パラサイト 半地下の家族のレビュー・感想・評価
全1354件中、361~380件目を表示
見えない壁の可視化
大学受験に失敗し続けているキム・ギウは、
家族と一緒に暮らしており、両親にパラサイトしていた。
両親も定職には就けず、一家は半地下で暮らし、
貧困生活を送っていた。
ある日、ギウの友人が海外留学するため、
留学している間、IT企業の社長令嬢パク・ダヘの家庭教師を
代わって欲しい、と依頼してきた。
ギウは家庭教師となり、
やがてダヘ一家にうまく入り込み、
ダヘの弟の家庭教師をギウの妹に
ダヘの父の運転手をギウの父に
家政婦をギウの母に就かせることに成功した。
ギウ一家が丸ごとダヘ一家にパラサイトし始めた。
パラサイトするまでは成功続きだったが、
パラサイトし始めると、徐々にボロが出てきて・・・。
なぜ、本作品がとても評価されたのか。
貧富の差が現代風に効果的にアレンジされて表現されているからか。
ダヘ一家は建築家が作った高台の家で暮らし、
豪華な家具に囲まれ、
日当たりも素晴らしい。
一方で、ギウ一家は半地下で暮らし、
汚れた家具を使い、
日当たりは悪くて家の中は常に暗い。
見事なコントラストが描かれている。
しかし、それだけではないだろう。
ギウはダヘの一家と関わるうち、ダヘ一家とその友人達が振りまく
優雅さ、世間知らずでいられる特権的な立場、人生に対する余裕さ
などに気付く。
ギウが自分とダヘ一家との間の見えない壁に直面することを通じて、
見えない壁を観客に見せている。
服のにおいが象徴的だが、
単に物質的な貧富の差を見せるにとどまらず、
この見えない壁の可視化の成功こそが、
本作品の魅力だろう。
素晴らしい作品だ。
韓国の格差社会
貧困のたくましさ。そして金持ちの残酷さ。
主人公の家族が全員最初無職だったことにまず驚いた。食費を稼ぐために巧みな言葉遣いで職を見つけようとする主人公(長男)の頭の良さにものすごく感心した。そして、ひょんなことから主人公の友人がパワーのありそうな天然石(風水的に仕事運が良くなる)を主人公の家族にプレゼントしに来たとともに友人がアルバイトで行っている上層家庭の英語の家庭教師の代行というもう一つのプレゼントを主人公に渡しに来た。そこからは主人公の頭の回転の速さで上層家庭の奥さんの心をつかみ自分の家族を他人とだまし次々に上層家庭に寄生していく。主人公の家族は、貧乏というだけで皆才能が豊かであり頭の回転がとてつもなく速い。あと、天然石を置いて仕事運がよくなったのを示唆する描写はとても東洋的で面白かった。
ラストシーンは、金持ちの残酷さ、貧乏人をごみのように見る視線などが描写されており主人公の父親(貧乏人)が怒るのも仕方ないと思う。使うときは使うだけ使って用がなくなったら汚物のようにポイッ!なんかリアルだった。結局は貧乏人のことを自分らと同じ人間だなんて思っていないんだな…。そういうものが伝わってきた。
この映画を通して、どんな環境に置かれていても冷静に対処し生き延びるたくましい半地下に住む人々(貧乏人)。
すぐに何でも信じて疑うことを知らない自分たちが世界の中心と考えている地上に住む人々(金持ち)。社会的な立場だけではなく住む場所、物理的な立場(半地下と地上)で対比されているのにも監督の卓越したセンスを感じました!!!ぜひ、一回は見てほしい作品です。
面白かった
タイトルなし(ネタバレ)
テンポ・展開が良く、最後まで見入ってしまった。エンターテイメントとして評価できる。無いものねだりをすると、個人情報や不動産情報を折角手に入れたので、知能犯としてのパラサイトを徹底して欲しかった。主人公の4人にはそれぞれに強味があるので、それを生かそうとしてもそうならなかった社会環境の描写があると良いかも。半地下以下の地下住人の発想は良かったが、ストーリーとしてその後の「出口」が見つからなかった感あり。
ハラハラドキドキ 面白い!
