男はつらいよ お帰り 寅さんのレビュー・感想・評価
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寅さん不在を補完し新たな世界観を提示した山田組
当然ながら、寅さんこと渥美清さんは鬼籍に入られているわけなので、不在であることは先刻承知。ただ、そこかしこに寅さんの存在を残していること自体が、渥美さんの偉大さといえるかもしれない。今作の主人公は渥美さんから吉岡秀隆にバトンが完全に受け渡されている…などと明記することほど野暮なことはない。
50年の重みは半端じゃない。いまだ健在の倍賞千恵子、前田吟はもちろん、後藤久美子、浅丘ルリ子、夏木マリというかつてのマドンナたちの現在の姿が本編を彩っているのもファンにはたまらないだろう。
ましてや吉永小百合、八千草薫さん、香川京子、田中裕子、竹下景子ら歴代マドンナたちの美しい姿までも網羅されている。日本映画ファンにとっては、宝物ともいえる1本ではないだろうか。
冒頭の桑田MVがなければもっと良かった
新収録パートへのデジタル合成による渥美清の“出現”、満男の回想シーンとしての歴代名場面の挿入など、全体に極めてよく練り込まれた構成と演出から、山田洋次監督のただならぬこだわりとシリーズへの愛情が伝わってくる。寅さんの熱心なファンではないが、喜劇人としての渥美清の格別な語り、表情、身体表現に改めて感じ入った。実質的な主演、吉岡秀隆の成長を幼少期から振り返る余禄も楽しめる。
ただ、主題曲をカバーして歌う桑田佳祐を音楽ビデオ風に延々と映す冒頭には失望した。彼のファンは嬉しいだろうが、桑田の声や顔が苦手な人にとっては苦痛でしかない(音だけなら映像で気を紛らせるのに)。もう一点難を挙げると、後藤久美子の台詞回し。長く演技を離れていたので仕方ないが、実力派が揃った豪華共演陣とは歴然とした差があり、気の毒なほどだった。シリーズ集大成のお祭り的な作品だが、山田監督の最高傑作とはならなかった。
お疲れ様でした。監督様。
お疲れ様でした。出来るだけ本音で語って頂けた事は大いに認めたいと思います。
ご苦労さまでした。
『お帰りなさい』が僕は哀愁に聞こえました。勿論、寅さんにではなく、マツタケ映画会社と製作者様への『お帰りなさい』です。だから、早く『行ってらっしゃい』を言う必要があると思います。
だいぶ計算された作品だと思う。
前作の特別編の回想部分を矛盾無く人称毎に分けたのはプロの技だと思う。脚本として過去の矛盾を払拭した良い出来である事は認めたい。また、総括の意味で続編は期待できない作りになっているのも潔い良かったと思う。
『お帰りなさい。パパ』
『どうしたんだ』
『この3日間、パパは何処かへ言ってしまっていたと感じたわ』
この言葉がこの映画のテーマだと思う。笑いなどかけらもなく。現実ばかりが、時間を作って行く。
最後の成田空港での満男から泉に対しての告白がなければ、ある意味に於いて名作だったと感じる。
さて、この叙情詩は終演を迎え、日本の現実と理想はどう迷走して行くのだろうか?もう一度、反省すべき所もあろうかと思う。
個人的にはこのシリーズ最後の鑑賞になろうかと思う。
改めて、つくづく思うは、我が母は大嫌いなシリーズで我が父は大好きなシリーズだったって事かなぁ。
11月14日AM11時55分 筆
お帰り寅さん
寅さんは今もどこかにいるのだろう。大河ドラマの最終回、というかおまけのスピンオフ的な。歴史を感じる。当たり前なのだが、時間が過ぎていく世界の中で生きているのだなぁと。
昔の画面に映るあの人たちは、現実にはもういない。その寂しさを感じながら、今を生きる人は今を噛み締めないと。たまにある幸せを感じるために生きていかないと。
締めくくった記念すべき50th
シリーズを全て観てきたファンにはたまらない。
名シーンをうまく切り取り、本作に挿入。
懐かしい気持ちにどっぷり浸れる。
と言っても回顧録的な作品ではなく、49作品終わってから約20年。
その後の男はつらいよを満男主人公目線で新しく作品として作り上げた。
すっかりおじいちゃんとおばあちゃんになった博とさくら。
あれ?
