ジョジョ・ラビットのレビュー・感想・評価
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メルヒェン
オープニングでビートルズが流れた時、「この映画は寓話です」と宣言されたように思った
戦時下、しかも敗色濃い中…、でも子供はそんなことお構いなしで、ヒットラー大好き、戦争ごっこ大好き
そんな子供たちが集まったキャンプで、まるでボーイズスカウトのような楽しい雰囲気の中、突然ウサギを殺せ!と命令される
正面からナチスを扱った映画ではなく、砂糖菓子に風刺が散りばめられたような映画なのだろうと思って見ていたので、ああ、さっそく針が出てきたかと思った
が、隣で見ていた我が子(予備知識ゼロ)には相当ショッキングなエピソードだったらしい
この後もチラチラと針が出てきて胸に突き刺さってくるが、ほのぼのとした可笑しさとキレイな風景、母と子の情愛、10歳の子供たちの可愛らしいおしゃべり…、マッドナース的な小太りな女性教育係もコミカルで嫌いになれない、終始ノスタルジックで優しい色合いの映画だった
母と子が自転車を交差させながら走るシーンは幻想的で美しい、しばらく忘れられないシーンになりそう
エンドロールが上がった後、我が子が「『アメリカ人とハグしてきなさい』と言われてた子、あれ自爆してこいってことだよね。あの子死んじゃったよね」と
主人公の母の死よりもショッキングだったようだ
シンドラーのリストや戦場のピアニストもいいが、こういう映画もぜひ子供たちに見てほしい
フランス映画の「陽だまりの庭」も戦時下にある普通の人々の日常を描いたやさしい寓話で、ジョジョが好きな人にはぜひ見てほしい
こちらはおじいちゃんとかわいい孫娘が奮闘する、やさしい大人の寓話です
余談 スカーレットヨハンソンがラックスのCMの人と同一人物だと我が子に伝えたら、なんであのCMではあんなにブサイクなのっ!?とえらく驚いていた
ボーイミーツガールwithヒトラー
ナチスに憧れる10歳の男の子を通して描かれる第二次世界大戦。これだけだと暗くて重い戦争ドラマを想像しますが、
すごいよタイカワイティティ。
なんとハートフルコメディに仕上げちゃいました。
でも笑いだけでは決してなく、暗い時代に生きた者の宿命も描かれてたりして...
はあ、心が落ち着きません
でも
生き続けよ 絶望が最後ではない
byリルケ
この言葉がすべてでした!
とても愛らしいジョジョ
子供の出てくる映画には、⭐️が甘くなってしまう私ですが、特にジョジョは表情、仕草、たまらなかった。そして、お母さんが素晴らしい。お友達も、キャプテンも❣️
デリケートな題材なのに笑わせながら、じんわりと考えさせられた。そしてドイツが負けた時の仲間は日本だけという言葉に、急に遠い話ではないなと。
戦争は恐ろしい。
キャプテンK、泣かせる~
アカデミー賞候補はワンハリ、フォードvsフェラーリ、ジョーカー見たけど、本作が最も感動しました。残酷なシーン、悲しいシーンありますが、コメディに見せかけて、戦争の愚かさ無益さをしっかりと描いた感動作に仕上げていてお見事。(こんなに泣く映画だと全く知らず映画館で鑑賞。ちり紙たくさん持っていてよかった。今このレビュー書きながら思い出してまたちり紙・・)
中盤ちょっと中だるみで退屈なところはあったけどそれでも是非多くの人に見てもらいたい秀作。
ジョジョの母親はきっと複雑な心境だったのだろうけど息子に真実を話していたらもっと早くにバレて(子供ってつい本当の事を言っちゃうもんね)全員捕まっていただろうし、表向きはナチスを支持してるフリして息子をナチス信者にしておくしかなかったのでしょう。もし自分が捕まっても息子は"全く知らなかった"となれば助かるだろうと思って。。
キャプテンK、最初はジョジョに意地悪な態度で嫌なヤツって感じだったのにまさかあんないい人だったとは・・(だめだ~またちり紙~~(T_T))。当時のドイツ人にもナチスが間違っていると分かっていた人は存在していて、こっそりユダヤ人やユダヤ人を庇った人を助けたり見逃したりしていたのでしょう。
エルサとジョジョ、友達のヨーキー、子供達が皆生き残ったことが救い。
