パラサイト 半地下の家族のレビュー・感想・評価
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好みがあると思う
観終わった後はジョーカーと同じようなもやもやが残った。
悪役がヒーローになってはいけないが、訴えたいことはよくわかった。約2時間だがとにかく長く感じた。
韓国映画ならではのそこまでやるか感、クスッと笑える感じはさすがだった。
貧乏人にもプライドあり!
知らずに期待していたのかも
お勧め作品とは思えなかったです。
そもそもの設定である何故彼等が貧困に喘いでいるのか分からない。
兄は極貧の家庭の割に浪人までして大学進学を目指していて家庭教師が出来るぐらいの学力がある。
妹は容姿も悪くない設定で、ネットで心理学のさわりぐらいは学ぶ力があるのに働いていない。
父親は車の運転は有能で人当たりも良いが働いていない。
母親も体力に自信があり、家政婦としてもそつなくこなせるのに働いていない。
つまりこの家族は働ける素養があるし仕事をしたいと思っているのに仕事をしていない人達である。
食べ物を食べながら見てはいけない映画
横たわる格差
ある金持ち家族に身元を偽って雇用された一家族が、四苦八苦しながら取り繕うさまを滑稽に描く序盤。貧乏家族が金持ちを騙し留飲を下げるドラマかと思いきや、さにあらず。
格差や学歴社会、生まれた環境による越えられない壁など、非常に風刺のきいた表現で社会の闇をえぐりつつ、次第にサスペンスやホラーの様相を帯び、どこに連れていかれるのかわからない怒涛の展開。
最後は、痛さだけが残った。
テーブルの下で聞かされる金持ちの愛撫。「貧乏人は臭い」という言葉で、元スポーツマンの矜持がガラガラと崩れていく負け組の痛々しさを、父親役のソン・ガンホが好演。地頭はいいのに金がなく、進学できない兄妹。口は悪いが、決して悪人ではない肝の座った妻。
決して根っからの悪人ではない彼らをパラサイトと呼ぶ比喩は、世界中の大多数の層を指す言葉でもあり、ひどく攻撃的な響き。
だが、社会が資本主義だろうが共産主義だろうが、大多数の人間は富が集中した場所に群がらざるを得ない。一つのパイをみんなでカツカツと切り分けて生きている。
「環境が違えば、私たちだって違う生き方をできたはず」。妻のセリフに、誰もがそう思う。
人間の矜持は一体どこに持てばいいのだろう。どれだけ貧乏でも、人から情けないと思われない生き方とは一体なんだろう。
「足るを知る」という言葉で自分を慰めても、富む側の存在そのものが傷つける。時代劇に登場する「清貧」という言葉が似合う求道者のような生活をするには、自給自足することすらままならない現代では、それも難しい。
完全な平等社会に近づくには、生まれた時に衣食住の完全に同じ施設で育てられ、教育の機会を等しく受けるか、成人後に必ず受け取れる保証金制度を設けるなど、「機会の平等」を享受できる構造にしなければならないだろう。
しかし、そんな社会はSFのなかでしか存在しない、夢物語。
だから、キムの「成功して家を買い、父親を地下から解放する」という独白は非常に残酷なラストだ。
人を騙したり欺くよりまともな考えだけど、その未来はほぼ来ないだろうと思ってしまうから。
彼の前に横たわる越えられない格差は、私の前にも横たわっている。あの地下室の闇がこちらを見ているようで、怖い。
韓国映画史上No.1のエンタメ作品にして問題作
ポン・ジュノとソン・ガンホのタッグは、モンスター映画あり刑事モノありアクションありと、多彩なジャンルの作品を世に送り出してきた。その中でも、個人的は最高傑作だと思う。
今までは韓国映画の笑いのツボというのがどうもつかめず、コメディ要素の強い作品を観てもおいてけぼりになることが多かった。ところがこの作品の笑わせ方はとても好きで、日本人にもわかりやすかった。中盤までは控えめのドタバタコメディ。
一方で終盤にかけては一気に韓国映画らしくなり、憂鬱さが頭をもたげる。急展開の後にハッピーエンドかバッドエンドかも定かでない結末まで駆け抜ける。そしてその中に、この作品の持つメッセージが出てくる。主人公たちが住んでいるのは、「半」地下なのだ。彼らは決して社会的底辺ではない。ネタバレせずにこのメッセージを伝えるのはきっと無理なんだと思う。難しい。
そしてミニョクがもっと絡んでくるのかと思ってたんだけど、彼は一体今何をしているのだろう。
さすがは話題作
全部乗せ
期待を裏切らない面白い作品。
日本では作れない
明確な格差社会を表している。でもあからさまに批判しているわけではない。
