この世界の(さらにいくつもの)片隅に

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この世界の(さらにいくつもの)片隅に
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解説

片渕須直監督がこうの史代の同名漫画をアニメーション映画化して異例のロングランヒットを記録し、国内外で高い評価を得た「この世界の片隅に」に、新たなシーンを追加した長尺版。日本が戦争のただ中にあった昭和19年、広島県・呉に嫁いだすずは、夫・周作とその家族に囲まれ、新たな生活を始める。戦況の悪化に伴い生活も困窮していくが、すずは工夫を重ねて日々の暮らしを紡いでいく。そんなある日、迷い込んだ遊郭でリンという女性と出会ったすずは、境遇は異なるものの、呉ではじめて出会った同世代の女性であるリンと心を通わせていくが……。片渕監督のもと、主人公すず役ののん、今作でシーンの追加されたリン役の岩井七世らキャスト陣は変わらず続投。

2019年製作/168分/G/日本
配給:東京テアトル

オフィシャルサイト

スタッフ・キャスト

監督
原作
こうの史代
脚本
片渕須直
プロデューサー
真木太郎
企画
丸山正雄
製作代表
宮崎伸夫
大木努
渡邊耕一
菊地健志
山本和男
太田和宏
二宮清隆
河野聡
戸塚源久
桝山寛
大塚学
神部宗之
監督補
浦谷千恵
画面構成
浦谷千恵
キャラクターデザイン
松原秀典
作画監督
松原秀典
美術監督
林孝輔
特殊作画
野村健太
演出補
野村健太
劇中画
四宮義俊
浦谷千恵
こうの史代
林孝輔
色彩設計
坂本いづみ
撮影監督
熊澤祐哉
野村健太
撮影監修
淡輪雄介
編集
木村佳史子
音響監督
片渕須直
音響効果
柴崎憲治
音楽
コトリンゴ
音楽プロデューサー
佐々木史朗
飯田幸子
アソシエイトプロデューサー
飯田雅裕
井原敦哉
アシスタントプロデューサー
近藤千昭
田近昌也
制作プロデューサー
大塚学
松尾亮一郎
アニメーション制作
MAPPA
広島弁監修
栩野幸知
新谷真弓
飯塚弁監修
北村直美
お経読経
上園陽
お経録音
青原さとし
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(C)2019 こうの史代・双葉社/「この世界の片隅に」製作委員会

映画レビュー

4.0勇気を出して言うと、個人的には最初のバージョンの方が好きです。

2020年1月30日
Androidアプリから投稿

原作にあって劇場アニメでは割愛されていたリンさんのエピソードを復活させ、ほかにもシーンを足したり再構成したりすることによって、確かに印象の違う別の作品ができあがったと言える。前の劇場版は何度も観ているし、原作も複数回読んでいるので、内容的には既知のものばかりなはずなのだが、ここまで受け取る側の気持ちが変わるのかと驚いた。

なにが違うって、同じシーンはたくさんあるのに、どれもが同じようには感じられなくなったのだ。今回の映画の方が、より複雑な心理や裏事情が渦巻いていて、深みを増したということはできる。ただ、そのせいもあって(自分の受け取り方としては)、悲喜こもごもの喜の部分を素直に笑えなくなってしまったのである。こっちのバージョンは、笑いと悲しみが裏表にあるのではなく、裏も表も渾然と混ざり合っているのである。

こっちが「完全版」というわけではない、と監督が発言しているので、こちらの作品も評価しているし意義深いと感じていますと断った上で言うのだが、一本の映画としては前作の方が好きだった。なぜなら、すべてがグレーに見える本作の辛さや世知辛さより、コントラストがくっきりしていた前作の方がより新鮮に感じられたからだったのだと思う。

あと今回のバージョンでは、周作も哲もずいぶん株を落とした印象がある。それはより「女たちの物語」であることを志向したのが理由である気がしている。そして男たちの意地や面子はなんともくだらない。これもどっちがいいとか上とか下とかの話ではなく。

