蜜蜂と遠雷のレビュー・感想・評価
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原作のファンも納得の、予想より上々の出来栄え
恩田陸原作の映画「蜜蜂と遠雷」をTOHOシネマズ日比谷で鑑賞。
本作で直木賞を獲った(受賞は遅すぎたが)恩田陸の作品は殆ど読んでいるが、大変読みやすい文章を書ける稀代のストーリーテラーである。特に発想と設定のユニークさは天下一品で、あまりに奇抜過ぎて後半で巻き取りきれないことがあるのが欠点だが、本作はかなり収拾しきったので、文壇で評価されたのだろう。
ただ、映画化については正直、期待してなかったのだが、思いのほか、上々の出来栄え。とくに、栄伝亜夜役の松岡茉優と、風間塵役の鈴鹿央士との掛け合い、ピアノ連弾や控え室でのすれ違いなど、本当に見事で感動した(^^)
松岡茉優はマスコミ対応でちょっと損をしているが、やっぱり上手いと思った。そして、鈴鹿央士はまさにハマり役、風間塵にびったりである。原作読んだ人は、ここまでリアルにぴったりな配役ができるとは思わなかったはず。
映画としては、始めの入り方は若干心配になってくるペースだが、コンクールが進行し、前述した亜夜と塵の連弾のころから、画面に引き込まれて、脇を固める斉藤由貴や鹿賀丈史、平田満もさすが味わい深い演技。
絵のタッチが日本映画ぽくないなあ、と観ていたら、監督はポーランドで学び、カメラマンもポーランド人、たしかにカメラワークはヨーロッパっぽいタッチで見応えあり。
馬のイメージだけが、ちょっと賛否のわかれるところか(^^;;
実際のピアノ演奏は、河村尚子をはじめ、さすが今、脂の乗り切った日本の若手一流どころ、全く違和感なく演奏に引き込まれた。
あの長大な原作をよく2時間に仕上げたものである。もちろん、小説の表現技巧ほど、コンテスタントの演奏の凄さを表現しづらいのはあるが、全体として望外の出来栄えである。
音楽をテーマとした小説の映画化の困難さを鑑みると、若干甘いが五つ星を付けてもよいだろう。まずは原作を読んでほしいが、映画としてもおすすめである。
綺麗な映画でした
綺麗な映像、良いロケ地、上手な俳優と思います。
ただ、原作読んでいないのですが、天才の悩みというのが、いまいち伝わってきません。きっと原作では文字で伝えているのでしょうが、映像にしたとき、その部分をけっこうすっぱ抜いて描いている印象がありました。
松岡茉優さんの悩みとかトラウマとかは描いているんですけどね。あと、もっとも庶民的な松坂桃李さんの役どころ。そもそも松坂さんくらいしか共感できる人いないからなー。
物語の構成が予選からスタートしているから、少しドキュメンタリー的に撮っている印象がありました。
それはそれでいいのですが、1部、2部があって、第3部から観ているって気がしたのは私だけでしょうか?
あとすみません。どなたかあの黒い馬の意味、教えてください。描かれてました?どういうメタファーなのか、まったくわからんかった。
それから松岡茉優さんが最後、トラウマを乗り越えてやったるでーってなった瞬間、が、よくわかりませんでした。駐車場の脇にピアノあって、それ見て、いろいろ思い出して(なにがあって何を思い出したのかわからん)、いざ会場へ。って、なんで?と疑問符出てしまいました。そこが残念。というか、それも含めて、天才たちの話だからまーいっかーっていうのも観ながらの本音でした。
兎にも角にも、あのピアノの伴奏、みなさん覚えたんですかね? すごいなー、憧れるなー。それから松岡茉優さん、この世代でこういう役演じられるの彼女くらいなものじゃないかしら。鬱陶しくない陰鬱さと、本心からの笑顔。が、とても良い発見でした!