と思うところは徐々にセリフで補足され、
その後どうなった?という疑問はスッキリ解消されるし、過去シリーズの伏線を回収してしまう作りに納得。
満男と泉の再会
そして思い出を語り合い1日過ごして空港でのお別れ。
それぞれに家族は出来ても、あの熱く燃えた青春時代は誰にも邪魔されない。
人にはそういう瞬間というものがあるものだ。
娘ユリちゃんの「パパおかえり」はドキッとさせられた。
国民的映画、ここに完結です。
寅さんだからこその傑作
過去作品の映像とストーリーを見事にリンクさせた作品でした。これは30年近く続いたシリーズだからこそできた、傑作ですね。
僕はそんなに寅さんシリーズを観ていたわけではないのですが、それでも若き日の大女優の映像はとても楽しめました。
この作品、寅さんシリーズにハマっていた人が観たらなお感激でしょうね。
何を持ってして「おかえり」とするか
「ニッポンの顔」と言っても過言ではなかった国民的邦画が姿を消して久しい。ていうか、「世代を越えて毎年の名物になっていた国民的な邦画があった」なんて、僕より下の世代に言って信じてもらえるだろうか(あえて現代人に似た経験を当て嵌めるなら「映画クレヨンしんちゃん」とかになってくるか)。僕らは親の膝の上で寅さんの悲喜劇を楽しんだ最後の世代である。しかしあれだけ好きだった「寅さん」の事を、僕達はどこまで克明に/具体的に覚えてるだろうか。
本作はシリーズ終盤でストーリーの牽引役であった満男、その相手役だった泉のその後が芯になって語られる。
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この「終盤で」の記憶はよく覚えてる。寅さんは満男の恋愛指南役(のつもり)でアレコレ人生訓をボヤいて世話を焼く兄貴分、後見人キャラにシフトしていったわけだが、これは寅さん=渥美清が肝臓と肺を癌に冒され長時間の演技が困難になってきた事情がある。晩年近くでは「最近の寅さんは目に見えて辛い、早くシリーズを打ち切ってくれ」なんて声まで上がっていた。
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という事情とは言えドラマ的な文脈で言えば満男がその後の語り部を担うのは筋が通っている。納得の選択だ。
満男の目を通して画面に移る日常は当たり前だが現代東京のそれで、カフェに変わったくるまやの裏にある畳の座敷が僅かな下町の残り香だ。で、「寅さん亡き後の寅さんの世界」なのだが、満男本人の忙しさと裏腹に兎に角ゆっくり、ゆっくりと映画が進んでいく。もともとテンポで言うと忙しないシリーズという程でもないのだが、立て板に水の寅さん節がコアにないだけでこうも印象が違うのかと静かなショックが僕を襲う。と同時に、体感として思い出す。僕達は寅さんのどういう人柄に、オーラに惹かれてたのか。
実際本作の語り口も、満男の行く先々で寅さんゆかりの人々(これが又必ずしも幸福ではなく、どちらかというとリアル・シビアな社会に当てられてる人が多い)との出会いがあり、落ち穂拾いが如く「寅さんとの思い出」が高頻度でフラッシュバックされ、あたかもそこに寅さんが座ってるように錯覚させる構造を取っている。そしてその場の思い出パートが終わるとまた常識的な東京の静けさに戻され、そのコントラストで「ああ、もう居ないんだった」とメランコリックになる。
で、これまた当たり前だが…本作は「お帰り」とは言ってるが言葉通り寅さんが物理的に蘇生してくるお話などではなく(こんな冗談を言ってしまうのも寅さんならそうなってもおかしくない、ぐらいの存在感が強烈に焼き付いてるからだろう)、満男がこれからを生きるヒントを瞼の中の寅さんに見出すような演出で映画は締めくくられる。
