スリー・ビルボードのレビュー・感想・評価
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ある種の宗教映画?
タイトルなし(ネタバレ)
思ったよりよかった。腐りきった街、腐りきった警官。。もっと仕事しろよ!から始まり。。何だか共感できる人が出てこないぞ~。。上品のかけらもないバカ親バカ息子、ゲスな人。クレイジー過ぎる。性格も感情も読みにくいキャラクター達(^o^;)そんなに人って何かがあって変わるものなのか、後半は優しくなったりします。間違ってるかも知れませんが私が思うに自殺した所長も黒人の所長も逮捕できない犯人だと知っていたんじゃないかな。軍関係者だというヒントを与えバッジも付けず捜査しろと言ったのは。。。自分たちは逮捕できないって思ったから。。とか。。。妄想しすぎかな。。何せ終わりかたが。。えって
やっと見れた
何が正解なんだろう、、と終わったあとに考えた
人それぞれにストーリーがあり
何を行うことが正解なのか分からなかった
しかし、最終的には3つのビルボードを作ったことで物事が発展していった。子供をレイプで殺された母親の心境、ガンで死んでしまう前に自殺した署長の心境、大切な署長が死んだ部下の心境、とにかくたくさんの人の気持ちが入り混じっていて見てて何人もの人の心に移入しているような気持ちになった。あっという間に見終わってしまった。最優秀主演女優賞を獲得したのも納得の演技だった。ぜひ沢山の人に見てほしい。
自分のこともあなたのことも、まだまだ知らない。
スリービルボードにはやられたのです。はいはいこういう人ね、と思いながら見ていた先入観をぐわんとぶっ飛ばされ衝撃を受けました。
私はまだまだ無知。自分のことも、人のこともまだまだ知らない。そう思いました。
知っていたけど、人は一面ではなく、美しさ、脆さ、強さ、弱さ、醜さなどをまだらに抱える切ないいきものだ、ということを改めて突き付ける物語です。
ほとんど地獄であるこの世界から、生きていくために胸に留めておきたい希望ってやつを、あたしはスクリーンから見つけたいんだ、と改めて思いました。
被害者遺族の見せる傲慢。小者な刑事が人の優しさに震えて良いことをしようとする瞬間。部下思いで家族思いだけど彼が選択したのは自殺。
ミルドレッドにも、署長にも、ディクソンにも、わかるよという気持ちと、それはあかんのじゃない?と思う気持ちとがあって、総合すると愛おしくかんじる。
ディクソンはスリービルボードで出逢わなければ毛嫌いして終わりの人物だけど、こうやって描かれると、彼に寄り添いたい気持ちがする。脚本の妙なんだろうかね。
特に支配的なママとの関係辺りに。
成人男性が、力で絶対ねじ伏せられる(やったらあかんけど)老親のいいなりになってしまう程の虐待って、相当だと思う。対決したら勝てるのに、やろうとする地点に立てない程、自分を認められないディクソンが、家の外で悪態を吐く。これは必定。避けられない。
ディクソンが署長の手紙を読んでいるシーンと、入院先で自分が怪我させた広告社の彼(彼かわいい)にオレンジジュースをもらって、あってなったところが、忘れられない。
砂漠で見つけたオアシス?地獄に仏?そんなやつ。
ミルドレッドとディクソンが旅立つラストはきらめきを感じた。向かう先に何があろうとこの旅立ちをえらんだあなた方は多分何かに勝利した。
ミルドレッドのひとりになるとちょっと乙女な感じで、よかった。
皮肉と空回りの連続
娘をレイプされ殺された母親、人種差別する白人警官、ガンで余命少ないけど愛されてる警察署長。
19歳に鞍替えした元旦那、広告屋の兄ちゃん。