台詞/モノローグなしで主観をどこまで語れるか
公開日の夕方に鑑賞しました。
導入部の印象は「四月は君の嘘」+「ピアノの森」。
ヒロイン、栄伝亜夜がピアノにトラウマを負った原因は、母の死。
優しい母と厳しい母の違いはあるが、「四月は君の嘘」の設定とほぼ同じ。
強い音圧で方にはまらない演奏をする風間塵は、「ピアノの森」の一ノ瀬海っぽい。
コンテストの雰囲気や、コンテスタントの交流や葛藤も、既視感が無いといえば嘘。
それでも、亜夜が7年前に残した宿題を克服しようと演奏するラストは、緊張感があって好きえした。
演奏ぞのものの気迫に加え、また途中で止まっちゃうんじゃないかとハラハラし、独特の緊張感がありました。
本当に弾いているように見えるかは、場面によっては微妙でしたが、演奏後に息が荒い感じはリアルでした。
個人的に好きなシーンは、調律師の工房で、亜夜と塵が連弾するところ。
月を眺めながら、ドビュッシーの「月の光」から「ペーパームーン」(映画音楽)、そしてベートーヴェンの「月光」へと揺蕩い、また「月の光」に戻る件が白眉。
月のイメージ1つで、打ち合わせなし連弾できちゃうなんて、めっちゃ素敵。
プロとしてはコンテストに勝つことが重要なんだろうけど、素人目線では何気ない日常をピアノの調べで満たせることの方が素敵に思えます。
また、塵を演じる鈴鹿央士の、イノセントな美しさと表情には目を奪われる。
演奏する時の歓喜に満ちた表情は、無邪気さと天才性を体現してました。
マサル演じる森崎ウィンも、good acting。
幼馴染としての優しい、野心ある若手ピアニストとしての熱さや焦燥が、よく出てました。
審査委員長を演じる斉藤由貴も良かったです。
尊大で辛辣な感じが、大物ピアニスト然としていました。
課題を感じたのが、今回の演出でどこまでヒロインの心情を表現できたかというところです。
松岡茉優演じる亜夜は、時折笑顔も見せるけど、基本無表情です。
それは、母の生前には響いていた音が鳴らなくなったから。
自然に溢れている音を、音楽として紡げなくなったから。
それでも、風間塵との交流を通じて、自然の音を感じられるようになり、7年前の宿題に立ち向かう。
と、大筋はフラッシュバックの演出や、亜夜が選んだ舞台衣装から理解できました。
ただ、その際の亜夜の感情の高まりまでは、感じることができませんでした。
「四月は君の嘘」ほど雄弁でなくていいけど、モノローグを有効に使う演出もあり得たのではないかと感じました。
無論、実写映画でのモノローグの多様は野暮なのかもしれません。
ただ、心の叫びを表情で語らせないのなら、もっと他の表現手段を開発してほしかったです。
正直、雨に佇む馬のイメージは、最後までピンときませんでした。
原作未読なのがいけないのかもしれませんが、映画が独立した作品である以上、原作み読者にも理解できる演出は必須なはずです。
原作を
読んでいたので、脳内で補完しながら鑑賞しました。
潔く端折り過ぎ?と思ったけど、原作未読の家族も楽しめたらしいので、うまくまとまっていた方ではないでしょうか。
亜夜のお友達には、いて欲しかったケド。
【世界は音楽に溢れている。美しいピアノの音色と個性的な若きピアニスト達の真摯に音楽に向き合う姿に魅入られる】
鑑賞後、清々しい気持ちで劇場を後に出来る作品である。
楽しみにしていた”カデンツァ”の部分も成程、そう来たかという驚きと嬉しさとともに拝見させていただいた。
生活音:野菜を刻むリズミカルな音。幼子と父が遊ぶ中で生まれる音・・
自然音:この映像作品でも重要な場面で効果的に使われていたが
雨音、雷鳴、雫の滴る音・・
日々生活をする中で、奏でられている崇高な音に如何に無頓着であったことか・・に気付かされる。
