海獣の子供のレビュー・感想・評価
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非常に残念
<良かった点>
・映像が躍動感あふれ観ていて面白い
・独特な画のタッチで新鮮
・主題歌の海の幽霊が迫力満点で聞くことができた
<悪かった点>
・大量の伏線を張り巡らせ、結局回収せず
・突っ込みどころ満載
・登場人物の説明が圧倒的に足りていない
・原作を読まなければわからないこと(省略されているところ)が多すぎる
・もう一度言いますが🚩🚩🚩🚩🚩🚩🚩🚩🚩🚩🚩🚩🚩🚩🚩回収せず
製作:STUDIO 4℃ 音楽:久石 譲 主題歌:米津玄師
ということもあり、間違いないだろうと思っていましたが、大間違いでした。
小説を映画化したものがごく一般的な映画だとすると、この映画は自己啓発本をそのまま映画化してしまったような映画でした。
加えて、伝えている内容は当たり前の常識というか、「そりゃそうでしょ。」といった感じで、なにかに気づかされるような内容ではなかったです。
エンディングで米津玄師さんの曲が大迫力で聞くことができてよかったです。
アニメーションの映像追究に終着駅はなさそう
奇才五十嵐大介の絵柄を損なうことなく、手描き感たっぷりの人物・背景が流麗に躍動する映像がみごとな作品だ。
何より、あの「線」の描写が、奇っ怪で美しい。
一方、魚たちがCG感丸出しだったのがちょっと残念。
坂道を駆け降りる主人公を正面から描いた映像、
雨の中を自転車で疾走する主人公を雨水が包み込んでいく映像、
など、序盤で強烈なテクニックのアピール。
そして、主人公が海中の世界を体験する中盤以降、恐怖とファンタジーのイメージがめくるめく映像で押し寄せ、圧倒される。
ストーリーはというと、正直ついていけなかった。
原作未読なもので、深く知りたければ原作を読むべきですね。
この映画は、絶対的に「映像」なのだ。
意味不明で思わせ振りな台詞が多くても気にしない。
只々、映像を堪能。
主人公琉花役の芦田愛菜は、子役で培った少し大袈裟な演技癖がアニメーションのアテレコには有効に作用したようだ。
声優に転向しても充分通用するぞ、なんて。
他にも役者たちが声を担当していたが、本当は顔が思い浮かばない人の方がいいとは思う。
蒼井優の上手さは「鉄コン筋クリート」で立証済みだし、吾郎ちゃんは意外と上手で顔は浮かばなかったので、本作のキャスティングは悪くなかったのでしょう。
自己肯定の物語
この映画は自己肯定の映画なんです。
自分という存在の不確かさに対する、漠然としているが、しかし自己の全てを無意味に感じてしまうほど自分にとって重要な、とてもとても大きい不安。
「この世界にとっての自分とはなんなのか。」
この問いに対して理屈抜きで、海も宇宙も、この世にある全ての存在と貴方は区別されない。この世界というのは貴方なのだと。
つまり、世界の一部のとしての自己存在、相対性の中の絶対性ではなく、唯一無二の貴方というのは他の何かにその存在の根拠を求めるまでもなく絶対なのだと。
「貴方は貴方」
この言葉で全てが完結してしまえる程に、その存在を全力で肯定しきる。
とてつもない優しさで世界を包もうとしている。そんな映画なんです。
海、宇宙、そして生命について、一見するとスケールが大き過ぎて難解で、理解が追い付かないと思うかも知れない。
なんだが抽象的なことばかり言うように聞こえるかもしれない。
しかし、それはあくまでもこの作品の表現の手段に過ぎないんです。
長くて短い夏の間に、一人の女の子が自分の物語を歩み始めた。ただ、それだけの物語なんです。
余談
綺麗ごとばかり並べているように感じると思います。
ただ、映画を作っている人間も完璧ではありませんから、そこを想像で補うことが観客にも求められる力だと思います。
