ライ麦畑で出会ったら

劇場公開日:

ライ麦畑で出会ったら

解説

1951年の発売以来、青春小説の名作として読み継がれているJ・D・サリンジャーの「ライ麦畑でつかまえて」に魅了された青年の成長を描いた青春映画。69年、ペンシルベニア州。級友たちともなじめずに孤独な高校生活を送っているジェイミーは、「ライ麦畑でつかまえて」に感銘を受け、この小説を演劇作品として脚色することを思いつく。しかし、そのためには原作者であるサリンジャーの許可が必要であることを知る。隠遁生活をするサリンジャーに連絡を取ることは容易なことではなく、ジェイミーは演劇サークルで出会ったディーディーとサリンジャー探しの旅に出ることを決意する。ジェイミー役を「ジュマンジ ウェルカム・トゥ・ジャングル」のアレックス・ウルフ、サリンジャー役を「アダプテーション」でアカデミー助演男優賞を受賞したクリス・クーパー、ディーディー役を「ラブリーボーン」のステファニア・オーウェンがそれぞれ演じる。

2015年製作/97分/PG12/アメリカ
原題または英題:Coming Through the Rye
配給:東北新社、STAR CHANNEL MOVIES
劇場公開日:2018年10月27日

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(C)2015 COMING THROUGH THE RYE, LLC ALL RIGHTS RESERVED

映画レビュー

4.0小説の追体験のような感覚

2018年11月28日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

楽しい

『ライ麦畑でつかまえて』が大好きなティーンエイジャーが、舞台化の許可を求めに隠遁しているサリンジャーを探しに行く実話を基にした物語。監督自身の高校時代の映画化で、本当にサリンジャーを探し当てている。青春時代ならではの無軌道なエネルギーで突っ走る主人公は見ていて心地よい。 主人公も面白いがサリンジャーの住む街、コーニッシュの人々がまた面白い。主人公がサリンジャーについて尋ねてもみな知らないとしらを切る。中にはデタラメな道順を教えたりする人もいる。これは、街の人々がサリンジャーのプライベートを守ろうとやっていることらしい。サリンジャーと街の人々がどんな交流を持っていたのかが何となく透けて見えてくる。 主人公の境遇は、なんとなく『ライ麦畑でつかまえて』の主人公とも重なるところがあり、小説の物語の追体験のような感覚も与える。秋のすすけた風景も美しい。情緒豊かな青春映画だ。

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杉本穂高

4.0主演アレックス・ウルフの魅力

2018年10月31日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

楽しい

にわかに売れてきた印象のアレックス・ウルフ。「ジュマンジ ウェルカム・トゥ・ジャングル」のロック様に変身する前の高校生役や、「パトリオット・デイ」の爆弾テロ兄弟の弟のほう、さらにもうすぐ公開の「ヘレディタリー 継承」でも素晴らしい演技を見せる。最近の出演作を並べてみると、幅広いキャラクターを演じ分ける確かな力量を感じさせる。 彼が演じるジェイミーは「ライ麦畑でつかまえて」に強く共感するキャラクターで、精神的に問題を抱えているが、ディーディーみたいなしっかりタイプの女の子に支えられる展開もうまい。そして、クリス・クーパーの渋い存在感。「彼」が登場しなくても成立する話かなと思ったが、クーパーとウルフの対話劇は含蓄があり、やはり登場して正解だと考え直した。

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高森 郁哉

4.0背後に"ベトナム世代"の顔がいっぱい見える

2018年10月29日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

泣ける

幸せ

J.D.サリンジャーの「ライ麦畑でつかまえて」の主人公に自分を重ね合わせる高校の文化系男子が、自分で原作を脚色し、高校で舞台化することを思いつく。まず、この発想がいいし、サリンジャー自身に舞台化の許諾をとるため、彼がペンシルベニアからニューハンプシャーまで旅するという青春ロードムービーのフォーマットにも交換が持てる。行く手に何が待ち受けるか分からないという不安が、観客を否が応でも助手席に乗せてしまうからだ。まして、時代はベトナム戦争末期の1969年。若者たちの頭上に戦争の暗雲が立ちこめる中、それを振り払うにように旅に出る少年の背後には、かつて何度も映画に登場してきた"ベトナム世代"の顔がいっぱい見える。でも、本作には主人公ピーターの揺れ動くセクシュアリティの問題も描き込まれていて、今の時代にリンクする視点もちゃんと持っているのだ。好感度大の1作だ。

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清藤秀人

5.0おもしろかった。

2024年7月27日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD
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kazu565