妻と幼子と暮らす背水の陣でコンテストに臨んだ高島(松坂桃李さん 良い役者さんである、指が綺麗である)が漏らした”生活者の音楽は・・・”というセリフに
〈健全な家庭生活を過ごす中、仕事をする中で生まれる音程、尊崇な音は無いんだぞ〉
と思いながら観ていたら彼も劇中、それに気づいた感が伝わり嬉しく思う。
◆印象的だった場面
・栄伝(松岡茉優さん どんどん素敵な女優さんになられていく)と風間君(柔らかな笑顔が素敵な少年、鈴鹿央士さん)が月光が降り注ぐ中、楽しそうに連弾する姿
・マサル(森崎ウィンさん この人も指が綺麗)が、世界レベルの指揮者、小野寺(鹿賀丈史さん:顔が悪代官風で怖いが人は見かけで判断してはいけない)率いるオーケストラとのセッションでの最高の演奏を求めるが故の遣り取り
・栄伝がコンテスト本選まで残ったのに、過去のトラウマによるプレッシャーが原因なのか、会場を去ろうとした際、彼女を引き留めたモノ。
・コンテスト全体のスケジュール管理するベテラン田久保(平田満さん 良い役者さんだなあ)の若手ピアニスト達を見つめる優しい視線
クラシック音楽コンクールで演奏される数々の曲を超絶技巧、豊かな語彙で文章化した恩田陸の傑作が原作であるが、この作品はその原作をどのように映像化したのかを観るのを楽しみにするのも良し(僭越ながら、私:原作と色合いが違うとかという考えは持たずに鑑賞。これは、映画であるので、そこに制作陣の想いが入るのは当然。)
純粋に、若手ピアニスト達のピアノコンクールに臨む各々の姿を楽しみに観るのも良し。
<ピアニスト達及びオーケストラの奏者たちが演奏する姿が素晴らしく、実に美しいクラシック音楽映画であるが、若手ピアニスト達の成長物語でもある。>
雨音はショパンの調べ
皆さんは「鈴木先生」を知っていますか?
2011年にテレビ東京で放送された、ドラマです。なにしろ視聴率が凄い。なんと・・・
平均2%‼️
ゴールデンのドラマ最低記録だ!
田畑智子、富田靖子、でんでん、など有名な人はいるものの、いかんせん主役の先生が無名の
長谷川博己という人。 あんた誰?
生徒役も無名。美山加恋はいません。中学生役で、北村匠海や土屋太鳳という人が出演していました。知らねえよ!クソ子役ばっかかよ!! しかし・・・
ため息をつく瞬間に世界地図は変わっていく!
今名前を、出した方本当にごめんなさい。逆に、これを読んでる方、全員知ってますよね?
長谷川博己は来年の大河ドラマ主演だぞ!
土屋太鳳は朝ドラ主演、北村匠海は「君の膵臓を食べたい」からすげえ売れっ子!
雨、雨、権藤、雨、権藤かっ!
たとえがふるーい!(私もよく知らん)
私がクソ虫だった。そしてもう一人凄い人が
いた。(文脈で、バレバレだが・・・)
松岡茉優だーーー‼️
参ったか!(誰に言ってるんだ?)
何故私が見ていたか?それは日刊スポーツの梅田恵子さん(何故、さんづけ?)が褒めていたからだ。この方の眼力は流石すぎる。次は亀和田武さんと吉川潮さん。
テレビドラマの話が多いんじゃ!(何故岡山弁?)
まあ伝説のドラマだったのは間違いない!
また見たい!
さて本作は完全に松岡茉優を主演にすえた、音楽劇である。この人はマジで凄すぎる!
表情の一瞬の変化で全てが観客に伝わる。
佇まいが凄い!カルタクイーンになるとそれにしか見えない。背筋が伸びている。
バラエティ番組でも的確。隙がない。バラエティタレントを演じているのだ!
ナチュラルボーンアクトレス。
音楽映画なのに音楽に言及していない?それは
何故かと言うと・・・
なにを、言ってもネタバレになってしまうんじゃ!こちとら打たれ弱いんじゃ!(何故岡山弁?)
本当に良かった。泣いた。音楽は国際語!そして笑顔も国際語!しぶこ最高!(突然ゴルフネタ?)
だからみんなに観てほしいんじゃ!