では、何を持って「お帰り」なのか。寅さんが帰ってきたのはどこなのか。スクリーンか柴又か、満男やさくら、リリーら登場人物たちの胸中か。
僕は、「僕たちの中に帰ってきた」のだと思う。本シリーズは49作目から今作まで、実に20年以上ものブランクがある。その20年の間、現実の関門に忙殺された人もいれば、別の楽しいものを糧に生きた人もいる。或いは空虚に時間だけが過ぎた人もいるだろう。何をしていたにせよそれは「僕たちの中の寅さん」が薄れていくには充分な長さだった。ここで「寅さんってどんな人だったっけ」を指差し確認する事で、僕達はその人となり、その人間的魅力を再インストールしたのではないだろうか。
本作は50本ある「男はつらいよ」でただひとつエンディングが流れるタイトルだ。言い換えればここで初めて幕を引いたともとれる。寅さんと生きたニッポンは50年間「男はつらいよ」という1本の映画を観続けていた、もっと言えば寅さんに魅せられた一人一人が「寅さんのいるこの世界」の登場人物だった…というクソデカ解釈は流石にひたりすぎだろうか。
でも、もしそうなら(勝手な展開で恐縮だけど)、僕達が寅さんに再会する方法も満男たちと一緒のはずである。ただ、思い出せばいい。人生に追われて何か大切なことを忘れたような気になった時、誰でもいつでも「男はつらいよ」を観ていいのである。正月に親の膝の上で見た時と同じように。
仏壇に寅さんの写真や位牌があったとしても、我々の心に彼は生きているのだから…
私が初めて寅さんに接したのは、
早稲田大学とは関係ない学生寮住まい
だったが、その近くの早稲田祭での
「男はつらいよ」シリーズ第1作~第3作の
3本立て上映でのことだった。
確か100円もしなかったような記憶だ。
しかし、その時はまだ寅さんの
奔放過ぎる振る舞いに笑いはすれど、
大いなる戸惑いを感じるだけの理解レベル
だったような気がする。
それから半世紀に渡る50作品、
彼の愛すべきお節介気質が
しっかりと満男に引き継かれていることを
描いたのがこの作品なのだろう。
しかし、
そもそもが寅さんの安否については不明で、
映画の中でさくらが「お兄ちゃんがいつ帰って
くるかわからないから2階は空けてあるのよ」
と語り、
仏壇に彼の位牌や写真は見当たらないが、
家族が彼の現況について、
いつものように触れることもないから、
この段階で彼は既に亡くなっているとしか
想像出来ないような雰囲気がこの作品の
基本的な違和感を
作ってしてしまっていたような気がする。
本来が製作出来なかったはずが
無理栗に製作した作品なので、
寅さんの生死に触れることを避けたい
との想いがしっくりいかない作品に
してしまったのだろうが、
山田洋次監督には、寅さんは死しても
“我々の心に生きている”
前提でストーリー展開させて欲しかった。
ラストの歴代マドンナの回想連発シーンは
「ニュー・シネマ・パラダイス」
に似て感動的ではあるが、
「ニューシネマ…」が主人公の都会生活で
失った人間性の復活、つまり
未来への希望を想起させるのとは異なり、
この作品では主人公寅さんとの思い出、
つまり、満男への寅さん気質リレーよりも
過去へのノスタルジーに留まって
しまっているように感じる。
だから、
映画としての出来はどうかと問われたら、
前記の理由もあり名作の仲間入りすることは
無いだろうと思う。
尚、この公開年でのキネマ旬報評価は
第25位(読者選出第16位)だった。
因みに、
私の一番好きな寅さん作品は
長山藍子がマドンナだったシリーズ第5作
「男はつらいよ 望郷篇」
です。
日本人の国民的ヒーローは、寅さんです!!