半地下で生活しているザ・貧乏な4人家族の長男が、高給住宅街(日本でいう白金かな?)に住むザ・お金持ちな4人家族に家庭教師として雇われて潜り込む。そこから蟻の一穴、芋づる式に貧乏一家4人とも運転手や家政婦として雇われて潜り込んでしまう。つまり寄生するのですね。
序盤の寄生するまでの過程がずる賢くて手際よく、スパイ映画のような痛快さがあり、
また、中盤の金持ち一家留守中のドタバタ劇はコミカルで、ハラハラドキドキして楽しく、終盤は人の狂気とスリルで「怖えぇ」と思ってるうちに一気に盛り上がります。
始めから最後まですごく面白い映画でした。
この映画の考察は他の方や他のサイトに譲るとして(というか僕にはできないし考察サイトなどがかなり深く面白いので是非検索してみて下さい。)僕の好きなシーンをいくつか紹介します。
映画の始めの方で消毒の人が半地下に近づいてきて、ギジョン(娘)が窓を閉めてと言うのですが父親はタダで家の消毒と便所コオロギの駆除が一片にできるといって窓を開けたまま煙たい中、無心でピザ屋の箱作りの内職をします。この一家のスタイルというか生き様が詰まっているシーンで好きです。貧乏臭い合理主義を貫いてたくましく生活していることがわかり、この後のごく自然に自分を偽り人を騙すふてぶてしさに説得力が出てますよね。
もう一つは水浸しになった半地下のトイレの上でタバコを吸うギジョン(娘)のシーン。単純にカッコいいシーンだから好きです。黒い汚水が逆流して吹き上がるトイレの蓋の上にあぐらをかいて、これまでの緊張からくる疲労、この状況への諦めから放心して一息つきたくて思考停止気味にタバコを吹かす、まじでカッコいいですよね。僕的にはこの映画で一番好きなシーンです。
最後にギジョン役のパク・ソダムが理知的でクールでカワイイ!、パク・ダヘ役のチョン・ジソが妹的で甘えん坊でカワイイ!僕もダヘから「ウパ〜」って呼ばれたい。
初めての中国映画
ジワジワからのラストがすごい。
最初、パラサイトって何て意味だったっけ。って軽い気持ちで見始めた。
物語中盤、突然意味を理解する。
答えの単語が映画に出るわけではない。
突然頭に浮かんだ。
あっ、日本語の意味は…!
雰囲気が常に不穏。常に何か起こりそう。
色んな人が言っているが、私も万引き家族を想像した。生活感溢れる部屋、家族が生きていくための映画。
臭い、汚い、そんなのクソ食らえ映画。
ジワジワ、地味に。心にブァァ…と広がる。
悪いのは、こっちなのに。
こっちの家族を応援しちゃう。
ハラハラヒヤヒヤがすごい。
ラストはそうくる?っていう。
あのおっさんの役の人、狂気感すごすぎ。
サスペンス好きは見てほしい。
おもしろいです。
ジワ…ジワ…ドン!ってくる映画です。
手が滑って・・・
なぜだか不完全燃焼感が大きいんですよね。
大雨の後の、地上に住む人と半地下に住む人の状況の違いが、格差社会に...