(だから何故岡山弁?)
嘘っぽく感じても最終的に騙したもの勝ち
音楽がテーマでありながらも、いやそれ故なのか、役者の感情表現の差が明確に分かるような作品だった。新人の演技には違和感をかなり覚えたけれど、松岡茉優と松坂桃李には感情を揺さぶられた、といったような─。
コンチェルトの中で、プロコフィエフの3番だけ実際のコンサートで聴いたことがあったので、そこの部分の演出にはかなり違和感を持ったし、弾いてないなーなんて思ってしまったけれど、それでも最後はかなり感動したし泣かされてしまった。
あらゆる嘘が結構たくさん見えてしまう映画だったけれど、それがうまい具合に絡み合い最終的にその世界の真実を魅せてくれたような気になったので、素晴らしい映画だったと思います。
全体的には良い出来。この小説を映像化だけで◎
風間塵中心の原作とは少し異なり、栄伝亜矢に主役として焦点を当てて、ストーリーが展開。
若干話のテンポが早く、小説未読の方は置いてかれる可能性があるものの、ピアノとオーケストラの演出が素晴らしく、とにかく引き込まれる。
主演の松岡茉優さんの演技はクライマックスに近づくにつれてテンションが上がっていき、ラストの本選の演奏は、さながら本物のピアニストのよう。
小説ファンは賛否両論あるかもしれませんが、この難しい題材を映像化しただけでも素晴らしいですし、世界観をうまく再現していると思います。
一点、馬が出てくるシーンをはじめ、ストーリー自体はだいぶ端折ってる一方で抽象的な表現が中途半端に使われるところは残念でした。
音は良かったと思う。
原作を読んでとても楽しみにしていました。
自身も習い事でピアノを弾いたことがある、という程度でクラシックは今は聞く方が好きという立場。
クラシックをあまり聞かない人達にもおすすめしたい!!と思って見に行きましたが、
それほどでもなかったです。。
特に、春と修羅は解釈が難しいなと思いました。
個人的には本選の演奏はどれも好きでした。
設定は原作とは少しずつ違うところがあり、
そうなるか、と思いながら見ていましたが、
2時間という尺の中で完結するには仕方ないのかな、という感じでした。
2時間の限界
原作ファンからすると、かなり退屈な映画だった。原作で感じた美しさを映像、音で感じることが出来ると思って観に行ったが、殆ど違う方向性の映画になってしまっていた。正直、原作を読んだ人は観に行かないほうがいいと思う。
消化不良
やはり、3時間はかけて、音楽もっと聞かせる必要有り。原作読んで無い人には風間塵の立ち位置がイマイチ、しっくり伝わって来ないので、可哀想だが、鈴鹿央士とか言う俳優さん、何だかなぁ、って感じを持ってしまいました。
松岡茉優の栄伝亜夜は良かった。嵯峨三枝子の斉藤由貴が、かなり渋い演技に好感を持てたのが救いかな。
まあ、大宣伝の割にはパッとしませなぁ…残念( ; ; )
これでは、、
悪い映画ではない。撮影のフォーカスが近過ぎる。漫画のこまどりと一緒だ。後半になれば、なるほど、ひどくなってきます。最近、漫画原作の映画が少なくなってきたかと思ってましたが、逆に映画が漫画の模倣と化してきた。監督の力量と解します。映像は悪くないが、もう少し、パンフォーカスで、撮れる余裕があれば、
私の知らない未開の世界を見る面白さ
映画っていうのは、自分が知らない世界を見れる、少しなりとも自分のものに出来て体感が出来る媒体なんだなぁという事が身を持って実感出来た作品。多分、食や性や恋などのほぼ多くの人間が持っている欲に重きを置いている作品というのは多少なりとも確実に共感が出来て、"共感が出来る"という意味でとても面白くて楽しい内容なんだけど、自分(私限定)が踏み込んだ事の無い世界…例えば警察や医療や力仕事、芸能界、闇金、暴力、反社会、競技かるたや囲碁、将棋なんてのも分かったふりしてその現場に居たことが無いから、そういう"未開の地を覗ける"作品と言うのは100%の理解や共感が出来なくともまた違った面白さや興奮やワクワクがあると思った。ピアニストという音楽家においても同じ事が言えた。とても特殊な人生でポリシーを持った人達が突き進む世界。
