マリッジ・ストーリーのレビュー・感想・評価
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夫婦に慣れてしまった時に
夫婦が離婚するまでの物語。
それだけ…それだけの物語。だから誰にでも起こりうる、普遍的な話。
愛しているから結婚した。一緒に暮らして子供もできて、相手はもう、自分の一部のようになっている。だから離婚とは、自分の部位を切り落とすようなものだろう。それだけでも苦しいのに、簡単に切ることはできない。後悔や躊躇や、そして愛情も残っているから。
幸せで、少し慣れてしまった時こそ、必要な物語。
求め過ぎないこと
間違いなく解っていることは、誰一人として不幸せになろうなんて、これっぽっちも思っていないこと。
奇しくも劇中で目的が変わってくると言っていたけど、誰も裁判で勝つことが本来の目的ではないのです。でも、結果的に望まない方向になる。
何故か?
多分、求め過ぎるからなんだと思う。
もっと幸せになりたい、もっとお金持ちになりたい、もっと構って欲しい、もっと…。
夫婦に限らず、上司部下とかの間でも、求めることは必要だけど、求め過ぎるとろくなことが起こらない。
楽しかった思い出もすべからく、否定したくなり、言いたくもないことまで口走らなければならなくなり、そして、不幸になった原因は全て相手にあると思うようになる。
じゃあ、なんでもかんでも我慢すれば良いのか?という訳でもない。実は、現状維持ということで、決着を先延ばしにすれば時間が解決することもある。
何が幸福で、何が不幸なのかは解らないけど、奥が深い。色んなことを考えさせられる内容だった。
「イカとクジラ」の時と同じ(笑)。
甘い結婚生活から一転…僅かなズレから生じた大きな雪崩の様に、元には戻れない夫婦関係。
「イカとクジラ」よりも共感したかな(笑)。
元々は愛し合っていた筈の夫婦なのに…結婚生活は妥協のし合いと言う所からの我慢によって、積み重なった不満が爆発してしまう。私は ヨハンソン派閥(笑)なので、アダム・ドライヴァー(父さん)はウザく感じてしまうけれど(笑)、あの2人には適度な距離が必要なのであって、決して上手く行かない夫婦だとは思わなかった。
両親の熱い思いとは裏腹に、冷めてる息子の方が現実的で面白かったかな(笑)!
この作品がなぜ評価されているのか分からない
スカーレット・ヨハンソンとアダム・ドライバーという当代きっての人気者をW主演に据えているのはいい。
ただ、ストーリーは一言で言ってしまえば夫婦の離婚劇をドロドロした部分まで開けっ広げにしただけの話。まるで、かつての東海テレビの昼ドラを見てるよう。
これじゃ、大物2人を起用した意味がない。
まあ、自由度の高いNetflixだからこそ、通った企画だと思うが・・・
たぶんずっと愛しているんだろうな。
離婚劇なんですけど、この夫婦は離れられない夫婦みたい。
お互いが大切で、大好きなのに、なんでこんなことになっちゃうんだろう、
みたいな切ない気持ちの葛藤なんだね。
弁護士同士の戦いに巻き込まれる二人の複雑な表情がなんだか笑えて、
この作品をコメディと言ったら怒られるかな。
夫婦喧嘩は犬も食わない
主演二人の迫力ある演技は素晴らしいが夫婦喧嘩は犬も食わずの格言通り観ていて楽しいものではなく全く共感出来なかった。
展開もあっさりし過ぎているので退屈で時間も長く感じた。どうせならもっとドロドロした激しい展開が欲しかった。
2020-22
スカヨハとアダム・ドライバーの演技力がバケモノ
このタイトルで離婚の話。
一度歯車が狂うと元通りは無理なのだなぁ、と。
自分も、周りも、制度も。
色々思うことがありました。
弁護士が絡み、なにを目指して離婚するのかがわからなくなる。勝ちってなんだ?
