マリッジ・ストーリーのレビュー・感想・評価
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妥協しない関係を考えさせられる恋愛映画
好きだからこそ、許せない、諦めたくない。
好きなんだから、いいじゃない。
単純な離婚劇に終わらせないところが、脚本と俳優の圧倒的パワーで余韻を残す仕上がりになってます。
離婚、しなくていいじゃん。
って声が、沸々と湧いてくるのだけれど、敢えて駄々っ子みたいに時間とお金をかけて、相手にわかってほしいことがあるんだな〜と。
人を好きになるって、ものすごいエネルギーがいるんだな〜としみじみ感じ入りました、はい。
離婚した人が見たらどんな感想か聞きたい。
評価がすごく高いけど自分は苦手な話だったかな。
ノア・バームバック監督の「イカとクジラ」や「マイヤーウィッツ家の人々 (改訂版)」のような家族や夫婦間の物語で、今作もヘヴィでぐったり疲れた。主張が強い人達が共に暮らすしんどさ。
アダム・ドライヴァーとスカーレット・ヨハンソンの演技は見所あった。しかし共感という感じではなく。たぶん自分が独り身で結婚経験がないことが原因かもしれない。
アメリカの離婚に関する争いは好きになれるところがない。そういう物語もあまり好きにはならないのですね。
笑いどころ?で笑えない
誤解を招く印象を払拭しようとナイフを使う場面から、徐々に血が滲み始めシャレにならない出血量、キッチンでの滑稽にも取れる応急処置、意識が朦朧となりながらも子供にはひた隠す場面。
少し「ナイスガイズ!」でのR・ゴズリングが、割れた窓ガラスで腕を切り救急車で運ばれるシーンを思い出したりもしたが。
劇場内は笑いが起きていたけれど、、、、!???
彼の置かれている状況を知っているし、助けてくれる他人や家族も居なければ、子供に弱った自分を見せない父親としての姿。
物凄く不憫で孤独を感じ、そんな寂しい姿に笑うことは出来ずに寧ろ涙が溢れてしまった。
弁護士役のローラ・ダーンもそうだけれど、女性は強い!そして怖い!?対する男には、哀愁だけが残る。
まぁ、所詮は男性側としての意見でしかないが。
原点
毎日を生きていくのが精一杯で目の前の忙しさに流されていく、子育てをしている夫婦ならなおそうだと思う。そんな中でお互い出会った時に抱いていた印象もどんどん忘れていくのであろう。夫婦として大事なことは家族の問題を話し合いで解決できることなのだが、そこに愛がなければただお互いの不満をぶつけるだけの罵り合いになってしまう。なぜ、結婚したのか。その原点を忘れないために、そしていつまでも大事にするために言葉でお互いの好きなところや相手に対する感謝の気持ちを伝えることが大事なのであろう。「思っているだけじゃダメ」「察して欲しいもダメ」言葉で相手に伝えないと何も伝わらない。
愛もグレー
離婚=絶対悪ということではないと感じた。良くはないが人間の営みのひとつなのだから、そこで何を成すかという事が大切。ささいな描写がリアルで、心情表現のうまさを感じた。
最後が傷つけあうだけではない結末で良かった。
脚本と俳優の力
基本的には、とっても魅力のある男女が、相手の引力に惹かれ会いつつ、やがてそれゆえに抜け出せない泥沼に陥るという、真正面から離婚の過程を描いた映画。
子供の養育も絡むから、重くないはずがない。
しかし、見終わった後、モヤモヤした感情が残らない。
ユーモアがあって、男女それぞれの人間的魅力と弱さをきちんと描けている脚本がとてもいい。
弁護士が介在するエゲツない紛争の生々しさも興味深い。
よくできた脚本を演じて、ドラマの世界に引き込む役者も粒揃いだ。脇役一人ひとりもしっかりキャラクターを持ちながら、主役級の演技を邪魔しない。
困った。褒めすぎだぞ。
ミニシアターだったけど、途中で席を立つ人が二人いた。
もしかしたら、自分の経験が甦って辛かったのかもしれない。
日本でこうした成熟した大人の映画が作れないのは何故だろう。
私自身は、ドラマに没入できないところが僅かにあったので、0.5マイナスした。
脚本や演技を学ぶ教材になりそう。
痛い!!バツイチ経験者には切ない!!
離婚する男女の子供の親権を巡り右往左往するお話。
アベンジャーズのブラックウイドウ役スカーレットと
スターウオーズのカイロレン役のアダム。
ちょっと普通の人間を演じるイメージが薄い二人ですが
そもそも、ちゃんした演技が達者だからこそ
ファンタジー作品を人間ドラマに仕上げることが出来てる訳で、
実力者の二人が演じる作品が
Netflixの独占配信でありながら映画館で観られて感謝!!
