蜜蜂と遠雷のレビュー・感想・評価
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耳で感じ感性で創造して観る作品
オーケストラコンサートには年2〜3回行くが、やはりすでに歌詞が付いていたり背景がある音楽に触れることが多い。そのためそこから創造して音楽を頭で描き音楽を鑑賞してしまうが、この作品はまさに耳で感じ心や感性で創造して観る必要があると個人的には感じた。
その為まだまだ音楽を創造する事に未熟な自分にとっては理解がストーリー追いつけず気疲れしてしまった。
決して悪い作品ではない。しかし、人を選ぶ作品かもしれない。
僕が観賞した回は終盤涙している観客もちらほらいた。
こういった作品で涙を流せるような感受性を自分も育みたいと思った。
余談になるが、個人的にはブルゾンはこの作品には合ってないような気がした。浮いてるというか、少し言葉悪くなってしまうが登場シーンが割と多くて目障りだった。
音楽を楽しめる映画でした
弾き手の方が演者の方毎に違っていて、何て豪華な映画だろう!!と驚きました。
コンクールという同じ曲を弾く舞台で、聴いていて楽しめる映画でした。
あと、新人の鈴木央士さんのバンビのような目が可愛かったです♪
月明かりの下で連弾するシーンはぞわぞわしました。
春と修羅は何年か前シン・ゴジラを観たあと気になって読んではいましたが、明石さんのがやっぱり宮沢賢治っぽいですよね。
風間塵がギフトである理由
換骨奪胎(先人の着想やアイデアを借用し、新味を加えて違う作品に作り直す)と言えるほど、違う作品に仕上がってるわけではない。かといって原作本来の魅力が活かされているわけでもなく、ちょっと残念な出来でした。
風間塵がギフトである理由……風間塵の才能が起爆剤となって、他の才能を秘めた天才たちを弾けさせる。真に個性的な才能たちが、風間塵の演奏を触媒として開花していくこと。
であるならば、風間塵の天才振りがもっと具体的に描かれていて欲しかったのですが、出てきたのはお手製の木製キーボードとボロボロの靴だけでした。これだと、練習環境に恵まれていない養蜂家の家庭で育った自然児であることは分かりますが、天才であることまでは伝わってきません。
映画の中で描かれたオーケストラの一部の配置換えのエピソードなど、原作では次のように風間塵の特異な才能が伝わるようなものとなっています。
本選リハーサルの場で風間塵は、自分は客席に降り、オーケストラだけでバルトークの三番、第三楽章を演奏させる。そしてやおら舞台に登り、椅子を引っ張ったり、譜面台をずらしたりするが、それは床のひずみのことも含めて、すべて音のバランスや伸びの効果を向上させるため。その後、一緒に演奏するのだが、指揮者や楽団員もびっくりするほど見違えるように(聞き違えるように⁈)音が良くなり、彼自身のピアノ演奏も楽団員の方が付いていくのに必死になるほど力強くその場にいる全員を完全に飲み込んでしまう。
そういう天才であるからこそ、マサルも亜夜も予選から彼の演奏を聴くたびにインスピレーションを与えられ、コンクールの中で成長していく。塵もまた、マサルや亜夜や明石の演奏から色々なものを吸収していく。一次審査から観ている聴衆側が、大会中の甲子園で闘うたびに強くなっていく高校球児をいつのまにか親心的に応援したくなるように、それぞれのキャラクターに惹かれ、思い入れや応援の気持ちが強くなっていく。そのような原作の魅力があまり感じられませんでした。
その他にも。
風間塵とホフマン先生の約束。
音楽を世界に連れ出すこと。今の世界はいろんな音に溢れているけど、音楽は箱の中に閉じ込められている。お姉さん(亜夜)も自分と一緒に音楽を外に連れ出すことのできる人。先生、見つけたよ。
亜夜の本来の音楽を解き放つことのできる〝天才〟がマサルや塵との出会いで復活する過程で描かれる「トラウマ克服」について、この映画ではかなり観念的に(映像のイメージでいえば、ラース・フォン・トリアー監督のメランコリアのように)描かれていますが、背中を押してくれたものの正体が今ひとつスッキリせず、明石の前で見せた涙の意味も、原作での複雑な背景に比べると、安易な印象が拭えませんでした。
もうひとつ気になったこと。
原作ではコンクールの4位と5位には韓国の人が入るのですが、この映画では欧米系の名前だったと思います。亜夜さんの前のキム・スジョンさん?がなんらかの理由で欠席のため、出番が繰り上がってたようですが、昨今の日韓関係の悪化と関係があるのでしょうか???
