「宇宙という海、社会という海」海獣の子供 くろかわさんの映画レビュー(感想・評価)
宇宙という海、社会という海
圧倒的で美しくも恐ろしい海中の作画。
そして確信犯的に何が起きてるか明確には描かないスタイル。
でも投げ込まれている内容は案外ストレートなメッセージなので、難しく考えずに見たままで考えたい映画。
噛み砕けば、全ての命は宇宙×海によって産み出されていて、つまり命は全て繋がっている一族みたいなものだから、あんまり言葉尻に囚われてコミュニケーションばっかりしててもダメだよって感じでしょうか。
着地点の計算された安心感から察するに、分かりづらい点や共感できない点はすべて折り込み済み計算済み。
何が起こってるか分からないシーンは、実はあなたがだいたい見た通りのことしか起こってない。
変に深読みすると、ブクブク深みに嵌まります。
計算された不親切からの、ストレートな命の神格化、でも着地点は人間社会という意外と常識的な構造になっている。
難しく考えなければ、案外心地いい余韻を感じられる映画だと思います。
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