イソップの思うツボ

劇場公開日:

イソップの思うツボ

解説

「カメラを止めるな!」の上田慎一郎監督を中心とした製作スタッフが再結集し、再び予測不能な物語を紡ぎだしたオリジナル作品。上田監督と「カメ止め」助監督の中泉裕矢、スチール担当の浅沼直也が3人で共同監督・脚本を務めた。カメだけが友達の内気な女子大生・亀田美羽、大人気タレント家族の娘である恋愛体質の兎草早織、父と2人で復讐代行業を営む戌井小柚。ウサギとカメ、イヌの名前を持つ3人は、有名童話さながらの奇想天外な騙し合いを繰り広げるが……。舞台やテレビ、ミュージックビデオで活躍する石川瑠華が美羽、「4月の君、スピカ。」の井桁弘恵が早織、「光」「アイスと雨音」の紅甘が小柚をそれぞれ演じ、「恋に至る病」の斉藤陽一郎、「愛のむきだし」の渡辺真起子、「らせん」の佐伯日菜子らが脇を固める。

2019年製作/87分/G/日本
配給:アスミック・エース
劇場公開日:2019年8月16日

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(C)埼玉県/SKIPシティ彩の国ビジュアルプラザ

映画レビュー

3.0『カメ止め』ほど突き抜けていないがまずまずの娯楽映画

2020年3月30日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

『カメ止め』の3スタッフの共同監督による作品だが、「カメ止め」を彷彿とさせる部分もあれば正反対の部分もある意欲的な作品だった。企画のスタートはこちらの作品の方が「カメ止め」よりも早かったらしいが、上田監督はこういうトリッキーな展開の作品にやはりセンスがある人なんだろう。予測を裏切る展開は「カメ止め」同様だが、3つの家族の関係性があらわになるにつれて、ブラックなユーモアを交えて人間の愚かさを暴き出していく。 仲良し芸能一家の仮面を暴くために仕組まれた復讐劇は、他方で別の家族の絆を強めているのが面白い。セレブたちが復讐劇を映画でも見るかのように楽しんでいるなどの人間の醜悪さは「カメ止め」にはなかった要素だ。 3つの家族のエピソードを3人の監督がそれぞれ演出を担当したそうで、それぞれ個性的に描き分けられていた。 「カメ止め」に負けず劣らずの低予算で作っていると思われるが、まずまずの出来だと思う。

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杉本穂高

3.5「カメ止め」超えはならず

2019年8月24日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

笑える

楽しい

「カメラを止めるな!」の大成功を受け、上田慎一郎監督を含む同作のスタッフ3人が共同監督、予算拡大、キャスト・スタッフ充実度も増して臨んだ作品。悪くはないのだが、「カメ止め」に比べると熱量が少ない感じ。例えば前作ではワンカット長回しの前半のような、少ない予算を逆手に取ったアイデアとそれを実現させる途方もない努力が画面から伝わり、それが高揚感と感動に直結していた。 今作もアイデアはそれなりに凝っているが、撮影される対象と撮る側・観る側のメタ構造の提示という点では「カメ止め」の着想の流用というか、二匹目のどじょうを狙ったあざとさが鼻についてしまう。ストーリー上いくつかの企みが同時進行するのだが、そのどれもが現実味に乏しく、話に入り込めない。 配役的には、桐生コウジ、斉藤陽一郎、川瀬陽太という菊地健雄監督作「ディアーディアー」の3人が再結集していて、同窓会のような楽しさもあったのに、惜しい。

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高森 郁哉

3.0不思議なクライムコメディ

2023年5月12日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

「カメ止め」の3人が共同監督作品の偶像劇。 クライムコメディで3つの家族をそれぞれ別の監督が撮っていて、これが中々面白い繋がりをみせます。 きっかけは高橋雄祐の出演作で辿り着いたのですが、あまり顔が出てきませんでしたwww それより女性陣が印象的。最初のヒロイン石川瑠華も可愛いのですが、流石に井桁弘恵の可愛さが群を抜いてました。「ゼロワン」好きでした。 そんな彼女もとうとう「わたヒモ」で主役に抜擢されてましたね。しかも相手は「リュウソウ」のコウという特撮繋がりなんですよねw 段々と繋がってくる仕込みは良いのですが、ちょっと纏まってないというか、現実感がなさすぎて「んー?」ってなりました。 でもこの荒唐無稽な物語が、寓話としてタイトルの「イソップ」に繋がったのでしょうか。 実に不思議なクライムコメディでした。

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白波

3.0金曜の夜にフラッと選んだら割と観れた、単純なやつが楽しめる

2021年10月8日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

笑える

楽しい

幸せ

今をときめく若手女優、石川瑠華と井桁弘恵、そしてモデルとしても活躍中の紅甘の3人が主演を飾った本作。期は熟した、ということで鑑賞。 個人的に、周りが言うほど悪く写らなかった。アマプラで観ているというハンデはあるとして、90分行かない尺だから凄く観やすかったし、自分が単純なタイプなので、るつぼにハマっていく感じが楽しかった。役割分担が上手かったかと言われるとそうとは言えない。しかし、3人の女の子と3組の家族を軸に風呂敷を広げながら、落としていく際の快感はあった。 圧倒的に『カメラを止めるな!』の後によるコレジャナイ感が漂っているが、そうは思わなかったのが自分でも意外なところ。読めてはくるけど、シンプルに引き込まれるような奥行きあるプロットではあったと思う。テーマにもブレは少なかったし、「そう落とすんだ」っていうのが強かった。あとはやっぱり、主演の2人が気になっていることの影響は大きい。 やっぱり主演の中の主演、石川瑠華が群を抜いている印象。内気で華がないような雰囲気をまとっていたかと思えば、一気に華やかな格好になり、終始作品をリードしていく。目や声、振る舞いに宿る繊細さをあえて野暮ったく見せたり出来る器用さは彼女の強み。その作品の中にしかいない雰囲気を纏えるのが素晴らしい。 井桁弘恵も何か少しウブな感じがして可愛かったし目がくりっくりしてる。紅甘は役の関係とはいえ置き去りにされちゃったのが可哀想。あとインディーズのバイプレ、髙橋雄祐が出てるのも嬉しかった。もはや彼がいると1つ安心感すら覚える。

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たいよーさん。