Winnyのレビュー・感想・評価
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20年立ちました
この映画の述べたいであろう「真の趣旨」は別のところにあるのでは?
今年77本目(合計729本目/今月(2023年3月度)12本目)。
1時間差でみた今週の本命作であろう本映画です。
WinnyはIT技術者であればもちろん、当時は社会をにぎわした事件であるので、知っている方も多いのではないか、と思います。
「表向き」はタイトルがそもそもWinnyですし、Winnyを扱っている部分もありますが、個人的には「第二、第三の論点が見え隠れしているが、(大人の事情で)表向きに出せなかった」のではないか、換言すれば、「この映画の主義主張は他のところにあるのではないか」と思えます。
採点としては特に差し引く要素までは見当たりません。
多くの方が書かれている通り、第一審(地方裁判所)しか描かれていないのも、下記に述べる「この映画の真の論点」に焦点をあてたという解釈をすれば至極当然の話であるからです。
なお、以下は、行政書士合格者レベルでの理解と採点、ほか補足説明や私見によるものです(反対意見ほか大歓迎です)。
(減点なし/参考/「ほう助」について法律事務所で聞いているシーン)
・ 日本には「刑法」という法律があり、学説をとく本では「刑法総論」と「刑法各論」の2部構成(あるいは2冊)になっていることが多いです。前者は「どのようなときに罰せられるのか、罰するべきものは何か、あるいは「ほう助」とは何か「共犯」とは何か」といった総論的なもの、後者は「個々の刑罰(例えば、殺人罪や傷害罪ほか)について各種の展開をしていく」という構成になっているのが日本の伝統です(ただ、本格的にこれを学習するのは、司法試験(予備・本試験)以外ありません)。
しかし、「ほう助とは何か」は映画内でも示されている通り、学説上の対立が非常に激しく、また判例も一貫していない部分があります(具体的な事件ごとにコロコロ変わっている)。この「ほう助」については学説の対立があり、「理解の難しいところ」であるのは確かです。
(減点なし/参考/「判例を調べる」の部分)
・ 日本の裁判制度では「判例」といった場合、最高裁判例を指すのが普通です(これに対し、高等裁判所以下のそれを「裁判例」といって使い分けるのが普通です)。
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▼ この映画が真に伝えたかったことは何なのか
もちろん私は映画監督ではないので、一人の資格持ち、あるいは一人の鑑賞者としての意見になります。
本映画でWinnyが題材にはなっていますが、Winny「それ自体」の技術的な論点ほかはほとんど映画内では前提になっていません。むしろ、「特定の警察組織」に関することばかりが多く取り上げられています(ネタバレ回避でぼかしています)。
翻って日本を見ると、現在においても、「法の解釈を誤った間違った逮捕・拘留」といったものはある程度見られます。それは人がやることなので「ある程度は」仕方がないところです(だからといって、警察官が怠けてよいという理由にもならない)。
しかしこの映画の「とある警察組織」のように、「そもそも根底論から無茶苦茶な警察組織」ではまともな裁判は展開できません。この映画は固有名詞が出るように、その大筋において史実と同じです(正直、国民目線からすればあきれるレベルでしかない)。「単なる誤認や勘違い」と「警察の支離滅裂な公権力の行使」は分けて考える必要があります。この映画はもっぱら後者を問題視したもので、ほか、リアル日本で「多くの人がこれは変だろう」と思えたであろう「無茶苦茶な事件」としては、「鹿児島県警の「踏み字」事件」などがあげられます(詳しくはネット参照。あまりにも無茶苦茶すぎて地裁で警察内部が裁判官から論破されて地裁で確定している)。
この映画は、そのような「あまりにも支離滅裂、やる気もなければ不正行為もモラルのかけらもないやる気ゼロ」の警察組織に対するメッセージではなかろうか、というのが個人的な意見です。
そしてそのような批判は、「常識的な範囲であり誹謗中傷等にあたらない限りにおいて」は日本では言論の自由で保障されますし、映画での上映においても同じです。また、映画内で出る「プログラム作成を通した自己表現の自由」や「報復を恐れる意味での匿名性を維持したソフトの開発」も、結局は「言論の自由」に帰着されます(「匿名性の確保」をどう考えるかは難しいですが、匿名性を盾にとって誹謗中傷を繰り返す類型と、匿名性を担保したうえで内部告発等を行う類型は、明確に区別する必要があります。今でも報復を恐れて内部告発ができないケースはあるからです。そして後者には「ある程度の妥当性」が認められるべきものです)。
