響 HIBIKI

劇場公開日:

響 HIBIKI

解説

これが映画初出演となる「欅坂46」の平手友梨奈主演で、文芸の世界を舞台に15歳の天才女子高生小説家を主人公にした柳本光晴の人気漫画「響 小説家になる方法」を映画化。出版不況が叫ばれる文芸界。文芸雑誌「木蓮」編集部に一編の新人賞応募作が届く。応募要項を一切無視した作品のため、破棄されるはずだったその作品に編集者の花井ふみが目を留めたことから、状況は大きくは変わり始める。「お伽の庭」と題されたその小説は、15歳の女子高生・鮎喰響によって書かれたものだった。主人公の響役を平手、編集者の花井役を北川景子、響が所属する文芸部の部長で、響の圧倒的な才能との差に苦しむ女子高生・祖父江凛夏役を、8年ぶりの実写映画出演となる「パコと魔法の絵本」のアヤカ・ウィルソンがそれぞれ演じる。そのほかの共演に高嶋政伸、柳楽優弥ら。監督は「となりの怪物くん」「センセイ君主」の月川翔。

2018年製作/104分/G/日本
配給:東宝
劇場公開日:2018年9月14日

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(C)2018 映画「響 HIBIKI」製作委員会 (C)柳本光晴/小学館

映画レビュー

4.0上田慎一郎やジェームズ・ガンを想わずにいられなかった

2018年11月28日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

興奮

知的

一見、全然関係ないんだけど『カメラを止めるな!』の大成功のことを考えずにいられなかった。カメ止めの上田慎一郎監督は昔はかなりヤンチャなことをしていた人だが、今ほどSNSが発達していなかった時代のことでもあり、ある意味武勇伝で済んでいる。もし過去の行為でいろいろ言われ、そういう人間を持ち上げるべきではないという空気が世の中にもっと蔓延していたら、あの映画の成功はなかったかもしれない。 あるいは『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』の監督を降板させられてジェームズ・ガン監督のことを思い浮かべる人もいるかもしれない。 才能を持つ人間はしばしばネジが飛んでいることがある。そういう人間を受け止める度量が社会にあるかどうかは、実は豊かで多様な文化を育むためには大事なことではないか。この映画はそういう問いを投げかけているように思う。響もまた、やっかいな性格をしている。しかし才能は本物である。現代社会は彼女ような人間を受け入れる余裕を持っているだろうか。

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杉本穂高

5.0無敵の純粋さが響き渡る

2024年12月4日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

何て心に響く作品だろう。 彼女はある意味スーパーマンであり、孔子でもある。 最近はみんな漫画を実写化するのが鉄板となっているのだろうか? 漫画の世界観こそ面白さの原点になったようだ。 また、原作から抜き取った脚本とその表現方法は見事だった。 2018年 この時期はまだアイドルとか人気俳優を揃えなければならないという概念が残っていたのだろう。 しかし配役はどれも見事だった。 行き過ぎた不必要さもなかった。 君膵の監督だと知り、なるほどと思った。 君膵の原作と映画の違いの様なものはきっとこの作品でも表現されているのだろう。 主人公鮎喰響 このアクイという発音は、悪意とも取れるし悪を喰うとも取れる。 しかし彼女と善悪という概念は一致しない。 むしろ彼女が気に食わないことが悪、世間に蔓延る一般常識なのかもしれない。 無敵の純粋 これが彼女から受けた感覚だ。 面白いのが彼女のフィジカルパワー そして不屈の信念 15歳の目に映る大人社会の在り方に対する是非 真実を曲げることなく、嘘偽りを良しとしない。 体裁を繕うことはないし、信念ために遣う暴力を躊躇わない。 この部分は伊集院静さん本人と同じだ。 物語の設定も面白い。 芥川賞や直木賞 それに向けて書く人々 「他人が面白いと思った小説に、作者の分際でケチ付けてんの?」 彼女は何故踏切の中から動かなかったのだろう? 「私は死なないよ」 死にたい人間に対し、本気をぶつけて見せた行為 鋼の体ではないが、鋼の心であるのは間違いない。 いい加減な人間に対する制裁 その責任は自分で取る。 100万部の印税は山本の目覚めのために使われた。 田中も「心が震えた」 みな彼女の生きざまに惚れこむのだろう。 内容はすべて彼女を引き立たせるためだけにある。 だから彼女は決してピンチに陥らない。 この痛快さも見事だった。

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R41

4.5天才

2024年12月1日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

笑える

楽しい

萌える

やっぱり突き抜けた天才の話が好き。 独特の価値観、振る舞いにワクワクした

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とたすけ

5.0平手友梨奈だからこその最高傑作

2024年10月6日
PCから投稿
鑑賞方法:その他

楽しい

興奮

知的

これは、すべてのキャストがドンピシャハマっている近年の最高傑作。 孤高の天才を描き、自分の信念のままに生きることの尊さを伝えてくれる。同調圧力に屈して日和見的な生き方に終始しがちな日本人に「人生をどう生きるか」を投げかけてくれる。 作品そのものに登場する「どうせウケ狙いだろ」という台詞を、この映画そのものが、そのまま覆すこととなっている。暴力は良くない。しかし、本来は「許せない所業」について、ただただ沈黙して、耐えている今の日本人を鼓舞させてくれる。 平手友梨奈が欅坂46で務めたセンターもまた同じである。不当な力や権力、ただ僻みや妬みだけから発せられる言葉の暴力についても、一石を投じてくれる。 何度見てもいろんな角度から納得させられる。言い回し、表情、効果などなど。これがそこまで爆発的に売れなかったのは、いまの日本人の「弱さ」を象徴しているとも思う。 繰り返しみても全く飽きのこない傑作中の傑作になった。私にとって。

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なる