エマ、愛の罠

劇場公開日:

エマ、愛の罠

解説

「ジャッキー ファーストレディ 最後の使命」「NO」などで知られるチリのパブロ・ラライン監督が、1人の女性の奔放な愛の姿を大胆に描いたドラマ。ダンサーのエマは、ある事件をきっかけに心の拠り所を失ってしまった。 振付師である夫との結婚生活は破綻した彼女は、その妖しい魅力を武器に実直な消防士、さらに彼の妻までをも虜にしてしまう。不可解なまでに奔放なエマの行動。その行動の裏には衝撃的なある秘密が隠されていた。主人公エマ役を新人のマリアーナ・ディ・ジローラモ、夫のガストン役を「モーターサイクル・ダイアリーズ」「バッド・エデュケーション」「バベル」のガエル・ガルシア・ベルナルがそれぞれ演じる。2019年・第76回ベネチア国際映画祭コンペティション部門出品作品。

2019年製作/107分/R15+/チリ
原題または英題:Ema
配給:シンカ
劇場公開日:2020年10月2日

スタッフ・キャスト

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受賞歴

第76回 ベネチア国際映画祭(2019年)

出品

コンペティション部門 出品作品 パブロ・ラライン
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(C)Fabula, Santiago de Chile, 2019

映画レビュー

4.5うんざりな前半 → ぶっ飛びの才能

2020年11月10日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

序盤からずっとアンモラルな感じで、主人公に共感できず、「フランス映画はしんどいよなあ」とうんざりしながら見ていたんですが、途中で言語がフランス語ではないことに気づき、「何なんだこれ、どこの国の話?」って感じで俄然のめり込んでいった。で、後半4分の3ぐらいで話の展開に呆然。スゲエ、凄すぎる! あのセックスも、このセックスも、ちゃんとミッションがあって、そのプロセスだったんだ!って。あとで確かめたら、南米チリの案件でした。パブロ・ラライン監督か。それにしても、凄い才能がいたもんです。今年見た映画の中で、一番凄い才能かも。

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駒井尚文|映画.com編集長

4.5痛快にしてお見事!な、間違いを恐れぬ主人公の大驀進!

2020年10月31日
PCから投稿
ネタバレ! クリックして本文を読む
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村山章

1.5アーティスティックに見えて、実は自らの生殖の欲望だけに生きたサイコパス・ダンサーのドン引き

2024年8月19日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

えーっとですね、
つまり
こういう事ですよね、

エマは夫ガストンが嫌いで、ガストンの子は産みたくないが、しかし渇望する出産体験のためならば手段を選ばずに奸計を練る。

自分の子が産めないので、仕方なく代償として引き取った養子ポロが、たまたまボヤを起こしてしまったが、その時に駆けつけてきてくれた消防士の子種がどうしても欲しくなる。

ボヤを起こしたポロが運よくその消防士の家庭に養子にもらわれていた事を知り、
また、再就職した学校でポロに再会し、校長を手玉にとってポロを人質として拉致。

消防士に対しては色仕掛け攻勢。
その妻が弁護士業である好都合を利用して弁護士事務所に出向き、自分ら夫婦の離婚調停を無料にして貰うべく女弁護士と肉体関係を重ね、
同時にそれによって彼ら=弁護士と消防士夫妻の仲を破壊し、彼ら夫妻をセックスレスに陥らせておく。

ポロをもう一度愛して引取りたい旨決心をした振りを装い、ポロの居所を突き止めて、ポロとの面会を口実に消防士夫妻の家を訪れる。

不仲にさせておいたポロの新しい家庭の養父=消防士と性交。

かくしてエマは消防士の子種を獲得することに成功し、初志貫徹で出産を果たしたわけだ。

呆気にとられ、狐につままれている表情のガストン、消防士、そしてその妻である弁護士。

しかし
あろうことか、エンディングのシーンは、自己満の境地で得意気に歩くエマのベビーカー姿。
ポロなんぞにはもう利用価値はないし、
当然のごとくガストンも、消防士も、弁護士も、すでにエマの意中にはなく全員がお払い箱になっている。

そして・・
「放火」が自分の性欲の充足と出産願望を叶えるという成功体験を得たエマは、
ガソリンをまた買いに行く。

こういう映画だったんですね。
ヤレヤレ。
最低じゃないですか。

カメラは美しいし、音楽やダンスもいかしてますよ。
冒頭の巨大な太陽のプロミネンスは明らかに卵子をイメージさせますし、
コンテポラリーな群舞はまるで精子の渦。卵子を目指して踊り狂っています。
意欲的なコンセプトで、あそこは嫌いではありません。
そして何よりも主人公エマの眼光や出で立ちが鑑賞者の目を奪ってしまうほど凄く魅力的なのです。
だから最後まで本作を芸術作品と信じて僕は見続けたし、
エマの鬱屈や、一体何をしたいのか分からない彼女の行動には、きっとそれを引き起こした何らかの理由や重たい過去があるのだろうと。
それが最後には明らかにされて、カタルシスがやっと解放されるのだと期待したのです。
「グロリアの青春」もそうだったから。

しかし、これ、
とんでもない猟奇映画でした。
対人関係障害のレゲトン・ダンサーの自己完結。
多用される彼女の真正面の顔は、この構図は思い当たります、
自撮りじゃん。

レビュー、やめようかと思ったのですが、エマへの憤怒を表明したく、書き殴ってみました。

児童福祉局のケースワーカーは、まともでした。

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共感した! 6件)
きりん

4.0思ったより良かった

2023年8月5日
iPhoneアプリから投稿

ガエルガルシアベルナル目当てで鑑賞。
若い時の色気ムンムンな彼(アモーレスペロスとかバッドエデュケーションとか)がめちゃくちゃ好きなんやけど、最近の枯れ気味で着実に年齢と演技力を重ねてきたオジサンの彼もまた良い。

ストーリーの方は、若くて生命力溢れるダンサーのエマが主人公。(その対比で歳上の夫役のガエルの枯れ具合がより際立つ。種無しの設定やし…)
エマは自分勝手でヤリマンでレゲトンのリズムに合わせて自由に生きているように見えるが、実は手放した養子のことをずっと気にかけている。その養子に再会するための計画がラストに明かされる。

外国人の顔の判別が苦手すぎて、最後の場面までエマのセックスの相手が誰なのか判らなかった。なので判った瞬間ゾーっっとした。その後、友人家族集めて計画の全貌を話す場面、あれすごい空気やけど大丈夫なんか!?その後何事もなかったかのように家族ぐるみの交流が始まっちゃってるけど、エマ以外は明らかに気まずそう。

ラストの灯油補給のシーンも良いね。街中で火炎放射器をぶっ放しまくるエマ、そのエマから放火を教わった息子。モンスターが新たなモンスターを生んじゃってる。映画は表向きハッピーエンドのように終わるが、彼らのストーリーの続きはきっと悲惨だろう。

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ケロケロケロッピ