日日是好日

ALLTIME BEST

劇場公開日:2018年10月13日

日日是好日

解説・あらすじ

エッセイスト森下典子が約25年にわたり通った茶道教室での日々をつづり人気を集めたエッセイ「日日是好日 『お茶』が教えてくれた15のしあわせ」を、黒木華主演、樹木希林、多部未華子の共演で映画化。「本当にやりたいこと」を見つけられず大学生活を送っていた20歳の典子は、タダモノではないと噂の「武田のおばさん」が茶道教室の先生であることを聞かされる。母からお茶を習うことを勧められた典子は気のない返事をしていたが、お茶を習うことに乗り気になったいとこの美智子に誘われるがまま、流されるように茶道教室に通い出す。見たことも聞いたこともない「決まりごと」だらけのお茶の世界に触れた典子は、それから20数年にわたり武田先生の下に通うこととなり、就職、失恋、大切な人の死などを経験し、お茶や人生における大事なことに気がついていく。主人公の典子役を黒木、いとこの美智子役を多部がそれぞれ演じ、本作公開前の2018年9月に他界した樹木が武田先生役を演じた。監督は「さよなら渓谷」「まほろ駅前多田便利軒」などの大森立嗣。

2018年製作/100分/G/日本
配給:東京テアトル、ヨアケ
劇場公開日:2018年10月13日

スタッフ・キャスト

全てのスタッフ・キャストを見る

受賞歴

第42回 日本アカデミー賞(2019年)

ノミネート

最優秀主演女優賞 黒木華
最優秀助演女優賞 樹木希林
詳細情報を表示

インタビュー

関連ニュース

関連ニュースをもっと読む

フォトギャラリー

  • 画像1
  • 画像2
  • 画像3
  • 画像4
  • 画像5
  • 画像6
  • 画像7
  • 画像8
  • 画像9
  • 画像10
  • 画像11
  • 画像12
  • 画像13
  • 画像14
  • 画像15
  • 画像16
  • 画像17
  • 画像18

(C)2018「日日是好日」製作委員会

映画レビュー

3.5 雨の日は雨を聴く。雪の日は雪を見る。夏には夏の暑さを。冬は身の切れるような寒さを。

2021年10月15日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

「先生の所作はどこかに丸みがあった。山の湧き水のように、すーっと体に染み込んでいく。心地よく、頭の中がさっぱりした。」
「リスみたいに軽くてあたたかい。」
「文字を頭で読まないで、絵のように眺めればいいんだ、、。すごい。掛け軸って!」
「今日は暑いから、つくばいの水を少し多めにしましたよ。」
「ある日、かすかな音の違いに気づいた。お湯の音。水の音、、、。」
「雨の日は雨を聴く。五感を使って全身でその瞬間を味わう。雪の日は雪を見て。夏には夏の暑さを。冬は身の切れるような寒さを。 そういうことだったのか。」

お茶の世界の真髄が一瞬みえたような気がした。この世界をぜひ自分も味わいたいと思った。
(掛け軸の面白さも!)

「世の中にはすぐ解るものと、すぐ解らないものの2種類がある。すぐに解らないものは長い時間をかけて少しづつ解ってくる。」
これほんと、年齢を重ねてくるとよくわかるわ。

典子が自分の居場所がないと落ち込んでいるとき、武田先生はいろんなものを使って励ましてくれていた。
・庭の万作の木 「1年のうちに一番寒いときに咲く花もあるのねえ。」
・掛け軸 「今日は節分だし明日は立春でしょ。これから春に向かうのよ。」
・お菓子 「銘は下萌え。冬枯れの地面からこう草が芽吹く様子を表現してるの。」
で、ぽつっと。 「いつ辞めてもいいじゃない。ただ美味しいお茶を飲みにくればいいじゃないの。」
やさしい。。

※ちょっと違和感あったところも。
・亡くなったお父さんを想って浜辺で「ありがとうございます。」と叫ぶところ。
・最後の方の細胞?の描写

コメントする (0件)
共感した! 9件)
momokichi

4.0 樹木希林から黒木華へ日本的美意識の継承

2018年9月27日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

楽しい

幸せ

多くの映画ファンにとって心の母、心の祖母であった樹木希林。昭和顔で親しまれ高い演技力が内外で評価される黒木華。この二人が茶道を介して対峙する。なんとも贅沢な企画ではないか。茶道の先生から決まりごとと所作を教わる長い年月の中で主人公が人生の大切なことを学ぶという物語だが、撮影現場での演技のやり取りを通じて、樹木から黒木へ、女優としての矜持、いち人間としてのあり方が伝授されたようにも見えた。それはきっと、茶道の根本にある日本的な美意識とも相通じるものだ。

大森立嗣監督は、過去作と照らして考えると、初めて「美」に真正面から取り組んだように感じた。俳優たちの所作はもちろん、茶の道具、和菓子、和服、庭の自然などをとらえた映像もみずみずしく、ため息が出るほど美しい。大森監督の新境地であり、将来のスケールの大きな傑作につながるステップとしても位置付けられそうだ。

コメントする (0件)
共感した! 45件)
高森郁哉

3.5 画面一杯を使って、科白なしで表現に昇華させ、作品として成立させられる俳優はそうはいない

2025年11月16日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

楽しい

知的

癒される

真面目で、理屈っぽくて、おっちょこちょい。そんな典子(黒木華)は、いとこの美智子(多部未華子)とともに「タダモノじ ゃない」と噂の武田先生(樹木希林)のもとで“お茶”を習う事になった。細い路地の先にある瓦屋根の一軒家。武田先生は挨 拶も程々に稽古をはじめるが、意味も理由もわからない所作にただ戸惑うふたり。「お茶はまず『形』から。先に『形』を作っ ておいて、後から『心』が入るものなの。」と武田先生は言うが――。青春の機敏、就職の挫折、そして大切な人との別れ。人 生の居場所が見つからない典子だが、毎週お茶に通い続けることで、何かが変わっていった……(Amazon Primeより)。

茶道、華道、書道を伝統芸能の「三道」というが、これ以外にも剣道、柔道、弓道、合気道などの武道も含め、とにかく日本人は「道」が好きなわけだが、いずれの「道」には事細かな「型」がある。型はある意味で不変である。その型通りに事が進まないのは、実存であるわたしや環境、あるいは道具に何かしらの不具合が生じている可能性が高い。逆に言うと、わたしたちは不変な型と対照しないと、生来、変化に気づきにくい気質なのかもしれない。風を感じ、雨の音を聞き、水の滴りの気づくことができるのは、不変であり、常に立ち戻ることができる型があってこそである。武田先生が言う「後から心が入る」ことの本質はそこにあるし、道とは、この型を継承していくための文化的形態である。

それにしても樹木希林の佇まい、所作の美しさは凄まじい。画面一杯を使って、科白なしで表現に昇華させ、作品として成立させられる俳優はそうはいない。黒木華の普通の女性像も良かった。10歳の子にフェデリコ・フェリーニ「道」を、しかもたぶん劇場で、ということはつまり、名画座で見せる親は存在するだろうか、とはちょっと思った。

コメントする (0件)
共感した! 0件)
えすけん

5.0 良作で名作

2025年10月27日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

幸せ

観てから8年経ちましたが
印象は濃く残っている。

人生とはを静かに見直す機会になるかと。

コメントする (0件)
共感した! 0件)
新米エヴァンゲリスト