さらば愛しきアウトローのレビュー・感想・評価
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錯綜する男のロマンがすがすがしい
銃を使わずに見せるだけの銀行強盗に人生の楽しみを求める老人。神出鬼没なその老人を自分の手で逮捕することを夢見るしがない刑事。そんな二人の生き様が交錯する。さて結末はいかに?見てのお楽しみ!
ロマンを追う役を多くやってきたロバートレッドフォードの引退作にふさわしい役だし彼自身のロマンを感じた。
まさに老獪な余裕。痛快アウトローの雄姿。
【賛否両論チェック】
賛:ロバート・レッドフォード演じるタッカーの、誰も傷つけずに穏やかに強盗を成功させていく余裕に、ベテランの味わいを感じさせる。
否:物語はかなり淡々と進むので、気をつけないと眠くなってしまいそう。ラストもかなり唐突な印象が否めない。
これぞまさにベテランの余裕といいますか、老獪さといいますか、ピストル強盗でありながら決して声を荒らげることなく、紳士的にニコニコしながら強盗を成功させていくタッカーの姿が、アウトローでありながらどこかクールでカッコよさを併せ持っているようです。そんなタッカーの味のある佇まいを醸し出しているロバート・レッドフォードも、またステキです。
ただストーリーそのものはかなり淡々と進んでいく印象なので、もっとサスペンスチックな内容を期待して観てしまうと、思わず眠くなってしまうかも知れません(笑)。
ラストも結構呆気なく突然終わってしまう感も否めませんが、ロバート・レッドフォードの引退作でもありますので、是非チェックしてみて下さい。
さらば銀幕のレッドフォード
銀幕スターという言葉はもはや死語だと思っていたが、それが思い込みであったことに気づかされる。80歳を過ぎていてもレッドフォードの所作やセリフからは、色気やカッコよさが滲み出る。アラン・ドロンやオードリー・ペップバーンがそうであったように、演技やルックスだけではなく、その俳優本人にしかない、そして我々の手に届かない魅力をスクリーンに刻む者こそが銀幕スターであることを改めて思い知らされた。
80年代に実在した74歳の銀行強盗フォレスト・タッカーの半生に基づく物語であるものの、やはり『明日に向かって撃て』や『スティング』でレッドフォードが演じたキャラクターがそのまま年老いたように見えてしまうのも微笑ましい。ヒロインにシシー・スペイセクを配役したところもまた巧い。年の離れた若い女性ではなく、年相応の相手を口説き落としていく男の魅力。私も男でありながら、始終レッドフォードに釘付けになるほど魅了させられた。
レッドフォードの俳優引退作と謳った作品であるが故に自らメガホンを取ることもできたであろう。しかし、監督をデヴィッド・ロウリーに託したのはアメリカン・ニューシネマの灯火を若手監督に受け継ぎたかったのではないだろうか。予告編(そしてヒロインからも)から『地獄の逃避行』のような展開を想像したが、そんな結末は彼の引退作には似合わない。
ー楽に生きたいんじゃない、楽しく生きたんだー、カッコいいとはこういうこと、俳優とはこういうもの、そして、これこそが自分の俳優人生なんだと背中で語るような幕引き。スクリーンに恋をするという体験は久しくなかったが、そんな素敵な時間を与えてくれるのも銀幕スターこそなせる業。「さらば銀幕のレッドフォード!」という賞賛の声と共に心からの拍手で送り出してあげたい。
とてもよかった
被害者が口々に「彼は紳士だった」と悪印象を抱いていないのが面白い。僕も食えなくなったらあんなふうに銀行強盗をして家族を養えたらと思うのだが、当時も無理だし現代ではもっと無理なので非常にロマンがある。
一度も会ってない娘が刑事に絶縁を宣言していて、まあそうだろうけど、切ないものがある。