半地下に住む一家は、ヒトを惹きつけたりハウスキーパーとして力を持っているにもかかわらず失業している。何だろうなー、こんなに差がついちゃうんだ。一方では大雨が暮らしや命までも脅かされ、また一方ではただキャンプできないなーくらいの人たち。そして半地下はいつでも地下に落ちる危険も。結末も、残酷なはずがほのぼのしてしまう。
助けて
雨の降りしきる美しい庭に張られたテントの中、地下からの「助けて」という信号に気づくダソン。
彼のバースデーパーティーで起こる惨劇。
まるで地下の住民だったあの男を救い出したかのように思えた。男はそれまで自らと妻を寛大に、あるいは愚鈍に迎え入れてくれたこの家に住む家族たちへお礼するかのように寄生生物を駆除してみせた。妻を亡き者にされた復讐もやや果たし家主への愛を叫んで死んでいく。男は本物の寄生生物だ。
男は最下層である地下での暮らしが永遠に続くことを望んでいた。現状を打破する行動も計画もなく地上での生活に憧れるでもなく冷たく汚れた地下での暮らしに幸せを感じていた。時折訪れる住人の不在時には地上へ出て妻と太陽を浴び踊ったがそれすらもその生活を謳歌しているように見えた。
そして現れる暖かい太陽の指す美しい場所に憧れる半地下の住人たち。綿密な計画と行動力を持ってあっという間に寄生したかのように思えた。しかし寄生以上の生活を夢見ていた。「この家に住むならどの部屋がいい?」
地下に住む寄生生物の幸せな日々が壊れた。
最後、半地下の人間であったキムギテクは本能から最下層の地下に生きる寄生生物となった。
半地下に暮らす息子はまたあの明るい陽の差す美しい庭で父を抱きしめるという途方もない夢を見て。
もっと色々なことを感じ取りたい。
製作者の意図と合っているかどうかは知らんが。
この映画を見た日から、私もまだ夢を見ているよう。
今の自分からはどんな匂いがするんだろうな。
期待以上...!
ドストエフスキーは嫉妬していると思う
いやー、とにかく凄いものを見てしまった。この映画の凄さを自分の言葉で説明できるのだろうか。
数日前に整骨院で治療を受けている時に、隣のベッドで整体師と患者さんがこの映画の感想を話し出すという最悪な環境に置かれてしまった。うつ伏せで治療を受けているため、なすがままネタバレを耳にしてしまった。
面白さも半減だろうなと思いながらも見始めたのだが、ネタバレしていようがしていまいが関係なかったね。例えば、ドストエフスキーの罪と罰のあらすじを聞いてから小説を読んでも受ける衝撃は、変わることはない。圧倒的な筆力で描かれる人間の性、登場人物が吐き出すセリフに懊悩する。
この映画パラサイトも同じで、人間の欲、ずるさ、哀れさ、滑稽さが見事に表現されていて、その後の展開を知っているにもかかわらず心をえぐり取られそうだった。格差社会の歪みを題材にしていながらも、押し付けがましいメッセージ性は全く感じない。また、あちこちに埋め込まれている寓話、メタファーも味付けに徹していて、本筋のストーリーの凄みに脳天を直撃されてしまった。
それだけでなく、映像美がいいよね、アングル、光の使い方、場面の切り替えの絶妙な感じ。音楽も場面場面ですごくマッチしていたし、効果音は心理描写をうまく補完していて、いやーな不安感が増幅されてしまった。
ちょっとだけ、芥川龍之介の蜘蛛の糸を思い出したが、寓話としては、蜘蛛の糸をはるかに超えてます。
これから、この映画のフォロワーが出てくるんだろうけど、この頂を超えることは出来ないんじゃないの。
点滅するセンサーライトと幽霊
トントン拍子からの
無職一家があの手この手でトントン拍子に寄生計画を進めてゆくコミカルな前半から、不穏な急展開に怒濤のクライマックスまで、どうなるかと目が離せませんでした。
俳優陣もそれぞれに良かったと思います。
父親役のソン・ガンホの、普通の調子のいいオッサン感からのクライマックスの緊迫感、やはり良いです。
主人公達が雨の中、夜の街をひたすらひたすら階段を下りて自宅に帰る場面は、富裕層との距離感、格差を象徴するようで、とても印象的でした。
冒頭にも主人公達の半地下の家と高級住宅との対比が示されていましたが、後半での富裕層と貧困層の対比、断絶、無関心を示すような描写は、やはり根強い格差社会の問題を意識させられます。
日本も他人事ではない社会情勢かと思いますが。
コミカルに描写されていた半地下の家が悲惨な描写に変わる喜劇と悲劇の表裏一体感、不穏な場面や暴力的な場面でも漂う妙な滑稽感など秀逸です。
バーベキューの肉を食べる犬とか、やはり適度にブラックなテイストも素晴らしいと思います。
父親の台詞で計画云々とありますが、計画を「希望」という言葉に置き換えられそうで、切なくなります。
ラストは、一応、息子に希望が感じられましたが。
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