万引き家族のレビュー・感想・評価
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ホンモノの愛はウソの家族でも
今更ながら鑑賞。
そこそこ気になっていたし、カンヌ国際映画祭でパルム・ドールも取っているということで中々期待度は高め。
これは、面白いというか素晴らしい。
JOKERもパラサイトもそしてこの作品も現代社会に訴えかけるような映画は、難解かつ心が苦しくなる。
血の繋がりがほとんど無い5人家族は、祖母の「年金」で繋がっていた。年金で買えないものは協力して万引きをする。汚れた心しか持っていないと思いきや、この家族はいつも笑って過ごしていた...。
リリーフランキーと安藤サクラの魅力を最大限に引き出した所がこの映画の最大の見どころ。
暴力的な2人かと思いきや、心は心底優しく、でも恐ろしい。この映画に"恐怖感"を産み出したのはこの2人だろう。
そして、松岡茉優。
完全に彼女に魅了されちゃったんですが、結構今までの見てきた松岡茉優出演の映画の中でもトップクラスで可愛かった。もちろん、見た目だけでなく演技も。
子供って意外と筋が通ってるんだな。
直感と表情で自分を操作していく。
こんな家族の中でも2人は格段に成長を遂げた。
エンディングの曲はすっごい良かった。
不思議と涙がこぼれ落ちた。
何故だろう、彼らはもっと幸せになれたはずなのに。
大きな欠点としては、過去の振り返り。
逆にここを描かなかったから、コンパクトになっているのかもしれないがコンパクトにし過ぎた。
最近観た映画で例を挙げさせていただきますが、「恋は雨上がりのように」の1番の良かったところといえば時系列。何故、こうなったんだろうと思いながら見ていると後半にさしかかろうとした時に、過去に振り返る。あえて過去と現代をバラバラにすることで、最後まで飽きずにスッキリした気持ちのまま終えることが出来た。
この万引き家族では、見ている人がどう捉えるのかは自由とあえて縛らない作風にしていると言ったらいい意味になるだろう。しかし、見ている人の捉え方の自由度が広すぎるのは完璧な映画とは言えないのでは?
経歴、経緯、出会い、別れ、描くべき所は描かなくっちゃね。
たとえ、血の繋がった家族だとしても嫌いな人は嫌い。たとえ、血の繋がってない家族だとしても好きな人は好き。だって、結婚するってそういうことでしょう。
血が繋がってれば母親?家族以外の子供を育てたら、育てた人は母親になれないの?
映画館で見た方が染みただろうな。
松岡茉優出演の映画制覇の旅は、まだまだ続く!
良い感じ
柳楽裕也の誰も知らないという映画を思い出した。
若干似てると思う。
誰も知らないも良いし、この映画もとても良かった。
私が小さい頃に隣の家に5人兄弟の家族がいて
いつも遊びに行っていたんだけど
そこの家族はカップラーメンをみんなで食卓で食べてゲームをするような家族でそこに私が家族同然のように朝から晩まで遊びに行っていたのでその頃の事を思い出した。家の中は、この映画の家族の家にそっくり。
自分の家と180度家庭環境の違う家に家族のように可愛がってもらいそこにいた不思議な感覚がこの映画と全く一緒だなぁと感じた。
その家族とお風呂にも入ったし海にも行った。
私の家は母が常に働き家におらず父は離婚していなかったので祖父母に可愛がってもらって育った。母からも可愛がってもらい家族には感謝してるけれど、小学生の頃は寂しかったから近所のその家族のところで過ごすことが大好きだった。もし、私にその家族がいなければ、母は厳しかったし、今頃カップラーメンもゲームも知らない浮世離れした子になっていたか、とってもグレていたはず。
この映画に出てくる大人は、人として欠落している部分もあるけど、普通の大人が持っていない部分も沢山ある。普通の大人が持ってない部分って何か?それはここには書かないというかうまく言えないから書けないけど、それを感じるのがこの映画の見どころだと思った。
お金も大事だけど、それだけじゃない。
日本の映画って何で、、
血がつながっているだけが家族とは言えない
この家族、誰ひとり血がつながっていない。
それでも、思いやりながら生きて暮らしている。