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“天才の苦悩”は天才にしかわからない
月光の下、2人のピアニストが連弾するシーンは見応えがあり、奏でる音楽に興奮した。ラストシーンのピアノシーンはこれまでの伏線を回収しつつ、その音が琴線に触れた。
まあ、クラシック素人には難しい演出もあり、かつ、天才の人間ドラマを丁寧に描いていない分、しっくりこない部分がいつくもあったけど。そこが理解できればもっと感情移入ができただろう。まあ、ストーリーの未熟さをピアノ音楽で補うという構成は意図したものだろうから、結果として素晴らしいともいえる。
森崎ウィン、鈴鹿央士となかなかいい若手役者で今後に期待する。
日本の音楽映画では最上位に位置するのでは
芳ヶ江国際ピアノコンクール。
3年に一度開催され、前回優勝者が世界トップクラスの注目を浴びていることから、若手ピアニストの登竜門として世界から注目を集めている・・・
といったところから始まる物語で、コンテストに出場するピアニストたちのうちの4人に焦点があてられて物語は進んで行きます。
ひとりめ、栄伝亜夜(松岡茉優)。
天才少女と謳われていたが、母親を亡くしたことをきっかけにスランプに陥っている。
ふたりめ、マサル・カルロス・レヴィ・アナトール(森崎ウィン)。
ニューヨークの名門・ジュリアード音楽院の秀才。
ただし、幼い頃は、亜夜の母親にピアノを習っており、亜夜とは幼馴染。
さんにんめ、高島明石(松坂桃李)。
コンクール出場の年齢制限ギリギリの妻子あるサラリーマンピアニスト。
「生活者の音楽」が彼の心のよりどころ。
よにんめ、風間塵(鈴鹿央士)。
先ごろ他界した世界的ピアニスト、ユージ・フォン・ホフマンが送り込んだ未知数の少年。
「世界は音楽で満ち溢れている」と亜夜に告げる。
登場人物の背景などをあらためて文章にしてみると、かなりベタな設定で、これで(いわゆる)ドラマを中心に描くと、かなり世俗的でベタベタ、ウェットになりかねない。
そこんところを、脚本・編集も兼務した石川慶監督は、音楽を中心にみせることに徹しています(原作でも、音楽を文章で表現したらしいが)。
この試みは、成功。
4人の登場人物それぞれに別々のプロの吹替ピアニストを用意し(クレジットでわかる)、音楽をプレレコし、それに合わせて演技を付けている。
ピアノの音質も違うし、俳優たちのキータッチもスタイルも違う。
もっとも顕著なのは、二次予選の課題曲「春と修羅」のカデンツァ(即興演奏・自由演奏)のシーン。
カデンツァのフレーズは、それぞれ特別に作曲したと思しいが、それぞれのキャラクターに適した演奏、カット割りで魅せてくれます。
最終選考の協奏曲、オーケストラが登場してからは、アクの強い指揮者・小野寺(鹿賀丈史)が登場し、これまた、映画のタッチを絶妙に変えていきます。
全編がピアノを弾くシーンで満たされ、結末もこれ以上描くと蛇足になる、というギリギリ絶妙なタイミングでエンディングを迎えます。
日本映画(外国映画も含めてかも)の音楽映画では最上位に位置する映画ではありますまいか。
音楽はさっぱりわからないけど
原作未読。
食い入るように観てしまった。
音楽のことはわからないけれども、鳥肌がたった。
音楽は戦いでもあるんだな。と思った。
松岡茉優さんを始めキャスト陣も良かった。
記憶にございません、でお茶目な役どころを演じていた斉藤由貴さんが打って変わってクールな審査員を演じていて、役者さんはすごいなぁと改めて思いました。
音のすばらしさ
映画は単純ラブストーリと感じましたが、それよりも音の素晴らしさに感動しました。微妙な音色を演出し創作した方にセンスを感じます。映画館ではなくコンサート会場で見てみたいと思ったのは私だけでしょうか?今後の作品にも期待しています。
良い映画というよりも素敵な映画が正しいかな
Filmarksのティーチイン付き試写会にて鑑賞。
原作未読側からの感想になります。
どうだった?と友人に聞かれ、
「良い映画だったというよりも素敵な映画だったという方が正しい気がする」と答えたのがまず第一の気持ち。
雨や遠雷などの風景が美しかった。
監督の「音楽対4人にしたい」というのを聞いてとっても納得。それも素敵だと思った。
ありきたりなドラマチック性を求めた作品よりも全然こっちが良い。
4人も人物を描いているのに偏りがなく、登場人物にそれほど物足りなさも感じなかった。
月のシーンは良かったなぁと思った。
紀平さんの影響もあるのでは?なんて思ったり笑
最終的に思ったことは、これは原作も読みたい!
駄作ではない
試写会で鑑賞。
ストーリーは理解できるしキャラクターの思考もかんじられてハッとするような台詞もある。だが邦画によくあるスピードはゆっくりのくせに話は急ぎ足という印象。
見て気分を害することはないがぜひ薦めたいと言うほどでもない。
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