「男はつらいよ」シリーズ50周年記念作品であり、
シリーズ50作品目にあたります。
監督はレジェンド山田洋次(この9月13日で91歳になられました)
(日本のクリント・イーストウッドそのものですね)
前置きが長くなりましたが、最初のシーンからラストシーンまで、
最高に面白かったです。
4Kデジタルで蘇った寅さんこと渥美清さん。
(没後もう26年になるのですね)
元気盛りの活きのいい口跡。啖呵のべらんめー調。
元気いっぱいにスクリーンに登場します。
再現シーンと現在進行形の話のミックスが上手いこと。
今作の山田洋次監督は天才的でした。
実をいうと、「男はつらいよ」シリーズを観たのは2回目です。
昨日、浅丘ルリ子がマドンナをつとめている「ハイビスカスの花」を
初めて観ました。
で、全然大きなことは言えません。
そんな有様ですが、渥美清の妹役のさくら(倍賞千恵子)その夫の博(前田吟)
2人の息子の満男(吉岡秀隆)は知っていました。
代々のマドンナ役は新聞やテレビで取り上げられるので、
そこそこ知ってはいました。
そんな初心者です。
今作1番の見所は、山田洋次監督のラブコールで23年振りにスクリーンに
復帰した後藤久美子さん。
満男の初恋の相手いずみちゃんです。
再会した満男といずみのロマンスの行方など、おおいに気になる所ですが、
外国へ嫁いでキャリアウーマンのいずみの頭痛の種は、
やはり日本にいる両親のこと。
介護施設に入院している父親(橋爪功)
離婚した母親は夏木マリです。
橋爪功も夏木マリもすごい怪演です。
介護施設まで車で送った満男に、お金をせびる橋爪の演技の上手いこと!!
夏木マリも負けていません。
ダメでどうしようもない母親をやり過ぎとちゃう・・・と思うほどリアル。
いずみちゃんが帰国をためらった気持ちが、マジ分かります。
そして間に挟まって右往左往する満男。
その立ち位置が絶妙。
《困った時はいつだって呼んでくれ、すぐに飛んで来るよ!》
それが十八番の寅さんの台詞。
満男の運動会にいつもの格好で応援に来ます。
(今の時代の小学生なら登校拒否になりそうですね!)
リリー(浅丘ルリ子)も良かったです。
寅さんの唯一無二のマドンナはリリーさん。
渥美清さんが亡くなっても皆さん(倍賞千恵子さん、前田吟さん、
(浅丘ルリ子さん・・・)
お元気で本当に良かったです。
日本人には「ロッキー」より「ダーティーハリー」「スターウォーズ」より、
やっぱり寅さん、車寅次郎が似合います。
家族愛と人間愛の原点ですね。
変わるものと変わらないもの
公開当時に映画館で鑑賞しました。男はつらいよシリーズは何回も観返した大ファンです。4月から社会人になり、たまたま本日江戸川を散歩した時に、どうしてもこの映画のことが頭から離れなくなり、この文章を書いています。
物語というのは「何かが起こり」「主人公がのりこえ」「なんらかの成長をする」のが王道だと思います。寅さんにはそれがなく、むしろ時間的に成長していくのは周囲です。本作でもタコ社長の工場はアパートになり、とらやはカフェになり、満男は妻に先立たれ…時代や時間と共に環境は変わり、それに順応していく形で変化を余儀なくされています(この世界線がある帝釈天はリアルのような寅さんを売りにできないので、カフェになるのも仕方ないでしょう)。寅さんは50作を通じてほとんど変わりません。よく言えば一本筋が通っているし、悪く言えばいつまでも子供の頃のまま。だからこそ周りの人たちは寅さんと衝突するし、同時に憧れ、帰ってきたら温かく迎え入れる。
