天気の子のレビュー・感想・評価
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なぜって訊かないで
全体的に尾崎豊っぽく、若さ純粋さ愚かさからの破滅型ラブストーリーを綺麗な絵と音楽で柔らかく仕上げた感じ。
なぜ島を出たのか、
なぜ東京はずっと雨なのか、
なぜ拳銃を拾う必要が(物語上)あったのか、
なぜ代々木の廃ビルの屋上に空につながる社があるのか、
なぜ晴女が願うと晴れるのか、
なぜ雨粒が魚になり、雲の大地の上に雨の神の龍が棲むのか、
なぜ?を摂取するたびにそれが解き明かされるカタルシスへの期待が高まったが、なにも解決しなかった。
何一つ解決しなくても大丈夫、全部捨てて大事な人を選んでいいんだよ、
という話のために用意した設定をわざと見せなかった?
・・・のはいいのだけど、
「君の名は」が世界の謎・現実との対決・二人の関係を上手く連動させて解決したのと比べると肩透かし感は否めない感じだった。
前々前世な音楽と編集は心地良いが。
最後が…
途中までは展開が早いし飽きず面白かった。
ただ最後が…!
畳み掛けるような主人公の台詞で終わったけど、「え?どゆこと!?」ってなった(笑)
勢いと良い感じの言葉で終わらせればそれっぽくなるだろう的なものを感じてしまった。
結局雨を見て「お魚さん」発言をした男の子はなんだったのか(多分小さい頃の主人公?)分からないままだったり、頑なに家出していた割には素直に地元に帰って高校生活送るんだなぁーとか、そんな簡単にひなはこっちの世界に戻ってこれるの?まだ晴れ女パワー使えるの?とか、多数のモヤッと感もあり…
何が言いたかったのか分からずでした。
街の映像はリアルだけど、物語は今一だな。
苦痛。ごめん。
3年後の東京があれなら主人公の選択もオッケーだけど
ナレーションで3年間東京は雨が降り続けて、それでも東京は普通に経済活動している描写で「え?」って感じ。物語の最初のほうでは1か月降り続けたため、レタスの値段が高騰している、っていうニュースがあった気がするけど。
普通の精神構造の人であれば3年雨が降り続ければどうなるか、想像はつくよね?それでも主人公の選択を「良し」とするか?主人公の両親や島での友人なども一切出てこず、いきなり3年後、それでも主人公の一途な気持ちが変わらないことが素晴らしいってこと?
この年代の3年は長いけどね。アニメならあれでよい?私には合わなかったなー。
夢見がちな消費者のままでいて!という本音
ティーンエイジャー向け。つまりモラトリアムの中で閉塞感を感じながら、子供と大人との間の葛藤を上手く処理出来ずにいるような、多感な時期を過ごす人達へ向けた作品。要するに作中でも読まれる『ライ麦畑でつかまえて』のホールデンみたいな人へ向けた作品だ。
展開から言えば大人(現実)の世界に対する青少年の反抗・純粋さを歓迎する(+セカイ系)映画だが、本来ならそれは行き詰まるしかないバッドルートだ。バッドもバッドとして描けば青少年の為のビターな映画で良いのだが、そうはしないのがこの映画。主人公を良く見せるために都合悪いことは全て排除。
大人は無神経で無責任、もしくは頼りない者としか描かれない。主人公を否定しないどころか羨ましいとさえ言わせる始末。
須賀なんて主人公が家出と知りながら匿って労働させて飲酒まで勧める。これが人の親なのだからまともな倫理観ではない。『魔女の宅急便』のパン屋主人とは状況が似ているようで本質は全く違う(キキの場合は親公認の修行。主人はキキを大人の立場からサポートする擬似親役)。とにかく酷い。
そして大人が作った世界は欺瞞に満ちて狂っているが、そこに溜る雨は泥一つない、まるで清水の池。つまり現実的な被害は何も描かない。ただ単に水が増えただけで、それは昔の状況に戻っただけだから問題ないと言わんばかりだ。当然主人公の銃器所持に対する刑事罰も描かないどころか冗談のような扱いだ。
そんなバイアスを掛けて下駄履かせて、女の子の命も天秤にかけてようやく成立しているのがこの映画だ。
とかろで悩める若者を肯定する映画と言えば聞こえは良いがもっと俯瞰して見ると、実際やってる事はピカピカの絵と適当なトロッコ問題抱えた恋愛で目眩ししながらとにかく企業広告とRADWIMPSを刷り込んでいくこと。地上波だとコラボCMで更に刷り込んで来る。
大人や周りに騙されず、自分の答えを大切にして!と多感な青少年にニコニコ追従しながら、コンビニに並ぶジャンクフードやスナック菓子、知恵袋、バイトや風俗、果ては自分の過去作を必死に仕向けるという最低の構造。
制作側は若者が純粋でアホな消費者のままでいてくれた方が楽に儲かるから、夢見がちな若者を応援しているのだ。
世界なんて元々狂ってるみたいな台詞が出て来るが、狂ってるのはこの映画作ってる人の価値観の方だろう。
新海の映画によくあるサービスシーン本当いらない。 あれで急に安っぽ...