ケイシー・アフレックのくたびれたような力みのないセリフ回しが気だるくてかっこいい。黒人の奥さんの連れ子を可愛がっている様子もすごくいい。
死んでも治らないくらい楽しいビョーキ
楽しい事は止められない、ってのはわかるけど。強盗業ってのは、どうなんよ…ま、判らんでもないか。
緩い。とにかくユルユル。今日のところは大好きな緩さです。
CTI時代のウェス・モンゴメリー的な音楽が流れ続けますが、もうそれだけでも気分良い。タイコはブラシでスネアとバスドラのみ。チカラ抜けてるとことか最高。脚本も画も音楽も、何もかもがクラシック。いつの時代の映画ですか?な懐古主義も偶には良いかと思ったり、老いらくの恋も可愛かったりで、俺は「運び屋」より、こっちの方が好きです。
強盗と脱走の人生を楽しんで生きたタッカー爺が羨ましくもあり、不謹慎ながら。楽しいかなぁ、今の俺の人生?なんて事を考えたりしながら、実は緩過ぎて、ちょっとだけ寝落ちしてしまいました。
誰が何と言おうと…
原題は『 老人と銃 』( The Old Man & The Gun )、ひねりが利いて味わい深く、凄くかっこ良い。思いっきりヘミングウェイしてて嬉しい。
若い頃からずっとスクリーンで見続けてきた人なんで、ノスタルジーと言われそうですが、私は迷わず星5つ。
プロ野球の引退試合だって、こだわるところはゲーム内容じゃ無いでしょう。その選手を見られるのが最後だということ。これはレッドフォードの俳優引退作品。つべこべ言わず星5つで宜しくお願いします。
偉大なるロバート・レッドフォードよ!
ロバート・レッドフォード引退作。ちなみにロバート・レッドフォード観るの初めて(すみません)。
物語はですね...「愛しきアウトロー」というか犯罪ジャンキー(もはや依存症の域だあれは)のおじいちゃんの犯罪譚と恋愛なわけですが、一歩間違えれば(いや、間違えなくたって)本当にただの犯罪ジャンキーおじいちゃんなので、ロバート・レッドフォードじゃないと魅力が出ない難役だなあとは思いました。「紳士的でした」「いい人そうでした」と言いつつもいやいや君ら金取られてますやん...とシビアな私は思ってしまうのですが。なんと言いましょうか、ロバート・レッドフォードだから許されるというか、説得力があるんですよね。実在のフォレスト・タッカーさんがどんな人物であったか分からないのですが...。
デヴィッド・ロウリー監督の前作ではずっとシーツ被ってたケイシー・アフレックさんも渋かったですね。声が上ずってるけど、感情の起伏が分かりやすくないところがいいです。さすがです。
そしてヒロイン、シシー・スペイセクの69歳なのに圧巻の可愛さ。その辺の若い女の子よりめっちゃ可愛くないですか。それでいて大人なので激昂したりはしなくて、微笑んだり戸惑ったりがとにかく可愛かった...。
デヴィッド・ロウリー監督は、フォレスト・タッカーという人物を決して全肯定では描いていないというか、ある種突き放した視点で作っている気がします。それも全て、被写体としてのロバート・レッドフォードの凄味があってこそという感じがしました。理想の自分とそれに近づく方法が明後日の方向過ぎてもロバート・レッドフォードなら観客を唸らせることができる。俳優の力は偉大です...。
往年大スターの年の取り方
名優ロバート・レッドフォードが俳優引退作との事で鑑賞。1980年代初頭からアメリカ各地で銀行強盗したとても紳士的か強盗男のお話でレッドフォードの味のある素晴らしい演技にとても感動しました。
今から40年以上前の映画界では、レッドフォード、スティーブマックイーン、ポールニューマン、クリントイーストウッド達が映画界の若き大スターでした。今回、レッドフォードを観ていて、この人達がその後、中年、壮年、老年となっていくそれぞれの歩み方にいろいろと人生を考えさせられました、、。当初は俳優としては他の3人より下と見られがちでも映画人としてはイーストウッドが名監督かつ名老俳優として最終的には名を残しました。