アカデミー賞作品賞は本作に獲ってほしかったな~~。
なんて瑞々しくリアルなんだろう
とても良い作品でした。
フィクションなのに本当に実在していたかのような現実感。子供が後先考えず無邪気に嘘付くのも、大人が見えない所で何を考えているのかも、非常に上手く表現されていました。
個人的にツボったのはヨーキー。クライマックスの、あの服の破れ方は一体どんな打ち合わせでああなったんでしょうか笑。没後のアドルフもかなりヤバかったな。
そして一番評価すべきは「戦争は皆悪い」っていう難しい表現を丁寧にブレる事無く伝えていた所。冷静に思い返してみてください。出演者の中で最初から最後まで後ろめたい事が無かった人は一人もいません。
これが今、私たちも学ばなければいけない難しい部分だと思いました。沢山の人に観て頂きたいです。
#ジョジョ・ラビット
これは少年の初恋物語でした。
好きな人がどんな人とか、どこの国とか、
どこの民族とか、肌の色とか、髪の質感とか、
政治とか、宗教とか、信仰とか、
婚約者がいるとか、歳が離れているとか、
どこに暮らしているのか、
本当どうでもいいよね。
ジョジョは、初恋なんか
分からなくて、気づかなくて、知らなくて。
でも、
おなかの中にチョウチョが飛んでいることに
気づいてしまったんだ。
愛って偉大だね。
すべてを経験せよ 美も恐怖も
ヒトラーが題材の映画は結構好きで、
今作も興味本位で鑑賞。
トロント映画祭で最優秀賞作品として選ばれているのもあってそこそこの期待で足を運んだ。
すごいな。
何と言うかコメディ風にしているのだが、
当時のドイツを細かく表現していて心を掴まれるものがある。
主人公のジョジョは臆病者で好かれない。
しかし、空想のヒトラーによって愛国心は人一倍。
部屋にはヒトラーの写真やナチス軍の旗を飾っている。
ウサギ。というと、臆病で何も出来ないように思うのが普通だが、実を言うととっても勇敢。
ジョジョラビットってそう考えるといい名前じゃん。
うさぎになるんだ!
ちょくちょく笑える。
テンポの良さは素晴らしい。
おばさん、いいキャラしてんなー!w
エルサ、雰囲気がなんとなくだがアンネ・フランクに似ている気が。ほかのレビュラーさんも書かれていたけど。
子どもにユダヤ人はクソ。ゴミだ。戦争は素晴らしい。ナチス軍は最強。と教えるだけでこんなにも変わるんだ。酷いものだ。
空想のヒトラーだからというのもあるが、
もっと迫力というかダメ人間さを表して欲しかった。
これをしてないのが、この映画のいい所でもあるのだろうが。出演時間が短い。物足りなさがある
恋した時にお腹の中に蝶々がいるようだ。っていう
表現好きだな。
ダンスと音楽の素晴らしさ。
こんなことまで教えてくれる。
正しいってなんだろうな。
ジョーカーと同じ気持ち。
余韻がすごいし、震えが止まらない。
色々と考えさせられる内容だった。
Hi!ヒトラーが挨拶なんだな。
最初から最後まで衝撃の連続。
ぜひ劇場へ、
弱虫でどんくさい10歳男児がとてもかわいい
ジョジョは戦時下のドイツで母親と二人で暮らす10才男児。
まだ自分で靴の紐が結べない。投げた手榴弾は木に当たって跳ね返り、足元に戻ってきて炸裂する。
ママが大好きで、どんくさくて弱虫で泣き虫で、とてもかわいい。そして、スカーレット・ヨハンソンが演じるママは明るく強くかっこいい。
ナチスにかぶれているジョジョの親友は想像のアドルフ・ヒトラー。ジョジョとアドルフはいつでもどこでも掛け合いを始める。戦時下ではあるものの物語はほのぼのと進行する。
しかし、物語の雰囲気に安心していると、ママが突然最期を迎える。
ほんわかしていたアドルフの喋り方が、我々がモノクロの映像で知っているような、鬼気迫るものになってくる。
そしてドイツ敗戦。ジョジョは進撃してきたソ連軍に捕らえられるが、サム・ロックウェルのドイツ軍士官が命を懸けて救ってくれる。
戦争を生き延びたジョジョは、母親がかくまっていたユダヤ人の少女エルサと見つめ合いながらダンスを踊る。
生を謳歌するダンスを踊るジョジョとエルサの表情がほころんできたところで物語は終わる。涙腺に来る物語。
