ウィンストン・チャーチル ヒトラーから世界を救った男のレビュー・感想・評価
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W.チャーチル、最初の4週間
若い頃、シド・ヴィシャスを演じたゲイリー・オールドマンが、ロックと対照的な立場にいる英国の人物をもう一人演じて成功をおさめたことをこの映画をみて確認する。そのことがひとつの奇跡だ。
原題の、「最も暗い時間」とは、朝がくる前の数時間だろう。冬ならば、気温は一日のうちで最も低く、そして草木も眠る丑三つ刻。
この映画は、とても暗い。しかし、欧州最大のピンチに、希望を捨てなかったのがこの太った老政治家だ。
彼は、酒を好み、葉巻を吸い、家をあまり省りみない仕事人間。一見、悪の親玉の様な風貌。自分の党からさえ嫌われており、国王からも恐れられていた。
しかし、彼の長年付き添ってきた妻と子供たちは、その首相就任を心から祝った。チャーミングな部分もあることを家族だけは知っている。
ひとりの新人タイピストが、就任から最初の4週間、一国の首相と行動を共にする。
ドイツやイタリアとの戦争が始まっている。すぐ隣のフランスやベルギーが危機に陥っている。イギリスの首相として最初にして最大の任務は、この戦争を終わらせること。憎むべきヒトラーが指揮するナチスドイツ。友人アメリカはこの時点では助けてくれない。ルーズベルトとの電話会談は、どこまで創作なのかわからないが、友に見捨てられた気分だったろう。一国で戦うべきか、不利な条件でも講和に持って行くか。党はドイツとの講和に傾いている。しかし、国民や国王はどんな気持ちなのだろう。
この作品は、特殊メイクアップが最大限にフィーチャーされているけれども、勿論それは、すごいけれども、着目すべきは、この時代のイギリスや欧州の様子を的確に描いているところのような気がする。戦後72年。戦前のイギリスの様子。
チャーチルが就任した背景として、欧州を威嚇するヒトラーの存在と老人・病人たちが牛耳る議会運営の難しさがあるように描かれている。かなりデフォルメされてはいるけれどもこれに近い状態の組織というのはあり得る。
国王がチャーチル家を訪ねるところや地下鉄のエピソードは出来過ぎのような気もするが、脚本としては面白い。
ただ言えるのは、この映画だけを見ても、ナチスや、ダンケルクの戦いのことは、当時の大多数の人々の如く観客の我々もほとんどなにも知ることはできない。そういうつくりになっている。タイピストが狭くて暗い本部内を案内されるように、我々もこの映画で、歴史のほんの一部だけをうかがい知ることができる。ほんの一部だけだ。
それでも、その一部だけから当時の英国人気質をうかがい知ることはできる。CG全盛期の現在、特殊メイクでW.チャーチルとその時代の忠実な再現に挑んだゲイリーオールドマンと製作陣からとても勇気をもらいました。
チャーチルのダンケルクへの対応やドイツへの脅威に対しての歴史的葛藤...
もうすばらしい!! 感動して涙が出そうになりました! この時代にこ...
♪だれかのルールはいらない~、だれかのモラルはいらない~、学校も塾もいらない~、真実を握りしめたい~♪
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ペンタゴン・ペーパーズが民主主義や自由主義の良い面を描いた作品とするならば、
本作は民主主義の暗黒面、ダークサイドも同時に描いています。
未来は僕らの手の中?
ヒトラーから世界を救った男?
