目撃者 闇の中の瞳 : 特集
念願の超高級車が超激安で手に入った……が、《不可解》な事件が続出……
あなたはそれが“あの事故車”と知っても買いますか? いいんですか!?
「哭声」「チェイサー」「殺人の追憶」──サスペンス・スリラー次なる良質作
犯罪映画としては異例となるロングラン大ヒットを台湾で記録し、台湾のアカデミー賞こと「金馬奨」5部門ノミネートを果たした話題作「目撃者 闇の中の瞳」が、2018年1月13日に日本公開を迎える。スクープを連発する敏腕新聞記者が、過去に目撃した死亡事故を調べ直すうちに、やがてさまざまな思惑に取り込まれていく……。いま、恐るべきサスペンス・スリラーの見どころに迫る。
説明できますか? 理解できますか? それでも知りたいですか?
あなたの車が、過去に目撃した事故の「あの車」だったら……“こんなことが起きる”
中古車だけど、やっと手に入れた念願の高級車。見た目も新しいし、乗り心地もいい感じ。だが、不注意な車に当てられて大クラッシュ、修理に出したら仲の良い整備士から、「この車、元々事故車だな。タチの悪い業者に売り付けられちゃったなあ……」という驚がくの言葉が……。さらに、警察のコネを使って車体番号から記録を調べてみたら──この車、9年前に自分が目撃した大事故の「あの車」だと……?
もしあなたの愛車が、かつて目撃した死亡事故で大破していた車だったら、どんな気持ちに襲われるだろうか。本作は、そんな数奇なめぐり合わせに遭遇した新聞記者が、9年前の研修生時代に目撃した衝突死亡事故を探るうちに、不可解な出来事に巻き込まれていくさまを描くサスペンス・スリラー。なぜこんなことが起こるのか? 何か因縁があるのか? 「真実を知りたい」という思いが高まっていくとともに、「知らなかった方がよかったかもしれない」という恐れも湧き上がっていく。果たして、結末にはどんな「真実」が待っているのか?
どうして自分の車が? 中古で買った車が事故車だっただけでもショックなのに、よりによってなぜ自分が9年前に目撃した、死亡者を出したあの事故の車なのか。そして、当て逃げ犯はまだ捕まっていないはず……。
事故を目撃した際、今では敏腕記者の自分はまだ記者志望の研修生だった。側に止めた車の中で居眠りをしていたが「これはスクープだ!」と色めき立ち、写真も撮り原稿も書いたのに、なぜか記事にはならなかった……。
あの写真にはいったい何が映っていたのか? 今では使わなくなったカメラを取り出し、あの時撮影した写真をチェックしてみるが……おかしい、明らかに保存されている写真データの途中の何枚かが抜けている!
あの事故で当てられた車にはひと組の男女が乗っており、男性が死亡、女性は一命を取りとめていたはず。居所を突き止めると、「運転手はお酒を飲んでいたから……」と証言。だが……それは事実とは異なっていた。
警察で事故の記録を回してもらい、そして話を聞くために被害者女性の元へと足を運ぶ……だが、背後には怪しい車の影が。気のせいかもしれないが、こちらの動向を誰かがうかがっている気配がする。いったい誰なのか?
写真にかすかに映っていたナンバーから、衝突事故を起こしたまま逃げ去った車の所有者リストを手に入れた。これで犯人にまた一歩近づける……え? まさか? そこには自分を一人前の記者に育ててくれたあの人の名が!?
誰が、何のためにそんな恐ろしい暴挙に出たのか? 話を聞きに行った被害者女性から掛かってきた電話の最中、彼女が突然悲鳴を上げる。連れ去られた先、彼女を待つものとは?
周囲にあるものすべてが狂いはじめている。被害者女性の部屋を訪れたときから、身につけていた腕時計がなぜか進むことを止めた。これは何かの暗示なのか? そして、またある印象的な瞬間から動き始める……。
電話口での「助けて!」の呼び声に急いで被害者女性の部屋へ向かうが……もう誰もいなかった。だが、何者かが窓から外へと抜け出した! 慌てて追いかけるが、謎の人物が運転する車が逆に襲ってくる!
9年前の衝突死亡事故を中心に、あらゆる人々の思惑が絡み合っていく。本当のことを話しているのは誰なのか? いや、そもそも誰も本当のことなど話していないのか? 微妙にずれていく証言から、何が浮かび上がる?
「もう1回見せてくれ!」超ロングランの台湾アカデミー賞の大注目作
良質サスペンス&スリラーを求めている映画ファンの“次なる1本”
近年は韓国が注目を集める良質なサスペンスやスリラー映画だが、本作を生んだのは、人間ドラマや青春群像劇がヒットの定番だった台湾だ。このジャンルとしては異例となる大ヒットを記録し、台湾最大の映画賞でも多部門にノミネート。娯楽性と完成度の高さを兼ね備える、まさにサスペンス映画ファンにとって「見るべき1本」なのだ。
“台湾のアカデミー賞”と称される「金馬奨」には、「クー嶺街(クーリンチェ)少年殺人事件」や「グリーン・デスティニー」「黒衣の刺客」といった傑作群が輝いてきた。本作は主演男優賞、助演男優賞、視覚効果賞、編集賞、音響効果賞にノミネート。臨場感と俳優陣の熱演に高い評価が集まった。
この数年、ホラーやサスペンスなど「ジャンル映画」の快進撃が続いているのが台湾の映画市場。その先陣を切っているのが、本作の33歳の気鋭、チェン・ウェイハオ監督だ。主人公が謎めいた運命に取り込まれていく衝撃作。長編2作目にして、リピーターを続出させる大ヒットを記録しているのだ。
「哭声 コクソン」や「チェイサー」「殺人の追憶」など、緊迫感と残虐な描写が出色の韓国映画が人気を博しているが、そうした作品に強くひかれる観客なら、同じ東アジア映画である本作がかもし出す作品世界にもそそられるはずだ。驚がくの真相と、拉致女性をめぐる壮絶なシーンに驚くに違いない。
人気映画ライターよしひろまさみちも“この悪夢”に巻き込まれた!
“知らない方がいい真実”を見てしまった──だが映画好きには知らせたい!
「悪夢」的ともいえる緊張感と衝撃が描かれると聞きつけて、映画ライター・よしひろまさみち氏も本作を鑑賞。現在進行している物語と回想シーンが入り交じる巧妙な構成と、ちりばめられた伏線、そして行き着く「知らない方がいい真実」に対して、絶賛の声が送られた。