じゃあ本人たちの気持ちが変わればすべて収まるのか……というとそうじゃない。
一度はずれた歯車は戻らない。
”自分の気持ち”も込みで翻弄されてしまうのは見ようによってはコメディかも。
スカヨハとアダム・ドライバーの演技力がバケモノ。
派手さゼロの脚本と演出で2時間20分惹きつける。
そりゃ主演男優/女優賞に納得っすわー
現実でも全然ありえそうな話。
驚きの展開とかまったく無い。
米国らしい離婚裁判を軸にしたドロドロした離婚話。
劇的に音楽は流れない。ポップコーン食べるタイミングが無いヤツ。
印象的なカメラワークも無し。
でも役者が魅せる。
ここまで演技で魅せる映画は久しぶり
個人的な難点が子供がまったくかわいいと思えなかったこと;
自分が男だからチャーリー側から見ちゃうからかなぁ。
ただ”何にこだわってるの?”ってのがわからなくなるのもこの話の醍醐味なのかも。
ってことはまんまと策にハマってる?
登場人物たちの感情が高ぶったときに使う単語や発音が妙に気持ちいい。生々しいー。
ミニマルのなかのアクセントといいますか。
生理的に好きなやつ。
あとアダム・ドライバーってやっぱすごい役者だな、と。
顔、体格、声……どれもが個性的。
個人的にはちょっと上手くいかないみたいな役、なにかに振り回される役のときが好き。
自分はカイロ・レンってキャラが苦手なんやなーと再認識;
ホント中の人は大好きなのです。
偶然にもジョジョ・ラビットを思い出すシーンとSW ep9を思い出すシーンがあっておほーってなりました。
ジョジョ・ラビット → マリッジ・ストーリーの順番で見た人は絶対思いましたよね?
ジョジョー!ロージー!
縮めることの出来ない距離から傷つけ合う二人を対等に見つめる21世紀の『クレイマー、クレイマー』
ニューヨークで劇団を率いるチャーリーと主演女優のニコール。二人の間には愛息ヘンリーが生まれ、舞台も成功しブロードウェイ進出も手中に収めるが、ニコールは劇団を脱退して故郷であるロサンゼルスに戻ることを決意する。二人はあくまで冷静に事態を収束させようとするが些細な助言をきっかけに泥沼の争いが始まってしまう。
どうしても40年前の名作『クレイマー、クレイマー』を思い浮かべてしまいますが、こちらはヘンリーを中心に向き合い折り合いをつけようとするニコールとチャーリー双方の葛藤に寄り添うコメディ。カウンセラーの前でニコールがブチまける暴言から始まる細かいギャグの応酬にいちいち笑わされますが、些細なことからヒビが入った男女の関係が決して修復出来ないほどに壊れてしまう過程は非常にリアル、お互いを認め合いお互いの心情を語っていた二人が次第に声を荒げて埋められない距離から罵り合うまでの一部始終を物凄いテンションで観せるアダム・ドライバーとスカーレット・ヨハンソンの演技が圧巻です。個人的にはチャーリーが胸に溢れる様々な感情を振り絞るようにしてピアノをバックに歌うシーンが印象的でした。双方の弁護士を演じるローラ・ダーンとレイ・リオッタの怪演が単調になりがちな展開にくっきりと抑揚をつけているのも楽しかったです。
アメリカも日本も、同じ。
こんな風に離婚に至るのだというのが、大変共感できたし、ある意味やっぱりこれが男と女の普遍的なテーマだと、お腹の底から納得できた。ありがとう、バームバック監督。監督の実体験をもとに作られた映画ときいてます。期待に違わず、よくぞこんなリアリティを持って描けたと、溜息が出た。
妻も夫も、弁護士たちも、みな一生懸命自分の責任と職務にベストを尽くし、思いやりも愛もユーモアもある魅力的な人達と思います、悪い奴は出てこない。口は悪いけど。痛々しいくらい人間的。奥さん、特にいい人。明るく飾らず、ポジティブ。争わないように生きて来た。でも争う。みな正しいのに。
終盤をみて思いました、私も50%ずつの公平さが安心で落ち着く。でも45%55%と勝ち負けをはっきりさせるほうが安心で落ち着く人もいる。むしろこれで平和とか。法律もそう。例えて言うなら、奥さんは自分が55%の側ならその多い5%を相手に渡そうとする人。でもこの夫が55%側なら。彼ははたしてそうするだろうか。
