日日是好日

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劇場公開日:

日日是好日

解説・あらすじ

エッセイスト森下典子が約25年にわたり通った茶道教室での日々をつづり人気を集めたエッセイ「日日是好日 『お茶』が教えてくれた15のしあわせ」を、黒木華主演、樹木希林、多部未華子の共演で映画化。「本当にやりたいこと」を見つけられず大学生活を送っていた20歳の典子は、タダモノではないと噂の「武田のおばさん」が茶道教室の先生であることを聞かされる。母からお茶を習うことを勧められた典子は気のない返事をしていたが、お茶を習うことに乗り気になったいとこの美智子に誘われるがまま、流されるように茶道教室に通い出す。見たことも聞いたこともない「決まりごと」だらけのお茶の世界に触れた典子は、それから20数年にわたり武田先生の下に通うこととなり、就職、失恋、大切な人の死などを経験し、お茶や人生における大事なことに気がついていく。主人公の典子役を黒木、いとこの美智子役を多部がそれぞれ演じ、本作公開前の2018年9月に他界した樹木が武田先生役を演じた。監督は「さよなら渓谷」「まほろ駅前多田便利軒」などの大森立嗣。

2018年製作/100分/G/日本
配給:東京テアトル、ヨアケ
劇場公開日:2018年10月13日

スタッフ・キャスト

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受賞歴

第42回 日本アカデミー賞(2019年)

ノミネート

最優秀主演女優賞 黒木華
最優秀助演女優賞 樹木希林
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(C)2018「日日是好日」製作委員会

映画レビュー

3.5雨の日は雨を聴く。雪の日は雪を見る。夏には夏の暑さを。冬は身の切れるような寒さを。

2021年10月15日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

「先生の所作はどこかに丸みがあった。山の湧き水のように、すーっと体に染み込んでいく。心地よく、頭の中がさっぱりした。」
「リスみたいに軽くてあたたかい。」
「文字を頭で読まないで、絵のように眺めればいいんだ、、。すごい。掛け軸って!」
「今日は暑いから、つくばいの水を少し多めにしましたよ。」
「ある日、かすかな音の違いに気づいた。お湯の音。水の音、、、。」
「雨の日は雨を聴く。五感を使って全身でその瞬間を味わう。雪の日は雪を見て。夏には夏の暑さを。冬は身の切れるような寒さを。 そういうことだったのか。」

お茶の世界の真髄が一瞬みえたような気がした。この世界をぜひ自分も味わいたいと思った。
(掛け軸の面白さも!)

「世の中にはすぐ解るものと、すぐ解らないものの2種類がある。すぐに解らないものは長い時間をかけて少しづつ解ってくる。」
これほんと、年齢を重ねてくるとよくわかるわ。

典子が自分の居場所がないと落ち込んでいるとき、武田先生はいろんなものを使って励ましてくれていた。
・庭の万作の木 「1年のうちに一番寒いときに咲く花もあるのねえ。」
・掛け軸 「今日は節分だし明日は立春でしょ。これから春に向かうのよ。」
・お菓子 「銘は下萌え。冬枯れの地面からこう草が芽吹く様子を表現してるの。」
で、ぽつっと。 「いつ辞めてもいいじゃない。ただ美味しいお茶を飲みにくればいいじゃないの。」
やさしい。。

※ちょっと違和感あったところも。
・亡くなったお父さんを想って浜辺で「ありがとうございます。」と叫ぶところ。
・最後の方の細胞?の描写

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momokichi

4.0樹木希林から黒木華へ日本的美意識の継承

2018年9月27日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

楽しい

幸せ

多くの映画ファンにとって心の母、心の祖母であった樹木希林。昭和顔で親しまれ高い演技力が内外で評価される黒木華。この二人が茶道を介して対峙する。なんとも贅沢な企画ではないか。茶道の先生から決まりごとと所作を教わる長い年月の中で主人公が人生の大切なことを学ぶという物語だが、撮影現場での演技のやり取りを通じて、樹木から黒木へ、女優としての矜持、いち人間としてのあり方が伝授されたようにも見えた。それはきっと、茶道の根本にある日本的な美意識とも相通じるものだ。

大森立嗣監督は、過去作と照らして考えると、初めて「美」に真正面から取り組んだように感じた。俳優たちの所作はもちろん、茶の道具、和菓子、和服、庭の自然などをとらえた映像もみずみずしく、ため息が出るほど美しい。大森監督の新境地であり、将来のスケールの大きな傑作につながるステップとしても位置付けられそうだ。

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高森 郁哉

3.5風変わりな映画

2025年4月14日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

「日日是好日」というタイトルから「人生、山あり谷あり」の人間ドラマかと思っていたら、茶道のお習い事が中心
茶道の稽古を通して、季節の移ろいというより20数年にわたる長い年月を経て、その中で若い女性の人生を静かに描いている。

茶室以外での出来事は最小限しかなく、ドラマチックな展開も描かれないが、どこかほっこりできる映画。

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ビン棒

2.5習い事やルーティーン的な事が、全く合わない人も世の中には、いる。

2025年4月10日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

難しい

茶道とは、型にはまった、形式的な動作を繰り返し行うものだと思ってたけど、
実は違うんですよって話の映画だと思うのだが、
映画を見終わった後も、特にその考えがグラつかなかったのは、
私の人生経験が短く浅いからなのだろうか。

どうも、ルーティーンというのが苦手な私のような人は、
退屈な映画に感じて、仕方ないのではないだろうか。
たとえば、車通勤の私は、決まったルートで通勤できない。
6パターンぐらいあって、毎日違うコースの道を辿ってしまう。
そういう感じなもんだから、毎日心がざわついてるのかもしれないが、
形に従えば楽になるのだろうけれど、それは退屈だからやっぱり嫌なのだ。

オードリー若林が、ヒルナンデスのMC南原清隆から、
世阿弥の「風姿花伝」について話を聞いていた時に、
南原のライフワークでもある「狂言」を勧められ、
若林がその誘いを固辞し、逃げ回るエピソードトークを、ラジオでした事がある。
習い事や型にハメられる事を、極端に嫌う若林は、
他人から何かを教わるのが苦手な気質なのだ。

南原の教えに従い、狂言をやれば何か新たな発見を得られるのかもしれないが、
どちらかというと、私は若林側の人間で、
そういう習い事やルーティーン的な事が、どうしてもできないのだ。
だから、この映画を見ても、全く共感できなかったし、
窮屈そうで、見ていられなかった。

一方、主人公は、年を重ねるにつれ、何かを体得してたように見えたが、
それを見ているこちらは、訳が分からず、ちんぷんかんぷんで、
終始ポカーンとしていたのである。

おそらく、主人公のその先にあるのは、
「PERFECT DAYS」の役所広司のような、人生の悟りのようなものなのだろうが、
そういや、PERFECT DAYSもあまり好きな映画じゃなかったなと思い出して、
やはりこの手の、禅の精神みたいなものや茶道というものは、
私には一生しっくり来ない世界観なのだろうなと絶望してしまった。

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ソビエト蓮舫