存在のない子供たちのレビュー・感想・評価
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ラストシーンで涙する
ゼイン君のフレッシュな演技に圧倒されました。
また1人素敵な役者さんに出会えて本当に嬉しかったです。
ずっと涙を堪えていたのに、ゼイン君のラストシーンの無邪気なぎこちない笑顔を観た時に目から涙が流れていくのを止めることが出来なかった!
この世で1番不幸せなのは産んでくれた両親から愛されないことなのかもしれないのかな
と思いました。
映画って本当に素晴らしいエンターテインメント☺︎
私の趣味は映画鑑賞ですって最近は事あるごとに言ってます🤗
誰も笑わない
このレビューはもう少し落ち着いてから書いた方が本当は良いのだと思う。
とにかく時間内ずっと辛い。
なんでこんな辛いものを観に来てしまったんだろうと終始後悔した。
監督以外全員素人のキャスト陣、
もはや演技ではない。
主役の子が、ただただ無事で居てくれて本当に良かった。
あの黒人の赤ちゃんが無事で居てくれて本当に良かった。
あんなに容姿が良い子が、大人の慰み者にならないわけがない。
たぶん本当は。
現実のほうがきっともっと目を背けたくなる。
移民問題が表面化してきたこの時代に、
この作品はあまりにリアルでした。
誰も笑わない映画でした。
ただのひとりも。
最後の最後にゼインがやっと手にした人間証明書。
やっと見せてくれた笑顔に癒された。
もう二度と観たくない。
でもこれは、まだマシな世界なんだきっと…。
二本立て一本目。 これは重い。ネグレクト、口減らしの為の少女強制婚...
二本立て一本目。
これは重い。ネグレクト、口減らしの為の少女強制婚、子供の人身売買、不法移民。何やってんだ!レバノン政府。ゴーンの財産引っ剥がし、これらの対策に当てよ。そうすりゃ日本もちょっとは納得できるはず。
とにかく見るべし。この負のループ、決して主人公の親だけが悪いのではないことが分かるはず。
日本に生まれたこと、日本人であることにほっとせずにはいられない衝撃の作品。エンディング、一縷の希望はあるのか、ないのか。
無責任に子供を産む罪を問う
ゼインは「誰も知らない」の柳楽優弥に似ている。しっかり者で面倒見が良くて、兄弟を愛している。
でもそれはゼインが両親から与えられるべきもの。それを渇望している暇も無く、かいがいしく妹らの面倒をみる彼の姿に胸が締め付けられた。
家にいたら罵られ、休む暇も無く働かされる。しかしいざ両親の元を逃げ出し、行きずりで知り合った心優しき移民の女性ラヒルの元に身を寄せたところで、無為の時間が彼を襲う。
知的好奇心を満たすものも無く、外界からの刺激を遮断され、ひたすらラヒルの赤ん坊のヨナスをあやす時間。
人はどうしたって何かを考えてしまう動物だから、何もできない時間というのはそれだけで辛い。本来なら好奇心いっぱいに目にする物すべてを吸収したい年頃のゼインにとっては、特に残酷だ。
そんなゼインが帰ってこれなくなったラヒルの代わりに、必死にヨナスを養おうとする姿は涙なくして見られない。
しかしこの映画は、ゼインの悲しみに寄り添うものではなく、子供を労働力としかみなさず宗教上などの問題で避妊せず、愛しもしないのに子供を産む大人たちを告発するものだ。
お金や扶養の問題ではない。愛されたい、ただそれだけが得られない子供のなんて多いことか。
本来なら、多くの人が「生まれてこなければよかった」から「生まれてきてよかった」と言える社会にしなけれはいけないのに。
出生届を出されていないため法的に存在しないゼイン。不法移民ゆえに法的に存在しないラヒル。違法だからといって、彼らは悪人だろうか。法律至上主義の人たちにとっては、法を守れない彼らはいなくてもいい(死んでもいい)存在なのだろうか。
法律が弱者を守れないのであれば、それを変えていくのも今を生きる者達の責任なのではないか。
ゼインは本物の難民。彼が幼いながらも「酷い国」「亡命したい」などと口にする場面には重みがあった。
彼の目に希望や笑顔が宿る日を、願わずにいられない。
ラストワンカットで救われる
貧しく出生届けすら出されていない移民の少年ゼインが両親を訴える。
こんな世界に自分を産んだ罪で。
強制的に結婚させられる妹。
子供をつくり続ける両親。
貧しい地域で必死に生きる子供達。
そんな子供を利用しようとする大人達。
