アスのレビュー・感想・評価
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キリスト教的世界観をベースにした薄気味悪いスリラー
1986年夏、アデレイドは家族と行ったサンタクルスの遊園地で迷子になったことで心に深いトラウマを負ってしまう。成長したアデレイドは夫のゲイブと子供達とともに海辺の別荘にやってくる。サンタクルスのビーチへ行こうというゲイブの提案に子供達をガッカリさせたくない思いで渋々承諾したアデレイドだったが、あるきっかけでトラウマが蘇ってしまい取り乱してしまう。そしてその夜、玄関先に不審な人影が・・・からのサスペンスホラー。
突然現れた自分達にそっくりな存在に襲われるという星新一のショートショート辺りにありそうなテイストは監督ジョーダン・ピールの前作『ゲット・アウト』にも通じる不気味さ。『ゲット~』が人種問題への風刺をまぶした軽快なホラーだったのに対して、こちらはキリスト教的世界観をベースにして21世紀に横たわる地獄を見せる超絶に後味の悪いスリラー、劇中で何度も言及される"エレミヤ書11:11"の一文を鑑賞後にググッて読んでみると、その途方もない絶望感に改めて目眩がしました。序盤でひょっとして?と思ったことを何の忖度もなく投げつけてくるラストシーンはホントに後味が悪くてしばらく眠れませんでした。
しっくりこない変な話
ホラー?
ラストに問題あり。
ホラー映画とコメディ映画は共通点が多いとコメントしているジョーダン・ピール監督、前作「ゲットアウト(2017)」では、作品についてのコメントをころころと変え、どうしても興行成績を上げたかったようだが、今作も評論家からは高い支持を受けているので、日本でも評判を呼ぶに決まっていると思われる。
アメリカのアマゾンでは、すでにネット配信されていて、レビューを見ると概ね受け入れられているが、あるコメントでは、映画館で観たがケツ゚が痛くなったというほどつまらなかったようで、理解不能なシナリオが散見したようだ。こんなことを書けば、ピール監督の崇拝者は、おかんむりになるかもしれないが、前半の謎の多い設定は見るものがあるが、80分を過ぎたころから、なぜか面白みが失せるシナリオとなっている。
ピールという監督もマグロや鮫のように泳ぐのを忘れれば死んでしまいそうなどんでん返し好きのM・ナイト・シャマラン監督のように最後には、家を抵当に入れなければ映画作りが叶わなくなるようなA box office-bombを多量に発信することに最終的に行き着くかもしれない。
余談として、この映画の制作会社の名前がmonkeypaw productionsとなっているので、約120年前の怪奇小説「The Monkey's Paw」と何かつながりがあるのかなと思うのだが、この小説は、多くの映画に影響を与え、現在でもよく似たストーリーを目にすることがある。
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