この映画は、ピアニストの世界を4人の異なる背景をもったコンクールの挑戦者たちを通して描いていて、それがまた面白かった。テーマとして、「ピアノ」というくくりだけではなく「音を楽しむ・表現する」というピアニストの世界に関して素人の私でも分かるところまで描いていてくれてそれも良かった。
その為、音を大事にしている作品だった。ピアノの音だけじゃなく自然の音や人が出す音が心地良く響いているシーンが沢山あって良かった。あと、こういう感想はあまり好みじゃ無いんだけど、映像が全編ずっと綺麗だった。編集?かカメラ?の種類的なものもあって色が綺麗で…あとは撮り方や映画独特のあの画角に収めるレイアウトなど…綺麗でおしゃれだった。(ここは日本の何処なの?と何度も驚いた)
映画の内容によっては無駄におしゃれだったりミュージックビデオみたいだったりインスタ映え的な映像だと作品として失敗してしまう可能性もあるけど、この綺麗な音を奏でるピアニスト達の映画という点では絶妙にマッチしていてとても気持ちが良かった…監督分かってる。この石川慶監督に関しては、「愚行録」だけ観たことがあって、あの映画はストーリーがあまり好きじゃなかったから映画自体は「…」と思ってしまっていたけど、愚行録のようなストーリーの映画のジメッとした気持ち悪い空気感や、今回のような透き通る音色のシーンが多数出て来る作品の綺麗な空気感を映像で表現してて、そう考えると「愚行録」も結構良かったなと思えた。
俳優陣…松岡茉優、松坂桃李、森崎ウィル、鈴鹿央士、凄いねえほんと。ピアニストじゃないのに…あんな事出来るんですね。俳優ってバケモンみたいな職業だなーと改めて感心してしまいました。広瀬すずが昔「先生!」という映画の撮影中にエキストラで参加していた高校生を発見してマネージャーにスカウトさせた…そんな背景のある鈴鹿央士…。物凄く今回の風間塵という役、ハマり役やないか…。松岡茉優演じる天才ピアニスト栄伝亜夜が練習しようとした矢先に忍び込んで来て一緒にピアノを演奏するシーンとか超良かったんだけど…笑。あと演奏する指も魅入った。私は指とか手フェチというのが全然分からないけど、鈴鹿君の演奏する手や指はガン見してしまった。栄伝亜夜の演奏するシーンも、手も含めて全て圧巻ですよ…。
恐らく小説を読まないと分からない細かい設定や過去、トラウマや各種キャラクター達の想いがあるんだと思いますが、そこを置いておいても雰囲気で楽しめた。映画ってのは100%理解して楽しめない作品だとしても雰囲気が楽しければ途中でウトウトすることも飽きることもなく入り込めるんだね。こないだ「HELLO WORLD」を観た時も頭が混乱して爆発しそうにもなりつつ、雰囲気や続きやラストが気になってちゃんと楽しめたので、自分が理解しにくいストーリーや世界の話でも雰囲気で楽しんで良いんだなぁーと映画を観るということに対して肩の荷が少し楽になった今日この頃でした。
終わり方も良かったな。
あと個人的に自分の好きな事に対して没頭してる人萌えなのでそこもめちゃくちゃ良かったです。萌えました。
素敵な作品でした。
入り込めなかった・・・
4人のピアニストたち、それぞれの思い。
研ぎ澄まされた感性と心の奥深くにまで入り込む演奏。
印象的な遠雷のシーン。
魅力的な作品だとは思うが、人物関係か物語の進度で何らかの引っかかり、閉塞感があり、この作品に十分に入り込めなかった部分がある。
小説を読み、もう一度映画を見直してみたい。
世界を鳴らす人の成長物語に、静かな涙が溢れ出る
この世は音楽に溢れている。その事を再認識させてくれる、これは音楽映画なのか。しかし静かに溢れる涙の理由は別の所にあったように思う。