コメディチックからの急展開にゾッとする
人生最高とは言い難いが、そんじょそこらの映画では味わえない満足感が得られる。
当時からめちゃくちゃ気になってたけど見られない事情があり、レンタル開始して満を辞して視聴しました。
当然アカデミー賞を受賞したという前評判ありきで見るわけだから、必然期待値は高まる。
しかし、高すぎたハードルのせいで見劣りしてしまったジョーカーの例があるので、なるべく過度な期待はしないよう心掛けました、
さて、映画はかなりテンポがよく、飽きがこない。2時間強の長さだが、まったく気にならない。
相手の家族にうまく取り入り家庭教師として潜り込む。それができたら、別の兄妹もうまいこと潜り込ませる。
そんか家族の作戦がスルスルとハマっていくのが気持ちいいし、軽妙な会話が面白い。
あまりにもうまくいくのが不自然で、どう考えてもこの後なんらかの不具合が生じることが目に見える。
そんな感じでいよいよ中盤。
あからさまに調子に乗りすぎた展開になり、いよいよ一波乱起きるぞと思いきや、一気にホラーチックでゾッとさせ、惹きつけられていく。
クライマックスは、怖さと、どこか切なさが混じるラスト。ちゃっかり伏線も回収。
アカデミー賞受賞と納得してせざるを得ない完成度でした。
ただ、満点を上げ損なった理由を1つあげるとするならば、自分が深読みしすぎて、最後、もう一発どんでん返しがあると期待してしまったから。
映画は素直に見ないとダメだね。それが今回の教訓。
半地下から地下へ
半地下の家族というサブタイトルは、
日本だけのサブタイトルらしい。
このサブタイトルのおかげでストーリーのイメージがしやすかった。
主人公家族は、まさに半地下に住む、貧困層の4人家族。
そんな中、ひょんなことからIT会社社長の金持ちの家に全員身分を偽って働くことになる。
この家族4人分の収入源はすべて社長の家から出ているものとなり、まさに金持ち家族にパラサイトする物語だ。
貧困家族の4人は、家庭教師、心理療法士(兼家庭教師)、運転手、家政婦として潜り込むのだが、全員能力がある。半地下の貧困層とは思えないふるまいや言動が嘘でも事前のリサーチなどで準備できる。
逆に金持ち家族の方は簡単にだまされるし、美人でかわいいけど家事もなにもできないちょっと抜けてるお母さんだし、大丈夫?という感じ。
能力があっても、お金がないと結局は上にあがれないという韓国の厳しい社会をあらわしているのか。
よく貧困層と富裕層の対比を表した作品として、万引き家族とパラサイトが比べられているが、どちらも、貧困家族の方がつながりがあって愛を感じる気がする。
うまいことだまして、生活していたある日、金持ち家族が、息子の誕生日のため、キャンプに出かけるという。
その日貧困家族は、金持ち家族の家で高い酒をあけ、広い風呂に入り、庭園を見渡せるリビングで、どんちゃん騒ぎをする。
もう、そんなに汚して急に帰ってきたらどうするの!
とほんとあせるw
この時点で、わたしはとっくにこの家族にどっぷりつかって感情移入をしてることに気づく。
どうか、バレませんように!
外は大雨で、案の定深夜になるインターホン。
やばい!!!
だが、帰ってきたのは社長一家ではなく、自分たちが追い出した元家政婦さん。
ここからストーリーは一転。
元家政婦さんは、地下倉庫に忘れ物をしたから取りに行きたいと。
地下倉庫に降りるとなんとそこには、その人の旦那がいたのだ。
すでにパラサイトしている人物が完全地下にいた。
主人公一家は自分たち半地下よりももっと下がいることを認識する。
ここで、元家政婦夫婦に主人公一家が偽物だとばれてしまい、脅されてしまう。
そのまま元家政婦家族とさらに協力してだましていくのかと思ったらそんな明るい?ストーリーにはならず、乱闘になり、しかもそのタイミングで社長一家は雨のせいで帰ってきてしまう。
急いで家を片付ける。
急いで!と見ている側はハラハラ。でもあの地下の2人どうなるの?とハラハラ。
そして社長一家帰宅。
すぐ寝ればいいのに、息子がキャンプの続きを庭園ではじめ、両親は、息子の監視のためリビングで待機することに。