新海の映画によくあるサービスシーン本当いらない。
あれで急に安っぽくなる。
今回はすごくリアリティとファンタジーのバランスが良かった。
銃なんか撃ってそのままなわけねーだろと思ったら本当にそうで。
当然逃げ切れるわけもなく。
皆がバラバラになっていくのは残酷だけどリアル。
だけどアニメなんだから残酷にすんなよとも思った。
でもそのあとの展開でアニメっぽい最高のハッピーエンドで終わってとても気持ち良かった。
須賀の葛藤もいい。
大人ならこうしないと、という自分と、それでも気持ちはどうにかしてやりたい、という人情と。
世間体と自分の本心で揺れ動きながらも最後ホダカを助けたのは、大切な人を失う辛さを知っている須賀だからこその行動。
結婚指輪をずっとしている事から今でも亡き妻を大切に想っているのは分かる。
だからこそ穂高に自分と同じ思いをしてほしくないと思ったんだろう。
須賀、嫌いじゃない。最高。
ひなとほだか、このままうまくいってほしい。
素直にそう思えた。
監督の想い
雨の情景、東京のビル群が日差しを受け輝くシーンが美しい。
帆高と陽菜が、真っ直ぐで健気でキラキラと輝いていた。凪の大人びた台詞が可愛い。須賀のシャイで優しい性格が、小栗旬のイメージと重なって見えた。
たとえ気候変動で日本の置かれた状況が変わったとしても、誰かに恋をし、誰かを愛し、互いに助け合い、希望を見出し生きて行く、そんな新海監督の想いを感じた。
テレ朝を録画にて鑑賞
スッキリしたハッピーエンドではない
やはり絵がとてもキレイ。
K&Aビルの内部が凝ってるなと思った。
ポスターや予告から想像していた明るい感じではなかった。全体的に負の要素が多い。あまり晴れない(笑)宣伝の仕方が良くない。
前作の「君の名は」が一世を風靡した作品であり、全体的に明るく、ハッピーエンドな物語だったので、イメージ変えないといけなかった。
好きな人と一緒に居るためになら、世界がどうなっても構わない。
こう表現すれば感動的な愛の物語に聞こえるが、実際は東京が水没しており、もちろん洪水等に巻き込まれて亡くなった方もいるだろうから、これはちょっと自分勝手すぎる結末だと思った。
「僕達は大丈夫だ」僕達だけ?他の人はどうでもいいの?
まあ、もし自分が穂高の立場であれば、迷わず陽菜を救い世界を放棄するが。
人は皆、自分が一番かわいい。自分や大事な人のためなら頑張れる。
そういう身内愛を描いている映画である。
陽菜が、自分がいる場所だけを局所的に快晴に出来るのもそういうことを表現しているのだろう。
綺麗な絵だが、意外と人間の汚い部分を描いている。
しかしやはり、映画の中でくらいは、陽菜も救えて世界も救える、そんなハッピーエンドの方が良い。もしくは陽菜を救えないバッドエンドで感動的に。
陽菜は最後の穂高との再会の場面で、もう晴れにする力もないのに雨の中祈っており、これは罪悪感からだと思う。ひなはこの先ずっと罪悪感を抱えて生きていくのでは?