私は、血がつながっている母親と全く合わない。
子供の頃、そんな母親に殺されそうになったことがある。
そういうこともあってからか母親から愛情を感じたことがない。
血が繋がってるんだから、母親と仲良くしなよなんて言われると心底思う。
自分なりに努力してきても何十年とうまくいかないのにどう仲良くしろと言うのかと。
血がつながっていないからこそ思いやりながら、ある意味、気を使いながら暮らしていけるのかな。
この新型コロナ感染で、収入がなくなり、どう生きていけばわからない人達が集まって暮らし、この映画のような生活があってもおかしくないと思いながら観た。
血が繋がっていても母親と呼びたくない人もいる。
信代が警察から「あなたのことを(子供達は)何て呼んでいましたか?」と言われているシーンが一番印象的だった。
母親と呼べるに相応しい人だけが子供を産めたらいいのにね。
確かに世界に通用する映画だわ
本物の家族よりも本物の家族。
家族って一緒に暮らしたから家族になるわけじゃなくて心を通じ合わせたかどうかが大切で、万引き家族には愛を感じた。
たぶんこの映画に批判的なレビューを書いてる人は普通に幸せな家族で育った人たちなんだろうなって気がする。
自分は家族に愛情を感じたことがあまりなくて、親は仲が悪く、家族のコミュニケーションもあまりない家庭で育ったので、映画の中の貧しいけど笑顔の絶えない仲の良い血の繋がってない家族。を見て幸せな気持ちになった。
さすがに貧困でありたいとは思わないし、万引きOKでは無いけど、あの家族の空気感がとても心地よかった。
そしてみんな演技が自然で普通にリアルなドキュメンタリーを見てる気分になった。
役者って凄えなぁ
家族ができたら心が通った仲のいい家庭を持ちたいなと思ったし、愛情をたくさん与えられる人になりたいと思った。
久々にいい映画を見たなぁって
満足した。
パルムドールおめでとう
是枝フリークの私は狙って撮ったなと感じる野心作でした。
初めて是枝映画を観る人にもわかりやすい構成になっていますし、キャスティングも完璧です。安藤サクラと松岡茉優という初起用ながら間違いない名女優二人を。リリーフランキーと樹木希林はもはや是枝作品に欠かせないメンバー。
さまざまな家族の形を描いてきた是枝裕和が勝負をかけた集大成ではないでしょうか?数々の是枝作品に出てきた樹木希林に関しては「これが最後かも」と予見していたのではないでしょうか?
安藤サクラが警察での取り調べの長回しのシーンは心震えました。新自由主義の格差社会をベースに人間の孤独と絆を描いています。
ケンローチ、ポンジュノ、是枝裕和新自由主義下の闇を描くこの三人の監督からは目が離せない。
見終わった後
タイトルなし(ネタバレ)
血の繋がりだけが家族じゃない。
産まなくても母親になれる。
けど万引きさせたり教育を受けさせなかったりっていうのは立派な虐待でしょ?
虐待をする人とやり方が変わっただけ。
何も救われてないしこんなの家族でもない。
行方不明や戸籍のない子供はたくさんいるしこんな風に暮らしているケースが日本のどこかには実際にあるかもしれない。
非正規雇用に年金不正受給に若者の風俗勤めに、そういう社会問題もテーマの一つなんだろうけどそれを家族だの絆だの言ってキレイな要素を入れてきたのが気に入らなかった。
私も劣悪な環境で育ったからこんなん違うでしょって思ってしまった。
愛とは外から見える形ではない
愛とは何かを考えさせられる映画でした。血の繋がっている親子だから、愛があるとは限らない。愛しているからこそ、相手のことを思いやり拒絶の言葉を口にしなくてはならないときもある。素晴らしい作品だと思いました。
家族とは
実話であっても驚かないような話
レビューを見ていると賛否分かれているが、私はとてもいい映画だと思った。
■なんと言ってもラストシーンは最高に良かった
虚まみれの家族が解体したあと、皆がそれぞれに過去の生活を懐かしむ行動をとる。
その一連の流れの最後で登場する末っ子じゅり。
彼女の視線の先にあったのは、大好きなお兄ちゃんの姿だったのではないだろうか。
■この映画は「家族の条件」を「絆」と定義した
血のつながりが一切ない6人わけあり者が集まった嘘の家族。