この作品は、もがきながらも全力で何かを伝える努力をしていますから、こちらも必死で受け取ろうとする。
粗探しでなく本質を捉えようとした結果の感想がこれなだけです。
子供だからこそ楽しめる、宇宙の物語
海は星の産み親で、祭りは星を生む儀式という設定は自分の世界観を少し広げてくれた
海と空は祭りのゲストを連れて来る係、そして実際に星の産み親となる係だと考える。
今回のゲストは主人公のるかで、るかが隕石(現実にも生命の起源とされる)を腹のなかに宿し、宇宙を産み出すシーンは圧巻だった。
ゆらぎが収束し、ビッグバンを起こし、クオークがぶつかり合い、元素を産みだし、星が産まれる過程は、子供の頃宇宙図鑑を読んで想像したシーンそのまんまだった。ビッグバンをこれほど鮮明に劇的に描いた映像は今だかつて無いだろう。
また、宇宙のあり方が人間の思考に似ているという空の言葉、最近の研究で脳細胞と宇宙の星の分布の形がよく似ているという話があったがそれをモチーフにしているのだろうか。火の鳥未来編のミクロの世界とマクロの世界を見せられるシーンにも通ずるものがある。
子供の頃宇宙について初めて知ったときのワクワクが思い出されるような素晴らしい映画だった。理科好きな子供、ペンギンハイウェイの主人公のような子供にこそ是非見て欲しい。
宇宙という海、社会という海
圧倒的で美しくも恐ろしい海中の作画。
そして確信犯的に何が起きてるか明確には描かないスタイル。
でも投げ込まれている内容は案外ストレートなメッセージなので、難しく考えずに見たままで考えたい映画。
噛み砕けば、全ての命は宇宙×海によって産み出されていて、つまり命は全て繋がっている一族みたいなものだから、あんまり言葉尻に囚われてコミュニケーションばっかりしててもダメだよって感じでしょうか。
着地点の計算された安心感から察するに、分かりづらい点や共感できない点はすべて折り込み済み計算済み。
何が起こってるか分からないシーンは、実はあなたがだいたい見た通りのことしか起こってない。
変に深読みすると、ブクブク深みに嵌まります。
計算された不親切からの、ストレートな命の神格化、でも着地点は人間社会という意外と常識的な構造になっている。
難しく考えなければ、案外心地いい余韻を感じられる映画だと思います。
素晴らしい映画
このサイトの評価を見て、迷っている方がもし居れば是非観に行って欲しい
素晴らしい作品です
映像と音響だけの作品ではありません
難解な作品と言われている方がいますがそんなこともありません
むしろ丁寧に、くどいほど作中で説明してくれます
知ったかぶっているわけでもなく、作中で〇〇=〇〇であるといくつか定義してくれますので心配いりません
原作を知らなくても問題ありません 私も原作は見たことありません
幼児以外、誰でも知っているような宇宙と生命の知識が少しあれば良いです(少し踏み込んだ海洋生物の知識があるとなお良いですが)
体が震えるほど感動したのは久しぶりでした
本当にオススメします TVやDVDで観るときっと後悔します
原作を知らないと理解が難しい…てか必読です。
私は原作を読まずに映画を観たのですが
1、カット割が不親切と言うか何処まで「現実」で何
処からが「妄想」で有るのかわからない事。
(表現が難しいのであえて妄想と書きます)
2、登場人物において特に説明が無い人物が多く面倒
臭い事。
3、ある程度の雑学等がないと映像に写し出される物
が何かわからない▶小さい子が退屈しやすい事。
4、スピリチュアル的な内容が入ってくるので気軽に
観ようと思っても理解できない事も多々ある。
5、演出が精神的に変に思える箇所が度々ある事。
などが有るのでポニョなどのファンタジー系だと思って観るとガックリ来るかと思います。
は?
