蜜蜂と遠雷のレビュー・感想・評価
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栄伝亜夜を演じられる女優はいるのか
栄伝亜夜役は松岡茉優なんだけど、松岡茉優がやっても、ちょっと役に届かない感じがするんだよね。
ピアノコンクールが中心の作品で、僕は演奏の違いはそこまで解らないから、登場人物達の反応で、どういう変化が起きたか知るしかないの。
鹿賀丈史や斉藤由貴はその辺うまい。
ちょっとした仕草で全てを解らせる演技って、熟練しないと難しいよね。松岡茉優の年齢にそれを求めるのは難しいと思うの。それで、ちょっと届いてなかった気がしたな。
ストーリーは面白いけど、大事な部分は、予告編通りね。各シーンがいいから楽しめるけど、だからこそ、突き抜ける演技があったら良かったな。
そして、これ書いてて思ったけど、芳根京子なら栄伝亜夜やれるかもね。
風間塵が素晴らしかった
天才 風間塵(鈴鹿央士)の存在が大きくこの物語を彩っていました 靴もボロ ピアノも音の出ないピアノで楽しそうに弾いてる姿に見事に心を持っていかれました。そしてマサル(森崎ウィン)は自身の演奏へのこだわりがとても強くて でも栄伝亜夜(松岡茉優)を見守る優しい幼な馴染みな一面もあり 紳士的な感じでとても振る舞いが素敵だと思いました 高島明石(松坂桃李)は家庭を持ちながら コンクールに挑戦する 応援したくなる存在です 栄伝亜夜(松岡茉優)が一番心を揺さぶられたのは風間塵(鈴鹿央士)の存在だと思います 月明かりの2人の練習連弾シーンは本当に素敵でした
上下巻を二時間に収めるのは無理がありますが これはこれで良かったと思います。
原作は三回読んでいます
原作は三回通して読んでいます。一部だけを含めれば10回以上は手にとっています。
そして映画化されると聞いた時、カザマ ジンを誰が演じるのか?それがずべてだと思っていました。
そして、映画の中には、確かにジン カザマがいて、それだけでも物凄いものを見た気はいたしました。
原作における圧倒的な主人公はジン カザマです。
かれの物語は長い原作でも実は僅かです。しかし、だからこそなのでしょうか、原作者は彼が登場する場面において圧倒的なタッチでジン カザマを描いていきます。
この物語は、ジン カザマが初めてのコンクール出場において、最初から最後まで、極端に言えば、全く成長を見せない物語です。
なぜなら彼はギフトであり、ホフマン先生のたった一人の弟子であり、最初から完全なピアニストとして描かれているからです。
さて、映画。
松岡さんは頑張っていました。
この映画の主人公は彼女であり、彼女の再生の物語でした。
映画の初期での当惑は、困りました。なぜ、ストーリーを変えたのか?
