は置いてけぼり」にはならないわけです。日本の観客も、きっと多くが楽しめるはず!


【あの俳優たちから絶賛の声】ライアン・レイノルズもマーク・ラファロも
ジャレッド・レトも… ジョジョを頬ずりしたくなるほど“愛してる”!

ジョジョの親友ヨーキー役のアーチー・イェーツくんが、SNSで寄せられた声を紹介する動画を以下に置いておきますね。ちなみにこのアーチーくん、劇中でもめちゃくちゃいい味出していて、リブート版「ホーム・アローン」の主役に決定しています。


【編集部レビュー】2020年の“ベスト愛され映画”が、もう決定――!?
1秒ごとに押し寄せるユーモア&カタルシス… 見れば“こんな感情”に!

鑑賞中の感情がどのように変化したのかを軸に、“ベスト愛され映画”である理由をお伝えします。この作品から得られるのは、「いい映画を見た……」という多幸感、そして胸がキューっとなるほどの愛おしさです。

序盤、ジョジョやエルサのキュートさにやられ、1分間に5回くらい割り込んでくるユーモアにひどく笑わされます。中盤からは圧倒的な展開によるカタルシスが全身を突き上げ、結末には鼻の奥に熱いものがこみあげてくる……。振り返れば、感情がグラデーションのように変化していることが確認でき、そうして「愛おしい」という思いがやってくるんです。

また、ディストピアを描く社会派作品という側面も持ち合わせているので、油断なりません。かつての“全体主義”に支配されたドイツを、現代社会と重ね合わせ、その危うさに警鐘を鳴らします。さらに「子どもが子どもらしくいられない」という惨たらしさを“靴ひも”などのモチーフに収斂するなど、暗喩がいたるところに散りばめられています。それらを丹念にたどれば、まるでヘンゼルとグレーテルが森に撒いたパンくずのように、ワイティティ監督が示すメッセージにたどり着く、という仕掛けになっています。

物語の娯楽性で観客を楽しませつつ、根底のテーマ性で見る者の行動を変革させるほどのショックを与える。そんな離れ業をやってのけたワイティティ監督は、まぎれもなく“天才”です。1秒ごとに、かわるがわるユーモアとメッセージとカタルシスが押し寄せ、見ている間ずっと幸福。だから愛せてやまない。そしてエンドロールの直前、“あの行動”を選んだジョジョを、あなたはきっと抱きしめたくなるでしょう。

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