ジョジョの母ならどうするだろう・・・
幼いジョジョが
盲目的に憧れたヒーローヒトラー。
自らその一員となることを望んだ戦時下での
母の死をはじめとする哀しい体験、
ナチスに悪魔と信じ込まされていたユダヤ人少女との出会いや
厳しい状況でも他人を思いやる人の心に触れることを通して
戦争や差別、ナチズムの残忍さ、無慈悲さ、理不尽さを感じ取り、知り、
ついにはヒトラーを蹴り飛ばし、これまでの自らの考えと決別する。
ヒトラーを演じた監督タイカ・ワイティティや
ジョジョの母、2番目の親友などの
キャストが魅力的でした。
私がジョジョの母だったなら、
自分の10歳の息子に
戦争やユダヤ人への差別、ナチズムに対する
命を賭してまで貫き通そうとした自分たち夫婦の考えを
何とか伝えようとする気がするのですが・・・。
面白おじさんからあのヒトラーへ
面白おじさんからあのヒトラーへ変わっていく演出が良かった
冒頭のビートルズを流しながらの演出も良かった
POPさがより恐怖を感じさせる。
狂気とPOPの入り混じりかたがボーダーランズ感
心の琴線にふれる映画。ジョジョラビット。
I love this beautiful movie, Jojo rabbit.
10歳という幼い子供からみた戦争の世界。
最初のオープニングからすごく良い映画。
音楽も、映像も構成もとても良くて。
センスがとてもとてもいい映画。
もう2度観ましたがまた行きたくなります。
そして、あんなに愛らしい10歳のジョジョとヨーキー。
あんなに小さなこが ハイルヒトラーなんて
かけ声をしていた時代、武器を持たされた時代があったのですよね。
いろいろなことを考えて、本当に涙が止まらなくなりました。
人種差別や偏見がない世界を作っていくこと。
そして、子供たちに大きな影響をわたしたち大人が与えていることを忘れてはいけないのですよね。
第二次世界大戦のことも戦争のことも、
ナチスユダヤで迫害があったことも、たくさんの命が失われたことも忘れないで。
監督やみなさまからのメッセージをちゃんと受け取りました。
アンネフランクの日記を読んだとき、子供ながらに
もしアンネが生きていたら、、そう思うことがたくさんあったけれど、エルサはアンネのことを思い出させてくれました。
ジョジョのママは本当にチャーミング。
戦争という暗い時代にも
センスのよいファッションに前向きな明るさを持ち合わせて。ジョジョが正しいことを見つけるまで温かく見守るふところの大きな女性。
キャプテンKも本当にかっこいい。
戦争は人々を間違った方向に先導してしまう。
でも、どんなときも心を失わない大切さを改めて教えてくれました。
ジョジョがエルサに出会えてよかった。
あんなに幼い子供たちが集められたドイツのナチスのヒトラーユーゲントの合宿。ミスラームの本を燃やすシーン。
ハイルヒトラーと言わないといけない世の中。
実際にあったことを教えてくれる映画でもあります。
ただここでもキャプテンKが面白い。
子供たちにこんなことを教えるの、俺は本当は嫌だよという表情。
これから先、戦争という恐ろしい選択をわたしたちがすることがありませんように。
そして、ジョジョの親友の可愛すぎるヨーキーに癒されて、ジョジョとヨーキーが本当に可愛くて。
何度も観たくなるそんな映画でした。
ジョジョ、僕たちは間違っていた。
ママにハグしてもらうために家に帰るね。
ヨーキーの言葉がすべてをまとめています。
また、たくさんのことを見失いがちだけれど、
ちゃんと生きていこうと思うそんな映画でした。
また観にいきたいです。
ドイツのひとがみたらどう思うのかが気になるところ。。
そして、人生誰に出会うか、どんな環境かですべて決まるのかも。
大尉殿のドイツ軍人の矜持
アメリカ製作なので「どうせドイツ映画よりゃ劣るよな…」と思いつつも鑑賞。おや?英語はやはり気になるが、なかなか悪くない。
片目の教官大尉殿がジョジョが羽織っていた外套の軍服を剥ぎ取って捨てるシーン、戦には敗けたけど、最後までドイツ軍人の矜持を棄てなかったところでグッときた。
でもやはり、これドイツ語で観たかったね。
真実に辿り着いたジョジョ