全く理解出来ませんでした。
そして、理解出来ない理由が脚本やら大人の事情にあるのだなと気付いて、この映画は、題名や出演する人たち以外は、原作とは全く違う世界のものだと、覚悟を決めて見始めたとき、始めて、この映画のすばらしさに気づきました。
いい映画でした。
ただ、きっと多分、音楽に興味がない方にとっては、微妙かもしれません。
実際、僕の両隣の方達は途中で飽きてしまったようで、ガタガタと落ち着きもなく僕としては困りました(あそこまで酷いのは初めてでした)。
松岡さんのファンだとか、そんな気で見にはいかない方がいいかと。
それから、ピアノのチューニングが素晴らしかった。
前半、ヤマハが始めて弾かれる時だけ、僅かに狂っていて、ヤマハ可愛そう(実際の演奏はどのピアノかわかりませんが)でした。
しかし、後半のすべてのピアノの透明感あるチューニングは見事でした。
全く揺れを感じさせない音に浸るのも気持ちが良かったです。
演技されていた方々もよく頑張って見せたと思います。しかしそこは指の動きを見るよりもクリアな音に身を任せた方がいいかと。
それにしても、カザマジンだけを追っていけば、よりクオリティーの高い映画が生まれた可能性もあり残念です。
彼を演じた方の凄さ。言葉になりません。
でも、原作にあるカザマ君に寄り添う調律師の方の話があったらと思うと残念です。
長くなりました。
クリアな音に身を任す上質な時間を過ごされたい方は、絶対映画館に足を運ばれた方がよろしいかと思います。
原作の受賞歴に惹かれて見てみたが・・・
原作の受賞歴に惹かれて見てみたが、クラッシック音楽ファンじゃなければあまり見る価値ないのではないかというのが、自分の感想。
馴染がない曲が大半でクラッシック音楽のファン以外には敷居がかなり高い。
コンクールで有力出場者は一部を除いてみんな仲良しこよしだけど、そんなもんなの?ごく一部しかプロとして生活できないのにみんなそんなに甘いの・・・
手だけ切り離して(代役つかって)映像化してるけど、楽器を演じる努力しない役者さんには魅力感じないなあ(難しい曲含めて全部を演じろと言うつもりはないけど)
題名の意味がよくわからない(蜜蜂とは父親が養蜂家の息子さんのこと?原作未読です。)
詳しくない世界の話なので評価は甘目です。
立ち上がって拍手したくなる
蜜蜂と遠雷、この作品は予告だけでビビっときて必ずみなきゃ!と思って意気込んで足を運びました。
本当に素晴らしかったです。4人のピアニストが魂を捧げている演奏は勿論、映像美にも思わず息を呑みました。薄青く霜のかかったような世界が栄伝亜夜を包んでいて、スムーズなカメラワークも好みでした。2時間だけでは急ぎ足になる箇所もありましたが、言葉にせずともひしひしと伝わる登場人物の思いがあり、役者さんも素晴らしかったです。
春と修羅はそれぞれの曲へのアプローチの仕方が「うわ〜〜!わかるわかる!」と解釈一致しすぎていてにやけてしまいました。明石さんの演奏が大好きです。
松岡さんが演じる栄伝亜夜が震え声で「わたしは……」と言ってから泣く場面でぐわーっと苦しくなりました。最初から最後まで洗練された音で溢れています。映画が終わった後は周りの音や声にしばらく耳をすませていました。
主役はピアノだけど俳優陣もよかった
主役はピアノです。が、俳優陣の演技も素晴らしかった。本当にピアノを弾いているように感じました。
物語としては、文字にすれば結構単純な話。
ただ、ピアノの音と、雷や雨雫などの自然な音、無音などでストーリーに引き込まれました。
余計な説明はなく、役者の表情や、カメラアングルなどで、物語を表しています。
ただ、正直前半はとても眠かった。
その分、後半はピアノの音にもキャラクターの表情も良くなっていきました。
物語が単調だった分、演出と演技の妙を感じた。
また、ピアノが主役と思えると同時に、無音もとても多い。
テレビドラマでは出来ない演出だと思った。
個人的には、ピアノやクラシックはあまり知識はありませんが、ピアノの音楽は好き。
知識は必要ないかもしれませんが、ピアノかクラシックが好きでないと辛いかも。
原作を読んでいないので
わからないところもあるが、ギフトを通して、他の人が目覚めていく感じがよく伝わりました。でももう少しギフトっぽさがあってもよいかな。黒い馬のイメージは何でしょう?蜜蜂はギフト、遠雷は世界の音、馬はどこに絡んでくるのかわかりませんでした。指揮者がリハでブラームスの1番を頭からやりますが、プロなら2、3楽章あたりからやるのでは、振りもリズムでなくうねりでは、と指揮者の動きがやや不自然な感じでした。
「復活」するって感動的!
