スカイライン 奪還
劇場公開日:2018年10月13日
解説
謎の生命体によって地球が侵略される3日間を、VFXを駆使して描いた「スカイライン 征服」の続編。「キャプテン・アメリカ シビル・ウォー」のフランク・グリロ、「ザ・レイド」シリーズのイコ・ウワイス、ヤヤン・ルヒアンら肉体派キャストが顔をそろえた格闘SFアクション。地球に出現した謎の未確認飛行物体により、人びとは次々と地上から吸い上げられていった。その結果、地球はわずか3日間で謎の生命体に征服されてしまった。息子のトレントとともに宇宙船に吸い込まれたロサンゼルス市警の刑事マークは、エイリアンへ変貌を遂げながらも人間の心を残していたジャロッドとの共闘によって、宇宙船の破壊に成功する。内戦が続くラオスに墜落した宇宙船から、ジャロッドの娘ローズとともに脱出したマークは反政府組織のボス・スアと共闘し、エイリアンに対抗する手がかりを見つけ出す。しかし、アジトの周辺はすでに大量のエイリアンたちに取り囲まれていた。
2017年製作/106分/R15+/イギリス・中国・カナダ・インドネシア・シンガポール・アメリカ合作
原題:Beyond Skyline
配給:REGENTS、ハピネット
スタッフ・キャスト
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2018年10月29日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館
甘く見ていたらブッ飛ばされた。低予算SFとして注目された『スカイライン』の続編と言うだけでも相当な狂気の沙汰なのに、それだけに飽き足らず、この映画は中盤から全く予想しなかった展開へと転じていく。その部分を許容できるか否かによって評価は大きく割れるだろう。
ある意味、全く別の映画を無理やり接合したかのようなサプライズが、この映画には地雷のように埋め込まれている。では前作との整合性は全くないのかと問われると、それは一応ある、と答えるべきだろう。監督のリアム・オドネルは、前作のプロデューサーであり脚本家。従来の設定は受け継ぎつつも、しかし未見だからといって何か不都合になることもない。VFXはチープなようでいて、その実、なかなか堅実でユニークな仕上がり。一昔前の東京ファンタスティック映画祭でミッドナイト上映すれば大盛り上がりになっただろうが、シラフでどれだけ耐えられるかは、ひとえにあなた次第だ。
2022年3月6日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル
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1作目の絶望感が好きだっただけに、後半にB級感丸出しになるこの続編はいただけなかった。まぁ、フランク・グリロやイコ・ウワイスのアクションを楽しむにはいいかもしれないが、前作が好きなSFファンには向かない作品だと思う。
高層マンションが中心だった前作に比して、今回は地下鉄を中心とした地上から見上げる感じで描いたエイリアンたち。UFOに吸い込まれてからの展開は予想もつかず、エレインとエイリアン化したジャロッドとの赤ん坊が産まれるまでは驚かされる。予定日まで半年もあるのに!
しかし、UFOがラオスに墜落してからは、どこにでもあるアクション映画。エイリアンの雰囲気も設定もプレデターに近づいてきたように感じた。そんなおバカ映画の典型ではあるけれど、ベトナム戦争帰りの盲目ホームレスの爺さんや、「麻薬はアメリカが買ってくれるから作ってるんだ」と強調する地下組織が面白い。
それにしても、エンディング後のNGシーン集を見る限りではお遊びとしか思えない。そして、巨大エイリアンがバックドロップを食らったところが印象に残る。
2022年1月25日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:VOD
WOWOWオンデマンドにて。
アマプラでは3作目だけが有料なのでどうしようか迷っていたのだが、WOWOWでシリーズ一挙放送があったのだからオンデマンドで見逃し配信がある…と、気づいたのだった。
前作の続きではあるが、本作の始まりはセイムタイム+アナザープレイスを描いていて、主人公たちは別の人たちだ。
LA市警の刑事マークと不良息子(実はいいヤツ?)トレントが地下鉄の乗客と女性車掌(運転士だったかも)のオードリーと共にエイリアンの襲撃にあう。
前作で描かれた米軍とエイリアンの空中戦がマークたちの頭上でも展開し、ステルス型戦闘機が放ったミサイルに撃墜されたエイリアンの母艦が再生する様を彼らも目撃する。
マークたちは早々にエイリアンに捕らえられ、LAの市街地からUFOの中に舞台が移る。ここで前作のエンディングとつながる。脳をエイリアンに移植されてクリーチャーと化した前作の主人公ジャロッドと、妊婦である彼の恋人にマークは出会うのだ。
この妊婦の恋人役の女優は代わっているのではなかろうか。同じ人物であると直ぐには理解できなかった。ジャロッドはクリーチャーの姿でしか登場しないので役者は関係ない。
さて、この妊婦がジャロッドのなれの果てについてマークに説明する。クリーチャーは「ロボット」だと言うのだが、あの情況で彼女はよくそんなことを理解できたものだ。
前作の主人公と今作の主人公が協力してエイリアンと対峙する面白い展開で、ジャロッド=ロボットはマークに後を託して殉職。マークの息子トレントもロボットとなって、後のキーパーソンとなる。そして、前作でジャレッドの恋人が妊娠していたことがシリーズの布石となって、次作でいよいよ攻守逆転することを予感させている。
なるほど、そういきますか…と。
前作はワンシチュエーションだったが、今作は市街地からUFO内に、そしてラオスの山林地帯へと戦場が移動する。
そして、怪物エイリアンとの肉弾戦にはカンフーアクションが織り込まれていて、コレがやりたかったのかなぁ〜という感じ。
登場人物は前作よりもキャラクターが立っている。
主人公のマークは刑事だから肉弾戦にも銃撃戦にも納得感はある。
オードリーも地下鉄の乗客を保護する立場だし、なんだか戦士っぽかったりするところは?だが、色っぽいだけでなく格好よさもある。この女優、テレビドラマ「インスティンクト」の女性刑事さんだ。
ラオスのパルチザン兄妹のキャラクターも面白い。
息子のトレントがいつの間にかオードリーの恋人気取りなのは気になったし、パルチザンの隠れ家にいた科学者らしからぬ科学者には説得力の欠片もないが…。
赤目と青目のエイリアン(?)同士の戦いがあったり、親子や兄妹の絆のドラマや捕虜の民兵とパルチザンが共闘する胸熱場面があったり、エイリアンの怪獣の種類が増えて、全体的にバリエーションが広がっている。
要するに前作よりもグレードアップしているのは確かだ。だが、しかし…。
何の説明もなかった前作に比べて、色々と説明をしようとして墓穴を掘った感がある。
映画的アクションの質は上がっているが、説得力のない説明の薄っぺらさが目立ってしまって、迫力のバトルシーンも興醒めだ。
今作からはメイン脚本家が監督も兼務している。この人がシリーズ全体のプロットも作っているのだろう。
話を広げすぎたか、詰めがあまいか。
エンドロールのNG集もいいアイディアだとは思えない。
放題は「奪還」だが、何を奪還したのだろう。まだ地球を奪還してはいないと思うが。
「スターウォーズ」、「ターミネーター」、「第9地区」、「エイリアン」、「プレデター」その他大型ロボットで戦う系まで、全てのアイデアを注ぎ込んでいる。
新しいアイデアはないかもしれないが、とても壮大な映画だと思う。
前評判よりもう少し評価されてもいいと思った。
内容はないけど、こういうヤバい映画もいいですよね。