女優と監督で夫婦という立場ですが、夫のプライドをさりげなく尊重できる可愛い、そして器の大きい、正直者のいいオンナなんですこの妻は。夫に惚れてるし。でも夫はその少し立ててもらってる、いつも譲ってもらってる愛に気付けなかった。自信と傲慢さは紙一重ですね。奥さんのささやかな誇りにも気付けない。妻の自尊心を粉々に叩き潰す口論、妻も必死で応戦、人格崩壊寸前。でも最後に泣き崩れるのは夫でした。正しいはずが、妻を罵り見下し叩き壊している自分に気が付いて。そんなことしたいわけじゃないのに。慰める妻。愛があるから相手の辛さがわかる。相手を大事に思っている、でも自分を殺して生きるには限界があります。先に気がついたのは妻でした。でもそれは彼女がしっかり彼を愛し、精一杯寄り添う努力をし尽くしたから。彼はいつ理解できるかなぁ。これまで彼女の愛に包まれていたから好きだったかもしれない、愛するのは、離れたこれからかもしれませんね。
「常識と非常識は“非常識”」
一緒に住んでいて、互いにとんでもない相手と結婚してしまったと嘆き、骨肉の争いの後に離婚して始めて夫婦の意味を知る粗筋となっていて、よくある離婚怨恨ドラマを予想させるのだが、ラストの靴紐を結んで上げるカットで、“家族”という概念を過不足無く演出せしめたノア・バームバック監督の、優れた手腕を強く感じさせる内容である。
観客側は俯瞰でこの顛末を目で追っているので、それぞれ2人の言い分や言動の不一致を確認出来るのだが、登場人物達は当然ながら手の内は解らない。その攻防の最中も息子への“接待”も又、競争のような状態になってしまう悲しさも一際である。
とにかく細部への深い一寸した仕草や行為、行動が、演技としての技量を超えた自然なカットの連続で、感心させられることしきりである。夫の台所での引き戸棚の位置間違いの“天丼”は、これが演技なのかと驚く。アダム・ドライバーは、鑑賞日だけでも2作出演しているが、確かにこの人を起用したくなる制作側の思考は大いに理解出来る。思ってる以上に身長の低いスカ・ヨハも、この役にはぴったりで、潤んだ目を湛える演技は共感を覚えずにいられない。それと同時にプライドの高さ、気の強さも又全身を覆うオーラとして纏っていて、分かり易いハリウッドイメージを表現している。NYのスノッブイメージも又、アダムドライバー然りだ。2人の器用な演技と、きちんと受け応える子役の演技も又レベルが高い。アメリカの観覧型撮影式シチュエーションコメディのような、小気味よいスピード感も飽きさせない編集である。
離婚理由が、最近観た『ゴッドタン』の『かもめんたる』というコントコンビの不満に似ていて興味深い。結局、もっと大事にして欲しいという切実な願いをどう受け止めるかの一言なのであろう。もうこればかりは現状では全てが望む抜本的解決は皆無だ。一時的に関係の回帰は窺えても、元の木阿弥になるのは常である。であるならば、いわゆる“仮面夫婦”として、お互いを同居人という立場に納めるか、今作のように闘争を起こして全ての膿を出し切るかの荒療治に踏み込むかというどれも救えない、“解決策”という語彙とはかけ離れたイベントを用意しないと先に進まない。こんな無意味で非合理な壁を乗り越えなければ、関係性の前進に至らないとは、本当に人間とは難儀な動物である。未来永劫、出会った頃の新鮮な愛情のやりとりを続けられる事は不可能だ。だからこそ妥協、又は取捨選択が便利な道具として行使される。しかし、今作の夫婦は、他のレビューでも絶賛されているように、白眉である殺風景な部屋での壮絶な口喧嘩を図らずも勃発させることで、真摯に我をぶつける手段を取ったのである。傷付けるならいっそ深く沢山・・・ 表題の通り、常識と非常識ならば、非常識を取る事が、逆説的に正しい方向へ舵をとれることを結果的に示してくれる。そんな夫婦関係の劇薬を披露してくれた今作、大変参考になりましたw
