劇場公開日 2018年10月20日

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マイ・プレシャス・リスト : 映画評論・批評

2018年10月16日更新

2018年10月20日より新宿ピカデリーほかにてロードショー

IQ185の超天才、コミュ力はゼロ。でも憎めない “こじらせ&空回りヒロイン”

スウィート17モンスター」に「フランシス・ハ」、最近では「若い女」と“こじらせ&空回りヒロイン”ものには名作が多い。本作のヒロインも空回り系。でも、ちょっと新しいタイプだ。

主人公キャリーはIQ185の超天才。ハーバード大を飛び級で卒業したものの、周囲と話が合わず、コミュ力はゼロ。「知的水準を下げてまで、人と付き合いたくない」なんてズバッと斬ってちゃあ、そりゃ誰も付き合ってくれない。見かねたセラピストが彼女に「幸せになるためにするべきこと」のリストを渡す。ペットを飼う、友達を作る…6つの課題をクリアすべく、しぶしぶ行動を始めたキャリーだったが…?

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クレバーで弁が立ち、道徳心もある。極めて「まとも」な要素が、なぜかマイナスになってしまうヒロイン。頭のよさと、年相応な幼さが生むアンバランスに、クスクス笑いがもれる。演じるベル・パウリーの、微妙に老け顔なんだか、かわいいんだか判別しにくいルックスも役にいきている。

引きこもりだったキャリーが意を決して外に出てみると、実は世の中に、自分と同じような「ヘンな人」がけっこういるものだ――というあたりが、あったかくていい。それは「人と会わずにすむ」という理由で集う深夜バイトの仲間だったり、MIT卒の優柔不断すぎるイケメンだったり。そんな人々との関わりから、キャリーは自然と一歩、おとなの階段を登るのだ。

それにしても、キャリーに関わるイケメンたち――特にジェイソン・リッターウィリアム・モーズリーがよく似てるように見えるのは、リアリスティックの追究なのか、単に監督の好みなのか?(笑)

中村千晶

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