そのとき、主人公家族はリビングのテーブルの下に隠れていた。ギリギリの距離。
すると、社長夫婦はリビングで、セックスをはじめてしまう。テーブルの下でその状況がすぎるのをまつ主人公家族。せつない。リビングのソファーの上で愛し合う夫婦とテーブルの下で息をひそめる家族。
まさに社会の上下関係を表しているようで息がつまる。
この映画では上下関係を表すために、こういう描写がふんだんに使われているらしい。
主人公一家は、家の半地下から、やけに階段をのぼるし、ベットの下に隠れる描写や、リビングのテーブルもそう、地下倉庫もそう、自然と住む世界が違うことをインプットされる。
このニアミス事件を乗り越え、なんとか脱出し、主人公一家は家政婦役のお母さん以外は半地下の家へと帰る。
すると雨の影響で家は水没していたのだ。
そして、体育館での避難生活を余儀なくされる。
そんな中なにごともなかった小高い地域にある社長一家は翌日ホームパーティをするということで、主人公一家も招待をする。
前日の脱出から、家の水没から避難生活のあとの疲れ切った状態でのホームパーティへの参加だった。
前日リビングのテーブルの下に隠れているときに、社長夫婦が主人公一家の運転手役お父さんの話をしていた。
そのときに、貧乏くさい匂いがするというような話をしていたのだが、このパーティの準備のため夫人と買い物しているときも、夫人が匂いを嫌そうに窓をあけるのだった。
またパーティ会場でも、社長に夫人のことを話せば、プライベートな話はするな、わたしとおまえは住む世界が違うのだ、的な空気を出してくる、社長。
そこからじんわり嫌な予感がしてくる。
案の定、地下から、元家政婦の夫がパーティーに乗り込んできて、主人公一家の娘の胸をナイフで一突きにする。それを見た社長の息子はショックで倒れてしまう。
主人公一家の父は娘が刺されたショックで動揺し、社長が車を出せといっても動けない。なのでキーを投げるのだが、その車のキーが揉み合っている元家政婦の夫の体の下に入り込んでしまう。
そのキーを社長が取り上げようとした、そのとき、あからさまに、鼻をつまみ、臭そうにするのだ。
それをみた主人公一家の父、は、なにかがプツンと切れたように、落ちていたナイフを広い、社長をさしてしまう。
映画では伝わりづらい匂いという描写で、また、富裕層と貧困層を表現していたのだ。
このあとのストーリーは、主人公一家の母生還、息子生還だが、身分を偽った罪で裁判へ、ただし、執行猶予がつく。娘は死亡。父は逃亡。
父が逃亡しいなくなってずいぶんときがたったとき、息子があの家を双眼鏡で覗いてみると、リビングの電気がチカチカ不規則に点滅していた。
あの元家政婦の夫が地下に住んでいたときやっていた、モールス信号だ。
あの元家政婦の夫は4年間信号を送っていたが社長一家には気づかれなかった。
主人公の息子は父のモールス信号に気づいたのだ。父はあの家の地下にいることを。
結局助けあえるのも、同じ階層に住む人間なのだ。
富裕層が貧困層のヘルプには気づかない。そんなメッセージに感じた。
最初はコンフィデンスマンを見てるような痛快詐欺ストーリーなのかと思いきや途中から怒涛のサスペンス。
もっといろんなメッセージが含まれていると思うのでみなさんの考察をたくさん読みたい!
異文化過ぎて共感出来ない
期待しすぎないで鑑賞してみるのが○
アカデミー賞取って期待値が上がりすぎ、逆に損している感が。私はそこまで大衆的知名度が高くない段階で鑑賞したので素直に良くできた映画だと思いました。もっと面白い、奥が深い、ショッキングな、素晴らしい韓国映画はたくさんありますので韓国映画ファンからすると「良い映画だけど、アカデミー賞レベルかな?」という疑問はあるものの、今まで積み上げてきた評価がここで花開いた感じなのかと思います。前半と後半で雰囲気が変わり、前半のほのぼのとした笑いが後半は得意のグロテスクな笑いへ変わる感じ。俳優陣も豪華で構成はさすが。オススメ。
全1354件中、361~380件目を表示