ハウス・ジャック・ビルト

劇場公開日:

ハウス・ジャック・ビルト

解説

「ダンサー・イン・ザ・ダーク」「ニンフォマニアック」の鬼才ラース・フォン・トリアーが、理性と狂気をあわせ持つシリアルキラーの内なる葛藤と欲望を過激描写の連続で描いたサイコスリラー。1970年代、ワシントン州。建築家を夢見るハンサムな独身の技師ジャックは、ある出来事をきっかけに、アートを創作するかのように殺人を繰り返すように。そんな彼が「ジャックの家」を建てるまでの12年間の軌跡を、5つのエピソードを通して描き出す。殺人鬼ジャックを「クラッシュ」のマット・ディロン、第1の被害者を「キル・ビル」のユマ・サーマン、謎の男バージを「ベルリン・天使の詩」のブルーノ・ガンツがそれぞれ演じる。カンヌ国際映画祭アウト・オブ・コンペティション部門で上映された際はあまりの過激さに賛否両論を巻き起こし、アメリカでは修正版のみ正式上映が許可されるなど物議を醸した。日本では無修正完全ノーカット版をR18+指定で上映。

2018年製作/152分/R18+/デンマーク・フランス・ドイツ・スウェーデン合作
原題または英題:The House That Jack Built
配給:クロックワークス
劇場公開日:2019年6月14日

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映画レビュー

3.0「地獄の門」をくぐった先は。おっさんは「真面目な」変態トリアーの新作をこう見た。

2019年6月16日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

ラース・フォン・トリアー5年ぶりの新作。

今回も相当ヤバイらしい。

今回「も」というのが、もう何回あっただろうか。なんだか、観る前から「どうせ」という単語がちらつくが、前日のお仕事後のご褒美として、初日の初回の渋谷へ。

「ご褒美」でこれを選ぶオレも、トリアーと変わることなく、相変わらず変態。なんだかんだ、しっかりフォロワーである。

オレの中では、ある種、マイケル・ベイ作品を観に行くようなものである。ゴジラ映画を嬉々としてリピートする連中と何ら変わりはない。

いや、むしろ、オレのほうがヤバイか。はっはっは。

「ハウス・ジャック・ビルト」







女性蔑視と言われ続け、鬱になっても映画を撮り続け、でもいつだって自分に正直で、とっても真面目なラース・フォン・トリアー。

前々作「メランコリア」で壮大な「セカイ」をぶちまけ、スッキリしたのだろうか、前作「ニンフォマニアック」から自らの思考や嗜好を笑いに結び付け、過去作まで自らおちょくる、といった「閉じた」めんどくささが抜け、「すこしだけ開けたセカイ」を見せるようになった。

中二が中三になったようなものか。

ただ、その「笑い」や「自虐ネタ」が根が真面目過ぎるゆえ、「ベタすぎて笑えない」といったところが前作。

で、本作はどうだったかというと、これが全く同じ(笑い)。

前作の主人公と聞き手の立場がまんまトリアー自身と過去の作品の主人公だったのに対して、本作主人公もやはりトリアー自身。

前作の「悪魔と神父のような存在(実はただの童貞)」という関係から、今回はシリアルキラーと地獄の道先案内人。

なんにも変わっていない。オープニングで主人公が「神」か「悪魔」かと会話をしていることがバレバレが、清々しい。

先に言っておくが、今回のトリアーは「アクション」が多めだ。「インディアナ・ジョーンズ」ばりのアクションを見せてくれる。
いや、見せてくれる、というか、その見せ方が相当ヘタクソで、ものすごくダサイ。

いや、それも「自虐」のひとつ、ということなのだろうが、やはり相変わらず「めんどくさい」。

物語は5章で分けられ、本性が覚醒する1章、殺人強迫観念に囚われ、どうでもいいババアに、どうしようもない嘘で押し通す第二章。「家族」とのふれあいの第3章。「愛」を語る第4章。技師であり、建築家として、タイトルにもなっている、こだわりの「材料」で建てるロダンの「地獄の門」(これが「The House That Jack Built」ということ。邦題のこだわりもこれ。)から、ダンテの「新曲」の地獄めぐりがスタートする第5章。

と書けば、かなり面白いが、各章がそんなに密接に絡み合っているわけではないので、やっていることの嫌悪感が際立ち、深みをあまり感じさせないのが、長所であり短所な本作。

しかし、そう、それがまさしく、彼の「作品群」であり、「彼自身」なのだ、という、自虐的なスタンスがやはり本作の軸。

とっておきのラストを際立たせるための、各チャプターの女性蔑視の開き直り感、動物虐待、児童惨殺、死体損壊もスゴイ。

ダンテの肖像画風のコスチュームをまとっての、地獄めぐりからの、煉獄チャレンジも、期待させての、「やはり」のオチが楽しく、そのまま気持ちよく、エンディング・ソング「Hit The Road Jack」につながる。

どんなに屁理屈をこねようとも、どんなに絵画的な美しい画を見せようとも、根っこがくそ真面目ゆえ、めんどくさいトリアー渾身の「自虐、自嘲、自傷映画」。

追記

「アンダー・ザ・シルバーレイク」を観ていない故、ライリー・キーオの乳房にどれだけの価値があり、絶望があったのか、が分からないのが、唯一の心残り。

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しんざん

4.0目を背けつつも陶酔する自分をどう捉えていいものやら

2019年6月26日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

笑える

怖い

知的

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牛津厚信

4.0トリアー自身によるトリアー映画のサンプリング

2019年6月19日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

笑える

怖い

そんな印象を受けたのが今回の怪作。変態、露悪、実験、エログロ、バイオレンスなどなど、およそ良識とは対極にある要素に満ちた映画を撮り続けてきた鬼才が、やはり今回もシリアルキラーを題材に思うがまま自身の嗜好を追求しているかと思いきや、自身の過去作を引っ張り出してきてメタな視点を提示したり、グールドの演奏フッテージを繰り返し挿入したりと、音楽でいうサンプリングやリミックスの手法を応用した野心作だった。

マット・ディロンも俳優としてあらかた“消費”されてしまった気がしていたが、本作でまだまだ新境地を拓けるという感慨を抱いた。

まあ、好き嫌いが分かれるのは仕方ない。おぞましすぎて爆笑した場面もあり、妙な爽快感を覚えたことを白状しよう。

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高森 郁哉

3.0いつもの感じの いつものやつ

2023年8月18日
iPhoneアプリから投稿

まあ面白いとかではないけど飽きずに最後までは観れました。
強迫観念で 何回も犯行現場に戻って証拠を隠蔽しようとすよところが変にリアル
そういう病気の友達が同じ事やってます!
 エンタメ作品ではないし語るべき部分がそこまで無いので評価って難しいです
 まあ当然だけど地獄に行きますよねそりゃあって感じでした。

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お主ナトゥはご存じか2世

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