冒頭にビートルズの曲が流れると、タイトルの「ジョジョ」との連想ですぐに浮かんだのが、同じビートルズの曲「Get Back」である。グループの仲間同士の亀裂が決定的になろうとしているときに、ポール・マッカートニーがジョン・レノンに向けて、戻ってきてくれとメッセージを送った歌として有名だ。
Jojo was a man who thought he was a loner but he knew it would’nt last … Get back, get back, get back to where you once belonged
当時のジョン・レノンはアメリカに住んで、ボブ・ディランからすすめられた麻薬をやっていた。最初はマリファナなどの軽い麻薬だが、麻薬中毒者のご多分に漏れず、徐々に強い麻薬にシフトしていく。危惧したポールがジョンに、もといた場所(ビートルズ)に帰って来いよと歌ったのだ。
ナチズムは麻薬のようなものかもしれない。まだ十歳のジョジョは麻薬にハマることはないが、ナチズムにはどっぷりとハマってしまった。心の中にアドルフ・ヒトラーのビジョンを生かし続けている。そして一生懸命に理想の愛国少年になろうとする。しかし兵士になるための冷酷非情さを身に付けるには、生来の優しさが邪魔をしてしまう。
失敗続きのジョジョだが、底抜けに楽観的な母親の精神性を受け継いで、めげたり落ち込んだりすることがない。このジョジョのシニカルぶりが面白い。わざと自分を貶めるようなことを言うことで、生きる場所を見つけようとしているように思える。
国家というのは集合と離散を繰り返す幻想である。吉本隆明の言葉を借りれば、一種の共同幻想だ。征服によって国家が消滅したり、独立で誕生したりする相対的な概念である。にもかかわらず、国家を絶対的なもの、神聖なものと誤解することで、国家間の戦争が生じる。国家の指導者層は国民に自分たちが所属している(belong)国家を絶対的なもの、神聖なものと思わせたい。そこで様々なプロパガンダを講ずる。ラグビーの国際試合やオリンピックがその典型だ。これをパンとサーカスと言う。愚かな国民の大量生産だ。
ヒトラーが行なったパンとサーカスが最も有名で、嘘も百回言えば本当になるというのが基本のやり方だった。アウトバーンを整備して若者に自動車をあてがい、オリンピックで国威発揚だ。戦場には覚醒剤を打った兵士を送り出した。お国のためというパラダイムを金科玉条にして若者を次々に戦争に送り込んだ日本の軍事政権と同じである。
由らしむべし知らしむべからずという諺がある。人民というのは得てして頭が悪いから、大事なことを知らせても正しい判断が出来ない、黙って従わせるのがいいという意味だ。
人民の頭の悪さは証明のしようがない。根拠のない前提は為政者の思い込みであり驕りである。そもそも、多くの人から多様な意見を集めたほうが施政に厚みが出るはずだ。広く会議を興し万機公論に決すべしと、五箇条の御誓文にさえ書かれている。
しかし権力を手にすると、自分の思うように政治を誘導したくなる。人間の常である。家庭内や社内、校内などで君臨している人を時折見かけるが、あれも同じ構図である。DVやパワハラに容易に結びつく構図であり、実際に数多くの事件が起きて、数多くの人が自殺を遂げている。
ところが国家権力が同じことをしても、DVやパワハラとして非難されることはない。それは国家の名の下にすべてが正当化されることに加えて、政権によるプロパガンダが成功しやすいという特色があるからだ。その典型がジョジョである。人民が頭が悪いという見方も一理あると誤解してしまいそうな存在のジョジョだが、実は、情報を得ることで真実を悟ることのできる、頭のいい少年であった。
スカーレット・ヨハンソンが演じた聡明な母親は、そのあたりのことを見通していたようで、ナチに熱狂する息子をたしなめたりしない。息子を信じ、ナチスの本質を見抜いて、確実に訪れる自由と解放の時代を息子が力強く生き抜いてくれることを願う。いい作品だった。
前半のコミカルさが好き
歴史の不条理を悲劇ではない視点で描く作品を期待してた。前半は良かったけど後半は失速した感じ。今までよくあるユダヤ人悲劇ものだった。
