パラダイス・ネクスト

劇場公開日:

パラダイス・ネクスト

解説

妻夫木聡と豊川悦司がダブル主演し、孤独な男たちの運命が交錯していく様子を全編台湾ロケで描いたノワールサスペンス。世間から身を隠すように台北でひっそりと暮らすヤクザの島の前に、お調子者でなれなれしい牧野が現れる。牧野は初対面のはずの島の名前を知っており、島が台湾に来るきっかけになった事件の真相についてほのめかす。得体の知れない牧野をいぶかしく思う島だったが、牧野が何者かに命を狙われていると知り、一緒に台湾東海岸の町・花蓮へと向かう。そこで出会った女性シャオエンの存在により、牧野と島の閉ざされた過去が明らかになっていく。2人の運命の女性であるシャオエンを、「黒衣の刺客」でも妻夫木と共演した台湾の人気女優ニッキー・シエが演じる。共演に「目撃者 闇の中の瞳」のカイザー・チュアン。ホウ・シャオシェン、ジャ・ジャンクーといった名匠たちの作品の映画音楽で知られる半野喜弘が監督・脚本を手がけ、坂本龍一がテーマ曲を担当。

2019年製作/100分/G/日本・台湾合作
配給:ハーク
劇場公開日:2019年7月27日

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映画レビュー

4.0音楽畑出身、アジア名匠とのコラボを経た監督ならではの感性

2019年7月31日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

悲しい

興奮

論理的ではないかもしれないし、あいまいでわかりにくいかもしれない。半野喜弘監督はもともとミュージシャンとして世に出て、アジアの名匠と呼ばれる著名監督らの作品で映画音楽を手がけるようになり、2016年の「雨にゆれる女」で映画監督デビューを果たした才人。前作でも、青木崇高と大野いとが演じる男女が過去の罪と宿命の愛でつながりぶつかる暗いストーリーを、やはり独特の感性で紡いでみせた。

今作では、豊川悦司が強面の寡黙なヤクザ者、いっぽう妻夫木聡は馴れ馴れしさと饒舌さで対照的なキャラクターとして、過去に殺された女性をめぐって因縁のある裏社会の男2人を演じてみせた。台湾ロケの映像が雰囲気を盛り上げ、台北の都会から東海岸の古い町・花蓮への逃避行が、「楽園=安息の地」へのかなわぬ想いに共鳴する。良くも悪くも邦画のロジックに収まらない、アジア的感覚のエッセンスを吸収した半野監督の野心作と言えるだろう。