原題は『DARKEST HOUR』
ゲイリーオールドマンのつぶらな瞳力
特殊メイクはもちろんすごいのですが、それでもあのゲイリーオールドマンの瞳の力というか、可愛いさが溢れんばかりに出ていて萌え死にました。チャーチル首相をものすごくチャーミングに演じています。
ピースサインのくだりや、食事のくだり(基本的に人が喋ってる時もひたすらモグモグ食べてる"笑)、ピンクのパジャマは確信犯的なあざとさでしょう。
作品としてもタイトルの「DARKEST HOUR」というイギリスが敗北・侵略の恐怖にのまれかけた期間を、首相に就任したチャーチルの三つの大きな演説が徐々に打ち砕き、光をもたらすという話だ。
「27日間」という期間に絞ったのも良かった。
打倒ナチスではなく、政界の"ドン"ライバルに認められるということをクライマックスに設定していたため、ラストは少し物足りなく感じるかもしれない。
イギリスの議会風景は何度か見たことがあるがあんなに狭い中でおじさんがパンパンに敷き詰められてやってるとは思わなかったし、議会のドンというおじさんもやはりどの国にもいて、その人の合図次第で議会の内容が決まってしまうところも描かれていて面白かった。
ゲイリーどこにいるの、、
まったく予備知識なく、「賞とったから」見に行った不届き者です(笑)
ゲイリー・オールドマンは割とよく見る俳優さんで、ファンとまではいかないまでも、なじみがある俳優さんですが、、、
お目目くらいですかね?すごいなメイク!
描いているポイントもわりと細かい!
ジジイのウザい仕草や生理的にイヤーっていうポイントおさえてきてる、、、なんかすごい、、、ウザいけどすごい、、(笑)
と思いながら見てたけど途中5分ほど意識飛んでました、すみません!(映画館って暗いから、、)
えーっと、タバコプカプカうわーそんなマナーやったん?ほんまイヤーとか思いながら(気が散る)見てましたが、なかなかいい感じで感情移入できたし映画としても楽しめました!
顔をかなりガン見してましたが、どこからがMASKで(メイク)、どこからがゲイリー・オールドマンの肌なのかがわからない!ってくらい特殊メイクがすごかった。すごいナチュラル!
キモイジジイぶりがよく描けていました(でもかわいいの)
上映館が少ない、映画館経営者は反省しなさい。
好きな人にはいいかもしれません
注目すべきは特殊メイクとゲイリーの演技
見所はチャーチル演じるゲイリー・オールドマンの
オスカー受賞に至った力強い演技力と
ふくよかな体型を表現した辻一弘氏の特殊メイク。
第2次大戦初期、ドイツ軍の侵攻迫る中
フランスが陥落しようとする。
英国軍を救うべく救出作戦(ダイナモ作戦・ダンケルク)を
実行しようとするチャーチル首相。
政界内ではチャーチルを引きずり降ろそうとする官僚が
イタリアを通じドイツとの和平の道を探る。
チャーチルが新首相となりダンケルク作戦に
至るまでの約一月のみに絞った内容。
今作は政界・作戦本部がメイン。
ノーラン監督の「ダンケルク」のまさに裏の部分。
対で見るとよりその頃の戦争状況を垣間見れます。
のちに良き友人となった王室ジョージ6世は
「英国王のスピーチ」で人前で喋ると
どもってしまうという症候群を持っていたあの人。
家族、民衆と接する彼は非常にユニーク。
英国で最も嫌われていた人物がのちにカリスマある
リーダーとなっていくという点も面白い。
チャーチルの特殊メイクを見るとCGではない生物感が見事。
贅肉のプルプル感というかそこも注目です。
「猿の惑星」を見て感銘を受けた辻一弘氏が
数年の時を経てハリウッドでトップの技術を
持ったことに拍手を送りたい。
原題はチャーチルの名前は全くなく
「Darkest Hour」
直訳:最も暗い時
過去の名作「史上最大の作戦」(ノルマンディー上陸作戦を描く)
原題「The Longest Day」直訳:最も長い日
上記の作品に尊敬の念を送ったタイトルだったのでしょうか。
言葉を制する者、国を制する
