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SNSの真実
SNSをテーマとした映画は昨年公開のトム・ハンクスとエマ・ワトソンの「ザ・サークル」があった。SNSが参加者による同調圧力で村八分のように弱者を叩く炎上の場と化し、承認欲求を満たすために世界観が極端に狭くなり、衆愚になっていく様子を描いていた。
本作品はそれとは一線を画し、SNSをツールとして失踪した娘の居場所を突き止め、真相を明らかにするストーリーである。兎に角パソコン画面の転移とポップアップが速い。羨ましいほどのマシンスペックと超ハイスピードの通信環境である。
主人公は反省のない暴力的な父親だが、その検索能力は大したものである。テレビドラマ「相棒」の杉下右京警部がインターネットや防犯カメラの画像から手がかりを把む場面がよくあるが、この映画ではその場面が頻繁に現れ、目を離すことが出来ない。
ストーリーもよく出来ているが、SNSの本当の姿を上手に表現しているところが興味深い。人がSNSにアップするのは本当の姿ではなく、こういうふうに思われたいという願望なのだ。そこには常に、同調圧力に気を遣う忖度が働いているし、弱者を徹底的に痛めつけることで強者になった感覚を味わう歪んだ承認欲求がある。
ショーペンハウエルというドイツの哲学者が、対人関係では第一印象が最も正しいという意味のことを書いていた。知り合いになって話をするようになると、人は自分をよく見せる話しかしないから、第一印象が悪い人でも、話してみたらいい人だった、ということになる場合がある。しかし何か極端な状況が発生した時にその人の本性が現れると、やっぱりそういう人だったか、最初からそう思っていた、ということになる場合もある。
ネット環境がない時代は対人関係は狭い範囲に限られていたから、場合によっては本音も言うし、愚痴もこぼす。しかしネット上では、無理をして自分を飾らなければならない。SNSはそういう落とし穴が無数にあって、沢山の人がその落とし穴にはまっている。失踪した娘も、例外ではなかったのだ。
娘を知りたいならパソコンを見ることだね。
疲労感半端ない…。
2時間ぶっ通しでパソコンで検索し続けるとこんな感じになるのかも…。
常にパソコンを覗いているかのような、独特のカメラワーク手法。
父親の目線でひたすらパソコンを操作しているかのようで、リアルさが増していました。
とにかく瞬き禁止の104分。
一瞬でも目をそらしたら、新たな展開についていけなくなりそう。
これは失踪してしまった娘を必死になって探索する、父親の執念の映画。
父親の検索能力の高さに舌を巻きます!
あっちがダメならこっちを試す、そのリサーチ能力たるやハッカー並み。
この人本当に一般人だよね?と、思わず聴きたくなるほどの捜査能力の高さでした!
愛する娘のためなら、
娘のパソコンの中を覗き見たり、
弟の家に監視カメラを設置したりと、
その行動力は若干犯罪者に近いものを感じます。
全ては娘の行方を知りたいがためなのですが…。
やっぱり娘を思う父の愛って凄いです!
それにしても、SNSの情報網は侮れない!
些細な部分で繋がっている娘の友人知人の網を辿って辿って、巡り巡っていくところは今の時代ならでは!
さらに、PCの中の情報量の多さにも驚かされました。
以前、「スマホは自分の分身」だという感想を載せましたが、パソコンもまさに同じような存在だということ。
パソコンの中には、父親の知らないもう一人の娘の姿が隠されていました。
娘を探す中で、新たな彼女の一面を知って行く父。
明るく社交的な娘だとばかり思っていましたが…、実は全然違っている可能性もあるのですね。
娘のことを誰よりも知っていたはずの父ですが、実際は娘のことを1ミリも知らなかったことに気付かされるのでした…。
それでも娘の行方を必死に探す父。
そこには、娘の裏切り以上に娘への愛情が優っていたからこそ!