深く傷ついて長い間死んだようになっていたとしても、それほど深く傷つく鋭い感性をもっているからこそ、復活する時は爆発的だろうし、そのためにも少しずつ弱々しくとも手探りでも前に進んでいくことが大事なのだろうと思えた映画だった。
ピアノ曲の美しい旋律、雨、遠雷、どこか世紀末的な海の向こうの深い雨雲と稲光、月夜の美しい連弾、亡き母との甘美な思い出、ライバルでも優しく純粋な仲間。
ピアニストを題材の映画として、訴えかけてくるものが沢山あった。
どんなピアニストになりたいかも皆それぞれ違い、その中で悩み、限界を越えようと力を尽くし、時には助けたり共に楽しんだり。
苦しくてもギリギリを耐えて越えた先には素晴らしい復活、新しい世界が待っていることもある。
日々を諦めずにいこうと思えた映画で、観て良かった。
目に耳に心にくる映画だった。
#蜜蜂と遠雷
震えました。
そして、泣いてしまいました。
それぐらい、素敵な作品でした。
原作も素敵な作品です。
なので、映画化と知って、
どんな音楽なのだろうと
好きな作品だからこそ、
不安がありました。
でも、
本当にやってくれました!
どのシーンもどの音楽も
どれもすばらしいですが、
わたしが好きなものは2つです。
1つ目は、
第二次、菱沼忠明「春と修羅」のカデンツァ部分
明石さんの「あめじゅとてちけんじゃ」が
家事をしながら口ずさむ
そんな優しいメロディが
今でも耳に残っています。
2つ目は、
本選、プロコフィエフ「ピアノ協奏曲第2番」
栄伝さんの演奏!!!
もちろんストーリーやシーンも
よかったです。
でも、
演奏!!!!!
迫力があり、強さがあり、
心の弱さもある。
涙が流れてしまう演奏でした。
CDがほしい!!
天才がいっぱい!本物は誰?
原作未読なので想像です。
アヤちゃんを覚醒もしくは復活させようと集結した二人の天才。もちろん誰かの意向が働いて。幼馴染と異端児。その相乗効果で自信と過去と向き合う姿勢を取り戻すアヤちゃん。見事なエンディング。震えるような感動のエンディング。
松岡茉優ファン目線ですいません。
是非映画館で🎦
内面描写の難しさ
原作は、直木賞と本屋大賞をダブルで受賞した傑作小説である。非常にユニークな作風で、ピアノコンクールという題材のため、記述のほとんどは登場人物の内面描写に割かれており、目立った動的な場面はなく、曲の解説も触り程度に過ぎない。だからといって、読者をクラシックのピアノ曲に詳しい人に限定するような内容ではなく、詳しい人にはより面白く、詳しくない人にもそれなりに楽しめる作品になっていた。
音楽演奏のステージに立ったことがある人や、さらにコンクールに出たことがある人には身につまされるような記述が多く、どちらの経験もある私は非常に実感を伴って楽しく読むことができたが、こんな内面描写ばかりの作品をどうやって映画化するのだろうと、興味深く鑑賞した。同じピアノでも別の人が弾くと全く違う音がするというような表現は、小説ならば簡単だが、映像と音で観衆に感じさせるのは至難の技だからである。
尺の関係で人物が端折られ、エピソードも間引かれるのは仕方がないのだが、常人とは違う天才たちが互いに影響し合って更に高みに上るという物語が、主人公が過去から立ち直るというだけの話になってしまっていたのが非常に残念であった。風間塵という特殊な才能の持ち主が、触媒のように他人の演奏に影響を及ぼし、特に主人公の栄伝亜夜が立ち直るための絶大な貢献をするのであるが、この映画の物語では塵と亜夜の関係がやや薄くなってしまっていたのも残念であった。
原作では、亜夜と高島明石が初めて会った時に互いを認め合って訳もなく二人で号泣するという非常に胸を打たれる場面があるのだが、映画が始まって間もなくこの二人が出会ってしまうのを見て、あの素晴らしいシーンが見られないのかと非常に失望した。それに代わるシーンが特に用意されていたわけでもなかったので、かなり物足りない話になってしまったと思った。