原作は未読。
studio4℃に期待を込めて観に行きました。
原作は漫画らしいですが映画として物語は意味不明。
映画館で映画を観たいだけの自分としては消化不良というよりは咀嚼も出来なかった。おまえ誰だよ!?ってキャラが急に出てきたり、1人語りのシーンが急に差し込まれたり。
良かった所は序盤で主人公の女の子が走って坂を下るシーンがstudio4℃らしく見応えあるシーンだったし、それ以外にビジュアル的に文句一つない出来だと思います。
ただ、物語が意味不明。途中から俺は何を見せられてんだろーと思うレベル。宗教映画?他の人のレビューにもあったけど、エヴァンゲリオン?みたいな気持ちになっていきます。
原作はもっと良いとか、原作の大事なシーンが抜けてるとか、はたまた大絶賛されてる方もいますが、自分みたいな馬鹿だけど時間とお金使ってでも映画館で映画観たいと思う人が後悔しない映画を見せてほしいです。
見終わった後、この映画をチョイスした自分に腹を立てながら帰路につきました。
地球に生まれた全ての命の物語
ラジオでたまたま勧めていたのを思い出し、視聴した。作品を作るのにすごく時間がかかったと言っていたのでどんな感じかな、と思っていたら開始数分でそれはわかった。職員室のシーンがあるのだが、そこの埃を再現していたからだ。
作品全体としては、物語前半は夏休みを控えた女学生が父の勤め先の水族館で不思議な男の子に出会い、そこから海の素晴らしさなどを知り、成長していく話。中盤くらいから頭で理解しようとすると難しく感じたので全体的にニュアンスを感じるようにして観るようにしていた。終盤になると思った通り、命とは何か、という大きなテーマに繋がってきたので大人の自分としてはついていくのが大変だった。というか、途中で諦めた。
子どもの頃に読んだ絵本の中にも何となく面白かった、けど覚えていない作品がたくさんある。この作品もあとから振り返った時にそんな感じになると思う。でも、なんとなくそれでいい感じがした。劇中に出てくる隕石を僕らも身体の中に持っていて、命が生まれるように何かの拍子に時折思い出して味わえたら…。
「思ってたのと違う!」が貴重な体験になると思う
序盤の主人公登校シーンからハンドボールの場面にかけて、キャラクタの伸びやかな躍動感には、ちょっと通常とは違う意味の涙が出た。
いわゆる「感動的なセリフ」とか、「エモいエピソード」とか、そういうものに流れる涙じゃなくて、「見せられてる映像の体感的な気持ちよさに感極まる」みたいな理由で涙が出た。僕の過去の例で言うなら、「アベンジャーズ エイジ・オブ・ウルトロンで、ブラックウィドウがバイクで飛行機から飛び出した場面」でダバ出しした涙と同じ種類のやつ。
「リアルさ」ではないと思う。仮に生身の人間をモーションキャプチャして、走ったり跳んだりする動作をアニメにそっくり再現したとしても、気持ちよさは感極まらない。かといって「高強度のダイナミックさ」というような基準でもないと思う。僕にとって「走る場面が印象的なアニメ」と言えば、例えば『かぐや姫の物語』でキレたかぐや姫が屋敷を飛び出していく場面とか、『デビルマンCRYBABY』の陸上部の場面とかがあるけど、本作での走ったり跳んだりという表現は、僕にとって本能レベルの「快感」だった。もうそれで満足。
「圧倒的に緻密で高カロリーな背景画」や「超美麗な海や海の生き物の映像」については、多くの人が評価するポイントだと思う。極端な話、映画のストーリーや声優の演技を無視して、“動く絵画”として鑑賞しても料金のモトは取れるんじゃないかって話。うん、映画館に観に行く価値として充分だと僕も思う。ただちょっとカロリー高すぎて、物語を追う目的の上では、その緻密な画をノイズに感じてしまったところもあるかな。
主人公の琉花と「海」と「空」兄弟をめぐる、本作のストーリーや、それを語るセリフ回しなどについて、映画サイトのレビュー欄では「意味わからん」として多々低評価をつけられてる。僕はその低評価に憤慨するわけでも冷笑するわけでもないし、原作も未読なので、解説するなんてこともできない。
ただ僕はなんとなく、意味を理解して観る必要そのものがないんじゃないかなと思ったりもしてる。「本作のあの場面のそのセリフは、哲学者○○が△△で述べた□□という思想がベースになっていて、その言葉の意味は××ということから、あの場面は※※のメタファであり〜」みたいな理解が仮にできたとしても、それが本作を観る満足度を高めるか?って言ったらそうでもないような気がするの。