Netflixが頑張ってることは素晴らしいと思うのだけど
私みたいな気の散りやすい人間は
映画館の閉鎖空間でこそ、
作品の良さを集中して
堪能できるので
自宅だと、やっぱり理解度が違うのよね〜
で、月に8回程映画館に通う中途半端な映画好きとしては
ずるいのは(よく出来た脚本という意味)
最初はお互いに相手のどんなところが好きかを
箇条書きにさせるところ。
「人の話を良く聞く」「家事や育児に積極的」とか
良い所も分かってはいるのだけど
「負けず嫌い」「信念を曲げない」など
知り合った頃は美点だったものが年月を経たあとには、
離婚原因になったりする。痛いほど良く解る。
そして離婚訴訟をしている真っ最中の相手だけど
十数年間も一緒に家族として暮らした相手だからこそ
「髪が伸びてボサボサしてる」とか
「靴紐がほどけて危ない」とか
そんな些細なことに気がついて、つい直してしまう。
それはそれで、悲しいやら切ないやら〜〜
日本もアメリカも離婚が多い時代。
だからこそ、こう言う映画が共感を得るでしょう。
私もバツイチ。
正直別れた相手が何かしら不幸になっていたら
寝覚めが悪いな〜と今でも思ってます。
大掛かりな映画では無いけど、
今の時代には必要な作品なのだと思います。
@お勧めの鑑賞方法は?
Netflixで観られますが、やっぱ映画館の方が理解度が高いな〜。
本音でぶつかり合う飾らない人間模様に圧倒され、切実な思い胸迫る
円満だった結婚生活がギクシャクしていく2人の、今まで溜め込んでいた感情を一気に吐き出すかのような激しい言い争いに圧倒された
2人を取り巻く周囲との飾らない本音で向き合う関係に、親近感が湧いてくる
マフィア映画の金字塔『グッドフェローズ』で主人公を演じたレイ・リオッタが、本作でも凄みある役で存在感を発揮している
離婚問題に直面し感情的で鬼気迫る難しい役を演じたアダム・ドライヴァーとスカーレット・ヨハンソンが、怒りをぶつけ合いながら切実な思いを綴った胸迫る本作は、今後の賞レースにどうノミネートされるかが楽しみだ
【ある夫婦の”関係性”の変遷を、コミカル要素とシニカル要素を絶妙に絡めながら描くヒューマン”夫婦”ドラマ。】
冒頭、ニコール(スカーレット・ヨハンソン)とチャーリー(アダム・ドライバー)の夫婦がお互いの長所をモノローグで語りながらその数々のシーンが映し出される。
例えば、ニコールは夫の事を
・映画を観ると涙を流す
・家事全般が得意
なので、料理、繕いモノもし、アイロンも自分でかける
・私が怒っても、感情的にならず対処してくれるので、有難い。
・滅多に自分の信念を曲げない
・負けず嫌い
といった感じで、語る。
(この、二人の相手の長所を述べるモノローグとその場面を見るだけで、二人が善良な人間だという事を仄めかしている・・。)
が、次の場面では仲裁人の男性の前で不愉快な顔で椅子に座る二人。
ニコールは仲裁人からの”お互いの長所を語り合って・・”という言葉にも不愉快そうに”嫌だ、二人でシャブリあってな!”と捨て台詞を吐き、立ち去る・・。
前半は、二人の関係性が、チャーリーの浮気やニコールの映画女優としての人気に陰りが出始め、逆にチャーリーの演劇作家としての実力が認められてきたパワーバランスの変化もあり、徐々にギクシャクしてきた背景が随所で描かれる。
当初、二人は協議離婚を考えていたが、ニコールがノーラ(ローラ・ダーン:実に上手い・・。)という遣り手の弁護士を雇ってから、二人だけの問題が息子ヘンリーを始め、周囲を巻き込んだものになっていく・・。
現代訴訟社会への皮肉もしっかり盛り込みながら、物語は進む。
(ノーラと対抗すべくチャーリーが比較的温和な弁護士(アラン・アルダ)から攻撃的な弁護士(レイ・リオッタ)に変える場面や、