要は、この映画はタイトルこそ「Winny」であるものの、結局のところ「あまりにも支離滅裂がおかしい警察組織へのメッセージ」、あるいは、「表現・言論の自由は「基本的人権の王様」と呼ばれるように最大限尊重されるべき」という立場で作られたものなのだろう、というところです(もしこれが気に入らないなら、その映画内で参照されている「特定の都道府県の県警」が抗議などしていると思うので)。
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長くなりましたが、この映画の「真のテーマ」はこのように別のところにあり、Winnyというタイトルは「ひとつの出来事のひとつにすぎないのではないか」というのが個人的な見方です。このように解すれば、「ストーリーが妙なところで終わってしまう」等も理解ができるので、個人的にはこの立場です。
司法が潰した画期的な新技術
東出クン、開眼したんじゃないの。プログラミングのこととなると無邪気で話が止まらなくなる。刑事や検事の強面に臆してしまう。そんな金子さんの人となりがスクリーンを通して伝わってくる。
東出クンを応援する気はさらさらないが、彼が出演する作品は見たくなるね。
当時、金子さんの逮捕に驚いた。いくら悪用されているソフトの開発者とはいえ、無理筋にも程がある。
京都府警の警察官がWinnyに生息するウイルスに引っかかって、捜査資料もろともPCの中身を晒された。京都府警のメンツは丸潰れで、著作権保護を大義名分にして金子さんを潰そうとしたのは間違いない。
さらにもっと問題なのは、司法が機能しなかったことだ。作品中でも描かれているが、ソフトウェアが何たるかを理解できない裁判官が事件を担当している。京都地方裁判所の、いや日本の司法の無知蒙昧を全世界に知らしめてしまった。これは、恥ずかしい。
愛媛県警の裏金問題をwinny事件に絡めて差し込んだのは、余計だった。金子さんは反権力を志向していなかったし、本人が語っているように「そこに山があるから登った」でしかないと思う。ちょっと焦点がぼやけたかも。
全体から見ると、ちょっとしたマイナスでしかなく、それを上回る法廷シーンの面白さがある。弁護側が、京都府警の刑事の嘘を引っ剥がし、矛盾を突かれて歯軋りする刑事の顔には、胸がスッとしますよ。
ビットコインの創始者のサトシ・ナカモトが金子勇氏であるとの都市伝説がある。拘置所でブロックチェーンのアイデアが浮かび、それを実現して換金せずにこの世を去ったとしたら。
革命を起こして世を去ったと信じたい。
水は方円の器に随う。それは人とモノの両方に言えること
今となっては死人に口なし、
『金子勇』が「Winny」を開発した時に
どのような思いであったのかは
しかとは判らない。
が、今回の映画版では
少なくとも悪意は無かった
との前提に立っているよう。
もっとも、そうした旗色を鮮明にしないと
ストーリーは創り辛いのだな、とも思う。
コンテンツを作る側は
違法動画のアップロードと日々闘っている。
承認欲求が満たされ、
オマケに報酬が得られる行為は
一つBANしても、
直ぐに異なるアカウントで復活する鼬ごっこ。
それでも、野放しにするわけにはいかず、
サイトをクロールしピックアップ、
弁護士からの要請で処理。
削除対応の速度はサイトによって様々も、
概ね以前よりもスピード感は上がっているとも。
とは言え、動画サイトそのものを悪としているわけでは勿論なく。
いみじくも本作でも語られているように、
道具は使い方によって善にも悪にも染まる。
あくまでも相対する側の人間性が現れるとの理解。
本作での『金子勇(東出昌大)』は
無垢というよりも世間常識がかなり欠落している人間との描写。
実際の当人の人となりは知る由もないが、
周囲にサポートする人間は存在しなかったのかと悲しくもあり。
海外でのそうした天才には
多くが伯楽の存在があり、
上手くサポートしている印象なのだが。
事件を通して知り合った弁護士が、
それに近い存在になるのは何とも皮肉。
主人公の描き方の偏りに加え、
法廷での幾つものシーンにも迫力が感じられぬのも不満。
また、最後まで警察が起訴した理由が明確に提示されぬことも
消化不良の要因。
中途挿入される「愛媛県警の裏金事件」も実際に有ったこと。
警察の暗部と、一方で中には正義の人も存在することの対比の妙はありつつ
