天気の子のレビュー・感想・評価
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危なっかしくてふんわりした奇跡
見るつもりは全然なかったけど、公開から半年経って鑑賞。
きっかけはポン・ジュノの「パラサイト」や「ジョーカー」と比較して言及していた人がいて(貧困や雨、街の描き方について比較されていた)気になったから。
「君の名は」でどはまりした私が言うのもなんだけど、「天気の子」はやはりすごく若い子たちを楽しませるために作られていて、大人の私は入り込むのはやや苦しかった。
美しい映像とRADWIMPSの音楽でドラマチックに演出されてるけど、実際の出来事は小規模、現実的で、その分「おいおいそりゃダメでしょ」と突っこみたくなるところが多い。
ただ、主人公たちが危なっかしい分、大人のキャラクター達が鑑賞のよりどころになった。
思えば、主人公たちが起こす奇跡はふんわりとしていて、廃ビルの屋上から踏み入れた幻想的な雲の上の世界も、ひなの体が透けてしまう現象も、2人にしか見えていない。2人だけの夢や幻想だとしても、何も不思議じゃない。
周りの大人たちはやはり2人の奇跡を本気で半年信じず、でも「そこまで強い思いがあるなら」と応援している。そこには共感できた。
それにしても、東京の閉塞感が妙にリアルで、「君の名は」からの変化にちょっぴり切なくなった。
きっと「大丈夫」
2019年の国内興行収益の第一位は「天気の子」だったと知った2020年の正月。「アニメなのが日本っぽいなぁ」と思いつつ、「あれ?この作品まだ上映してるんだ」っと気が付いて映画館に足を運びました。やー、面白かった!正直あまり邦画自体を映画館で観る習慣がなく観てもたまに誘われていくぐらいで、本作に関しても特に大した理由もなくスルーしていたのですが、これは映画館で観て良かったです。
いやはや最近のアニメって本当に綺麗ですよね。雨の表現の仕方とか、光の差し込み方とか、人物と背景の動きとかホント凄まじいです。特にあの花火大会のシーンは以前見たドローンで撮影した花火大会の動画を思いだしました。よくできてるよなぁ。
とりあえず少年がまっすぐに好きな女の子の為に走る姿は良い!なんかグっときます。帆高が警察に捕まった時、陽菜が15歳だったと知って「俺が一番年上じゃないかよ」とショックを受けるシーン。あれぐらいの年齢の時って1、2歳差ってとっても重要で、一番年上なのに何もできなかったって感じる帆高に男気を感じました。島が何だか窮屈で外に出たいって気持ちも、片田舎に生まれて外に出たくって勢い余って海外を2年程放浪した自分にはあの頃の気持ちを思い出すようでよくわかります。
陽菜もいい子でしたよね。自分の体調の変化ってきっと早いうちに気が付いてて、それでも人を笑顔にできる仕事ができて良かったって。あの素直さって子供ならではですよね。でも子供二人だけで生きるのは大変でも、きっとこの日本にリアルに存在する問題なんだろうな。貧困の問題ってなかなか関わる事がないのですが、それで体を売ってたりする子がいる現実。格差というか、すごく日本の現状を浮き彫りにされている感じでした。
時折「今の子供達の将来って大変だよな」っと思ったりする事があるんですよ。毎年のように異常気象で大きな災害が起きてて。昨年台風19号の災害ボランティアに行ったのですが、その被害の凄さを生で見てみる本当に言葉を失うんですよね。自然の猛威って本当に本当に怖ろしくって。ただ地球温暖化にせよ、これまでの積み重ねでそうなっている訳で。もちろん大人たちとしては次世代に荒れた世界なんて残したかったはずもなく、ただ日々を忙しく生活していたらいつの間にかこういう状態なってしまっていて。
だからって自分に何かできるかっというと問題が大きすぎてわからなくって。例えば環境活動家のグレタさんに「あなたたち大人が!」って責められても「そんな事言われてもなぁ」と居心地の悪い気分になるだけだったり。もちろんエコに気を使うのは大事だとしても、次世代に豊な自然を残すには?と考えると答えなんて出なくって、勝手に思考の袋小路に嵌ってしまう気分・・・。
でも本作の最後「大丈夫」って言葉で、自分のない頭で考えなくても、きっと「大丈夫」なのではないかと思い、なんだかスッとしました。何だかんだで色々あるかも知れないけど、その時代その時代で人々はたくましく生きていくはずですしね。災害でしんどい目にあっても立ち尽くしても、そこからまた立ち上がる人がいるように、多少環境が変わる事はあってもきっと「大丈夫」なのではないか?そう思えます。私たち大人も日々の細かな努力を続ける事を忘れず、少しでも「大丈夫」な天気を次世代に残していきたいものです。
再鑑賞履歴
2022/10/1
Imaxにて
微妙だけど高感度は高い
率直な感想は“矛盾が多くて微妙”な映画でした。
とにかく登場人物のや考えや行動に整合性が無く“何故そうなる?”が多過ぎて、イマイチ話に入っていけません(笑)
例えば普通の男の子に空に消えた少女を助ける術はありませんよね?