ジョー・ライト監督は、文芸作品であっても「プライドと偏見」と「アンナ・カレーニナ」では、異なる手法で撮影したり、個人的には好きな監督。
今回も今までの作風とは、やはり異なり、実在の人物に焦点を当て、戦時下という事からか全体的に映像が暗めで、よりチャーチルの苦悩が引き立つ。
ゲイリー扮するチャーチルが窓明りに照らされ、アップになっても全く違和感がない肌質は、本当に素晴らしく、眼差しで「あぁ、やっぱりゲイリーなんだな」と気付かされる。特殊メイクアップの辻一弘さんの名前がエンドロールで大きく出た時には、思わず込み上げるものがあります。
辻さんのシルエット作りも完璧ですが、ゲイリー・オールドマンの身体の動かし方、声の出し方、セリフの言い回しも流石で、どんどん引き込まれていきます。
ヒトラーも演説の上手さで有名でしたが、チャーチルが市民の声を直に聞き、外部大臣達へやナチスと和解しようと傾く議会で、それを覆す演説は、観ているこちらも鷲掴みにされます。
リーダーは、人の心をいかに掴めるかで、大きく国の方向性をも変えてしまうものなのだと、ヒトラーとチャーチルという反する2人からも学べます。
「ダンケルク」、「英国王のスピーチ」も併せて見直すと、あの時代、それぞれの立場でそれぞれが戦っていたのが分かりますね。
ダンケルクと併せて観たい
悪魔の舌をもつ二人
ダンケルク
もはやゲイリー・オールドマンの独壇場
奇しくも同年公開の「ダンケルク」と表裏をなすようなストーリーが描かれたこの映画。イギリスの歴史の中でもかなり危機的状況にある中で首相に指名されてしまったウィンストン・チャーチル。ナチス・ドイツが勢力を増す中、イギリスという国家の立場としてヒトラーに屈してしまうのか、決断を迫られていくという筋書き。追い詰められ葛藤し、イギリスの歴史ひいてはヨーロッパの歴史が変わる!という高揚感・・・よりも目立つのはやっぱりウィンストン・チャーチルという人の個性とそれを演じたゲイリー・オールドマンになってしまうというのは、物語としてはやや頼りないような気も。
ゲイリー・オールドマンがどんな顔でどんな声だったか、思い出せないくらいの演技とメイクアップには絶賛を禁じ得ないし、オールドマンが放つセリフ回しと存在感。それがチャーチル本人とどんどん重なっていく面白さそして迫力には大満足である。そしてそこに描かれるチャーチルという人間の愉快さ痛快さそしてその葛藤から生まれる狂気のようなものも含め、「人間」を楽しむには十分な映画だと思った一方で、「歴史」を実感する意味では力が弱かったような印象が残った。
にしてももはやこの映画はゲイリー・オールドマン・ショー!全シーンにおいてチャーチルが乗り移ったかのようにオールドマンのパフォーマンスが冴えわたる。奇人変人泣き笑いユーモアとチャーミングさ・・・すべてをチャーチルの肉体と特殊メイクを飛び越えて表現させる演技に一切の不服はなかった。
見ごたえありました。
高校生の娘とチャーチル見てきました。
チャーチルの私生活での人間性と
首相としての葛藤を一か月という期間の中で
良く描くことが出来ていると思います。
陸軍の兵を助けるために犠牲にしなければならなかったもの。迫り来るナチス軍に対して戦うのかまたは
不本意でも和平交渉をするのかの難しい決断。
一緒に見た娘も飽きることなく夢中で見てしまった様です。
娘の感想は日本人はイギリスの市民みたいに戦かうという選択が出来るかな?国のリーダーとはなど見終わった後いろいろ感じたり考えさせられることが多かったと話していました。
若い方達にも国のリーダーや独裁者など今の世界にも共通する話だと思いますので前後の歴史を思い出しながら見て欲しい作品です。
チャーチルの難しい性格をゲイリー・オールドマンが
見事に演じきっています。
メイクは違和感も全くなく本当に素晴らしい。
すごい技術だと思います。
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