「ビューティフル・ライフ」みたいな新鮮なアイデアは無かったけど、心温まる作品ではあった。
デブは世界を救う
まず最初に、僕はこう見えて(どう見えて)、デブです。
その僕から観た視点でのレビューです。
第二次大戦時代のヒトラーユーゲント。
ヒトラーの洗脳で脳内に別人格が生まれ、その「友人アドルフ」が緩やかにナチス思考へと誘導する中、弱虫ウサギのジョジョが、母が残した人間の善意の屋根裏の隣人により、大人になり、視野が広がり、洗脳から覚め、恋に落ちるといったストーリーは、数年前の「ライフイズビューティフル」にエンターテインメントと、センスの良いカメラワークに、ピリリと効いたサム・ロック、そして全てを優しく包み込むデブのヨーキーによって、観終えた後もすっきりとした希望に満ちる映画で、アカデミー脚色賞も納得の作品です。
以下、最愛のヨーキーについてつらつらと書きます。
訓練キャンプでのテントでジョジョと過ごすヨーキーの「僕は君の一番の親友だと思ってた」のに違ったと告げられた時の彼の愛くるしい表情。
手投げ弾の暴発で顔面崩壊したジョジョを見つめた時の彼のハッとした表情。
無事ヒトラーユーゲントとなったものの紙製のズタボロ軍服の愚痴りながらの後ろ姿。
米軍攻防時にぱったり会った時に挨拶をしたためにうっかり対戦車バズーカを落として暴発してあわや一大事になった時のやっちまった表情。
全てが終わって再開した時のジョジョと抱き合う時の表情。
彼のズレかけのメガネと愛くるしい表情で、そこが第二次大戦の末期の悲惨なドイツである事すら忘れさせてくれる。
そう、デブは救う。
少なくとも僕は救われました。
数時間前、アカデミー賞受賞のヨーキーのリアルタイムで喜ぶ姿がTwitterに流れましたが、劇中のヨーキーそのものでした。
感動の余韻に浸れるので探してみて下さい。
P.s. デブで良かった。
ヒトラーが好きな男の子の話
まるで関係ない話から始めます。私の家は常に猫を飼っていた。しかし10年程前、愛猫のランちゃんが亡くなりショックで猫がいない時があった。
すると約3カ月経った頃の事だ。天井から何か小動物が動く気配がする。案の定ネズミだ。
奴はスーパーラットと言われるクマネズミだ。
泳げるし、木に登れるし何より知能が高い。
例えば金網の籠型のネズミ取りだ。中の餌に食いつくとガッチャンと扉がしまり捕獲する仕掛けだ。しかしありえない事が起こった。
なんと奴は餌には食いつかず、ふんだけして出て行った❗️全てを理解して人間を馬鹿にしているのだ❗️
まさかネズミまでに馬鹿にされるとは・・・
トホホだよ。
奴はやりたい放題である。隠しても食べ物の場所を察知する。電子レンジの上のレトルトの箱を齧る。ひと気が無ければテーブルの上を漁る。跳梁跋扈(ちょうりょうばっこ)
さてある日の事、奴が柱を登っているのを目撃した。よっちらこっちら。手を伸ばせば届く距離。チャンスだ。ウラミハラサデ オクベキカ。
手近な棒を手にして奴目掛けて思い切り振り下ろ・・・
さなかった・・・一瞬だが可愛いとさえ思ってしまった。
はっきりした。私には生き物を殺す能力が備わっていない。
ヘタレだ‼️
この映画の主人公、ジョジョと同じだ。
その後ネズミにとっての【最終兵器】新しい猫を、うちに迎え入れ解決した。
さて毎度の事ではございますがヘタレの長い枕が終わりました。ネタバレが含まれる可能性が有ります。いやな方は読まない方がいいです。
まずオープニングが良い。ビートルズの「抱きしめたい」気づいてしまった。私はジョン・レノンの声を聞くと涙を流す生き物だった❗️但しドイツ語バージョンです。代わりに本編では全て英語です。
物語を簡単に説明する。主人公はローマン・グリフィン・デイビスくんが演じるジョジョ。年齢は10歳。
彼はべらぼうなヒトラーヲタクだ。彼の視点で物語は進む。彼には妄想上の親友がいる。タイカ・ワイティティ演じるアドルフだ。
母と二人暮し。名前はロージー。スカーレット・ヨハンソンが演じる。
ある日の事、家の片隅の隠し扉に気付いてしまった。そこには17歳の少女エルサがいた!