わかりやすく威嚇しにきた強面兄ちゃん。
どんどん話が進んで、色んな人が絡み合って空回って、放火したり、窓から突き落としたり、ハイテーブルを星一徹ばりにひっくり返ったり、わちゃわちゃしながら進行する。
署長の自殺も衝撃だったけど、広告費を払ったり、権力には逆らえなかったけど、続けることで何かが変わるんじゃないか、っていう希望なのかなとも思った。
署長の後任の黒人署長が、権威の言いなりでえーーーー?!って思ったけど、結局人間は肌の色や立場は何も関係ないのね、と思わされる作品だった。
最後、始末しに行こうと思ったけど殺すかどうかは追い追い考えよう、というラストに希望を感じた。
小男が、ゲームオブスローンズのティリオンで、ああ、ここでもお前はいいヤツだな、としみじみしたなぁ。
完璧な映画
遺書
犯人捕まったら、「犯人捕まったよ。ありがとう署長」とか広告だすのかな〜!?とか観賞後思いました。
金銭的にはワザワザそうするのは難しいでしょうけど。
暴力する心理を考察したくて作品を観たんですが、考察する為の内容はなかったような。
条件反射的に暴力する、それを抑止するのは署長の遺書だったりするわけで。
遺書では、警官を褒めてどう行動を改善していけば良いのか(確か)書かれていました。
「愛」が警官の反射的暴力性を変えた、みたいなところでしょうか。
怒りの捨て場所
ミズーリーの片田舎、妙にリアリティのある住人達が織りなすサスペンス風人間ドラマ。もっともらしい常識、権威に対する主人公の舌鋒が冴えわたる。映画としてよくできているのだがサスペンス手法で考え落ちは卑怯だと思うので辛目の評価。ミズーリーからアイダホまで2500Km、ちょっと出かける距離じゃないし、そこから先が見たいのね、一件落着してくれないと引きずるから・・・、そこが狙いか?
マニア受け
意表を突く傑作。
私なら作品賞と脚本賞に今作を選ぶだろうと思った。何しろ
インパクトといい物語の落としどころまで完璧に意表を突く。
こんな映画観たことないけど一生残りそうだと思わせてくる。
今作で「恥じ入る」ことの意味を体感した。あの看板のせい
で批判の目にさらされた所長だが死後の手紙で母親を褒める、
広告屋を傷めつけた警官がリンチに遭い入院したベッドでは
その広告屋からジュースを差し出される、放火を庇った男を
見下していた心を母親が食事の席で突かれる、など攻撃では
ない形で相手に投げ返すボールのように、心を砕く優しさの
描き方が秀逸で、酷い暴力のあとにこんな柔和なやりとりの
連続で揺さぶってくる内容なのだ。そしてまさかの締め括り、
これも予想外。絶対そうだろうと思う結果すら外れてしまう。
重く苦しいのにどこか笑いと希望に溢れている点も不思議だ。
スリー・ビルボードとスリー・レター
アカデミー賞や各映画賞で絶賛されたサスペンス・ドラマ。
それも納得、強烈にインパクト残る力作であった。
ミズーリ州の田舎町。
何者かに娘を殺された母親が、一向に捜査が進展しない警察へ対して、抗議の3つの看板を立てた事から…。
マーティン・マクドノーの巧みな演出と脚本がまず見事!
立てられた3つの看板から始まる人間模様。
怒り、悲しみ、暴力の連鎖と波紋が広がっていく…。
予測不能な話の展開に本当にグイグイ引き込まれた。
唐突なバイオレンスとヘビーなドラマの中に、ついクスッとなってしまうブラック・ユーモア。
と共に差別などの社会の闇も浮かび上がらせ、もう一度言うが、その語り口が本当に見事!
マクドノーが監督賞ノミネートから落選したなんて、嘘でしょ!?
パワフルな言動のパワフルな母親、ミルドレッド。
フランシス・マクドーマンドのパワフルな熱演!