宗教学的に「アニミズム」と絡めたりとか、自然科学的に「人間原理」と絡めたりとかして考察するのも面白そうな気もするけど、「なんだかオーストラリアのアボリジニが焚き火囲んで話してるような雰囲気のこと言ってんなー」くらいな気分で観るのがちょうどいいんじゃないかな。
そんなセリフや演出に込められてそうな“意味”もカロリー高すぎて、物語を追う目的の上では、ノイズに感じられる側面もあるんだろうと思う。
総じて「思ってたのと違う!」が、良くも悪くも。
でもその、
「良くも悪くも、思ってたのと違う!」をあえて体験するにはオススメの映画だと思う。
特に子ども達に。
子ども達にこそ、うっかり間違えて観て、体験してもらいたい作品だと思う。「うっかり間違えて思ってたのと違う!」なんて嬉しい事故にはイマドキなかなか出会えないし。おそらくピンと来ないし、たぶん面白くないだろうし、なんならトラウマになりかねないような「気味悪い描写」もあっただろうし。それでも。ていうか、だからこそ。
幼い感性に必ず何かを残す映画なんじゃないかと思う。
大人の感性は、ノイズに捕らわれてしまいがちだし。
子ども達が「子どもの目」で観て、その感想は、今は聞けない。言えない。
吐き出さないまま記憶の隅っこに転がしておいて、
いつかその子ども達が「大人の言葉」を獲得した頃に、
僕らはこの作品の本質を捉えたレビューに会えるんじゃないかなぁと思う。
昨年の『若おかみは小学生』は、「大人が観るべき子供向け映画」だった。
そして『海獣の子供』は、「子どもが観るべき大人向け映画」なんだと思うんだ。
絶対に劇場で見るべきアニメ版「2001年宇宙の旅」
内容については省略。どうせ内容について言及しても意味はない。
「2001年宇宙の旅」と同類の「考えるな、感じろ」というタイプの映画。どうせ考えても理解できない。作っている側も、言葉で説明できるくらいなら映像になんかするかいな、と思っていることだろう。幸いなことに説明ゼリフが多いから「2001年~」よりはずっと取っ付きやすい。
アニメ映画はTVアニメをそのまま2時間にしたようなものが多いが、本作はまさしく劇場で見なければ意味がない映像である。少しアニメを知っている人ならば、これ全部背景動画じゃないのか!?一体どんだけ金と手間をかけてんのこれ、と驚嘆に値する映像が2時間に渡って展開される。「君の名は。」の特殊作画の映像が2時間ずっと続いているような感じだ。
できることならIMAXで上映してほしかったが、IMAXどころか劇場にかかっている期間自体がそう長くはないだろう。とにかく見ろってことだ。
(2019/6/29追記)
2回めの鑑賞。今日行った劇場では子供が多かったが、子供に理解できんのかこれ、と思いきや、上映後は「面白かったねー」と満面の笑顔。大人は理屈と物語で理解しようとするから、どちらも省略されている抽象画のような映画は理解できないが、子供は映像を直に受け取るから、子供の方が理解できるのかもしれない。
映画館の予告で見ただけの状態で鑑賞
なんの情報も持ってない人は前情報は少し入れて鑑賞した方がいいかもしれない。
ラスト30分、何を話してるのか、何を見ているのかわからなくなる。
最後に分かるんだけど、振り返れない。
風景とか生き物とかの絵は綺麗です。
人の感じはちょっと苦手でした。
映像は芸術って感じです。
自分ならこうする
米津さんのpvのあまりの美しさに映画を観ることを決めた。原作は以前から気になっていたこともあり映画を観る前に読んでみた。
その状況からの映画感想。
うーん、原作をどう切り取って2時間の内容に納めるか・・・
後半の「祭り」の描写に、監督も結構悩んだのではないかと勝手に推測した。
色々モヤモヤが残る。
中途半端に少女の心情に沿うよりは、原作の所々に入れられている「海の挿話」のような、海の怖さ・不思議さをもっと強調しても良かったのではないかと思った。
あと、この短時間に色々な人物を入れるのは消化不良を起こす。
アングラードなんて、ただ意味深なことを呟くお前なんやねん的な人物でしかない。キャラ的に空とだぶるし。
自分だったらアングラードもデデもカットして、ジムの過去「海の少年との出会い」を描く。
ルカが海女の家系であること、母が子供の頃の海で経験した約束も入れる。
アングラードの存在をルカに託して、海・空と同じ「ニオイ」のする少女へのかすかな嫉妬をジムに抱かせるぐらいの変更もありでは?