演じるはトーマシン・マッケンジー彼女はなんとユダヤ人だった!
ユダヤ人は敵、ユダヤ人は醜い、そう教え込まれてきたジョジョ。さあどうする?
まず、特筆すべきはローマンくんの演技だ。自然で表情が豊かだ。ぎゅっと抱きしめたくなった。監督も務めたアドルフ役のタイカ・ワイティティは本当の才人。母ロージー役のスカーレット・ヨハンソン。お父さんがデンマーク人だ。
だからかオランダ人、ロシア人、ドイツ人など欧州人を演じるとはまるねー。大好き。
この映画は一応戦争映画なのだろうが家族愛ありボーイミーツガールの甘酸っぱい感じもあり、なによりコメディとして優れています。
正直、ヘタレの私は泣きました。
大作ではないかも知れません。けど私はこの映画を・・・
抱きしめたい。
『すべてを経験せよ 美も恐怖も 生き続けよ 絶望が最後ではない』
ジュヴナイル系の半年限定(但し、波瀾万丈)少年成長譚のかなりクセの強い今作。日本にも終戦を扱う作品があるように、ヨーロッパでもそれは当然起きている。その狭間で今迄の国粋主義と、並列する人種差別主義に洗脳されていた10歳のこまっしゃくれた少年が過酷な運命を辿る内に段々と改心していく構成である。自分の知り合いも某隣国の出先団体主催のサマースクールに参加した経験を教えてくれたが、確かに10代前半の未だ社会の無理解な状態での親元から離してのシステムとしての洗脳は大変効果的であるようである。それは喩えるならば真っ白なキャンバスに赤のインキが滲み、端まで染み渡るが如くであるらしい。勿論、帰宅すればあっけなく洗脳は解けるようだが、恐ろしさは身につまされる。
全編通しての生温いギャグセンスは、チャップリンオマージュがベースであろう。実際に10歳の子供にあれだけの戦闘経験があったのかどうかは未調査であり、フィクションとはいえ俯瞰で観る“戦争ゴッコ”がそのまま殺傷行為に繋がる危うさを、かなりのエキセントリックさで構築されている所に唸る。主人公及びその親友の男の子の、デフォルメされた動きや表情は大変愛らしく、まるで子犬がじゃれ合うような錯覚さえ覚え、これの演技指導があったのか素なのか大変驚かされる。戦争の悲惨さと対と成す、例えば、無事を喜び抱き合うシーンに代表される子供の動きのコミカルさ等、その構図は片渕須直監督“この世界の片隅に”のアニメとしてのコミカルさに通づるイメージを想起させるのだ。主人公に降りかかる過酷さも又、前述の映画と同様、心が抉られる仕打ちに観客も苛まれる。街中の首括り晒しの中によもや母親の靴を発見する件は、かなりのショッキングさに、実は違う人が履いていたなんていうオチを期待してしまった程であるが、ストーリーはそんな甘さを吹っ飛ばす流れだ。
あの時代の中に於いても、個人個人は様々な人格や思想を持っていて、上官の同性愛指向を匂わす件、そして嘗ての姉の友達であったユダヤの女の子の機転鋭い行動等、その生の体験こそ、少年をこの短期間に何倍も成長させる“薬”なのである。洗脳されまいといきがり、少年期独特のイマジナリーフレンドである“総統”を使って何とか自己肯定を試みても、そもそものベースは兎を殺せぬ優しい紳士の素養をしっかりと根付かせているのだから、元々掛かっていたマインドコントロールが解かれた時、その清らかな心と、母親が育んだウィットに富んだ機知は見事に開花することは必然である。愛するが故、又は肉親さえも失った孤独への恐怖が原因の少女への嘘は、しかし少女も又、ビンタと同時にこの少年のこれからの成長を見届けたい期待が膨れ上がり、デヴィッド・ボウイがベルリンの壁近くで演奏した曲に併せてのダンスという演技でカタルシスを披露する。冒頭のビートルズ『Komm, Gib Mir Deine Hand』も又、彼等のハンブルグ武者修行時代の思いが伝わる素晴らしい選曲だ。
