万引き家族のレビュー・感想・評価
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これはひどい・・・・
なぜこんなに話題になったかが理解できなかった。
まずどんな環境であれ犯罪集団に全く感情移入できず、被害者が気の毒で仕方ない。
最後の30分ぐらいで子供がきっかけで警察沙汰になったときは爽快だった。
自分の子供には絶対に貧しい生活を送らせてはいけないということを痛感しただけでも、
見る価値があったから星一つ。
是枝監督の技量
カンヌ国際映画祭パルムドール賞を受賞した2018年最高の話題作ですが、何とも後味の悪い映画でした。
『三度目の殺人』『海街diary』『そして父になる』『誰も知らない』等々、近年の映画祭、映画賞の実績からすれば是枝裕和監督は、日本映画界を代表する名匠といえるのでしょうが、本作を含めストーリーテリングの妙は大いに実感しつつも、僭越ながら私としては映像作家としては超一流だが、映画監督としては疑問を抱いています。
公開後かなりの時間を経ても、その世評は相変わらず高いのは周知の通りです。安藤サクラや樹木希林といった演技派の、説得力を持って観衆に訴える、淡白ながらも迫力あるナチュラルな演技、子役二人の自然な情感に満ちた演技、リリー・フランキーの猥雑さ、松岡茉優のナイーブで堂々たる品のなさ。彼らが有機的に融和して昇華し、現代日本社会の底辺に生きる生活実相を赤裸々に抉り出し世に訴える社会ドラマは、やはりセンセーショナルであり重厚です。一方で観衆を惹きつける筋立てと小気味よくテンポの良い場面展開によって時を忘れさせる編集の技巧は名人級だと思います。
抑々のテーマは悲惨であり暗鬱であるにも関わらず、不快な嫌悪感が残らないのは、犯罪を描く惨憺たるエピソードを滑稽でユーモラスな台詞・所作と描写に徹しているからであり、いわばシリアスな社会派の色彩を塗した吉本新喜劇という印象がします。
またラストの安藤サクラのアップでのロングショットは、是枝作品では珍しく、作者の主張を明確に言わせていて、私としてはやや違和感を抱いた次第です。
ただ社会の底辺で生きる人間の強かさ、逞しさを高らかに讃えるような作調にはなっておらず、終始醒めた視点で淡々と画を切り取り組立てられており、黒澤明監督の名作『どですかでん』のような人間賛歌への感動は持てません。
但し、観終えた後に何とも言えぬ鬱屈感が残ります。それは、己より下層の者が犯罪にすら手を染めて、日々の暮らしに必死に踠く様、その苦しむ様に対して、決して公言したくはありませんが、どうしても心の中で抱いてしまう優越感、侮蔑感です。嘲笑してしまう自分を決して否定出来ない、一種の自己嫌悪でもあります。
これが後味の悪さの根源でしょうか。
尚、是枝監督の私見としての評価ですが、“家族”の在り様、真の“家族”とは、を常に追求する姿勢は、映像作家としては非常に高く尊重します。
ただ、私としては、映画館で対価を払って観る「映画」作品には、満足感、幸福感、陶酔感、高揚感による快感や感動を与えてくれることを期待しています。日常の延長として家庭のリビングで心身弛緩してやや騒然とした中で観るのと、映画館の暗闇と沈黙の中、多少の緊張感と不安感に揺蕩いながら、非日常空間の極大画面で観るのとは本質的に作品の作り方が異なるはずです。
是枝監督のストーリテラーとしての水準は極めて高いと確信しますが、映画作品としては、全体的ダイナミズム、その展開する舞台、アピールするテーマ、映像の構成が小ぢんまりと収まってしまっている感が拭えません。