陽菜の今後や世界の今後を考え、なんだかモヤモヤする。
家出、拳銃所持、年齢詐称、売春(未遂) など犯罪絡みの負の要素が多い。何かを意味してるのだろうが私には分からない。
それに際して、警察がよく出てくる。「警察」は「世界を守る」ことの象徴だと思う。警察を振り切って陽菜を助けに行くわけだし。
1つ疑問に思った点がある。
異常気象が起きていたのは東京周辺だけだったようだが、それは神社があったから東京周辺だけなのか、人柱の陽菜がいるから東京周辺だけなのか、もし陽菜基準で雨が降っているなら世界を点々とすれば解決するのか?
色々な考察を見て思ったが、須賀さんの亡き妻が晴れ女説は良いと思った。
最後に須賀さんが神社の廃墟ビルに先回り出来たことに合点がいく。あの場面が1番謎だった。
須賀さんの指輪は最初、妻のだと思った。しかしサイズ的に入らないのでは?と途中で思ったが、いや、サイズを直したんだなと自己解決した。
何十万人が粗探ししたらそりゃあ色々出てくるでしょう
君の名は。が面白かったので丁度テレビでやってたしこっちも見てみた。
レビュー欄が絶賛と批判がすごいことになってますね。。
色々設定の事をみんな浅いとかなんとか書いてますけど、
何十万人に粗探しされたらそりゃあいくらでも出てくるのではないかなと
思いました。
ぼくは15歳と16歳の子供の恋愛ものとしてみましたよ。
天気を操れるとか実際あるわけないし、細かい設定よりもシチュエーションを
楽しめばいいのではないだろうか?
大人になると重苦しい現実ばかりがのしかかってきて、
純粋に人を好きだった頃のことなんか絵空事のように鼻で笑う人も多いけど
この年頃の純粋な想いは十分に描かれていたと思う。
最後、帆高が異常気象より陽菜を選ぶ方が自然でよかったと思う。
ヒーローものじゃないしね。
うちには息子がいるけどやっぱりそんなもんだと思いますね。
今の世の中と重なってみえる
令和3年の今
ストーリーは王道のボーイミーツガール。
リアルな東京の風景、環境や社会問題、オカルトとファンタジーを盛り込んで、いかにも意味ありげな伏線を巡らせてあり、考察好きにはたまらない。見た後に語りたくなる作品。
でもそんなことより、今現在のコロナ禍の中で観たときに、クライマックス後の水に沈んだ東京の風景が人がいなくなった繁華街や観光地とダブって見えた。
映画の中では3年が過ぎ、人々の生活は落ち着きを取り戻しているようだったが、それまでにどれだけの悲しみがあったのだろうか。近い未来に私たちは「大丈夫」と言い合えるだろうか。
天気の重みとは。
天気がずっと雨なら、人はまともに生きていけないはずなのに、普通に生きている。現実的な話として、雨が降り続くと、人が土砂崩れで家が倒壊したり、浸水したり、停電したり、人がいっぱい亡くなるという、もっと大きな問題が起きるはずだが。それをちゃんと映画で表現していない。だから、天気の重みが伝わらなかった。それが全て。それを描くと、主人公は、人殺しになりますがそれぐらいして欲しかった。でないと、感動しないと思う。少女を奪い合う戦争みたいになれば、良かったと思います。
ハイディティールな箱庭のセカイ
金ローにて初鑑賞。
とにかく背景の描き込み&実景の再現度が高いので、一見リアルな東京なのかと勘違いしてしまうが、内容はあくまでファンタジー。
雨の降りつづく街といっても、その雨がどういう意味を持つのかは明確ではない。
災害レベルなのか、それとも気分の問題で片づく話なのか。そこら辺のルール説明があいまい。もしリアルに考えたら、少なからず死者が出てるんじゃないかとか、社会生活に深刻な影響が、とか余計なこと考えてしまうけど、元々そういう話じゃないんだな、きっと。
ただ前作「君の名は。」よりはずっと好感が持てた。
それは序盤の主人公や、ひとりで家族を守ろうとするヒロインが直面する苦労、社会的な不自由さがリアルで身に迫るからだと思う。
今の若い人らしく、あくまで常識的の範囲内で、たとえどんなに困ってもそれを表に出すことなく、迷惑にならないよう周囲に気を遣う。