ドイツ語での台詞じゃないところに反発もあると巷では流れているが、そもそもが寓話的要素も緻密に織込んでおり、リアリティから距離を置き、まるで絵本のようなストーリーテリングに没頭する脳内転換が出来れば、今作を観る素養は充分である。
今迄結べなかった靴紐を、しっかり結んで上げた時、大人として又、善き人としての階段を登り始めたあのビックリ顔の愛らしい主人公の愛おしさを、ずっと観続けていたい、そんな暖かい気持に包まれる作品である。
レビューとは関係無い、個人的な事情を話したい。
今回の作品を最後にレビューをアップすることを最後にすることとする。理由は仕事が変わる予定であり、映画鑑賞が儘ならないことである。この何年も自分なりに少なくない本数を鑑賞することができた。時には趣味趣向と違っていたテーマにぶつかることもあったし、何より作品の感想など烏滸がましく人様に晒すなど恥以外の何ものでもないと躊躇したが、しかし自分が観てきたこの“総合芸術”に対する気持をどこかに留めておき、記憶の散逸阻止の重要性を大事にしたい思いが勝ち、ここまで記録できた。本当に嬉しい、感慨に浸る心地である。
勿論、拙い文章構成力、乏しいボキャブラリー、何より表現力の圧倒的欠乏と、全く成長できない原因は、努力不足と、研究不足に他ならない。こうして足りないものを羅列して落ち込めるのは、お金を貰って書いている訳では無いというエクスキューズのお陰だ。自分の為に記録しているのだからそこまで卑下しなくてもいいかと楽したいのだが、的確で“芯を喰った“コメントを頂けるレビュアーの方々への申し訳なさだけは心に留めておこうと思う。お目汚し、本当に失礼しました。
唯々、感情に任せて読むに堪えないレビューをアップする人もいる。鑑賞した映画の挙げ足取りに始終し、挙げ句に監督を含めた制作側の信条に迄攻撃を仕掛ける。無料で観た訳ではないだろうに何故作品と向き合えないのか。脳や心がフィルターとなって、映像は様々な解釈に化け、自分自身に化学反応を起こす。脊髄反射だけで映画を観ることこそ、金をドブに捨てるようなものだ。例え自分とは違った思考であろうとも、それを冷静にかみ砕く力を人間は持っている筈。しかし、その思考には前提がある。
『馬鹿にするな』
これが唯一の基準だ。人を蔑む行為程、愚かしくそして汚いものはない。汚物を口一杯頬張ったその臭い頭で、いつものように素っ頓狂で見当違いの人格否定を繰り返すレビュアーにもう一度言いたい。
『馬鹿にするな』
他者を認める事は本当に苦しいし、厳しい。しかし、自分の持っている浅はかな蟠りを気負いせずに放り投げた時、スクリーンに映る様々なシーン、カット、一連のシークエンスは自分達を奥深い人間へと作り替えてくれる筈である。
又いつか、レビューが書ける環境が訪れる迄 ありがとうございました。
いつでもユーモアを
第二次世界大戦下のドイツで"ヒトラー"をイマジナリーフレンドに持つ軍国少年が反ナチ活動をする母親が家に匿っているユダヤの少女を見つけて…。という話。
母親の少年への台詞が良い。
「戦争や政治の話より少年らしいことをしなさい、木に登ったり落ちたり」、「人を好きになるとお腹の中を蝶が飛び回る」、「平和が来たらやりたいことはダンス」
舞台背景からシンドラーのリスト的な話を連想するけど、むしろライフ イズ ビューティフルとかアメリのような味わいでした。
全495件中、181~200件目を表示