残念ながら、昨今の映画作品、特に邦画には、映画館で観る作品たり得ていないものがあまりに多いと感じており、大いなる不安と憂慮を抱いています。
【不寛容な思想が広がる現代日本でこの作品を世に送り出した是枝監督の映画人としての気概、姿勢を全面的に支持する】
現代日本が抱える様々な問題
・日雇い労働者の実態などで描かれる様々な経済格差
・ネグレクト、児童虐待
・家庭の崩壊
(今作では上辺では普通の家庭を装っているケースを描いている)
・年金詐欺
・・・を炙り出した作品。
記憶に残るシーンは数々あれど、
信代(安藤サクラ)が女刑事(池脇千鶴)に机越しに尋問される件で、涙を拭いながらも毅然と前を向く姿には、涙が滲んだ。
<本当にあの家族は全否定されなければいけないのか。あの家族を産み出してしまった背景を深く考えさせられた作品>
<2018年6月2日 劇場にて鑑賞>
<2018年6月16日 劇場にて再鑑賞>
どうしてもリリー・フランキーより池脇千鶴
安藤サクラ、リリー・フランキー、樹木希林、松岡茉優を他人は挙げるが、池脇千鶴の取り調べシーンが私は好きだ。訥々と攻め上げていく警察官池脇千鶴。好きです。安藤サクラの濡れ場よりもちぃちゃんの取り調べ。好き。いかん、取り乱した。
家族らしさ
万引きで繋がっていた、他人が集まった家族
でも血の繋がった家族よりも家族らしさがあった
父親役は、教えることは万引きしかないと言いつつ、
母親役も、精一杯愛を注ぎ、
その役割を果たそうとした
家族というものを見つめ直す機会となった
人たらしかニセ家族か
登場人物のだれもがドメスティックな傷を抱えている。
しかしながら人の手を借りずには生きられない時、知らず知らず身についたものが、いや本能からか「人たらし」という人心掌握の方法だったとして、そもそもそれこそが愛情の本質だったのではと思い巡らせる。
家族における機能不全は愛情の有無ではなく、
一人では生きてゆけないことを受け入れるのか、吐き捨てるのかの違いだとするなら。
受け入れ、「人たらし」が互いに依存しながら暮らした「万引き家族」は、どれほど歪んでいようが真に家族として成立していた関係だったのではと振り返る。
同時に、その絆の濃さに、そうしなければ生きてゆけないのだという孤独を、打算を感じずにはおれず、始終殺伐さを感じ続けた作品だった。
家族のあり方、と語られていたがむしろ、親密な関係や親和性の必要、その健全についていろいろ考えさせられる作品と見る。
生々しい
以前にもこういうテーマの小説を読んだことがあるけど、他人同士が集まって暮らすとか。
父親役のリリーフランキーがクズ過ぎるなぁ。。
愛があればよいのかっていうものではない気がして、どうしても相いれない。感情的にNGだったな。もちろん血がつながっていても虐待される女児のことを考えたらこっちの方が幸せなのかもしれないけど、やっぱリリーのクズさ加減が台無しにしているようで、でも逆にそれが生々しいというか、映画の芯になっている気がしました。
万引きをする事で生きていく、、、
家族とは
血の繋がりが家族では無い。
本当の家族とは、、、
複雑な心情や環境を描いているんだけど
何か物足りないとゆうか
それを伝えるのに万引き題材にしてる所が
周りくどいとゆうか理解しがたい内容かなぁ。
子供が万引きをする理由や
生きるために名前を変え生活をする
など、世間から認められない行為をして
それでも心では繋がっている
だから家族だ!!
って事でしょうか?