天気の少女が飛べるのはそういう設定として受け入れますが、普通の少年に神がかり的な推理力や行動力を持たせたらリアリティが破綻し、観客は置いてけぼりにされます(笑)
但し、一方でそういった矛盾点を踏まえても観た価値はある映画だとも感じました。
環境問題を主軸に自覚無き貧困問題や希望や怒りを抑制された若者等、現代の重要な問題をテーマにしていることや、それをちゃんと映画的手法(例えば拾った拳銃は怒りの象徴ですよね)で提示していることに高感度を抱きました。
又、少女が金の為に体を売れる女ってのも現代っぽくて良いですね(笑)
もし監督がただの中二病ならばヒロインに穢れは持たせないでしょうから。
以上から、この監督は深く思慮のある人だと感じました。
故に、今後の作品はよりブラシュアップされた良作を期待してます♪
ジブリみたいになれるのか?
「言の葉の庭」以外の新海誠作品を視聴しています。
「君の名は」以降、ウジウジ感がなく、
楽しくテンポよくみられるようになった気がします。
新海作品の好きなところは、背景の空気感と色彩の豊かさ。
本作でも、雲の切れ間から光が差す場面の空気感の描写、雲の上の世界が目前に広がる場面の豊かな色彩(雨が続く暗い世界との明白な差)に感動しました。
さて、「天気の子」は、スタジオジブリのように、5年後・10年後に繰り返し見られるのか…
5年後、10年後の視聴者が、少年・少女の心理に共感できるか、設定を楽しめるかが重要と思います。例えば「魔女の宅急便」のキキの心理には、いまだに共感できます。
アラサーの私は、「天気の子」の主人公たちの出会いや居候生活、最後の捕り物などに荒唐無稽さを感じ、少し鼻白んでしまいました。
ヒロインが中学生だったという展開も、びっくり以上に、「え?そんなキャラクター設定無茶苦茶じゃない?」と混乱してしまいました。
繰り返し見て楽しめるか、というと私は「うーん」というところです。
皆さんはいかがでしょうか。
人生に影響を与える次回作を期待
ボーイミーツガールなジャンルの作品として非常に楽しめた。作画・音楽・脚本・演出・演技など素人目には悪い点を挙げることができない。
しかし鑑賞後何も残らない。鑑賞した人間の生き方に働きかけるような強い意志は感じられず、名作と評価するには足りないものがあるように思う。
・罪を犯してでも大切な人を救え=野生回帰?
・多数の利益よりも、一人の大切な少女を救う
・主人公とヒロインは「君の名は」を彷彿とさせるゼロ年代テイスト
個人的にポイントと思われるものを列挙したが、新規性もなく、メッセージ性も薄い。
世間が求めるものが「君の名は」であり、少年と少女が結ばれる感動を観たいと言われればそれまでであるが、それは娯楽として消費されるものであって作品としてのアイデンティティを見失う。
深海監督であれば大衆人気とメッセージ性を両立したもうワンランク上の作品が可能であると思うので、次回作を期待したい。
呪いの言葉
「大人になれよ、少年」
帆高を観ていて、私も須賀と同じ事を思いました。だけど、そんな事を思った大人の私は、ラストで誤魔化しの自分と向き合う事になるのです。私は「大人だから」という呪いの言葉でどれだけ大きな代償を払ってきたのか。私は「大人だから」という呪いの言葉によって、天候が狂いディストピアを作っていた事にも今まで気づく事が出来なかったのか。
今、日本を支配しているのは「○○だから」という呪いの言葉。それが現代日本の閉塞感を作り出しているのだと思います。誰もが均一的な社会の中で、晴れ女は異物の存在で、排除の対象になる存在です。晴れ女を助ける人間もまた、この世界では排除の対象になります。
だけど、晴れ女という異形を救おうとする帆高の様な人間は、ずっと昔から昔話でも文学でも映画でも漫画でも普遍的に描かれてきました。誰かを助ける人は、昔からとても尊敬されてきた人間です。それに、異形を排除することは、ファシズムにも繋がります。排除ばかりする社会にいるから生きるのが苦しいんだという当たり前の事を「天気の子」は、思い出させてくれました。
感性や感情を使う表現者は、大衆の気持ちも異形の気持ちも想像できてしまう才能の持ち主です。いわば、晴れ女と同じなのではないでしょうか。そのせいか、アマゾンに住む異形を描いた「シェイプ・オブ・ウオーター」から聞こえてきた祈りと同じ様な祈りが、「天気の子」からも聞こえた気がしました。
何気に感動?
