アルキメデスの大戦のレビュー・感想・評価
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国難の今だからこそ見るべき映画
まず小難しいこと抜きに、一本の映画として本当に面白かったです。
一種の"法定もの"とも取れるような地味なジャンルながら、最後の最後まで全くダレることなく見ることができました。
菅田将暉が黒板に数式を書き連ね、見積もり金額の嘘をロジカルに暴き大和建造案を棄却する様は実に痛快!
魅せ方も実に上手い!
それだけに、この後の展開の重みがズッシリとのしかかって来ます。
歴史の中で、大和は建造され轟沈する。
その末路を知っているからこそ、大和建造を止め、しいては戦争に進む日本国民をも止めようとした青年の抵抗が虚しくも胸に突き刺さります。
旧日本軍に代表される、あまりに不合理な社会システム。これの前では何を持ってしても止められず、どんな理屈も通用しない。
誰もが飲み込まれ同化していってしまう。
決して見ていて気持ちの良いの作品ではない。
むしろ人によっては胸糞悪いエンディングかもしれない。
それでも目を背けてはいけない。
現代日本もこの体質は何一つ変わっていない。だからこそ、今このタイミングで見るべき価値のある作品と言えるだろう。
数学の天才にしては、暗算が得意なだけ。真の数学の天才には及ばない感。
予告編や紹介・あらすじからは、もっと理知的な話の展開を期待させるが、
やっていることの大半は資料集めである。
数学の天才としての片鱗を見せるのは近似推定式を導出するシーンくらいで
やっていることの大半は暗算とか、短冊積分の計算くらいである。
それらは全て、今の時代ならエクセルで一瞬に出来てしまう。
戦艦大和に関する議論もあるのだけれども、せせこましい話題が多く、
数学の天才がすべき議論なのか? と思ってしまう。
史実の太平洋戦争においては、(映画でも言及される)プリンストン大学の
真の数学の天才達が総力を結集し、原爆を作り、暗号を解読して日本を破った。
そういう史実と比べてしまうと、なんというか、映画の話全体がショボく感じてしまう。
たしかにいい出来
数学キチガイと大艦巨砲キチガイ
戦争、ダメ、絶対
迫力のCGは冒頭だけ
菅田将暉あってこそ
良くも悪くも、これは、菅田将暉じゃないと出来なかった役。
と言い切りたい。
時代考証も素晴らしかったし、良い意味での垢抜けなさ、
天才ゆえの葛藤と誘惑、
そして田中泯さんの悪役感、
舘ひろしさんのフィクサー感など、
(彼の役が山本五十六って時点で解るよね?)
素晴らしきキャラクター達。
何より、えもたす(柄本佑)がよく頑張った!!
あの連続する緊張感の中で、彼のキャラだけが、
観ている側の拠り所にもなったと思う。
山崎監督のVFXはもう、出来て当たり前レベルなので、
そこは敢えて評価に入れなくとも、
この作品は久しぶりにドキドキハラハラの連続で、
ああ、こういう作品が書けるようになりたいよと
ひとしきり思った。
年末の、個人的ランキングの上位に入り込むであろう作品。
エンディングが尻つぼみというレビューも見かけたけれど、
いやいや、それ以前に最初にアレ出しちゃったしょうがなくね?という問題だと思うw
平山忠通と山本五十六
やっと観られた!
公開時に見逃してしまい、ずっと観たかったこの映画。
いやぁ、良い意味で裏切られました!
史実を変えずに大和誕生をどう料理するか。
そういうことかと。
戦争をしたい性の軍人、100年に一人の天才が数字で測れない「戦争は回避すべき」という思い。
こんな簡単なことで戦況が変わるのかと思うけど、様々な戦争の局面はほんの些細な作戦で左右されている。
実際どうだったのかは藪の中だけど、とても面白いフィクションだった。日本史、まだまだ想像の余地がたっぷりあるなぁ。
冒頭の大和戦闘シーンはとても迫力があり、大スクリーンで見る価値大!
