ベイビーティース
劇場公開日 2021年2月19日
解説
病を抱える少女と孤独な不良青年の恋をビビッドに描いたオーストラリア発の青春ラブストーリー。重い病に冒された16歳のミラは、孤独な不良青年モーゼスと出会い、自分を特別扱いしない彼に惹かれていく。モーゼスは不器用ながらもミラを優しく包み込み、ミラは彼との刺激的な日々を通して命を謳歌する。しかしミラの両親は娘を心配するあまり、モーゼスとの交際に猛反対。ミラの命の期限が迫る中、それぞれの感情をぶつけあう彼らだったが……。ミラ役に「ストーリー・オブ・マイライフ わたしの若草物語」のエリザ・スカンレン。「シークレット・オブ・ハロウィン」のトビー・ウォレスがモーゼスを演じ、2019年・第76回ベネチア国際映画祭でマルチェロ・マストロヤンニ賞(新人俳優賞)を受賞した。監督は本作が長編デビューとなるシャノン・マーフィ。
2019年製作/117分/G/オーストラリア
原題:Babyteeth
配給:クロックワークス、アルバトロス・フィルム
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出会いの場面から鮮烈だ。ハッと心を掴まれ、そのまま吸い込まれそうな気持ちになる。目を離すと何をしでかすか分からない青年も、登場するたび見違えるほど髪型を変える少女も、おそらくお互いがお互いにとって、欠けたパズルを埋め合わせるような掛け替えのない存在なのだろう。たった一人で生きるにはあまりに足元おぼつかない二人だが、一緒にいると全てのバランスが調和したみたいに最強。少女の両親もまた、勝手気ままなように見えて、少女への愛情は決して揺るがない。それぞれの心の機微が、表情の変化が、独特のパステルカラーと音楽に彩られながら、とても愛おしく映る。「難病もの」という一言で片付けるのは避けたい。本作が描くのは原因から結果への一直線ではなく、むしろその過程であり、瞬間だ。遠くの未来を見つめることがままならない彼ら。だからこそ一瞬一瞬がある。透明感に満ちた生命の躍動がある。新たな表現の神様に魅入られた秀作だ。
2021年2月20日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会
重い病を患う16歳のミラ。家は裕福で、精神科医の父と、精神的に不安定な母。ミラが立つ駅のホームに電車が入ってくると、背後からミラにぶつかりながらまだ走っている車両に急接近する若い男モーゼス。タトゥーだらけでいかにもヤバい雰囲気の彼に、ミラは恋をする。ミラが連れてきたモーゼスの外見から、両親は2人の仲を歓迎できない。彼が薬目当てで家に侵入したりするので、不安は的中する。
だが、インテリで常識人の両親が決してミラに与えられなかったものを、モーゼスは与えてくれる。法律や道徳といったルールに縛られず刹那的に生きる彼と共に過ごす時間の中で、恋する感情が大きくなるのと同時に、迫りくる死の恐怖を一時的とはいえ忘れて解放されたのではないか。考えてみれば、誰もがやがて年老いて死ぬという揺るぎない真実から逃避し、無限にも思える一瞬一瞬に没頭することが“青春”なのかもしれない。
難病と青春を組み合わせた映画は多々あれど、紋切り型になるのを巧みに回避し、ヴィヴィッドな映像と音楽のセンスも相まって心に残る一本となった。
2021年10月27日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル
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死期が迫っていることをわかっているので、余生をせめて娘の望むことをさせてあげたいと、ジャンキーでどうしょうもない男を家に招き入れ、共に暮らすことを許す両親。母親も抗不安薬を服用し、精神が安定しなかったり、父親も家庭のことで悩み、隣人の妊婦にキスしてしまうなど、破茶滅茶な両親だが、男に薬を渡してまでも、娘のそばにいさせようとする親…切ない。ジャンキー男は実の母親に愛されず、不遇な人生を送っているが、病気の娘を夜置き去りにするなど、どうも共感できない部分があった。ストーリーのテンポが唐突感があり、苦手で睡魔に襲われたが、ラストは娘自身が死を悟っており、何とも切なかった。親の愛に尽きる映画。
2021年9月7日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル
主人公は女子高生、難病で周りは腫れ物に触るような感じ。
そんな彼女に自然に接してくれる男が現れるが、別の目的があった。
みんな個性が強いので、ピリピリしながら観続けることに。
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