それは、幼くして母親と死別するという葛藤を抱えたまま、母親との想い出が一杯詰まった音楽との向き合い方に迷い続ける一人の少女の成長物語に感情が揺さぶられたからだった。
実は、昨年、後にも先にも一度きりのエキストラの経験を、この映画でさせてもらった。
ロケ場所等は箝口令が出されていたが、エンドロールにクレジットされていたので、もう書いてもいいだろう。
その時、客席から演奏中の栄伝亜夜の表情を伺い知ることはできなかった。
しかし、映画の中での松岡茉優の演技は想像以上だった。人目を避けるような冒頭の表情から、時折見せる本来の笑顔、そしてラストの己に克つ凄みの表情。と、葛藤の中で成長する主人公を共感の中に見せてくれた。
ピアノを弾きながらの演技はどれだけ難しいのかと考えると、この女優さんの演技の密度と集中力は、大したものだと思う。
きっと女優という仕事も、葛藤と迷いに満ちた職業だと思うが、劇中の栄伝亜夜のように更なる高みを目指してほしい。
原作の恩田陸さんと石川慶監督は、音楽という刹那な永遠を通して、人が己を乗り越える逞しさと尊さ、そして美しさを描いてくれた。
それは、美しく儚い映像と音に身を任せ耳を澄ませ幸せな時間を過ごさせてくれる、宝石箱に似た贈り物だ。
原作の読者には違和感しか残らない映画
恩田陸さんが「この作品の映像化は無理」と仰っていた意味が改めて納得できる映画。とにかく小説では緻密に描かれている人物の心理、背景などなどをなぎ倒して、理解出来ない幻想的なシーンの挿入で無理矢理映像化した作品。
公開初日に観に行ったが、演奏場面も少なく、架空の課題曲「春と修羅」もごく一部だけの演奏しかなく、ピアノコンクールを舞台にした映画としてはあまりに演奏シーンも少ない。
何より、塵の背景があまりに分からないのでホフマンの手紙の意味するところも分からず、また明石の言う「生活者の為の音楽」という言葉にも違和感しか覚えない。
原作の好きな方にはお勧めできない。
尺との闘い…
原作が素晴らしいので残念ながら2時間では表現出来ませんでした。
おかげで奏の面影すら無いし音大に入学している事すら描かれて無いし殿(松坂桃李)と亜夜が抱き合って号泣するシーンも無いし帰ろうとした殿に事務局からの不意の電話も無いし無い無い尽くしになってしまってます。
足りない部分を実演者の説明台詞でカバーすると言う暴挙に(まぁよくあるパターン)
画的には悪くはないと思います。
キチンと観られます。
原作ファンには物足りなさが残るでしょうが…
だって予選毎に成長?一皮向けていく亜夜が全く描かれていない。
原作後半にある「ガンダムかよ‼︎」って突っ込みたくなるようなニュータイプの様な掛け合いも全く無い。
原作読んで無いとちんぷんかんぷんな部分が多いんじゃ無いかな?
塵がいきなり日本に来てるしさ。
やはり先ずはアニメで2クールくらいかけてじっくりやるべき作品。
物語は薄い
演奏部分に時間を取られるため物語が薄くなってしまうのは仕方ないことだろうが、原作ほどの感動は得られなかった。主役の亜夜を広瀬すずを想像しながら読んでいたのでちょっとイメージも違っていた。斉藤由貴だけが目立っていつまで経っても美しい。ラストの演奏は素晴らしかったので、これは音楽鑑賞の映画だったと納得しようか。
本物のコンクールのようでした!
松岡茉優さんの演技力の高さは知っていたけれど、それでも驚くほど表情やしぐさに惹きつけられました。鈴鹿央士くんも新人なの?!と思ってしまいました。
わたしの理解力ではストーリーはなんとなくわかる 程度ではありましたが、みなさんの演奏シーンの素敵さには圧倒されて、涙が出ました。きれいないい映画なので、たくさんの人に観てもらえたらいいなと思います。
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