ノーラの自らの弁護士の価値を高めるために、有利な結果を少しでも残そうとする姿勢(親権の割合に拘る場面)など)
<今作の印象的な場面>
・近年、ハリウッド大作への出演が続くアダム・ドライバーとスカーレット・ヨハンソンの、数々の長台詞も含めた迫真の演技がアップで長時間観れるところである。
矢張り二人は素晴らしい役者である事を再認識した。
最初は感情を抑制しているが、徐々に能弁になり、感情の昂ぶりを爆発させるアダム・ドライバーは滅多に観れないし、更に歌まで歌ってくれる。(良い声である・・)。
又、スカーレット・ヨハンソンの複雑な感情を吐露する場面での台詞回しや感情の機微を多彩に変化させて魅せる表情など、”うわあ、矢張り、こんなに素敵な女優さんだったのだ”とちょっと驚く。
・深刻なテーマでありながら、ニコールの母、姉をコミカルなキャラクターとして登場させることで、内容に笑いを盛り込んで居るところも良い。
・又、離婚訴訟中であるにもかかわらず、昼食のメニューを渡されて決めきれないチャーリーのメニュー(ドレッシング内容まで指定:夫の嗜好をしっかり把握しているのだ)をサッと決めるニコールの自然な姿。
・今作の私が思う白眉のシーンは
チャーリーが冒頭用意した妻ニコールの長所を綴った文を、息子ヘンリーがたどたどしく読むのを手伝ううちに一人で読み始め、”ある文章:彼と会って2秒で・・・”を読んだ際に涙で声が詰まる姿と、それを扉の向こうから聞いていたニコールのフォーカスされない姿だろう。
(彼女の表情をどう見るかは観る側に委ねられる・・。)
この場面で涙を抑えるのはかなり難しい。
又、冒頭のモノローグ場面をそのように繋いだか!と思った、ノア・バームバック監督が自ら書き下ろした脚本の熟練の技にも舌を巻く。
<ニコール(スカーレット・ヨハンソン)とチャーリー(アダム・ドライバー)の夫婦が協議離婚をして、チャーリーが望んだ”友達”の関係に戻るのか、夫婦関係が修復されるのかまでは描かれていない。
が、ニコールのチャーリーに対するラストのシーン:息子を抱いて歩き出そうとするチャーリーの足元に屈んで、慣れた手付きで靴紐を結ぶシーンなどを観ていると、二人の関係性が良い方向に少しづつでも修復できればなあ、と願ってしまった。
実に、心に沁み入る作品である。>
<深く愛し合って夫婦になった男女が別れるのは、相当難しいことなのだと(離婚率が高まる現代社会ではあるが)、私は思いたい。>
<2019年12月3日 劇場にて鑑賞>
<2020年2月16日 勤務先の近くの歴史あるミニシアターで再鑑賞:1部、レビュー追記>
もう一度たどり着いた場所。
ノア・バームバック×スカーレット・ヨハンソン×アダム・ドライバー「マリッジ・ストーリー」傑作、素晴らしい。その場所にあった大切なものは無くなってしまったが、悪戦苦闘してその場所にもう一度たどりつき、その大切なものは少しも間違っていなかったと抱きしめる物語。
そして、あのシーン。「レッツダンスのボウイかよ!」と心の中でつっ込んだスピードは世界最速だった自信があります。
結婚って何なんだ?
恋愛の賞味期限はもって3年と化学的に証明されている。
恋愛期のドキドキや新鮮味は段々とうすれてくるもの。
結婚とは生活そのものであって、家族である。どのくらい相手を思いやれるかが長続きのコツで、
頭では分かっていても上手くいかない。
だからこんなにも離婚が多い。
それにしても離婚がこんなに大変ということをこの映画で再認識できた。こんな面倒くさいなら初めから結婚なんてしなければいいのにと思ってしまう。というか婚姻制度自体に疑問を抱く私はおかしいのかしら?