山崎貴監督にしては(と言っては失礼だけど)、CGとストーリーのバランスが良く素晴らしい映画でした。
ぐっ…面白いじゃないか…。
正しい事ってなんだ
現代への警鐘
大まかな内容としては
「史実を変えず、裏ではこのような議論が行われていた」と言ったフィクション映画だ。
機密会議で相(あい)対する、双方が論破し勝利を納める。
しかし、まるで悪魔にでも操られているかのように、自分の望まない方へと向かっていく。
結果は、多くの人が知るところである。
しかし、これは単なるフィクションではなく、現代にも当てはまる事だ。
"自衛隊派遣"において、菅官房長官の「心配している/していない」が問題になった。
しかし、官房長官がどのように答えようとも、そこには正解など存在しない。
また、国民も個人の感想を責めたところで、何も生まれないし変わらない。
そして、自衛隊派遣については、ほぼ反対意見はなく「毎度の事」と慣れきっている。
いくら後方支援と言えど、常に危険が伴う事は多くの国民が知るところであると言うのにだ。
国が成熟するほど残された問題は、どこにも正解が存在しないものばかりである。
ぜひ若い人には、この映画をそれぞれの立場で、その時「自分ならばどうするか?」「自分がどうならば納得するのか?」との視点で見て考えて貰いたい。
軍艦か?それとも空母か?先見の明はどっちだ?
昭和8年、欧米との対立が激化していく中、日本の威厳を世界に知らしめようとする巨大戦艦「大和」の製造を巡り、天才数学者・櫂直(かい・ただし)が海軍に招き入れられ大日本帝国海軍の行末と戦う話。
第二次世界大戦への歩みを数学・数字と言う面白い視点で描き、毎度作られている日本特有・日本敗戦戦争ネタ作品への飽きを解消している。
面白い視点から描こうとすればコメディが日本映画の特有として出てしまいがちですが、この映画は至って真面目で好感も持てました。ラストでは数学者・設計者としての意地も感じ取れます。
見所の俳優に関しては田中泯かな。山崎監督作品ではホント良い役をします。
ちょっと残念なのは山崎監督VFX。
戦艦は「SPACE BATTLE SHIP ヤマト」から、戦闘機は「永遠の0」からの流用されてるかの様に進化無し(戦闘機はとんぼじゃないんだから)。
昨今の山崎監督VFXはあまり進化を感じないのだ。
(期待しているだけに)監督には更なる日本VFXの進化をもたらして貰いたいものだ。
それでも大和は造られた。そして沈んだ。
この映画、台詞が多過ぎないか?
滅びの美学
計算では出せない答えが会議で飛び出した時点で負けは決まっていたのだろう。
金額を隠蔽して虚偽の情報を他国へ流す…常套手段であるがそんなセコい真似をしても意味の無いほどに比我の戦力差は桁違いで、勝ち目のないのは櫂少佐にも分かっていたのに…
美意識への憧憬…日本人独特なのか?
負ける為の戦争だったのか?
大和出港の櫂少佐?の顔が、平山の案を打破した頃とは違い、目はつり上がり異様になっていた。
正直な所、映画としての中身は薄い。
だが、多くの人が琴線に触れるのではないだろうか?
特に平山の発言については、頭では、理屈では「ほんなもんで勝てるか!」と言いたくなるが希望を持ちたい…持たせたい人たちには“必要”なのだ…と。
一種の宗教めいた信仰に酔わないとあの絶望的な戦いは出来なかったんだろう。
ただ、1人物としてこれらのキャラクターのみを見るのではなく、尾崎造船のやり口など現代にも通ずるものがあり、グローバルスタンダードという名の戦争が今もある事を考えさせられてしまう。
二本立て一本目。 何よりストーリーが面白い。大和に関してそうくるか...
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