スターになってからは作品を選び、かっこいいまま割と若くして(50歳)死んだマックイーン。レッドフォードって、アメリカンハンサムガイの典型であまり老いた姿を出したくない人なのかなと思っていたのですが、今回の作品でまさかの80歳過ぎてバリバリ老人になってからの映画主演で驚きました。やはり名作品を監督して、老年ながらもチャーミングな役柄で主演するイーストウッドとか見ていて思うところがあったのかなあと想像してしまいます。
そして伝説へ
私のレッドフォードとの出逢いは、遥か昔、まだリバイバル上映があった頃である。その作品は明日に向かって撃てだった。なんとか間に合った、初見が大画面で良かった。
ちなみに一番リバイバルされていたのは、小さな恋のメロディだ。ある年代のバイブル。トレイシー・ハイドは皆んな好きだったよね。
さて明日に向かって撃てだが、撃たれたのは
私のハートだ。モノクロの映像から、列車強盗のくだり、自転車でブッチとエッタが戯れる名場面、エンディングのストップモーション。
息を飲んだ。心が震えた。最高の映画だった。
快心の一撃だった。
まだ観てない方は、幸せ者だ。この楽しさを今から味わえるとは、羨ましい。
レッドフォードはハリウッドのメインストリートを歩いてきた。マネーメーキングスターだ。
しかし本質は反権力の人だ。そして常に市井の
人に目を向けている。
初監督作が普通の人々、そしてミラグロ、リバーランズ・スルーイットと地味なテーマばかり。
そして、サンダンス・インスティテュート主宰として多くの映画人を世に送り出した。
コーエン兄弟、ブライアン・シンガー、デミアン・チャゼルなどだ。
俳優としても偉大だ。オール・イズ・ロストでは全編一人芝居で過酷な撮影を乗り切った。
代償として片耳の聴力を失った。
レッドフォードの偉業を思うと、私の心はアフリカの果てまで飛んでしまう。夕日に向かって走りたくなってしまう。
さて今作だが、明らかにサンダンス・キッドを
意識している。もちろん強盗の話だからだが銃の描き方が明日に向かって撃てのボリビアで襲撃される場面を思い出す。
ピカレスクロマンだが、本当に優しい映画だ。
都内で3館.計4回上映なのでほぼ満席だった。
でも観て良かった。俳優は引退するが監督は
続けて欲しい。
復帰しても良い。
どの道、この人は伝説になる。
レッドフォードならでは
実話を基にしたR・レッドフォードの俳優引退作品とのこと。皺が刻まれた笑顔と紳士然とした物腰で、人を傷付けずに易々と銀行強盗を行う主人公は、まさしくレッドフォード以外では考えられないくらい。
「楽に生きるんじゃない、楽しく生きたいんだ」というメッセージは、レッドフォードのこれまでの出演作品、さらには彼の生き方そのものとシンクロしているように感じた。
共演者の顔ぶれも豪華。特に、シシー・スペイシクのチャーミングさに惹かれた。
イーストウッドの「運び屋」の苦さはないが、レッドフォードの爽やかさと軽妙さが生かされ、後味よく楽しめた。
「楽しく生きる = 銀行強盗」が理解できない
実話らしい。だからなのか、ストーリーは微妙。多分、「人生 楽しく生きたいんだ。」= 銀行強盗 ってのが、私には、理解できないからかな。そして、残念なことに、私は、ロバート・レッドフォード の良さが分からない。映画の中で、昔の写真が映ったけど、あれは、本人だと思うんだけど…。まあ、イケメンでした。でも、その頃を知らない私には、魅力が分からない。この作品を観るだけでも、素晴らしい役者さんだということは分かりましたけどね。
