エマ、愛の罠のレビュー・感想・評価
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痛快にしてお見事!な、間違いを恐れぬ主人公の大驀進!
最近、別の映画で「お見事!」というセリフがものすごく効果的に使われていたが、この映画やエマという主人公に対しても、同じくらいのテンションで「お見事!」と言いたくなる。とにかく言葉で説明しようとしても、この物語のハチャメチャな魅力は伝えづらいのだが、圧倒的に新しくて刺激的で、現実を突き破るような痛快さに満ちている。
正直、エマの立てた計画というのは、緻密なのか、おそろしくずさんで行き当たりばったりなのかが判別できない。判別できない、というより、その両方なのだと思う。ただ、倫理的に正しかろうが間違っていようがお構いなしに「よっしゃ!誰も彼もあたいがメロメロにしたるでぇ!」という途方も無い自信を武器に、先へ先へと突き進む。
ベタではあるが、冒頭で赤信号が燃えている。もう止まることなどありえないという作り手とエマの決意表明であり、前半の行き過ぎにも感じるスタイリッシュさも、エマの暴走に引っ張られてバランスを欠いていくような作りが面白い。ラライン監督はエマの世代のことは理解できないと語っていて、理解できないと腹をくくったからこそ、ここまで破天荒なキャラが生まれたのではなかろうか。最高。
ハンサムで豪快で繊細なエマと仲間たちのお話
エマも、エマの仲間の女友達たちもみんなかっこいい。
導入部、火事、海辺!子どもの話、やけど?病院?とよくわからないまま、こちらの集中力が途切れるともう違う場所違う人、、とめまぐるしく、かっこいい場面の連続。だんだんパーツがつながり話が見えてくる頃にはエマの闘志が全開に。エマの母親がでてきたり、養子縁組した子どもがまた別の親に引き取られたり、移民の子、とか、レゲトンを蔑む芸術家気取り、とかエマの母親の話とか、チリ特有の社会的な問題も背景にあるのだろうがそれはよく知らないのでなんとも言えないが、毒親の問題とか、女性蔑視、LGBTへの偏見。芸術と反芸術とか、、、いろんな問題を問いかけながら、とにかくテンポよく、美しく、エマの闘争が進行し成就していく。1人でバスにのる、母親とバスに乗る、子どもとバスに乗る、、バスのシーンが過激ではない、ごく普通の女の子のエマを見せていたと思う。消防用の放水のホースも、火炎噴射器も、エマがもつと、ランボーかよってかっこよさで。エマの友達刈り上げっ子も、勇ましくてストレートで妥協しない女子っぷりがとても素敵だった。そして、男子はみんなへたれでクソだった。最後のオチまで丁寧に見せてくれて、素晴らしい監督だ!
エマの考えは、たしかに恐ろしい考えだった
この奔放な話の根底には、主人公エマからのポロへの愛を、いや、それだけでなく、言葉にすれば "人類愛" なのだが、そうではなくもっと狭い範囲から始まる "全員愛" とでも呼ぶべきものを感じる。こんな話を映画として成り立たせているのは、一にも二にもエマ役のマリアーナさんの中性的な圧倒的な "美"!!!! その、微笑んでいるかのような無表情で、最初から最後まで貫かれている。
ねえ、この映画って、なんか危険な映画なんじゃないの?? "色彩的な映画" にとどまらず、ちゃんと映画が成り立っている。すごく感情をコントロールされているように感じる。怖い。 ただ、それだけに、圧倒的な凄さを感じる。
男も女も、大人も子供もない、全てが対等な中での、衝動としてのダンス、愛、SEX という世界。
エマが言う、「私が狙っていることを知ったら、驚くよ」 という言葉。ホントに驚いたよ、エマ!!
全然、好きではないけれど、凄い! きっとこの作品、凄い!
難しい
評価が難しい作品
個人的にはダンスシーンはコンテンポラリー、レゲトン共に良かった気がする
屋上の見晴らしのいいシーンとか場面、場面で綺麗な美しいシーンがある
物語はちょっとそれないだろっていう破天荒な女性が主人公
別居中の旦那に女あてがっておいて自分で切れる所とかこうゆう人居るよなって思ったけど
他の行動は理解できない、主人公が性に奔放なのわかるけど
だからと言って結婚してる女性を誘惑はできないだろ〜とか思っちゃう
俺が現実的すぎるのかな?
なかなか無理のある脚本ありきのストーリーで展開され残念な感じ
ダンスだけでもっと深掘りした方がいい作品になったんじゃないだろうか?
いいカメラワークなどもあったので残念な感じの作品でした
愛のマフィア
養子の息子を手放してしまったダンサーの女性の静かなる激情の話。
息子、施設、放火、養子、顔を怪我した女性、旦那との不仲、火傷、と断片的にみせて、繫げることでエマの置かれた状況を伝える前半。
小出しなのでちょっと入って来にくいものの難しくはないし、作風と合っている印象。
そこから加速していく周囲を巻き込む行動の数々は過激ともとれるけれど、奔放な感じも。
兎に角いえることは旦那は悪いことは全て人のせいのクソ野郎ということ。
エマを中心にみせるものは変化していくけれど、誰かがいなくなったり話が途切れたりすることはなく、どんどん拡がって行く。
話がどんどん拡がって、何を言いたいのかボヤけてきたなーと思ったら、新たに始めた仕事で一転。
四一九一親の総取り!
マジか~…エマ怖すぎるわー。
決して突飛じゃないし、登場人物の描写から納得出来る展開だけどしてやられた。
エマの気持ちが最後まで分からず…
不思議な描写が多く、一つ一つの描写のエマの心情を考えたり想像したり常に頭を使った見方をして鑑賞していた事もあり時間はあっという間に感じた。
ただ最後まで彼女の本心だり考えが理解する事ができず個人的にはあまり面白い作品とは感じなかった。
そもそもがポロを巡る心情があまり理解できない。本当に息子という愛情があるのか、子供が欲しい育てたいという母性が先走ってるのか、はたまた幸せな家庭という憧れが強いのか…エマには色んな心理的な悩みだったり欲望を感じるためどれが本心なのか、又は全て満たしたい欲となっているのか…この辺が分からず彼女への理解
に僕は繋げることができなかったのであろう。
しかしながら、チリ映画という殆ど触れた事のない作品を映画館で鑑賞できたことはとても貴重の時間となった。やはり見慣れない国の作品を見るとたかが映画作品とはいえ所々文化の違いを感じるのは興味深い経験である。
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