傷だらけの挽歌

解説

 1930年代、ミズーリ州。名士の娘バーバラが数名の男たちによって誘拐される。その後、スリム・グリソム率いるギャングが銃撃戦の末に彼女を奪い去った。スリムはバーバラに一目惚れ。拉致されたバーバラはスリムの優しさを知り、やがて彼に体を許す。一方、スリムの母親はバーバラの父親に身代金100万ドルを要求。それを手に入れた彼女はクラブの経営に乗り出す。その間、探偵の捜査も進んでいたが……。誘拐事件の顛末を描く犯罪ドラマ。同じ原作が1948年に「黒い骰子」として製作されている。

1971年製作/128分/アメリカ
原題:The Grissom Gang

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映画レビュー

4.0銃撃戦が楽しい映画!

2022年6月6日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

やはり、ロバート・アルドリッチ監督の作った映画は面白い!
本作では銃撃戦シーン多数で、血糊も朱色でリアルさが見られないところも「映画だもんな~」と思いながら楽しめる。見ていて、スカッ!とする。

ある富豪の娘が「5万ドルのダイヤモンド・ネックレスをしている」ということで、彼女が彼氏と乗っている車を悪人の車が追いかけて来て、彼をアッサリと射殺して娘を誘拐する。
そして、誘拐した男達が富豪の父親などから身代金を取るのかと思ったら、誘拐した男達が殺されて、別の悪人家族に娘は誘拐される。こうした展開が、トントン拍子に続いていって、驚きの結末へ。

観終わって、「あれ?」と思ったのは、主役らしい主役が居ないこと。強いて言えば誘拐された娘かも知れないが出番が少なめ。
誘拐された富豪の娘(キム・ダービー)を中心に物語は進むのだが、彼女を愛した悪人の「ナメクジのような男」、彼の母親や兄弟分、黒人の農夫、その他悪人たち…多くの登場人物が、それぞれ個性的に描かれていて、いろんな角度から楽しめる娯楽作になっている感じ。

キム・ダービーという女優は、『いちご白書』や『ラスト・シューティスト』に出演していたが、本作の後はTVドラマが中心となり、映画出演は少ししているようだが日本未公開作品ばかりで、キャリアが長い彼女の出演映画を観ることは少ない。本作では「心うつろう娘」を上手く演じていたと思う。

さすがのロバート・アルドリッチ監督作の1本。

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たいちぃ
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