双方の弁護士が入ることにより、主人公夫婦の関係がさらに
悪化しお互い拗れていき、二人が罵り言い合いになるシーンが特に印象的だった。
主人公二人の演技力が素晴らしい。
最後の手紙を読むシーン
泣けます。
白熱の演技で笑うのを忘れました
コメディと聞いていたのでもっと笑えるかと思ったが、クスッくらいでそんなに笑えず真剣に観てしまった。やはり主演2人の演技が凄く流れがとても自然で、物語に引き込まれてた。男女の心理の違いもよく描かれており、息子の能天気さと放っておいてもどんどん成長していく様もとてもリアルに感じた。
しかしもっと短く作れるでしょ??ネット制作映画はそこが問題。各シークエンスもっと削れるよね。
好きと嫌いのバランス
昔、付き合っていた女性に、僕自身の好きなところを50個あげてみるように言われて、途中で諦めたことがあった。
まあ、50個もあるわけはないと、最初から諦めてたところもあるが、好きなことを確認することは、自分の嫌なところを確認する作業のようにも思えて、ちょっと嫌気が差したからだった。
それよりも前、自分を好きになれないで、人のことなんて好きになれるわけはないと、誰かに言われたことがあった。
でも、自分の好きなところなんて、ほんの少しで大丈夫だった。
それは、自分自身ですごく大切にしている部分だったからだ。
改めて、50個あげてみるなんて、馬鹿げた作業だと思った。
そして、その女性とはうまくいかなくなった。
お互い、嫌いなところが膨らんだからだったように思う。
でも、この映画を観たからというわけではないが、たまに人の嫌いなところを罵り合うのも良いかもしれない。
好きなところを確認して嫌いなところも見えてくるように、嫌いなところは好きなところを再確認するようにも思えるからだ。
一見、マリッジ・ストーリーが離婚の物語のような様相だが、実は、あの二人がこれからどうなるか少し期待を持たせるマリッジ・ストーリーなのではないか。
そして、契約としての結婚と、結婚して家族なるとは、どんなことなのか、改めて考えさせる物語なのではないか。
なんか優しくて泣かせるストーリーだった。
感情揺さぶられグッタリ
結婚物語 なんて穏やかなタイトルからは似つかわしくない夫婦のバトルが繰り広げられる話。
役者陣が上手なのでニューヨーカーの子持ち夫婦の日常を丸ごと覗き見しているような気分になる。
お互いの良いところを挙げて声を出して読んで、と離婚を円満に進めようとする冒頭はとても微笑ましい映像なのだが!それとは裏腹に結婚物語は望まない破壊的な方向へと突き進んでいく。
女弁護士役のローラ・ダーンがキレ者風でイイ!
妻役のスカーレット・ヨハンソンの滝のように繰り出される大量の台詞も演技ということを忘れるリアリティさだ。
最後は男が弱い、女はどこかで「母」に帰る。
観賞後、若いカップルが「日本人じゃあそこまでにならないよね〜」と言っていたが、そんなことはないよ〜。
それは貴女がまだ若いから知らないだけ。
結婚20年も経つとこの主人公たちの感情が痛いほどよくわかるのだ。
自らが夫と闘っているような気分になり、悔しくて涙ぐんだ。
エンディングはLAの街並みが美しく爽やかだが、感情揺さぶられ結構、グッタリきてしまった私です。
最高の「人間関係」映画
東京国際映画祭にて。
アダム・ドライバーとスカーレット・ヨハンソンが離婚訴訟でドロ沼になる話。だがしかし、それだけではない、泣けて笑える「人間関係」映画。
夫婦がふたりして大変頑固で負けず嫌い。最初は戦う気もなく穏やかに離婚するはずが、あれよあれよという間に弁護士が入って話がややこしいことに...。
スカーレット・ヨハンソンの台詞量が膨大。女性の心情が爆発するシーンである。夫にいつの間にか抑圧されていた妻、妻と母になるあまり自分が分からなくなってしまった女性。才能溢れる似た者夫婦って大変だなあと考えてしまう。
対するアダム・ドライバーは常に悪手悪手を無意識に取っていく夫である。彼は妻の鬱屈というか複雑な感情が理解できないので色々困った挙句、常に「嗚呼そっち選ばなきゃ良いのに...」というルートを歩んでゆく。なんというか、自業自得な面もありつつ哀れというか、本当に哀しい男の姿である。
冒頭で互いの良いところが列挙されるけれど、現実は全く互いの気持ちを伝えられない夫婦。最初にあれ伝え合っていたら変わったのだろうか。大岡越前のやつみたいに子どもを引っ張り合っちゃったり。どちらも必死で、物悲しくて。
お互いが話し合おうとしても結局ヒートアップしてしまう頑固なふたりに胸が締め付けられてしまう。完全に思ってないことまで口に出してしまうあるあるだ。
ここまでドロ沼のような展開にしても、この物語は温かく笑える話に仕上がっている。女弁護士ローラ・ダーン最高。いやお前がいなきゃ話がこんなにややこしくは...とも思うが(いや、でもあのふたり絶対結局揉めてたよなとも思う)、台詞や仕草がいちいち面白い。そして良いこともいうのだ。
妻の家族のやり取りもおかしいし、台詞のテンポというか、間が良いので、うなだれるシーンでもついくすりとなってしまう。笑ったり泣いたり、感情が緩やかにしかし大きく揺れ動く136分。楽しかった。
アダム・ドライバーもスカーレット・ヨハンソンの夫婦のリアリティが凄い。とにかく上手くいかないアダム・ドライバー、歌うアダム・ドライバー、膨大な心情吐露が迫るスカーレット・ヨハンソン、そして表情の機微が素敵なスカーレット・ヨハンソン。スクリーンで観てよかったわ。人間関係をここまで、映画的かつ笑い泣きしながら見せてくれるのは最高だと思いました。
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