アスのレビュー・感想・評価
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グロくないのに怖い、でも結構難しい
R15+指定がついてますが、直接的なグロ描写は少なく、植木バサミといういかにも鋭利な凶器が予告でも象徴的に登場してますが、殺害シーンになるとカメラが引いたりズレたりするので、痛々しい描写は見ずに済んだので個人的には安心しました。(ゼロじゃないけど…)
「ゲット・アウト」同様、ホラーだけどただ殺し屋怖い!とかオバケ怖い!じゃない、サスペンス要素がたっぷりで、しかも観終わってアメリカ文化を調べたくなる感じは流石です。前半1時間は伏線張り巡らしまくりなので、ずっと不安ではあるけど何かが起きるわけじゃない。そして後半で起きる数々の出来事と伏線回収に「そうだったのか!」が気持ち良い。びっくり・ドキドキ・ハラハラもてんこ盛りなので、ホラーとしても楽しいです。
ただ、ちょっと今回のネタは「ゲット・アウト」ほど分かり易くないので、まだ理解しきれてなかったりもします。謎解きは劇中でもありますが、もうちょい詳しく説明してくれないと分からない…。アメリカ人だと分かるのかな?
なので満足度は期待値には届かなかったですが、またしても新感覚ホラーで楽しませてくれたので、これはこれでアリです!
シーンの1つ1つに意味がある
ホラー映画苦手だけどゲットアウトの監督なら!と見に行きました。
単なるホラーではなく前作のようにメッセージ性のある作品でした。映画を見終わった後周りで思ってたのと違ったという声がちらほら聞こえてきました。自分は何が伝えたかったのか四分の一程度しか理解出来ず、考察を読みなるほどと思いました。まあ、聖書の11章の部分と言われぱっと思いつく人はいないと思いますw
ラストの部分をみて今まで見てきて引っかかっていた点に納得がいき、初めから見直したいと思いました。
あの後息子はどんな思いで生活していくんですかね?w
監督は映画を作るときに何か伝えたいものが必ずあります。それが映画に全面的に出ると、比喩表現の多いわかりづらい作品ができ、ストーリー的にも意味不明な作品になります。(キルオフという映画を見たときに感じたことです)このストーリーとメッセージ性のバランスとれた映画を作った監督は天才だと思いました。
エレミヤ書11章11節
『エレミヤ書』は旧約聖書の一書であり、三大預言書の一つであり、その第11章は『それゆえ、主はこう仰せられる。「見よ。わたしは彼らにわざわいを下す。彼らはそれからのがれることはできない。彼らはわたしに叫ぶだろうが、わたしは彼らに聞かない。』という言葉が書かれているとのこと。宗教的な暗示ということだろうが、作中には何も説明もないから意味深な演出ばかりで恐怖感を誘う手法であろう。アメリカでは誰でも知ってるのだろうかねぇ。
破綻というところの周辺まで今作品は辿り着いてしまっているのだが、アイデアは面白いのにそれを巧く辻褄合せが出来ておらず、唐突な後出しジャンケンみたいな説明がついて回るので、恐怖を抱く前に疑問符ばかりである。特にラストのオチは、何となく実は入れ替わっていたんじゃないかなぁと推理していたので、そこには驚きはない。それよりも最大の謎は、クローン人間がアメリカ中の沢山の地下壕に居て、地上の人間と同じ動きをあの天井のある部屋の中で行なっているのかの意味不明な設定である。
そもそものストーリー設定として、主人公の妻が実はそのクローン人間であるのは分るが、あのビックリハウスで地下に連れ去り、監禁した後に、一時期失語症に陥るのは、オリジナルが地下の世界の異質さにそうなってしまったからなのか?そしてバレエも、地下でオリジナルが舞っていたからということは誰が教えていたのか?と、まぁ余りにもディティールの解釈がきちんと作中にはっきりと示していないのでクエスチョンマークが頭の中でラインダンスを踊っているかのような状態である。そもそもクローン人間からすれば、あのサンタクルーズのボードウォークは禁忌であった筈なのにノコノコと現れるその必要性も希薄だし、オリジナルが襲ってきたとき、驚きはしても恐怖におののくリアクションはおかしいのではないだろうか?