ピアノコンクールの映画といえば、1980 年のアメリカ映画「コンペティション」が思い出される。リチャード・ドレイファスとエイミー・アーヴィングの素晴らしい演技は、40 年近く経った今でも記憶から薄れることはない。あの映画でも印象的に取り上げられていたプロコフィエフの第3協奏曲は、本作でも大きく取り上げられていたところに既視感のようなものを感じて懐かしかった。
原作と特に大きく違っていたのはオケと指揮者との絡みであった。ピアノコンクールの本選であんな意地の悪い指揮者がいる訳がないし、練習を開始して流れてきたのがブラームスの第1交響曲だったのには何の意味があるのか全く分からなかった。更にモーツァルトのレクイエムの演奏も何故出てくるのか謎であった。
1次と3次予選の場面がほぼカットされていたのは尺の関係でやむを得なかったのだろうが、そのために、物語の流れが全く違ったものになってしまったのではと思えてならなかった。2次予選で出てくる委嘱作品の「春と修羅」というのは架空の作品であるが、映画ではきちんと聴かせてくれたのが一番嬉しかった。ドビュッシーとキース・ジャレットを掛け合わせたような作風は原作のイメージを損なわなかったと思う。また、各奏者のカデンツァの部分も非常に聴き応えがあった。
亜夜を演じた松岡茉優は、原作のイメージ通りで非常に良かったと思う。ピアニストの役は横から撮られることが多いので、横顔が美しい人が相応しく、その点彼女なら文句なしであった。塵役の鈴鹿央士は新人だそうだが、原作のイメージを損なわない良いキャスティングであったと思う。ピアノ演奏の演技は、ドレイファスやアーヴィングには及ばず、「のだめカンタービレ」の上野樹里や玉木宏にもやや及んでいなかったのはちょっと残念であった。
劇中曲はバッハとベートーヴェンとショパンが最初の方でサラッと出てくるだけで、モーツァルトやブラームスやリストやラフマニノフが全く出て来ず、ほとんどプロコフィエフ とバルトークがメインというのは、あまりに偏っていたのではないかと思った。
演出は、ピアノ演奏のリアリティがイマイチで、オケと指揮者によって与えられるプレッシャーという部分にやたら力を入れ過ぎていたところに違和感を覚えた。途中、手持ちカメラで画面を揺らすシーンがあったが、全く必要性が感じられなかった。原作を読まずに見た人の方が楽しめたのかも知れない。
(映像4+脚本3+役者4+音楽4+演出3)×4= 72 点。
役者さんは誰も悪くない。しかし惜しい。
まずは、良いところから。
新人の鈴鹿くんが凄いぞ。これが演技なのか?
自分の素の姿なのかわからない。
特にインタビューシーンは、急にドキュメンタリーになっなのか?と思うほどだ。とりあえずビックリだ!
松岡は、そこそこのレベルの演技、悪いわけじゃない。
だけど、こんなんじゃオレは認めない。もっと凄いはず。
松坂はそこそこ。森崎だって自然で上手いし。
音楽だって、素晴らしいし、映像もいい。
だけど、全体的には感動が薄い。
なんでだか、考えたけど、やっぱり脚本だと思う。
この時間で、4人の物語すべて平等に描いて、
すべての人間に共感するってのが、多分無理なんだろう。
長いテレビシリーズなら、もっと掘り下げた人間描写が
可能で、それぞれの感動も深まったはずだ。
もし、映画にするなら、映画が答え言ってるよ。
4人の起爆剤となる人間にフォーカス当てないと。
いくら松岡頑張っても、母の死のトラウトからの脱却だから、静かで、重いテーマになる。
この映画では成功してない感じ。
風間こと、鈴鹿に絞ってもっとなぜ、養蜂家の出身で、
有名ピアニストからの推薦状もらう事になったのか?
具体的なエピソードもっとないと、
素人には、わからない。
音楽に詳しい人には、あの演奏が、それほどレベルの違うものだとすぐわかるのか?
風間の天才ぶりを描く映画で、それに触発される
ピアニストを描くものにすればよかったかも。
そのへんが、惜しいところなのかな?