「Winny」の功罪と併せて語るのはズレている気もする。
官の側は、先進の技術開発を可能な限りサポートすべきであり、
この国にありがちな、率先して枠を嵌めてしまう行為への反意は激しく頷ける。
もっとも、本作では先にも挙げた多くの要素を盛り込んだため、
ややピントがぼやけてしまった印象を受けるのだが。
警察と検察の阿吽の呼吸で
宥めすかし、知識が無さそうなの良いことに
騙すのに近い手法で誘導、罪を膨らませるやり口は
〔99.9〕や〔イチケイのカラス〕等のドラマを生む下地として
日本的なあるあると義憤も感じる。
自分が同じ立場になったら、と
空恐ろしくもあり。
エンドロールを見れば、制作に当たっての
公的機関の協力は当然のように一切無く(笑)。
弁護団の各員や『仙波敏郎』等の個人名に止まるのは
思わず笑ってしまった。
事実を‼️真実を‼️究極までに再現した‼️歴史的‼️❓ドキュメンタリー的‼️❓最高映画‼️
見て楽しいと思う作品ではないです
起起承承転結転結結のストーリー構成
Winnyの実話としての物語性は素晴らしいものです。そのために本作の題材は悪くはありません。
しかし、監督が金子勇さんという人物を理解しようと努力して、敬意を払い、観客に伝えようという意思は全く感じられませんでした。
本作は金子さんを逮捕した警察の裏の意図を観客に伝える役割として、仙波敏郎さんという実在の方を用いていますが、“観客にそのことを伝える実力が監督には無く”、作品の中に金子さんを主人公とする物語と仙波さんを主人公とする物語の2つが、重なることなくそれぞれ独立して存在します。
そのために起承転結が2つ存在し、合間に挟まる仙波さんの物語が、金子さんの物語に集中しようとしたときのノイズにしかなっていません。
また金子さんの物語の「転」の後、急に時間が飛び別の1つの「結」が現れます。
さらに最高裁の判決という本作の本来の「結」の部分を過程を省略して表現していて、さらに非常に簡素であり、なんの感慨も生まれません。
そのためにタイトルのような起起承承転結転結結のストーリー構成になってしまっています。
結論としては、この作品は監督の描写、脚本によって表現したいことを観客に伝える能力が求められる能力に達していないことによる力不足と、過去に実際に起こったWinny事件を理解しようと努力しない怠慢による金子さんへの冒涜です。
しっかりとした捜査・裁判映画 プログラム知識は不要 ただし観客は選び抜かれた精鋭❗️テンポ良し❗️
捜査とか裁判の映画、テレビドラマは
そもそも、法曹、裁判所事務官、警察の経験のない作家、大学の法学部すら出ていない作家原作だから
幻滅する作品ばかり
犯罪立件で重要な【故意】すらわかってない原作者、脚本家が多い。
その点、この作品は 現実の捜査・裁判に基づいているから骨格がしっかりしているし
多くの弁護士が制作に噛んでいる模様だから・・突拍子もない飛躍は無くて安心。
愛媛県警だかの吉岡秀隆演ずる55歳巡査部長の話も【一瞬間チカラ技】に見えたが
事実であるか否か【有料パンフは一応見ましたが・・】にかかわらず
【本件の本質】をついている。【も一回パンフ見たら事実の模様】
ウイニー今も健在の模様で【有料パンフ受け売り】安心した。
確かに【悪用される恐れ】に関してはウイキペディアのとおり認識あったと思う。
ただ、それをもってして罪に問うのは法律ど素人
ワシもウイニー誕生当時、週刊アスキー【仕事の関係で】隅から隅まで熟読してて
ウイニーは結構馴染み、アップロードは一切してないよ念のため。
ただか著作権=犯罪の匂いがしたから、使ったのは数回のみ
偉大なるパイオニア金子勇さんはただ純粋に【そこに山が⛰あるから】ということだと思う。
そうだよ80年代後半以降【マイコン】だったのだよ一部のマニアのみ
Windows95の効果が出たのは1999〜2000年。そのパソコン💻黎明期に一石を投じた
金子勇さん
弁護士の 壇俊光【すごい名前だなぁ】さん に敬意を表したい。
体重を増量した東出昌大、いい意味で老けたなぁ、山口百恵の息子の三浦貴大も好演
イヤイヤパソコンは💻実は一般レベルでは普及して20年と少し
映像配信、SNS 等 隔世の感ですよ。
比較的長い作品なのだが、構成の巧さ、テンポの良さで飽きることは無い人間と進歩を考える作品
ただ、上映回数が少ないのは疑問 前列含め、ほぼ満員だった
こういう作品故か【予告編、着席段階から、声どころか咳ひとつない】選ばれた精鋭たち
が集う観客席であった。
淡々と進んでいく感じにハマりました