まぁ、後半に展開していくにつれ、その殺人を愉しむ姿勢において、徐々にネタバレを意識させているんだろうけど、それは徐々に隠していた本来の性質が表面化してきたということなのだろうか?もっと根源的に言えば、クローン人間製造の説明の件が余りにもアッサリしすぎていて、印象を深く観客に植え付けていないから、凶暴なのが兎を生で食べるという理由なのかとか勝手に解釈してしまったりしまうのである。同じ動きをする理由もよく分らないし、そもそもアメリカ人全員分のクローン人間がいるのか、そしてあの東海岸から西海岸までの手繋ぎのパフォーマンスは、宗教的儀式として何の意味があるのか、しっくりこない展開に頭が追いついていけない。細かいアイデアとしての、末息子が自分が後すざりすることで、クローンも同じ行動を真似し、バックで燃えている車の中に入ってしまうシーンはその設定を巧く利用しているのだが、そんな諸々の些末が本作のキモではあるまい。結局、末息子だけは母親の正体が感覚で気付いてしまった、しかし地上ではクローンによる粛清が始まろうとしているところで作品が終わる。結局、伏線回収の中途半端さと、ホラーとしての驚かせ方の昔からのパターンの踏襲のみで、何も目新しさは感じられなかった。前作での練られた傑作度合いに比べると、残念ながら嘆く他はない。
キリスト教的世界観をベースにした薄気味悪いスリラー
1986年夏、アデレイドは家族と行ったサンタクルスの遊園地で迷子になったことで心に深いトラウマを負ってしまう。成長したアデレイドは夫のゲイブと子供達とともに海辺の別荘にやってくる。サンタクルスのビーチへ行こうというゲイブの提案に子供達をガッカリさせたくない思いで渋々承諾したアデレイドだったが、あるきっかけでトラウマが蘇ってしまい取り乱してしまう。そしてその夜、玄関先に不審な人影が・・・からのサスペンスホラー。
突然現れた自分達にそっくりな存在に襲われるという星新一のショートショート辺りにありそうなテイストは監督ジョーダン・ピールの前作『ゲット・アウト』にも通じる不気味さ。『ゲット~』が人種問題への風刺をまぶした軽快なホラーだったのに対して、こちらはキリスト教的世界観をベースにして21世紀に横たわる地獄を見せる超絶に後味の悪いスリラー、劇中で何度も言及される"エレミヤ書11:11"の一文を鑑賞後にググッて読んでみると、その途方もない絶望感に改めて目眩がしました。序盤でひょっとして?と思ったことを何の忖度もなく投げつけてくるラストシーンはホントに後味が悪くてしばらく眠れませんでした。
しっくりこない変な話
ホラー?
ラストに問題あり。
ホラー映画とコメディ映画は共通点が多いとコメントしているジョーダン・ピール監督、前作「ゲットアウト(2017)」では、作品についてのコメントをころころと変え、どうしても興行成績を上げたかったようだが、今作も評論家からは高い支持を受けているので、日本でも評判を呼ぶに決まっていると思われる。
アメリカのアマゾンでは、すでにネット配信されていて、レビューを見ると概ね受け入れられているが、あるコメントでは、映画館で観たがケツ゚が痛くなったというほどつまらなかったようで、理解不能なシナリオが散見したようだ。こんなことを書けば、ピール監督の崇拝者は、おかんむりになるかもしれないが、前半の謎の多い設定は見るものがあるが、80分を過ぎたころから、なぜか面白みが失せるシナリオとなっている。
ピールという監督もマグロや鮫のように泳ぐのを忘れれば死んでしまいそうなどんでん返し好きのM・ナイト・シャマラン監督のように最後には、家を抵当に入れなければ映画作りが叶わなくなるようなA box office-bombを多量に発信することに最終的に行き着くかもしれない。
余談として、この映画の制作会社の名前がmonkeypaw productionsとなっているので、約120年前の怪奇小説「The Monkey's Paw」と何かつながりがあるのかなと思うのだが、この小説は、多くの映画に影響を与え、現在でもよく似たストーリーを目にすることがある。
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