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高森 郁哉

3.5どんより感だけが漂う

2024年7月15日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

難しい

2019年の作品 特徴的などんより感が漂う
出来事の因果関係を明確にしないことがこの作品を難しくする。
おそらく描きたかったのは、島と牧野がシンルーの死をどう考えるのかということを、巻き添えとなって死んだシンルーそっくりのシャウエンの死を通して表現したかったのだと思う。
しかし、それにしては物語の筋がわからないので共感しにくく、特に島の考えがまったくわからないままで、牧野も車の中で泣き喚くが、ヤクザに言われて薬を用意しただけということがどれだけ牧野を苦しめているのかわからない。
「誤りと後悔」がこの作品のテーマだろうか?
楽園という言葉が登場するが、この作品から想像し得ない。
物語は、
一人の女性シンルーが麻薬中毒死したことがすべての発端のようだ。
ただし、シンルーと島の関係ははっきりしないがその死因と復讐を兼ねて事件を追うのがシルバーのスーツを着た片目の男。表向きの顔は不明だが工作員と殺し屋を兼ねた人物だと想像する。
この片目の男と島は顔見知りだと思われるが、島は日本のヤクザがシンルーに麻薬を投与するなどとは思ってもいなかったのでパーティ会場から早々に消えた。
結果的に島は深い失望感を抱いてしまうのだろう。
島は現場にいなかったことで因果関係などわからない。
片目の男にとってシンルーは娘同様の存在だった。彼は二人の男と仲良くしているシャウエンを殺すことで同じ思いをさせたかったのだと思われる。
島は元々日本のヤクザで、頭の加藤の手下だったが、日本の警察から逃げるために台湾ヤクザを紹介された。台湾で仲良くなったのが片目の男とシンルーだったと思われる。
島にとってこの事件は八方塞となってしまったのだろう。
また、
女と一緒にドライブする二人の男を片目の男はどう捉えたのだろう?
早々に二人を殺さなかったのは、おそらく島をそれなりに信用していたからだろう。
食肉の中から島は現金と拳銃を手に入れた。
それは台湾ヤクザから受け取ったのだろう。目的は牧野殺害
しかし島は動こうとしない。
ここがこの作品最大の謎だ。
なぜ島は牧野を始末しなかったのだろう?
その要因の一つは、バーで出会ったシンルーそっくりのシャウエンに動揺したのではないだろうか?
自分がしようとすることに間違いがあるというインスピレーションを受取ったのだろうか?
しかもねぐら場所におかしな親子が住み着き、通訳として牧野が連れてきたのがシャウエンだった。そうして徐々に彼女と接点を作ってゆく。
この過程で加藤が射殺され、台湾ヤクザも殺害された。島は牧野を始末する任務を引きずりながらその遂行の意味をなくしただろう。
同時に島はシンルーを守れなかった自分への罪悪感を背負うようになったのだろうか?
島は片目の男の幻想を見る。
彼の言葉が聞こえてくる。
それを振り払うように車を出ると、幻想に向かって拳銃を発射する。
拳銃は、牧野を始末するためのものから片目の男と対峙するためのものになる。
結局片目の男は島との対峙を選択しなかった。
さて、
片目の男
彼は非情だ。
娘そっくりの女性を殺すことができる。
それは島に対する復讐と絶交を意味するのだろう。
ではなぜ牧野を殺さなかったのだろう?
日本のヤクザが牧野を狙った理由は出来事の目撃者だったからだ。
片目の男はすでに事件の情報すべてを手に入れてしまったのだろう。
牧野は目的ではなくなった。
片目の男は島を良く知っている。彼の弱みを知っている。
片目の男が島に求めたのは、娘への哀悼だろう。
しかし、すべては私の勝手な妄想でしかない。
まったくレビューに自信がない。
さらに、
島が船にシャウエンを乗せ沖へと出る際、目をつぶって拳銃を発射したのはなぜだろう?
彼に拳銃を向け発射した事実
島に託された使命の遂行
片目の男の気持ちとの重なり
しかし、
楽園には結びつかない。
難しすぎる。

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R41

1.030分に縮めてしまえばよかったのに

2023年6月9日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

基本は長回しで、ちゃんと台本も決まっていない感じに見える。台湾との合同制作ということなので、「日本の映画産業を勉強して、人脈も作りたい」という色気があってお金を出した台湾の人がいたのでしょう。

出演人数も少なく、派手なアクションも無いので、これと言って入念な準備が必要なシーンが見当たらないのです。ただ、撮影許可と天気が合えば、ロケハンも兼ねて「どこででもカメラ回せるね」みたいなノリでまとめ上げた印象が強く、おそらくスタッフの宿泊費とギャラ以外はほとんどお金も掛かってないと思います。それが出来栄えに結びつくかというと微妙な話ですが、破滅的な生き方の殺し屋が追い詰められていくストーリーにしてはずいぶん幻想的で美意識にこだわったなと思いました。

砂浜で車を燃やしたり、なんだか環境に良くなさそうなことを平気でやってのけるのも無神経な日本人の悪評を拡げそうで嫌な気になりました。

これで主演が妻夫木聡じゃなかったらとてもじゃないけど見ていられなかったと思います。そして30分ぐらいにギュッと縮めてしまえば良かったのにとも思いました。

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うそつきカモメ

1.0MVの域を出ない!!

2021年4月16日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

単純

寝られる

言葉の壁がありますが、妻夫木君はニコニコして食事をしたり日本語を喋っているだけで、企画そのものを疑問に感じました。トヨエツの渋い表情も印象に残りますが、内容自体はとても薄くMVの域を出ず、中盤に英語のバラードが流れて来て苦笑するしかありませんでした。

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𝖒𝖚𝖓𝖆𝖈𝖞