今だ映画館で上映されていたのでかなり遅い鑑賞。。
田舎者が東京に憧れるのは今も昔も変わらず、田舎から東京への家出から始まるストーリーでちょっと現実離れした設定だが、淡い青春時代に惹かれ合う男の子と女の子を描くメルヘンチィックなストーリーで一睡もせず観入ってしまった。天候不順での東京水没の最後は最近の気候変動を織り混ぜての警笛??アニメの男女共に可愛く描かれていて「君に名は」同様ストーリー的にも面白く観れた。
美しい映像!!
さすが新海誠監督の作品!とにかくアニメなのに絵はリアルですごい身近に感じる作品だった。
気になる内容だが、代表作『君の名は』よりは簡単にわかりやすく作られていた気がするが、何度も見たくなるような面白さではなかった感じ。
だが音楽はすごくよく、新海誠らしい美しい音楽が多かった。
馬鹿が見るためのアニメ映画
本当に見ている間退屈で、
つまらなかった、終始主人公
が、犯罪をやりまくるのが
頭が悪すぎて苛立ちを覚える。
もうちょっとキャラクターの心情
を掘り下げ、なんでこのキャラ
は、こうゆうことをするのか
ちゃんと説明し、分かりやすい
ようにした方がいいと思います。
後スポンサーに気を使いすぎてい
て、重要なシーンがないので、
話しが繋がらない部分が多く
あります。
圧倒的な期待が、この映画にとってのゆういつの欠点だったのかもしれな...
圧倒的な期待が、この映画にとってのゆういつの欠点だったのかもしれない。 と言うのは「君の名は。」を上回るのは最初から非常に難し事であったから。 決してやってみてないわけではない。 前回みたいにアニメーションは素晴らしく、サントラと非常によく組み合わった映画が出来上がっている。 問題はシナリオ。 話が少しはあやふやで混乱し始め、意識の流れのようにうまく適合せず、「マジでそれがオチ?」て言う結末になってしまている。
花火がきれい
新海誠監督作品は「君の名は」しか観たことがないです。
むしろどちらもRADWIMPSが曲を手掛けてるから観に行った、くらいの感じです。
映像がとにかく素晴らしい。
俯瞰で見る花火がめちゃくちゃきれいで本物を超えてました(笑)
アニメーションの真髄ですね。
ストーリーはピストルいらなかった気もしますけど最後まで楽しめました。
ただ声は本田翼が…ちょっと…普通の演技もいまいちなので声のお仕事は無理があったような。
主演二人は上手かったです。
音楽はやっぱり最高でした!
全体的に世界観が暗すぎる。 観終わった後も、モヤッとする。 ラスト...
全体的に世界観が暗すぎる。
観終わった後も、モヤッとする。
ラスト、猫がデブってたのは、ちょい笑えた。
(別に世界観が暗くても、何か意味があればいいのだけれど、身代わりの人柱になって天気が変えられる、、というだけのお話だというのも、なんともつまらない。)
どんな内容だろう?と思って鑑賞したけれど、失敗したという感じ。
あまりお勧めできない。
こういう設定はこれきりにすべきかな
君の名は。を見てないので比べようがないのだけど、普通に感動しました。
ただストーリーがなんとも寓話的というかご都合主義というか、わらしべ長者じゃないんだからとツッコミ入れたくなってしまった。
最近家出人を監禁する事件が流行ってるのに、この安易なストーリーはちょっとダメでしょ。
ヒロインの少女の境遇に比べて、多分主人公の少年はそれ程悲惨な理由も無く家出したのでは?と想像できる。
そもそもなんで少年を家出人にしたのかも、理解不能。別に元々東京に住んでて行き場を失ってる少年でも、充分説得力はあったはず。
家出した未成年が良い人に巡り会えて人生が開けるって、昔でも宝くじ当てるより難しくなかったか?