さて、今作の主人公たる満男は凄まじく変化の渦に巻き込まれています。そしてそんな彼の心の中にはいつも寅さんがいる。変わらない一本の芯としての寅さんがいるからこそ、彼は迷いながらも確実に自分の人生を歩んでいけるのでしょう。ドラマの世界線では亡くなった寅さんも、この映画では「いつかまた帰ってくるような気がする」と生死が不明であるような描写がされています。満男だけでなく、寅さんと関わった全ての登場人物の心の中に寅さんは生き続けている。そしてだからこそ、変化する時代に対しても踏ん張って生きていける。言い換えると、寅さんはあたかも「故郷」のような存在になっている。それは本作を観た全てのファンに当てはまると思うのです。
過去作の名シーンが感慨深い最新作
また寅さんに会えるとは思ってもみなかった。本作はシリーズ50作目であり、過去作の名場面を巧みに散りばめているので、可笑しさ、懐かしさ、寂しさなど、様々な感情が交錯してきて、感慨深いものがある。改めて、男はつらいよシリーズが日本喜劇映画の傑作であることを再認識できる作品である。
寅さんこと車寅次郎(渥美清)の甥である諏訪満男(吉岡秀隆)は、遅咲きの小説家になっていた。亡妻の7回忌法要後、彼が執筆した小説のサイン会で、偶然、初恋の相手だった泉(後藤久美子)と久々に再会する。二人は、恋人時代のことを思い出しながら、次第に、親密さを取り戻していく・・・。
本作は、満男と泉の過去と現在の心情を過去作の名シーンを交えて綴っていく。リアルタイムで鑑賞していた時にはあまり感じなかったが、久し振りに過去作のシーンを観ると、寅さんの妹役の倍賞千恵子、シリーズを彩ってきたマドン役の女優陣の若々しさと美しさ、登場するシーンの活気、熱気に圧倒される。渥美清の大真面目な演技と、彼を取り巻く演者達との絡み合いが絶妙であり、今観ても素直に笑える。面白い。勢いのある喜劇であり完成度が高い。人気シリーズとして50作も製作された理由が納得できる。
そんな過去作シーンを活かした、満男と泉の物語が味わい深い。互いに結婚して家庭を持つ身となった二人の心情が丁寧に描かれている。さらに、現在の国際情勢、介護問題などもしっかり取り込んでいるので説得力があり、感情移入し易い。ラストシーンは切なく、心に沁み渡る。
エンドロールで流れる主題歌。オープニングは桑田佳祐だったが、ここでは、渥美清の歌声。メロディ、歌詞、そして渥美清の歌声。三つが揃うと、今まで観てきたシリーズ作品が走馬灯のように次々と浮かんでくる。主題歌に作品が凝縮されている。やはり、男はつらいよシリーズは、稀代の喜劇役者・渥美清が生み出した唯一無二の傑作であることを強く感じた。
シリーズ未観
寅さんと言うキャラはもちろん知ってたけど、
シリーズ未読で観ました。
思い出と言う形で過去が入ってくるので、
寅さんと浅からぬ間柄の人たちが出て来てるのは
分かって、シリーズ観てたら、
おっ!となったのかもしれないけど、
そこの感動は出来なかった。
それでも寅さんの魅力は充分に伝わりました。
まぁしかし現在パートの後藤久美子さんの演技はまずかったと思いましたが、この辺りはシリーズ観て来た方の
物だと思うので突っ込まず。
寅さんシリーズをまだ観てないと言うのは、
とても贅沢な事じゃないかなと思いました。