詩的な言葉もいらない。ジムの過去で、島の古老が呟く「星の、星々の・・・」の言葉を入れたらそれで充分ではないかな。
あとは最低限な科学的なことをジムに語らせて・・・軍事関係者との云々もいらないわ。
空いた時間で、世界中の魚たちが光となって消えていくこと、世界各地に出現する海の子供たちの存在を描いた方がもっと不気味さと海の深遠さが表現されて面白いかも。
あとせっかく米津さんが椅子の歌詞入れてるんだから、椅子のエピソードも入れて欲しかった。そしたら、さして人物の内面描写が無くても、ラストで椅子の映像見てキュンと出来るのに。
後半の祭りは、原作をそのまま忠実に再現した方が、妙に受胎の映像入れるより迫力が出たと思う。
映像美がものすごくクオリティが高いだけに残念だった。
ただそうなると、空や海の子供たちがバラバラに食い散らかされたり、海がルカの口に手を突っ込んで隕石を取り出して飲み込んだりと、かなりグロい内容になり(だがそこがいい)映画化そのものが頓挫する恐れあり。
五十嵐さんの作品はグロさや怖さが魅力なので、そういった方向に思い切り振り切って孤高の道を突っ走って欲しかった。
原作が以前からずっと気になっていて、でも少年二人と少女一人の三角関係的なウザい話だったら嫌だなとずっと手をこまねいていたので、今回の映画化をきっかけに、原作を手にすることができて、そういう意味でも、映画には感謝です。
海の幽霊
EDのシーンは原作にある「椅子を外に置いて一晩おくと、海の幽霊がきたとき、何かを置いていく」話からです。米津さんもそのシーンを意識して作詞したとか。
作品はもう、音と視覚で感じてください!
海と命と宇宙。
ただただ圧巻されます。
ビジュアルは綺麗だけど・・・
まず、ヒロインの声が強烈に合ってない。物語の中で、彼女の声だけ浮いてて世界観ぶちこわす。次に、話の内容がベタすぎて新しさがない。いやべつにそのベタでもいいんだけどね、分かりづらさの保管なのか、やたらと説明セリフを差し込んでくるから、ありがたみが無くなって興ざめする。原作者の、あの訳わからないノリのママゴリ押ししてもよかったのに。
キャラクターはとてもいい。ビジュアルもいい。世界観もいい。けれど、これは2時間の劇映画としては、ちょっと失敗じゃないかなー、って思います。
詩だと思って . . .
最初観た時は、映像がメチャメチャ美しくて、音が神秘的(?)で、鳥肌でまくりで、全然「分からなかった」ので、あれはなんだったんだろうかと、原作漫画を読んで、もう一度観に行きました。
二回目は、もっとしっかりとハマることができました。
この映画は「詩」なんだと受け取りました。何度か読んでる/観てるとなんだか「感じ」が掴めてくる。
ところで、僕が詳しくないだけなんだと思うんですが、こういうスタイルの映像があるんだということに驚きました。新海誠監督だと現実を美化した美しい背景を作りますが、『海獣の子供』の背景は、そういう意味での美化はしていない。例えばペンキのハゲ方が現実的だったり。でも、「絵画的」という言い方が良いのでしょうか、違う美しさがあると思いました。へぇこういうのがあるんだぁ、と感心しきりでした。
最大の謎に問いかけてる
何の予備知識もなく、漫画の原作があることも知らず、友人に誘われての鑑賞。ジュゴンの図鑑眺めてる時に「人魚伝説的な話かな?」と思ったら、後半に向かうにつれて「あっ、そういう…!?」ってなる。
言葉とは便利なものである、反面、海を見た時に「これは海なんだ、海というものなんだ」と思わせてしまう呪縛にもなっている。言葉は魔法だと思う。人と何かを共有できる幸せと、それにはめ込まれてしまう苦しさがある。目に見えるものだけが、言葉を与えられたものだけが全てじゃない。
それでも、漫画、映画という媒体を通して人に投げかけるために、やっぱり言葉での説明がないと伝わらないのだとも思ってしまう皮肉な作品。
きっと誰しもが、どうして私は命を持っているのか。
生命体とはなんなのか。
身体が生きているとはなんなのかを、漠然と考え、感じ、見つけ出そうとしている。それでも答えが見つからない、人類の大きな謎。
ぜひ漫画を読みたいですね。そう思わせるのは映画の魅力が大きかったから。そして、この映画だけではものたりないと思ったからです。
漫画読んだ時に、ほんとに漫画の絵をそのままアニメにしたような違和感の無さに驚きました。
全305件中、121~140件目を表示