自分の長年生きてきた経験値として、家出を繰り返してた放蕩娘が、その後どんな悲惨な末路を辿ったかも知っている。
これ程有名な映画だと影響力も大きいので、安易にマネする未成年が増えない事を、老婆心ながら祈るのみです。
作品自体は悪くないので、今後はこういう絵に描いた餅みたいな設定にしないで欲しいと願います。
今の日本の現状を投影した映画
劇場で観てきました。
「君の名は。」からの注目を浴びて、前回のような恋愛ストーリーを
想像していましたが、今回の作風は少し違いました。
この映画は、今の日本、おおきく言えば世界で起こっている異常気象を
日本の童話と絡めて描いた作品だと感じています。
その中に、あくまでも恋愛的なストーリーは、おまけ的要素で
描いているように、私には感じました。
ただ、主人公の陽菜が、自分の想いや運命を受け入れて
言えずに時がたつのは、グッとくるものがあります。
この「天気の子」、兎にも角にも雨が降り続けます。
とても異常な気象ですが、これはまさに今の日本で起こっています。
夏で言えば、異常な暑さ!
秋を通り過ぎての急な冬と、日本の四季が崩れています。
ただ、これを真面目に描くとドキュメンタリ-となってしまいます。
注目するセリフや背景には
1人の子の命より、大勢の人の幸せを選択する言葉が今の時代背景だと感じました。
何が正しいより、自分の正解を信じるしかありません。
異常気象の正常化には、実は自分達の知らないところで
若い少女の命が、ささげられているという、自分たちの何気ない生活の裏には
知らない誰かのストーリーがあることを描いています。
当たり前と思っていることの背景には、そうではないことがあると!!
そして、雨がやまないことは、
将来の地球が描かれていると共に、こうなることはわかっていて
そうなっても人は生きられることも描いている気がします。
ここは、希望ですね。
今と異なる状況になったとしても人は適応できるものだし、今のままだと異常気象は止められないものだと。
企業も色々と、その観点に関しては、考える時代となっているはずです。
投資家や起業家だけでなく、私たちも考えていかなければならない時代、いや、取り返しのつかない段階まで来ているとの警告な気もします。
ここに注目してみてみると、見え方が大きく異なると思います。
私としては、純粋に見ていただきたいので、ストーリーの裏側の構成として、参考になればと考えています。
世界がどんなことになろうとも、自分の大切な人だけは守りたい!
これは、素敵な想いで共感できます。
もう一人の主人公、帆高の大勢でなく、1人を守り通り想いも描かれているので、
あなたならどうするのかを含めてみてみたら、いかがでしょうか。
エンタメ性は「君の名は」に劣る。けれど何かが引っかかった
最初に鑑賞した時は正直、つまらないだけの映画だと思いましたが、二度、三度と回数を重ねるうちに、心の中に何かが引っかかっているのを感じました。自分の中では「君の名は」の方が面白いことは明らか(二度ほど観直しました)で、「天気の子」の何がそんなに引っかかっているのかがよくわからなかったのですが、四度目の鑑賞でようやく原因らしきものを分析できました。
その原因は「新規性」、つまり、既存の作品には無い要素をどれだけ含んでいるか、ということなのかなと思います。
「君の名は」はエンタメとしては非常に良く出来ていましたが、その一方、作品の構成要素には一見して新規性を感じられるものはなかったように感じました(それが悪いことだとは思っていません)。しかしながら、「天気の子」。この作品の中で最もフィーチャーされている「犯罪を犯してでも愛する人に会いたいという帆高の強い衝動」に、多分僕は衝撃を受けて、そこに強い引っ掛かりを感じたのだと思います。
主人公が愛のために走る作品は星の数ほどあれど、「天気の子」ほど懸命であと先を考えないものは今までにありませんでした。少なくとも僕の観た作品の中では、ですが。この作品の新規性の全てはここに凝縮されていると思います。
少年が警察と敵対し、線路に侵入し、邪魔者に銃口を向ける。やりすぎとも思えるほどに少年を追い込み、そして少年がそれらの障害に必死に立ち向かっていく姿を描く。その全てが帆高少年の見たこともないほどに強い衝動を描くための過程であり、それを描くことこそが、新開監督がこの作品でやりたかったことなんじゃないか、というあたりで考察を終えました。
結論。「君の名は」の方がエンタメ性は優れているが、「天気の子」の方が新規性がある。そこに僕は引っ掛かりを覚えました、ということです。
個人的には、エンタメ性よりも新規性の方を重視しているので、星4.5としたいと思います。
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