バンクシーを盗んだ男

劇場公開日:

バンクシーを盗んだ男

解説

ロンドンを中心に世界中で神出鬼没な活動を展開する正体不明なグラフィティアーティストのバンクシーと、数千万円~1億円という超高額で取引される彼の作品が人びとに及ぼす影響力に肉迫したドキュメンタリー。パレスチナ・ヨルダン西岸地区にあるベツレヘム。紛争地区に指定されているその場所にはパレスチナとイスラエルを分断する高さ8メートル、全長450キロを超える巨大な壁が存在する。その壁にバンクシーが描いた「ロバと兵士」の絵は、パレスチナの住民たちの反感を買い、絵が描かれた壁はタクシー運転手のワリドによってウォータージェットカッターで切り取られてしまう。ワリドはその壁画をオークションに出品し、最高額の入札者への売却を試みるが……。ナレーションをミュージシャンのイギー・ポップが務める。

2017年製作/93分/G/イギリス・イタリア合作
原題または英題:The Man Who Stole Banksy
配給:シンカ
劇場公開日:2018年8月4日

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(C)MARCO PROSERPIO 2017

映画レビュー

3.5【”ストリートアートは売り物ではない!”2007年、バンクシーはベツレヘムの巨大な分離壁に6つの壁画を描いた意味。誤解により切り取られ売られた「ロバと兵士」のその後の行方から考えさせられる事を記す。】

2024年1月20日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

悲しい

知的

難しい

ー 覆面アーティスト・バンクシーの作品から見えて来る現代社会の光と闇に迫るドキュメンタリー。-

■2007年、バンクシーはパレスチナ・ヨルダン川西岸地区にあるベツレヘムの巨大な分離壁に6つの壁画を描いた。キリスト生誕の地に観光客を誘致する前衛的なプロジェクトだったが、描かれた1枚の絵「ロバと兵士」が地元住民の怒りを買ってしまう。

◆感想

・今作が発するメッセージは数多い。
 何故、バンクシーはベツレヘムの巨大な分離壁に6つの壁画を描いたのか。
 そして、彼は壁画が切り取らた後に、彼の有名な「Love is in the Air」を再び壁に書き、好意的にパレスチナの民から捉えられる。
ー 「Girl with Balloon」も同じである。-

・今作で、シニカルなのは切り取られた壁画「ロバと兵士」(ロバは愚鈍の意味があり、パレスチナ人に誤解された。)のその後の過程である。
 数々の国で”美術品”として、買い取られながらも、徐々に値段が下がり、今では売りも似にならずに、何処にあるか分からないという。

<イスラエル、パレスチナ紛争が激化し、先が見えない現在。ベツレヘムの巨大な分離壁は今、どうなっているかも気になりながら鑑賞した、知的好奇心をくすぐられるドキュメンタリー作品である。
 重ねて書くが、”ストリートアートは売り物ではない!”。バンクシーは難民問題、反戦、反資本主義、反消費主義といった社会的メッセージを持たせ、敢えてストリートアートとして、身を隠しつつ絵を書いているからである。>

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NOBU

3.0芸術の力

2021年10月16日
iPhoneアプリから投稿

 イスラエル🇮🇱にとっては治安を守る壁、パレスチナ🇵🇸にとっては分断の壁、そんな目的の為に造られたベツレヘムの分離壁。2007年にロンドンの団体が世界の注目を集める為に14人のアーティストに絵を描かせた。アーティストにとっては最高のキャンバス。アーティストの1人が語る。「私たちの作品を見にきてもらうことでパレスチナ支援になればというのが趣旨,我々があそこに絵を描いたのはあの壁の意味を問いかけたかったから」
 別のある女性アーティストは「あの壁に描くことに意味がある。壁は人々を侵害し虐待し冒涜する存在。全くもって残虐で人々を心理的に攻撃してる。彼らはそんな中で生活している」
 このプロジェクト、考えついたことがすごい。確かに注目を集める。あのバンクシーのアートが描かれたとなればマスコミは追いかけるし、知らなかった人でさえ、この壁の存在を知るキッカケになる。
 映画はバンクシーのアートを壁ごと切り取った持ち主を手伝い、切り取る作業を手伝ったタクシー運転手を追う形のドキュメンタリー。なかなかわからない中東のことも少し知れて、ストリートアートのことも少しわかるし、先に見た「イグジットスルーザギフトショップ」より面白い。
 バンクシーの言葉「何世紀も聖地だったベツレヘムにコンクリートの壁が作られた。この巨大なキャンバスに絵を描けば世界最大のアートに変えられる。ただし短命なことが大切」
 あるアーティスト、彼はレジェンドだね。まさにそうかも。
なかなか勉強になりました。

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アンディぴっと

3.0ストリートアートが高額で売買される時代になったことを実感

2021年9月17日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

世界中で金が有り余ってる証拠。ガラクタでも希少価値感を付加出来れば買う人がいるのだ。

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あっちゃんのパパと

2.5落書きの所有権

2021年8月22日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

パレスチナに作られた壁に絵を書くプロジェクトがあった。
バンクシーも参加したのだが、有名になり、その壁を引き剥がし、売りに出す人が現れる。
買う人がいるとは思えないけど。

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いやよセブン