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バッハ。

5.0より複雑に、より大人に、よりリアルに寄せてきた長尺版

AuVisさん
2019年12月27日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

泣ける

楽しい

幸せ

原作に登場する白木リンのエピソードが通常版で割愛されたのは、まだヒットどころか製作が実現するかどうかもわからない脚本作りの段階で、遊郭の女性という子供向きではない要素が客層をせばめるリスクと考えられたからだろう。しかしロングランヒットで世間に支持されたおかげで、長尺版をより大人向けの内容に描き直すことが可能になった。

リンのエピソードが加わることで、すずの内面、周作との夫婦生活も複雑さを増した。ただその一方で、通常版ではファンタジックにぼかしていた要素に、長尺版ではリアリズムに寄った説明が加わった部分もあり、このあたりは評価が分かれそうな気もする。

ともあれ、今回の「片隅」が、単に引き延ばしただけでない、新たな魅力を獲得した愛すべき「世界」であることは間違いない。のんの声、コトリンゴの歌は今作でも活きている。

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AuVis

4.5個としてのすずが、よりダイナミックに立ち上がってくる

2019年12月25日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

3年前、私は主人公すずさんのことをすっかり理解し尽くしたつもりになっていた。あの頃の自分に言ってあげたい。人の内面はもっと広くて深く、そう易々と把握できるものではないのだと。これは「もう一歩」だけ心の内側に踏み込んだ物語だ。

オリジナル版では、すずさんというキャラクターがあえて柔らかいタッチで描かれていたように思う。それゆえ観客は、当時を生きた名もなき人々の人生や青春や愛すら彼女の輪郭に重ね、過ぎ去りし日々に想いを馳せることができた。一方、本作では、もっと描写やエピソードを尽くしてじっくり心の言葉に寄り添うことで、「個としてのすず」がよりダイナミックに立ち上がってくるようになった。すずさんだけではない。リンとケイコも同じ。ある意味これは「3人の女性たちの物語」なのだ。作り手と観客が深い絆で結ばれたからこそ成し得たこの異例の試み。私はいつしか心底圧倒され、すずさんのことが益々好きになった。

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共感した! (共感した人 30 件)
ぐうたら

4.5美しくもありながら、おぞましい

2020年3月30日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

笑える

悲しい

今更ながら鑑賞。
前作のレビューは書いていないので、混じえながらレビューを書かせていただきます。

非常に良い。
アニメだが、アニメとは思わせない迫力と感動がある。
近年だとこの世界の片隅に、ジョジョ・ラビット、Fukushima50などのような映画は語り継ぐべき映画だと思う。

ストーリーは言うまでもないだろう。
笑いと共に戦争の恐ろしさを実感させられる素晴らしい作品。

主人公であるすずは、いっつもぼーっとしていて素直でそして優しい人。かなり抜けてて頼りないが、愛しく守りたくなるそんな不思議な人物。
そいでいて描く絵がホントに美しい。額縁に入れて家に飾りたい。

そんなすずと夫のお姉さんの会話は面白い。
クスッと笑わされる。だが、後半になっていくにつれ二人の会話が悲しくなるというか、考えさせられる。

もちろん、すずと夫の周作も良い。
戦時中の"愛"はこんなものだったのか。
とてもお似合いでございます。

個人的には、周作のお父さんが好き。
戦争に立ち向かい、家族を守って、常に笑顔。
こんな人になりたいな。いいお父さん

何度観ても、亡くなってしまう爆弾のシーンは恐ろしい。それが来る5分前から鳥肌が止まらなかった。
これこそが戦争の怖さ。

前作から追加なので、前作を見る必要はありません。
欠点はこれです。前作まるっきりからプラスなので、長い長い。中だるみとか飽きるとかそんなのじゃないけど、流石に168分は疲れちゃう。

今回はすずとりんの話が追加されている。
桜とすずとりん。美の骨頂である。
より深くすずのことを知れて、さらに楽しく面白く悲しく仕上がっている。新しい作品かのように。

たまたまTHXでしたが、これがまたホントに良かった。心をえぐられた。

言葉では表せれないほど良い映画。
戦争映画じゃないよ。コメディ映画だよ。
いや、コメディ時々戦争映画だよ。

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