拳銃を見せるだけで、発砲することなく、銀行強盗ができるって…時代のせいかな?まあ、あんなに落ち着いた様子で、銀行強盗する人はいないかもね。でも、あんな感じだったら、行員側も落ち着いて対応できるから、お金は盗まれないのでは?って思ったんです。そういうところも、微妙って思ったひとつです。
ロバート・レッドフォード 引退とも言われてる作品なので、水を差したくはないですが…。彼のことを好きな人には、たまらない作品なのかもしれません。
ロバートレッドフォード
彼の最期の主演作だから見たようなもの ストーリーは娯楽作品のそれと違い 少し心地よい犯罪者の実話 人生の楽しみ方は人それぞれ 老後に不安を抱える若い人達に見てもらいたい作品、観客のほとんどは40歳辺りからリタイヤしたレッドフォード世代の方々が多かった
これが最期の作品とは残念 運び屋を観た時も同じような気持ちになったが
さらば愛しきレッドフォード
ロバート・レッドフォードの俳優引退作と聞いては観ないわけにはいかない。
今作は実在の銀行強盗フォレスト・タッカーを描いた。捕まっては脱獄し強盗を繰り返すが、決して人を傷つけることがない紳士なアウトロー。最後の作品として相応しい役どころだった。
偶然出会ったシシー・スペイセクとの枯れた恋路も見どころ。スペイセクが本当に魅力的で、彼女にとっても晩年の代表作になるのでは。
そしてトム・ウェイツ!、ダニー・グローバーといったレジェンドたちが脇を固めた。
レッドフォードを追う刑事を演じたケイシー・アフレックが渋くていいなぁと思ったら、監督は「A GHOST STORY ア・ゴースト・ストーリー」のデビッド・ロウリーだったのですね。アフレックとの相性は抜群だ。
原題は老人と海をもじったタイトル
ロバートレッドフォード引退作品
ロバートレッドフォードの出演作を観ていないと 小ネタが拾えない。
劇中映画は『逃亡地帯』
60代ぐらいになって改めて観直したら もっと楽しいかもしれない。
シシースペイセクがものすごくチャーミング。
実際の犯罪者フォレストタッカーがモデル。
サンクエンティンから脱獄した時のボートの名前がチャプチャプ号w
テキサス州
黄昏銀行強盗団に
ダニーグローバーとトムウェイツ
音楽とR・レッドフォードがカッコいい
ジャズというかカントリーというかロックというか、老練な紳士役にマッチした音楽が非常に良かった。
内容や雰囲気は半ば予想したものだったので、個人的にはやや物足りなかった印象。原題ではなく、邦題をつけたくなる理由も何となく分かる。この作品のロバート・レッドフォードは非常に好きだけど─。
グッバイ!ロバートレッドフォード!
名優ロバートレッドフォードの引退作品
実在の脱獄王フォスストタッカーの半生を描いた作品
拳銃をちらりと見せるだけのスタイルで銀行強盗を繰り返し成功させる老紳士フォレスト
スマートな盗みっぷりや、女たらしっぷりは魅力たっぷり
シワシワのロバートレッドフォードの絞り出すスタイリッシュ色気はムンムンです
話の筋としては平凡なものではあるが、ロマンチックな演技は素晴らしい
個人的にはやはり明日に向かって撃て!が強烈な思い出
あの時とは異なるものの「かっこいい」俳優さんの引退は物悲しい
Rレッドフォードさんのファンは必見!
ロバートレッドフォードさんのファンの為に創った映画であり、そうでもない人が観たら、超C級ゆるゆる映画。
音楽は効果音として使わず、ラジオの音だったり、画面とは関係なく自由に映画設定時の音楽が流れ、センスは良かった。
まるで故:高畑勲さんの映画のようだった。
最後の5分間の意味がよく解らなかった。夢落ち?
この映画を観たら、「明日に向かって撃て!」をまた観たくなった。今見返すと、あまあまな映画だが、さわやかさが在り、美しかった。
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