もやもやが残る作品でした。
家族の愛情とはなんなのか
面白かった。誰も血が繋がっていない違和感が、最後にずっと感じていた違和感を線に繋いでくれる。祥太の成長物語。温かみを感じられない血の繋がりと、その血を乗り越えようと無理くり成り立たせようとして色々な問題孕みながら進む家族。ずる賢く見て見ぬ振りをする大人と、それに気がつきながら気がつかないふりを続け疑問を感じる子供。自分を置いて逃げようとしたことを告白を受け、施設に戻る祥太が最後に「お父ちゃん」と無言で呟くシーンには感謝があり、より深い成長と愛情があったことを表している良いシーンだった。
子供が家族だと思えるならそれは家族だ
血の繋がらない人達は家族になれるのだろうか。
万引き家族というタイトルからは全くイメージしなかった内容でした。父になりたい男、母になりたい女、家族を求めた人々を描いた傑作。
家族といえば血の繋がりを考えてしまうけど、本当にそうなのか。「そして父になる」ではまさにそのテーマだったのですが、父親視点が主でした。今回は子供から見た父親や母親という存在について描いていたと思います。リリーフランキーや安藤サクラの存在感が大きいですが、本来的な主人公は祥太だと思う。彼の視点からみた家族が、家族だったのかそうでなかったのか。それが映画では描かれている。
血が繋がっていないことが終盤にかけてわかってくるのがこの映画のミソでそれまで僕らは祥太は血の繋がった家族だなと思うのだけど実はそうではないとわかる。でも分かった後でも彼にとってこれはまぎれもない家族なのではとも思えるのだ。まさに、祥太の気持ちを理解できてくるような感覚に陥る。そこがこの映画のすごいところだ。
血の繋がった家族よりも、家族であろうとした他人の方が家族っぽく見える皮肉。これは僕らにも突きつけられた課題でもある。
この映画の一つの答えとして、子供が大人を親だと思うかどうか。これが家族か否かを決めていると思えた。
生々しさがすごい
安藤さくらは愛のむきだしのインパクトが強くて
忘れられない女優さん
彼女の素の感じの芝居に引っ張られてく
そして妙に社会の底辺感がリアルで
いつも暴力がつきまとう
後味も良くないけど
社会派ヒューマンという感じ
人には人の事情あり
大人には選択肢が沢山あるけど、
子供には無いんだなと改めて思った。
大人の大切さを感じた。
大切なのは血の繋がりではなく、
血の繋がりがあれば当たり前でしょ?
と思われてるけど案外崩壊してるもの。
望めば楽しく生きられる
世の中であってほしい。
"家族"ってなんだろう
今更ですが、amazon primeにあったので鑑賞しました。
普段邦画を観ることは少ないので、監督はおろか俳優さんの知識もとても疎いのですが、そういった先入観がないからこそ純粋に映画として見れた気がするのでレビューしてみます。
題名から「家族ぐるみで万引きする話なんかな…」と察していたので勿論気持ちのいい話ではないですね、鑑賞後のなんとも言えない胸くその悪さはありました。
家族ってなんだろう?家族の定義ってなんだろう?ずっと考えてました。道徳観とか、倫理観とか、そういうのを全て抜きにしたら家族=父と母がいて、その間に生まれた実の子供+虐待や極度の貧困もない愛に溢れた家庭を指すと思います。
しかしこの家族は血は繋がっていないし、子供に万引きをさせるような貧困状態にあります。ただノブヨの子供に対しての"愛"は凄かったと思いました。最後まで「お母さん」と呼ばれることは無かったけれど、私には信代は母に見えました。「産んでないから母親じゃない」と言われたシーンがありましたが、それは違います。実際に産んでもリンの母親のように虐待を繰り返す親もいて、産まずに養子であっても大切に育てる親もいて…。少なくとも、あなたにどうこう言われる筋はありませんって感じでした。
友達を家族だとする人もいるし、ペットを家族だとする人もいます。彼らは家族だったんでしょうか、それともただの目先の利益のための集合体に過ぎなかったんでしょうか。
それに対しての色々な人の意見が伺えてレビューを閲覧するのが楽しいです。
人のつながりに焦点を当てたすごい映画
家族全員が万引きで生計を立てている話かと思ったら違った
是枝監督の映像はどれも美しいが
今回は原作から書かれたそうで
脚本の才能も素晴らしいと思った
樹木希林さん、安藤サクラさんはもとより、すべての役者の方の演技が見事だった
ラスト、イヤホンをして鑑賞すると、かすかに足音が聞こえた気がした
未来が明るいといいです
つながりを求めた者達の果て
スクリーンで見れずにいた本作をアマゾンプライムビデオで鑑賞。これはスクリーンで観ておくべきだったと今更ながら後悔した。
古びた平屋で鍋をつつく家族の団欒。
血の繋がらない家族。
そこで交わされる言葉。
何気ない仕草。
これらの描写がなんとリアルな事か!