これはただのフィクションではない。
だからこそ考えさせられる。
終始痛々しくて目を覆いたくなるような場面が続く。
そしてラストのワンカット。
微かな光が射し少し救われた気持ちになる。
最近、片岡礼子が出演している映画をよく観ていたために、ゼインの母親が片岡礼子に見えてしょうがなかった・・・
どうしようもなく泣きたくなった。思い出すだけで泣いてしまう。どことなく是枝監督の『誰も知らない』、『万引き家族』とも共通項があるのですが、まだ乳飲み子であるヨナスの演技が素で可愛いのだ。彼がカンヌの男優賞を取れば最年少記録更新できたのになぁ・・・と鑑賞直後に感じました。
それにしてもフィクションでありながら、普通に暮らしてる姿はリアルそのもの。少ない台詞の台本であっても、ゼイン少年は即興で演じたらしい。ありのままを演技する、まるでかつての柳楽優弥みたいな存在感。誰が見ても可愛い子供なのに親の愛情は全くなくて、単に生活のために小銭を稼いでいるだけの存在なのだ。
公式サイトによれば、ゼインにしてもティゲストにしても映画のキャラと同じような体験をしているらしい。滲み出てくるような貧困への恨み、容赦しない移民局への恨み、そして誰にでも愛情を注ぐことができる底知れぬパワーをも秘めている二人だ。そこへ赤ん坊のヨナスが屈託のない笑顔で和ませてくれて、彼もまた限りなく天使に近いような存在として描かれている。
物語はシリアからの難民であふれ、アフリカ方面からも移民が大勢いるレバノン。監督自身も戦争経験があり、なにかと紛争の多い中東の小国。格差の程度はわからないが、GDPからの推測では世界平均と同水準。映像の中にも中流家庭っぽい住宅街の真ん中に貧困層エリアがあることもわかるし、貧困から抜け出せないで喘ぐ層も相当多いのだろう。そのうえシリア難民が100万人とも言われるほど流入しているのだ。
核となる部分は出生届を提出しなかったためにゼインが社会的に存在しないことになってること。大好きな妹が金のために嫌味な男と結婚させられ、ゼインが家を抜け出し、エチオピアからの移民でシングルマザーのティゲストと共同生活すること。そしてティゲストが不法移民として逮捕され、一人で1歳の子を育てなければならなくなったゼインを描いている。終盤の展開は原題CAPHARNAUMの意味する“混沌・修羅場”をよく表している。
無責任に子供を産むな!と訴えるテーマと、DV、虐待の現実。子供が欲しくても現実の生活を考えると無理・・・といった日本の少子化問題と真逆のようだが、底辺にある問題は同じ。福祉は行き届いてないし、格差社会を是正する動きがないといった点は全世界共通なのかもしれないし、放っておくと子供たちの未来は暗くなる一方だ。また、3日ほど前にトランプがイスラエルのパレスチナ入植を国際法違反とはならないとイスラエル寄りの政策を打ち出したために、中東にまた悲劇が起こる可能性もあるのだ。移民に対する無慈悲な扱いといい、ヒューマニズムの欠如はどんどん広まっていくに違いない。移民に寛容なヨーロッパも今後はどうなるかわからないし、未来は混沌としている・・・愛情だけでも残れば救われるのだろうけど。
救われないようで救われたようで救われていないようで…とぐるぐるして...
救われないようで救われたようで救われていないようで…とぐるぐるしてしまう映画。強度あり
「存在のない子」はタイトルとして特に日本人にはわかりやすいが、原題「Capharnaüm」がイエス・キリストに見捨てられた街を指していることを意識していると、途中で何度か登場する「神」や「罪」という言葉が意味を含みを持ってくる。ラストの展開も聖書の文脈をもつと読み解きやすい
観ていて辛く日本が幸せなのだと実感
生まれたときから、貧困と闘い抗いながらも無責任な親を訴えることを選んだゼインに心をうたれました。
妹を可愛がり愛していたのが亡くなって、もう、耐えきれなかったのでしょう。
日本でも虐待はありますが、ここまで酷くはない。
無責任はチカラの弱いものには残酷すぎます。
ここ何年かで一番衝撃受けた作品。 子供たちの瞳が忘れられない・・・...
ここ何年かで一番衝撃受けた作品。
子供たちの瞳が忘れられない・・・。
考えても解決しない事が多くて劇場後にしても引きずりまくり….今も引きずってる。
でも、見るべき映画だと思った。今のところ今年のBest1,2の位置👍。
平和ボケした日本人
生まれてこないほうが良いのではないのか?