美化されていない夫婦のリアル
3回観て3回泣いた。
これほど結婚生活、夫婦の絆を表現できている作品は他にあるのでしょうか。
離婚の話だけど、究極のラブストーリーなんだと思う。恋愛とかそういうものをすべて超えたところにある愛情みたいな。
2人が言葉でお互いを傷つけ合い、激しい口喧嘩をしてしまうシーン、もう苦し過ぎた。
でも、その直後に自分の言葉に後悔して、お互い思いやる姿が温かくもあり、切ない。
チャーリーが最後に歌うシーンも、この歌詞こそ彼の本当の想いなんだろうなぁと。これもまた切ない。
そして、ニコールの手紙の最後も、切ない。
切ないだらけだけど、本当に夫婦の絆を感じさせて、本当に美化されていない夫婦のリアルが描かれている素晴らしすぎる作品です。
結婚してる人、結婚の経験ある人に響く映画。
そして、アダム・ドライヴァーとスカーレット・ヨハンソンの演技が圧巻。「演技」だと思えないほど素晴らしいものでした。
これを観るためにNetflixに課金する価値あり。
YouTubeでも考察動画アップしてます。
https://youtu.be/mX9iygnbc4U
なぜ、divorce storyではないのか。
夫婦が離婚にいたるまでの過程を描いているのに、なぜタイトルに離婚(divorce)ではなく、結婚(marriage)を掲げるのか。その意味をずっと考えながらみていました。
その答えがわかったわけではないですが、個人的解釈としては、離婚までのプロセスの中で、二人も、観ている私たちも、改めて「結婚」について考えさせられる、そういう意味での「マリッジストーリー」なのかなあ、と。
結婚よりも離婚の方がエネルギーがいる、とは聞くけれど、それをリアルに実感させる。
冒頭、二人がお互いのいいところを列挙するところからはじまるから、なんだかんだ二人は元サヤに戻るのでは?という気もしていたけど、そううまくはいかなくて。そこに、弁護士がからんだり、仕事での対立、子どもの問題、ニューヨークとロスの対立…などかからんできてより複雑に。
日常の些細なできごと、ちょっとしたやりとりも、法廷でお互いを落とすためのエピソードになってしまうのがつらい。
あんなにお互いのいいところを知っている二人が、お互いの仕事を尊敬しあっている二人が、お互いを傷つけ合い、今までの夫婦生活を全否定する姿が切なかったです。
結婚→離婚あるある
NETFLIX観賞。
アカデミー候補なので、楽しみに観たのですが。期待が大きすぎたのか、ストーリーが地味に感じられ、もう終わり?と呆気なく感じ、星4には届かず。
よかった点: 主演2人の名演 好きで一緒になって、子供の誕生を喜び、少しずつ行き違い、ズレが大きくなっていく感じ。あるあるな感じで観てました。弁護士立てて泥沼化するのがアメリカっぽいですけど。お互いを罵るシーン、しっくりよく分かる。自分の事ではないのに既視感があると思って観ていたら、自分の両親だったのです。両親のケンカにそっくりでした。
マイナス点: 私が女性だからか、男性側の横暴な面が目について、そりゃ女性サイドから離婚したいと言われても仕方ないのでは?と思ってしまった。
とは言え、ラストシーン近くではきっちり泣かされました。離婚を決めたとは言え、子供を挟んで、良い父親、母親でありたいと願い、劇団の演出家と女優として尊敬もし合う。微妙な、繊細な、新しい関係を感じさせられました。
可愛さ余って憎さ百倍
夫婦ふたりのやりとりが第3者が入る事によってどんどんエスカレートしていって、それが怖かったです。離婚ビジネスのカモ化していたのでしょうか?それともアメリカでは一般的なのでしょうか?純粋に離婚だけだったらそんなにお金もかからないし、ここまで傷つけ合う事もないのかなあ。
可愛さ余って憎さ百倍
よく言ったもんです。
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