多分原作の小説なら、ひとりひとりに感情移入出来るし、
感動も深まるのかな?と思うんだけど。
どうしても、のだめと比べてしまう。
あっちの方が面白くて、音楽の素晴らしさ伝えるのに
成功している気がしてしまう。
音楽には特別な力がある
ピアノコンクールを舞台にした物語。天才少女と呼ばれた過去を持つ栄伝亜夜を筆頭に、さまざまな背景を持つ4人のピアニストたちが奏でるストーリー。ここに辿り着くまでの道はそれぞれ。この舞台に来た理由やピアノをやるモチベーションも様々だけれど、ピアノという共通点がきっかけに集まり、お互いにとって良い協和音となっている。ピアノが好きという強い想いは、忘れていた心を呼び覚ましてくれる。クラシックが詳しいわけではないけれど、音楽に背中を押してもらえた気がする。
すごかった
原作を読み始めた時、正直ピアノのことがよくわからないので途中で嫌になるかなと思ったが、話に引き込まれ、分厚い本だったけどあっという間に読み終えた。
それが映画化されるということで、とても楽しみに。
想像の世界でしかないピアノの音を聴けるのだから、と。
ただ、やはり私には明確な違いはわからなかった…。
それはさておき、作品は良かった!
松坂桃李演じる、年齢ギリギリのコンテスタントの「完敗」という言葉は胸に響いた。同時に、やはりピアノが好きだという言葉も。
原作だけの時より、全員を応援したい気持ちになっていた気がする。
オーケストラとの共演が素晴らしかった。ピアノはわからないけど、音楽はいいな、と。
全くの余談だが、指揮者役の鹿賀丈史さんのお腹に目が釘付け(笑)
素敵な笑顔
松岡さんが演じた亜夜、ピアノ好きな仲間と触れ合う時に見せる笑顔が素敵なんですよね。
森崎さんのマサルが、緊張感が緩んだ時に見せる笑顔も素敵なんですよね。
鈴鹿さんの塵が見せる、好きなものに対しての無邪気な笑顔も素敵なんですよね。
松坂さんの明石がコンクール最終選考の日に見せた、吹っ切れた様な顔も素敵なんですよね。
それだけじゃなく、鹿賀さんが指揮中に見せた笑顔、平田さんの優しい微笑み、更にフルートの女性の見せた笑顔も素敵なんですよね。
これだけ笑顔が素敵な作品、面白くないはずがないんです。
だけど、最終選考の後の亜夜の笑顔が、素敵に感じられなかったんですよね。
あくまでも、私がそう感じちゃっただけなんだけど。
ここ、一番輝いていて欲しかったかな。
いい作品だとは思うんだけど、何か消化不良な感じでした。
ピアノ演奏好きは絶対見るべき映画
映像が美しく、ピアノ演奏が素晴らしい。
気がつけば自然に涙がぽろぽろ溢れ出す映画でした。
各ピアニストが共鳴し合い才能を解放させる描写が見事。月光の下で、アイコンタクトをしながら演奏で語り合う天才同士の連弾の描写は神がかっている。
一番好きなのは、後半の母娘の連弾で雨音を拾い、連弾で即興の音楽を作るシーン。
母と過ごした時間が天才性を育んだ根拠として説得力がある。「あなたが世界を鳴らすのよ」とささやくセリフはゾクッとした。
コンテスト期間を中心に話は進むが、
どのピアニストもお互いを支え合っているのが良い。海辺のシーンは印象的で天才同士共鳴し癒しを感じる映画を通して余韻の残るシーン。
自分にとってこの映画はとても大きなギフト。一番好きな映画となった。出演者や映画関係者に感謝します。
ガチの音楽映画でした
恩田陸は好きですがこれはまだ読んでいません。
4人がここに来るまでの物語がもっと見たかったですが
それをやったら4時間の映画になってしまう。
逆に楽曲をほとんどフルで演奏しながら
それほど駆け足の感じもしなくて、よくぞ2時間にまとめたと思いました。
それにしても松岡茉優さん、
同年代の女優さんに比べてちょっと出遅れた感があったのですが
立派な俳優さんになりましたね。
役者の演技は見応えあるけど、原作と比べると残念・・・
原作のファンで、この映画を楽しみにしていたので、初日に見に行きました。