でもだからこそ、どんなに「いい子」にしていても決して自分たちを顧みてくれないセカイ(東京)に対して最終的に主人公が下す決断も、やむを得ないものだと納得してしまう。
新海誠の演出は、「言の葉の庭」を観た時にいつまで経っても上手くならないなーと失礼なことを思った記憶があるが「君の名は。」を経て格段にレベルアップしているように見える。
今作ではよりさり気なく、セリフに頼らずとも観客に情報を伝えるスキルがアップしている。
それは優秀なスタッフが集結したことによるアニメとしてのゴージャスさとはまた別の、普遍的な映像表現の部分で、まさに監督としての力量が上がっているんだと思う。
とくに序盤はテンポよく、すんなりとストーリーに引き込まれた。
それだけに、肝心なクライマックスに近づくほどセリフや歌詞のある歌で盛り上げなければならないことが残念だった。
それはつまり全体的な作劇の弱さ、クライマックスに向けてどんどん収束し盛り上がっていくような脚本がうまく作れなかった結果だと思う(いや、もはやこういう手法なのはわかってるんですが)。
後半、ヒロインの能力の負の側面が説明されていくあたりから、序盤のスピード感が衰え、停滞感を覚えるようになり、グダグダしはじめる。
拳銃が意味はわかるけど余計、という批判もわかる。でも「君の名は。」ほどは要素盛りすぎじゃない、整理されてる。
中年になっても未だにこういう作品をやれるなんて若いなあと思ったけど、なんだかんだ、対象と一定の距離が取れるようになってるってことなんだろう。
そしてラストで主人公が自分の決断の意味を思い知るくだりは、セリフ抜きに伝えることが難しいものなので、あのやり方しかないという気もする。その意味で、こんだけ映画を作っていながらやっぱり小説的な作家性なのかもとも思う。
結局のところ、外的な目に見える環境より、パーソナルな小さな感慨の方が上位であり作品を支配する。
だからこその箱庭感、わかりあえない他者も確かに潜んでいる世界としてのリアリティの乏しさなんだろう。それをセカイ系っていうんだろって?
箱庭だと自覚してるからこそ、チープに見えないようなるべくリアルに、緻密に描き込む必要があったんだな。手の込んだドールハウスみたいな執念で。
ところで東京の風景になじみがない地域の人には、それが通用するのだろうか。
この東京が作り手の内的な世界とするならあのオチは、「青空」映画(さわやかなボーイミーツガール)を期待されてるのは知ってるけど、それはほんの一部分でしかなく、最終的にやりたいのは文字通り湿度が高くてビショビショにウエットな作品なんで! という逆ギレともとれる。
俳優メインのキャストは全体的にレベルが高くて、ヒロインの森七菜や本田翼も違和感なく楽しめたが、とくに小栗旬の声優さんかと思うような細やかな演技にはびっくりした。意外と器用なんだなぁ。
作画は全体的にハイレベルだけどちょっとベタベタした表現(とくに水とか涙などの液体)が多く前作の方が、なんなら間に流れたZ会のCMの方がクールで好みだった。
綺麗に描いた怪しい話
16歳の高校生森嶋帆高は、船に乗って東京にやって来た。行くあてもない東京は恐い所だけど帰りたくなかった。行きがかりのルポライターの様な住み込みの仕事にありついた。雨の日、ヤクザめいた男たちにからまれていた女の子を救ったつもりだったが、拳銃を撃った事で本物だったからびっくりした。彼女は陽菜と言う18歳だった。陽菜は100%の晴れ女で、2人は晴れにする商売を始めた。しかし、帆高は両親から捜索願が出されていた。果たして2人はどうなる? Radwimps の挿入歌は爽やかサウンドだったけど、拳銃を撃ったり帆高を助けるために雷事故を起こしたり行動の一部が良くないし、陽菜に秘密があったり警察から逃げ出したりするなど感心出来ないシーンが度々出て来るのは果たしてどうなのかな。綺麗に描けても陽菜のために犯罪を犯す怪しい話だね。
2匹目のドジョウなのか
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