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常にいくつもの脳内現実を持ち歩いて日々何とか生きている身としてはとても面白く観れたんだけど、最終的になぜか悲しくてたまらなくなってしまった。
デジャヴやループ、新惑星、異常気象などのSF感を主人公達の日常レベルでしか感じられないのが良かった。
日常が少しずつ侵食されていくのってリアルにこんな感じなんだろうなーと思えて。
色々起こることを新惑星エマノンの影響のように考えていたようだけど、実際その惑星が本当に存在しているかどうかはかなり怪しい。
終盤でいきなり消滅してしまうし、その真偽は案外重要じゃなくて、世界的な発見であり大きな影響を及ぼす象徴として必要だったのかな。
ドッペルゲンガーとデジャヴの設定が面白かった。
3人いる内のメインのミカが、一つ前の自分が作った脳内世界の人物で、さらに彼女が作った脳内世界の人物に挟まれている構造が面白い。
一つの妄想から生まれた別の自分が、ここまで単独の人格として成り立ち、周りの世界も発展できてるのがすごいなと。
私も妄想癖が強いけど、それぞれ全て私であるという捉え方だったので違う視点の考え方を知ることができて良かった。
今いる私も誰かの脳内世界の中にいるのかもしれないけど、それはそれで別に良いかと色々ぐるぐる考えて楽しい。観てから二日経っているけど結構大きな影響を受けた気がする。
テルの大変身は全く意味がわからなかったし急にコント感が出てきて笑えてしまった。
愛しすぎて怖いから離れることを選ぶ、というのもよくわからない。
好き同士なら一緒にいたらいいじゃない、と不粋に考えてしまうのは私がそこまでちゃんと人を愛したことが無いからなのか、壁の向こうに行けてないからなのか笑
ループから、今の自分から抜け出すための手段が意外と安易だったのに拍子抜けし、旅先でのミカがオシャレ旅番組の若手モデルみたいな反応と言動をするので一々わざとらしく思えてしまったのも残念。
全体的に彼女のミューズ的な扱われ方が苦手だった。
世界と自己に対する捉え方が好きで、新たな価値観をもらえた気がして良かった。
音楽がかなり良い。バンドサウンドは好みじゃないけど、3人のミカがライブハウスで対面した時の音楽が特に好きだった。
サントラ作成を検討中らしいので楽しみ。