しかし、血のつながりがないにも関わらず、家族は奇妙で深い絆で結ばれていた。
家族とは? その定義は血のつながりだけではないのだ。
そういったメッセージを強く感じた。
■非エリートが片寄あって現代社会をサバイブ
劇中の家族は皆、社会的弱者だ。
犯罪を擁護するわけではないが、生きていくための手段と称して、万引きをはじめ、さまざまな悪事に手を出す。
そんな生活に自問自答する者もいれば、何も感じずその日暮らしを続けるものもいる。
経緯はどうあれ社会の底辺から抜け出すことはそんなに簡単ではない。
そういう現実をリアルに連想できるような人物設定や描写が秀逸だった。
■しいていうなら…
あくまで個人的な好みではあるが、古くさい演出、説明的すぎるセリフが多めだったような気がする。
そこまで丁寧に描かなくとも。
観衆をもっと信じる勇気があってもよいのかと。
タイトルがミスリード
「そして父になる」「誰も知らない」とも評価ほど面白いと思わなかった。問題提起とは思うけど。これも同じ路線なんだけど、今回は話の展開に惹きつけられた。原作は読んでないけど、同じ手法なのかな?
まず、タイトル及び初頭の展開からこの家族は万引きをして生活をしているのか視聴者に思わせる。だが、見ているうちに家族の関係が見かけ通りではないことに気づき、そこからホロっとさせる展開になる。この演出(というのかな?)がうまい。普通にこの疑似家族の出会いから始まるところが映画が始まったのならこれほど集中して観なかったのではないか。登場人物のセリフから違和感を覚え、注意しながら観ることでこの家族のつながりを考えながら観る映画となった。
秀逸はおばあさんの初枝が亡くなり、死体を埋めたことについて女性の取り調べ警官から「遺棄した」と言われ、信代が「捨てたんじゃんない、拾ったんだ」のシーン。一人暮らしの老人が人生の終末、たとえ疑似家族でも本当の家族のように暮らしたことを視聴者は知っており、それを知らない警察側からは単なる犯罪として見られることにいら立ちを覚える展開となっている。
ただ。父親の役割である治に対しては子育ての面では共感する一方、その日暮らしの生活を続けてきたことのつけとして万引きをしたり、路上あらしの行動にイライラしてきてしまう。この疑似家族の生活が続かないであろうことを予見させる伏線ともなっている。
おばあさんの初枝は人の痛みが分かる人として描かれている。亜紀の気持ちに気づいて声をかけたり、新入りの「ゆり」にけがの手当てをして虐待の後に気づいて優しく面倒を見たり。こういうケアをしてもらうことで人は他人に対する思いやりを持っていくのだという描写が何回かこの映画ではある(自分を殴ったげんこつのうっ血のあとを見つけた亜紀がお客さんをハグする、信代のアイロンのやけどの跡をなでさする「ゆり」)。自分の居場所がない人たちが集まり疑似家族となっているわけだけど、血のつながった家族よりお互いを思いやっているのでは、と思わせるシーン。そういうところが響く人と、そうでない人が評価の分かれ目になっているのかも。自分が居場所がない、と感じたことがある人には刺さる映画だと思う。
Wikipediaでは脚本段階では子どもに「お父さん」「お母さん」と呼んでほしい、という主人公の思いに重点がおかれていたというが、ならば終盤祥太がけがをしたあと慌てて逃げようとしたことについての整合性がつかない。こどもと自分のどちらに重点をおいたのか。答えはラストバスの中で少年が振り向かなかったことに表れている。少年はちゃんと「お父さん」と呼びたかったけどね。
また、ラストについていろいろ言われているけど、ハリウッド映画を見慣れてしまうとハッピーエンドやちゃんとした説明をもとめてしまう。ヨーロッパ映画やアジアの映画だと、「これで終わり?」てな展開が結構ある。監督の投げかけ、あとは自分で考えて、ということなんだろう。もやもやするけど、これが監督の意図するところでもある。すっきり終わってしまったら観た映画のことすぐ忘れてしまうものだから。
想像以上に良かった‼️
なんとも言えないが、記憶から離れない
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