最終的に父と娘の家族愛を感じられる感動のラストに仕上がっていたと思います。
今やPCは一人一つ所有する時代。
個人情報が豊富に存在する情報化社会の今だからこそ、うってつけの映画のように感じました。
一発ネタのキワモノかと思いきや
斬新な手法に振り回される内容に満足!
ナイスアイデア‼
面白いけどITスキル低い人は見てはいけない
撮影方法だけじゃない!
フィルター
Best dad ever
斬新的な映像手法というより、FPSのアイデアを用いた、クライムサスペンス作品である。映像そのものは殆どパソコンのモニター及び、カメラの映像、そしてニュース番組で構成されている。なので、映画的な俯瞰的視点というより、ずっと3Dゴーグルを付けさせられて、自由意思が許されないような、頭を固定させられている感覚に捉われていたので疲れも他作品より感じる。
娘が行方不明になった父親が、捜査していく過程で娘の個人情報を色々調べていく内に、娘の現状や思考や心理を知ることになり、進めていく内にインスピレーションを抱きながら犯人に近づいていくストーリーである。サスペンスとしては古典的で、一番近い人物、一番自分に寄り添っていた人物が犯人であったというストーリー構成なのだが、それが全てPC画面内で行なわれることが新しさなのだろう。SNSも含めた娘の足跡は数多く存在し、物語を進める上で仕方がないのだが、案外と簡単にパソコンのパスワードは破られ、パンドラの箱の如く、次々と過去が曝かれていく。特に、動画配信サイトからの情報は、今後のSNSの要になる可能性も示唆している。親子の絆の再確認というテーマの側面もあるのだが、プロットのアイデアを色々なところからつまみ食いしてバッチ化している感じが否めない。それが何となく薄っぺらいイメージを醸し出してしまって、インスピレーションのアイデアが面白かったのに、少々残念な感じである。結局、元々捜査官が全ての情報を隠していたということを、葬儀屋のダイレクトメールの画像のモデルから判明するという件は、それまでの父親の弟が怪しいという件からの展開と相俟って、うねりはお見事である。
在米韓国人という人種、IT関連勤務という、自分にとって多少、鼻につく設定でそこに思い入れを遮断させる裁量の狭い偏見は申し訳ないのだが、もし邦画であったらもっと没入感を得たかも知れない。但し、英語は入力に変換は必要ないが、日本語変換をスクリーンで観ると打ち間違いも含めてまどろっこしさを誘発させて、スピーディーさが半減してしまうことであろうなぁ。
目線映像に拘った推理サスペンス
上手い
監督が若い!
斬新さと人に寄り添う優しさが丁寧に描かれている
確かに表現手法は斬新で、サスペンスとしても面白かったのに、『衝撃』と言えるほどのインパクトは無かった。理由をあれこれと考えてみたが、たぶんテーマ自体は決して新しいものではなく、誰もが分かっていることだからだと思う。
例えば、次のようなことへの警鐘。
・誰とでも気軽に繋がることが出来る半面、「匿名性に隠れた悪意」ともまた簡単に繋がってしまうこと。
・無防備なほど警戒心が薄いまま、顔や部屋の様子をネットに晒すばかりか、接触機会すら簡単に与えてしまう安易さ。
SNS全般或いはドローンによる物理的なもののやり取りなども一層機能が向上し、利便性とリスクはますます高くなるのに、トラブル回避の方法については誰も教えてくれないし、様々な形で襲ってくる悪意に対してはそもそも対応マニュアルを作りようがない。
いつ自分や自分の大切な人に予期せぬ邪悪が降りかかってくるかも知れないという不安を誰もが抱えているが、でもそれは自分ではないはず、という根拠のない楽観でやり過ごしているのが現実なのかも知れない。
この映画の救いは、父親と娘の心情に寄り添い続けていることだと思う。もし監督が斬新で奇をてらうことにばかり気持ちがいってしまうと、内容が薄っぺらくなってしまうことがあるが、家族の絆や思いを丁寧に描いているので、そこから生まれる人間ドラマとしての要素が多くの人の胸を打つのだと思う。
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