これからゆっくりシリーズ49作を観たいと思います。
楽しみが一つ増えました。
寅さんの笑顔
国民的映画シリーズ「男はつらいよ」
50作目となる本作でも
「寅さん」の笑顔のパワー
懐かしいシーンと共に甦りました。
寅さん大好きで、全シリーズ鑑賞済。
レビューは、初です(^^ゞ
50周年記念作
「笑いと涙で」楽しめました。
「もういちど寅さんに会いたい」と
山田洋次監督の
寅さんへの思いが強く伝わってきます。
キャストの方々が
現在と過去に思いを馳せるごと
寅さんが帰って来てくれて、
笑顔になれるのでした。
甥っ子の満男君の
成長物語でもあるのですね。
初恋のイズミ(後藤久美子)ちゃんとの再会で
また、ドキドキしちゃう感じも可愛かったです。
妹さくら(倍賞千恵子)さんの
存在も再確認。
マドンナ リリー
(浅丘ルリ子)さんも
元気で美しかったです。
36作目から登場されたという
笹野高史さんが、
毎回、違う役で登場するのも
楽しみの私でした。
オープニング主題歌は
桑田佳祐さんでステキでした。
エンドロールは、渥美清さんです。
『寅さん、お帰りなさい~』(^^)/
2023/12/27再鑑賞
コメントありがとうございました。
再投稿させていただきました。
団子屋がいきなり喫茶店などという愚行は頂けねぇ なんでそんなしけた...
団子屋がいきなり喫茶店などという愚行は頂けねぇ
なんでそんなしけた設定にしたのかわかんねえな
しかも泉のおとんがルビーの指環のあいつじゃなく橋爪担ったのか理解に苦しむ
こんな事ならいっそ作らなきゃよかった
みなけれりゃよかったよ
金絡みか?
バカヤロウ
おかえり、であり、さよなら
封切りした時、ずっと会いたかった寅さんにようやく会える、という気持ちで映画館に行きました。
いろいろな意見があるでしょうが、私は好きでした。(冒頭はやはりガッカリしましたが。せめて、歌だけにして、映像は寅さん不在の土手のシーンでも良かったか。)
最後、歴代のマドンナが出てくる回想シーンには、泣けるどころか、号泣レベルで涙が止まらず。
お帰り寅さんは、ちゃんと、終わりを作って、造り手も観る側も、気持ちに区切りをつけるための映画だったように思えました。その、寂しさで泣けてきたのかも。これをもって、お開きに、という感じでした。
山田監督、ありがとうございます。
お帰り 寅さん そして永遠に…
主人公の寅さん不在(渥美清さんの死去)の中でよくやりきったと思いました。
事実上の主人公の満男(吉岡秀隆)が久しぶりのヒロインの再会から寅さんの幻影が出てくる瞬間からいなくてもここにいるってことを知らせたかったと思いました。
本作は映画で有りながら、法要です 過去の沢山の登場人物と私達観客が、スクリーンという仏壇の前にうちそろい 法要を挙げる映画だったのです
2021年のお盆
実家に家族や親戚一族がひさびさに集まって、やがてお寺さんがお越しになって法要が行われるのは、普段のお盆なら普通のこと
そのあとはお酒やご馳走もでて賑やかにすごしたものです
でもコロナ禍の2年目のお盆です
今年も帰省を自粛されて、寂しいお盆になった所も多いのではないでしょうか
本作は2019年12月公開
コロナ禍の直前のことでした
まさかこんな世の中になってしまうなんて誰も予想もしていませんでした
フーテンの寅さんならなんて言うでしょうか?
県の境を跨いじゃならねえ?
馬鹿いいなさんなよ!