全く知らない他所の家に紛れたかのような、匂いさえ感じるほどの臨場感に驚かされる。
そのぼろ家で紡がれる群像劇の、なんと人間臭いこと。
なまじドキュメンタリータッチの作りなだけに、とても俳優が"演じた"キャラクターには見えない。
故に感情移入せずにはいられない。
貧困。
年金。
DV。
セックス。
核家族問題。
この国が抱えるあらゆる"闇"の要素がこの家に凝縮されていた。
エンタメとしてきっちり面白さが担保されたドラマながら、ベースにあるのは現実の社会問題。
これらが両立しているのは是枝監督の手腕ならではだろう。
あのどうしょうもなかったクライマックスを見てしまうと、それまで過ごした疑似家族の時間がいかに尊いものかが分かる。
社会的には正しくなかったとしても…
血縁者の家族でなかっとしても…
万引き家族には、昭和の大家族を思わせる温もりがあった。
それがたまらなく愛おしいのだ。
普通に興味深く観ていたが。。。
まず、非常に現実感溢れる映像と演技に心惹かれた。
特に安藤サクラ、リンちゃん役の子、リリーが素晴らしい。
しかし、後半になり一つの疑問が生まれた。
リンちゃんは明らかに実の両親から虐待されており、それをリリーや安藤サクラも認識していた。
自分達が警察で事情聴取を受けた時、何故虐待の事を言わなかったのだろう。
いくらリンちゃんが実の両親の元に帰ると言っても、殺される程の事がない限り、子供は親を慕うものである。
また虐待が始まる懸念はリリーやサクラにはなかったのだろうか。
そして、サクラの言葉で私の気持ちはサーッと冷め、彼らの行動に納得した。
「私は盗ったのではなく拾ったのだ」
そうか、車の中に放置されていた男の子も、寒空でお腹をすかせていたリンちゃんも、彼らは保護したのではなく、自分達が家族ゲームをしたいがために「拾った」だけなのか。。。
確かに愛情は注いでいた。
それは分かる。だが、やはり真実の愛ではなく、自己中心的な愛情であることを、子供の鋭い感性で、特に男の子は分かっていたのだろう。
リリーやサクラのことは好きだ。だが、悪い事を悪い事だと認識しない大人を「父ちゃん、母ちゃん」とはどうしても言えなかった男の子の賢さが救いだ。
サクラの泣きの演技と樹木希林の海辺の表情は圧巻である。
但し、このような自己中な大人の愛情には苦々しい思いしか残らない。
もしこの映画を観なかったとしても悔いはないだろう。
絆とは... 正しさとは....
見ていて本当にキツイの一言に尽きる
社会の負の部分を本作ではまじまじと見せつけられる。
しかしそれ故考えさせられることが多い
本編では貧困、偽装、虐待,,,,そんな事情を抱えた人たちが
家族のようにぼろ小屋に寄り添って過ごしています。
しかし、とあることがきっかけで最後家族は、収まるべきとこに収まっていきます。
社会的に見ればそれが正解なのですがそれが果たして100点なのか...本作ではそんな正しさについて投げかけています。
絆とは... 正しさとは.... 安藤サクラ さんの言葉を借りるなら...なんだろうね...
こういう問題だけをぶん投げてこちらに考えさせる映画は好きですねぇ。
答えをこちらに委ねる感じが。
見る人によってはとにかく刺さるそんな作品
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