何とも言えない、切なさ、悲しみ、、、
日本にいるとこのような世界は想像もつかない。
兄妹愛、血の繋がらない兄弟愛、親子愛
日本人として日本に生まれただけでも恵まれていると改めて思う。
世界中のこのような子ども達が早く救われて欲しい。
フィクションであって欲しいと思ってしまう…
実際に自分の目で、現実の日常を見ているかと錯覚する程に、子どもたち、大人たち、演技とは思えない自然さで、リアルでした。
ゼインの演技がまた素晴らしいし、ヨナスもあの幼い年齢で、あのような自然な動きが出来るのか…あれが本当の日常なのだと言われたら納得出来そうな気もします。
妹を守りたい姿、ヨナスと共に過ごす姿、本当に素敵なゼインに何度も胸を打たれました。
重い、辛い内容でした。
でも、何も出来ないモヤモヤが残る。
でも、観て、感じて、考える。
それは同じ人間として、最低限の出来る事だと思うので、忘れない。
私には、この映画の内容はどこか遠い国での事、昔の話し、と感じましたが、
豊かな日本には、重く、辛いという意味では同じようにイジメや自殺、虐待の問題があるのかな。と思います。
なぜ、みんな幸せに生きられないのだろう…
みんな幸せに生きたいだけなのに。。
そんな気持ちが残っています。
ゼインの賢い勇気ある行動で、笑顔が続いて行く事を…願ってやみません。。
解説よ、移民ではない難民だよ!!
いや参った。これも泣ける。ベイルートというより、世界各地が抱えている課題が山積みされている。レバノンという国はモスリムとキリスト教が共存しているが、パレスチナ人やシリアからの難民が多く、世界で難民受け入れに寛大な国の一つだ。ドキュメンタリー映画「セメントの記憶」が公開になったと思うが、これはシリア移民(難民もいるかも)を扱った作品。
それに、eiga.comの解説を批判して申し訳ないが、移民問題を抉り出したとあるが、ザーンの家族も、エチオピアの女性も難民なのであり、移民ではない。それに、貧しさゆえに親からまともな愛情が受けられないとあるが、これも疑問だ。
この映画の最後の方で、シリア難民の少年、主人公ザーンがテレビ局に電話をし、自分の親から受けた虐待の話をしてそれがオンエアーされるシーンがある。彼の言葉を私が置き換えると、殴られ、蹴られ、罵られ、一言も優しい言葉や褒められたことのない子供が悪に染まらずどう育っていけるのだろう。いつも敷物のように踏みつけられて育てられる子供にどういう生き方が望めるんだろう?このように育ってしまった子供は一生心の中に傷を負い、また、反面教師にならず自分の子供を虐待するような実例をたくさん読んだり聞いたりするが、ザーンのたくましく強い心からは、この不幸を良い方向に変えていけるような気がするが。もちろん、彼のこれまで歩んできた生き方が証明しているが、最後の、出生証明?(身分証明)の写真を撮るとき、『こっちが、僕からみた右だ』と写真を撮る人の言い方が悪いから自分がちゃんと動けないといいたいような口ぶりで、そこにまたたくましさを発見した。これだけ、踏んだり蹴ったりされた生活の中で処世術は十分に身につけているけど、なおかつ最後の証明写真を撮るところまで、自己主張をするので彼はたくましい。
彼の最高の笑いが、彼の明るい未来を象徴していると思った。
不思議だったこと、
12歳ぐらいのザーンは赤ん坊と二人で、物を売って食べ物を求めて彷徨うが、誰も彼らに声を掛ける人がいないのは変だ。レバノンのシリア難民地区で、声かけしたりして少しでも助け合いの気持ちを撮してももよかったと思う。
Nadine Labaki 監督もザーンの弁護士役で登場している。
こんな現実もあるんだなぁ…
仕事も恋愛もうまくいかない。
何のために生きているか分からない。
実家に帰ったら親に「わたしはあんたの親じゃない。」と言われて人生に疲れ切っていた時、この映画を知って見たいと思い、やっと見れた。
主人公の置かれている状況は悲惨。
出生届も出されていない、親には金稼ぎの道具にしか思われていない、大事に思っていた妹はニワトリと引き換えに11歳で嫁に出されてしまう。
そんな状況にありながら、妹を思いやったり、ひょんなことから出会った血の繋がりのない赤ちゃんを自分の弟のように思い守ろうと走り回ったりする主人公。
希望がない中で、自分が生きるのに精一杯な世の中で、生きるために誰かのために行動できる主人公は尊い。
血も涙もないような両親に育てられ、何であんなに良い子に育ったのだろうか。
血の通った心を持ったからこそ、親の行動が許せなかったのだろうし、自分と同じ境遇の人をこれ以上増やしたくないと思ったのだろう。
全体を通して希望もないし、重い現実を淡々と描いていた。
主人公がこの先どんな人生を辿っていくのか、わからないが強く生きて欲しい。
自分も強く生きていこうと思える映画でした。
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