難しいテーマだと思った
実話ベースの作品で、淡々とストーリーが進むが当時のことを知らなかったので楽しめた。
得体の知れないものは怖いと言うが、当時のwinnyはそういうものだったのだろう。
無罪が勝利と軸になっているが、著作権侵害によって被害受けてる人もいることは事実なので、その人たちから見たらハラワタ煮えくりかえってることは間違いない。
そこがこのテーマで作品を作る難しさだと思った。
劇中で検察官が「マスコミがリークしたことなので関係ない、分からない」と言っていて、お前たちが有罪にしようとしてることはそういうことなんだよとツッコミたかったし、渡辺いっけいの悪おじさんがギャフンとなるところは最高。
裁判の傍聴席に阿蘇山大噴火さんがいるディティールには笑った。
最後のエンドロールまで見て、現代にまだこの天才が存命であったらどういったネット革命が起こってたのか、とても気になった。
別の視点から P2Pはそれ自体が革新的なのではない
インターネットは本来P2Pが簡単に行えるものです。
しかし、32bitという制限とそれを前提としたルーターやLANの存在がP2Pの壁となり、少しそれを行い辛い環境が広まってしまいました。
その壁を超える手段は割りと簡単なのですが、万人が使える形でソフトウェアにするという人は当時あまり存在しませんでした。
技術革新という言葉が先行しすぎていますが、それを加味しても金子さんが実装力のある天才である事実は変わりません。
そして、京都府警が行った違法取り調べの事実も変わりません。
この問題の本質は、取り調べと司法判断の違法性と不条理です。
3月の春風と共に青春が戻ってきたかのような映画です。
日本人にしかわからないでしょう。
日本的
良心的な人間ドラマでした
実際に起きた2002年ファイル共有ソフトWinnyによる著作権法違反ほう助の容疑で逮捕されたプログラマー金子勇氏の裁判ドラマになります。
ドラマチックな演出や盛り上げる音楽も一切なく天才プログラマー金子勇の人間性を丁寧に描いている真剣で良心的な人間ドラマでした。
オーラを感じない地味なオタクプログラマー金子を東出昌大が上手に演じて好感が持てるキャラクターにしてます。
弁護士・壇俊光を演じた三浦貴大も実在感がありさらに吹越満演じる秋田達の弁護団の奮闘する姿にラストまで引き込まれました。
惜しいのが警察の汚職の描写と「Winny」裁判の関わりが微妙で脚本の意図が分かりにくい感じがしました。
おススメ度は個人的にはかなり高いです。
特にこれからの時代を担う若い学生さんや自宅で閉じこもっている方たちに無罪を勝ち取った後の金子勇氏の実在映像のメッセージを見てほしいと感じました。
ちなみに無罪を勝ちとったあと2年後に金子氏は心筋梗塞で亡くなっています。
正しいものが足を引っ張られる悲劇
2023年劇場鑑賞55本目。
映画館で映画を鑑賞するのが好きな自分にとって制作者に1円も入らない違法視聴は本当に腹立たしく、そういったソフトを作る人にも腹を立てていました。ナイフで人を殺してもナイフを作った人のせいじゃない、という序盤のセリフで詭弁だと思っていましたが、ソフト開発におけるチャレンジを悪用する人だけが悪いのであり、システム的に問題があったとしてもその挑戦自体を否定することは進歩の大きな妨げになるというのはよく分かりました。
もう一つの事件も並行して描かれ、奇跡的なつながりを見せるのですが、どちらも権力側の愚かさが正しくあろうとする人の足を引っ張っている共通点がありました。発見させてくれた映画として星5つ。
まぁ、東出昌大の名演を見ていても不倫がどうしてもよぎってしまい、「いいひと」役はしばらくキツいんじゃないかなとは思いましたが・・・。
日本に実在した天才の話
素晴らしい予告編に完全に心を奪われて公開初日に仕事をぶん投げてレイトショーに駆け込んだ。
「このナイフであなたを刺殺したら、誰が罪に問われるのか」
言わずもがな、刺殺した人が罪に問われるのであって、ナイフを開発した人は罪に問われない。
金子さんの純粋な探究心により開発されたwinnyが開発者の意図しない悪用により、国から罪に問われてしまう。
金子さんはどうなるか、日本は金子さんを罰するのか。
こんなドラマチックな事が日本で起きていたなんて…
映画で語られなかった部分はこれから調べてみたいと思います。
また、
Spotifyやyoutube、Netflixが今日あるのは、こう言った時代背景にも影響あるんだろうなと、シミジミ
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