それぞれの役者さんの演技は見応えがあって、全般的に良かったと思います。
一方で、映画という限りある枠の中で、それぞれの原作を映画でなぞっていくのは難しいと思いますが、原作の中でもっとここの部分を表現して欲しかったというところが映画では薄く描かれていて、残念でした。
あと、映画ということで期待していたのが、原作の小説の文字の中から聴こえてくる音楽でさえ、とても重厚でピアノとオーケストラの協奏する様子が鮮明に描かれて、文字から素晴らしい音楽が聴こえてくるため、なおさら映画の迫力からはもっとすごい音楽が聴けるのかなと期待していましたが、私が期待を大きく持ちすぎてしまっていたのか、さらっと流れてしまった印象があり、期待外れで残念でした。
その他、小説では風間塵が野性的で本能的な才能を持った少年で、原作のイメージで映画を見始めましたが、風間塵役の鈴鹿央士さんの演技は、また原作の風間塵と違った個性的で印象的な演技で、素晴らしかったです。
特に栄伝亜夜と風間塵の連弾する場面は小説を越えていたと思いました。
というように、映画なので残念な部分はいくつかありましたが、小説を改めて読んでから、また映画を見てみたいと思える作品ではありました。
ケミストリー(化学反応)
音楽の国際コンクールで優勝や入賞というニュースを耳にすることは結構多いように思うが、偏差値教育の影響か、何か定められた評価方法のようなものがあるのだと信じきっていて、出場者同士で影響し、ケミストリーのようなものがあるのだということを想像もしていなかった。
徹底的な指導と練習で経済的な成功をも視野に入れようとするマサル、
生活に根付いた音楽を追求しようとする高島、
ピアノの演奏や音楽が好きで自然の音や新たな出会いにも刺激を得ようとする天才・塵、
未来に向かうため、過去と向き合い、過去をなんとしても取り戻そうとする英伝。
カデンツァの演奏でも、それが色濃く表される。心の声なのだ。
用意周到に準備をするマサル、
自分の目指すものに捉われるあまりもがく高島、
自由で一分一秒成長する塵、
心の声に耳を傾けようとする英伝。
残念ながら高島は最終選考には残らなかったが、残った三人のそれぞれの最終選考の選曲も、それぞれをよく表すようで聞き入ってしまう。
バルトークはインスピレーションを自分の生まれ育った国以外にも求めた作曲家だ。塵のイメージに合致する。
幼なじみの英伝とマサルは同じ作曲家の異なるピアノ協奏曲を選ぶ。
異なる人生を歩んだということだろうか。
マサルは、プロコフィエフのもっとも成功したピアノ協奏曲と言われる第三番。
英伝は、当初は批判も多かったとされるピアノ協奏曲第二番だ。
このスリリングでダイナミックな感じは、映画やドラマのスリリングな場面で使われることがあるので、日本ではよく知られている気がする。
僕は、こっちの方が好きだ。
有名なゴースト演奏家(?)がいるのは知っているが、願わくば、最終選考の曲はもう少し長く聴きたかった気がする。
そして、最近観た、パリに見出されたピアニストで最も象徴的に使われていたラフマニノフ・ピアノ協奏曲第2番を選んでいたピアニストが(おそらく)棄権していたのは残念でした。
そして、タイトルについて…、
間違っていたら大変申し訳ないし、確認しようもないのですが、昔、蜂の分峰と雷に何らかの相関があるのではと聞いたことがあります。
遠くで鳴り響く雷鳴は、塵自身のようでもあり、そして、自らも含めた四人の化学反応を促したということだろうか。
因みに、バルトークのピアノ協奏曲は、同じハンガリーを祖国とするショルティ指揮のがわりと有名です。iTunes聴き放題でさっき、チェックしたら、ロンドン・フィル、ピアノはあのアシュケナージのものが配信されてました。
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