え、こっちとら50年は前からずーっと、北は北海道から、南は沖縄までフーテンしながら商売してるんだよ
だからフーテンの寅と発しているんじゃねえか
でもよ、人様にコロナをうつしちゃあならねえからな
第一、お祭りがなくなっちまったら、商売もままならねえよ
さくら、ちょくら緊急なんとかが終わるまで、しばらく厄介になるぜ
とかいいながら、柴又に帰って来てるかも知れません
あの四角い大きな顔に馬鹿みたいに大きな四角いマスク姿で
ちょっと想像しただけでおかしいです
渥美清さんがお亡くなりになったのは1996年8月4日、早いもので今年でもう25年
前作「男はつらいよ 寅次郎ハイビスカスの花 特別篇」は1997年11月の公開
本作の公開はそれから22年後のこと
本作の劇中でも同じ時間が流れています
満男は結婚し娘も生まれ、妻と死別しているのです
サラリーマンは辞め小説家になっていました
冒頭のシーンはお盆でなく、満男の死別した妻の七回忌の法要です
季節は晩秋のようです
御前様のお経の間様々な思い出が去来します
まるで先ほどまでの自分と同じです
劇中に回想シーンとして写される寅さんの名シーンの数々
そこに自分の過去の思い出が入り混じって、あの頃、あの時は何をしていたととどめもなく様々な事を思いだしてしまい、何だかわけのわからない涙が溢れてきてしまいました
本作は映画で有りながら、法要です
過去の沢山の登場人物と私達観客が、スクリーンという仏壇の前にうちそろい
法要を挙げる映画だったのです
山田監督はさしずめお経をあげる御前様です
寅さんのCGでの登場は寅さんの魂魄が還ってきたような趣でした
正にお盆に観るべき映画でした
「あぁ生まれてきて良かったなって思うことが何べんかあるじゃない。そのために人間生きてんじゃねえのか?そのうちお前にもそういう時が来るよ。な?まあ、がんばれ」
寅さんの台詞がいつまでも心に残ります
満男もその瞬間とは何かをついにみつけたのです
探し続けてきた人生の答えを満男はついにみつけたのです
だからあれほど考えあぐねていた書き下ろしが、すらすらと書け始めたのです
寅さんシリーズの満男の物語もついに閉じられたのです
戦前のおいちゃん、おばちゃん、御前様、タコ社長の世代はもう鬼籍に入りました
寅さんの遺影は仏壇にないのでまだ生きているのでしょう
団塊世代の博やさくらももう後期高齢者です
団塊ジュニアの満男だって第1作で生まれたのだから満50歳
寅さんシリーズの物語は遂に完全にとじられました
これからはさらにその下の世代の物語です
さくらの孫、満男の娘ユリの物語の時代なのです
彼女は21世紀生まれなのです
21世紀の新しい寅さんシリーズなんてものが成立するなんてことはないでしょう
それでも寅さんシリーズに登場してきた人物達の子供や孫達が、この21世紀を生きているのです
日本人は日本人です
法事やお盆になったらまた一族あつまって昔話をしていくでしょう
それを小さな子供達は聞くともなしに聞いて育っていくのです
こうして世代を越えて日本人が日本人らしく連綿と続いていくのでしょう
名作です
但しこのシリーズを初めての方は最初に観てはなりません
本当の意味が全く伝わらないと思います
本作は単なる総集編ではないからです
2021年のコロナ禍のお盆
「困ったことがあったらな、風に向かって俺の名前を呼べ」
寅さんの言葉が頼もしい
本当はちっとも役に立たないんだけど
寅さんシリーズって本当に素晴らしい!!
最近、男はつらいよの第一作を見て、とっても面白く、注目していたということもあり、
こお帰り寅さんは、初回から40年以上の歳月が経ってのストーリーということになるのですが、初回の時から変わらない、人情味溢れる登場人物の掛け合いを楽しく拝見しながら、最後まで楽しくみることができました。登場人物の若いころと現在のどちらも見られるというのも、このシリーズならではの面白さです。昔の後藤久美子の可憐な美しさ、浅丘ルリ子の溌溂とした美しさとを見て、自分もタイムスリップしたような気分を味わうことができました。
近々柴又を訪れて、寅さんの世界に浸ってみたいと思っています。
山田洋次監督、このような作品を本当にありがとうございました。
全339件中、1~20件目を表示