終始しかめっ面で、周囲の批判や権力にも屈しない。まるで、女イーストウッド!(西部劇風の音楽や雰囲気もさらにそれを連想させる)
ふとした瞬間に悲しみも滲ませ、その激しさと繊細さの名演には圧倒されるしかない。
勿論主役は彼女だが、話を動かしたのは次の二人。
人種差別主義者でマザコンで暴力的な地元警察の巡査ディクソン。
最初はこの男が大嫌いだった。本当にクズ野郎。
しかし、ある事をきっかけに、この男が劇的に変化する。クズ男の中の“正義”が目覚め始める。
最後はもう、彼が好きになっていた。
役者冥利に尽き、役柄も旨味たっぷり。
オスカーはウィレム・デフォーを応援していたが、こりゃサム・ロックウェルが獲るわな。
ミルドレッドに名指しで批判された警察署長ウィロビー。
悪人やクセのある役柄が多いウディ・ハレルソンが、愛妻家で良き父親、人望も熱い善人役。
末期癌で余命僅か。
その苦悩、そして彼のスリー・レターに心揺さぶられた…。
本当に本作は、各々の感情、ぶつかり合い、刺激し合い、やがて相乗し合う人間模様が素晴らしかった。
ミルドレッドの怒り、悲しみには同情する。
本来ならそれは憎き犯人へぶつけるものだが、もし自分に同じ事が起こったら、分かってても、何もしてくれない警察へ怒り、悲しみをぶつけてしまうだろう。
全力を尽くすと約束してくれた警察なら、この怒り、悲しみを分かってくれる。
それなのに…。
強行手段。
そのせいで息子は学校で嫌がらせを受ける。
確実に犯罪である暴挙をも犯す。
それほど娘と仲良かった…という訳ではない。最後は喧嘩別れ。
看板は、そんな自分への後悔。
また、警察へ対してただ怒りをぶつけただけでもない。
看板が立てられてすぐ、ウィロビーがミルドレッドに会いに行く。
ウィロビーはミルドレッドに看板を立てた理由を聞くと共に、自分が末期癌で余命僅かである事を告白する。
すると、ミルドレッドは知っているという。
そう、つまり、ミルドレッドはウィロビーを信頼し、期待しているのだ。
彼なら、必ず犯人を逮捕してくれる、と。
それ故の叱咤激励。
無言で訴えたミルドレッド、それを汲み取ったウィロビー。
この時の二人のやり取りが非常に良かった。
が、ウィロビーは死ぬ。
自ら命を絶つ。3通の手紙を残して。
一通は、愛する家族へ。自ら命を絶った理由が語られる。
二通目は、ミルドレッドへ。彼女が看板を立てて自分へ叱咤激励してくれたのなら、自分もこの手紙で。謎の看板の広告料も実は…。負けるな!
三通目は、ディクソンへ。これがね、実に目頭熱くさせるのよ…。
どうしようもないロクデナシのディクソンだが、彼はウィロビーを敬愛していた。
ウィロビーもまた彼の善良な心を信じていた。それは間違いなかった。
燃え盛る警察署内から、ミルドレッドの殺された娘の捜査資料を文字通り身体を張って守り抜く。(火を放ったのはミルドレッドなんだけどね…(^^;)
そして、あるバーで…。間違いなく、彼がロクデナシから本当の警官になった瞬間だ。
大火傷して入院した病院で、同室となった相手は…。出されたオレンジジュースの味はきっとしょっぱかっただろうが、グッと胸を鷲掴みにされた。
ラスト、車の中で、憎しみや確執を乗り越えたミルドレッドとディクソンのやり取りも最高に良かった。
3つの看板が事の始まりなら、それぞれを大きく突き動かした3通の手紙。
スリー・ビルボードと、スリー・レター。
ラストのミルドレッドとディクソンのある決断と行動は間違っているかもしれない。
当人たちの事件には何の関わりもない。
でも、今ここで、何もしないでいるなんて、もう出来ない。
行き場の無い怒りと悲しみの先には…。
正義か否か、希望、当初とは全く正反対の感情が交錯し、ズシンと響きつつ、うっすら感動すらさせられた。
これは非常に良かった!
愛を持てた時、物語が変わる
それぞれの覚悟
ミズーリ州エビングという小さな町で10代のアンジェラヘイズがレイプされ、殺害されてから7ヶ月。
一向に進展のない警察の捜査状況に不信感と怒りを募らせていた母ミルドレッドは3枚の広告板を借り、地元警察を中傷するメッセージを張り出す。
その3枚の看板をきっかけに動き出す警察と町を敵に回したミルドレッドの孤独で壮絶な戦いを描いた作品。
おそらく2018年の映画賞レースで「シェイプオブウォーター」との2強で注目されていた作品。
母ミルドレッドの犯人を捕まえるためであれば町中を敵に回しても構わないという固い決意の下、襲ってきた歯医者の指にドリルをねじ込む、火炎瓶を警察署に投げ込むなどの過激な行動に出る様をフランシスマクドーマンドが迫真な演技でみせる。
中傷の標的となったウィロビー署長と彼を慕う部下のディクソンにそれぞれウッディハレルソンとサムロックウェルがキャスティングされ、メインキャスト3人の演技力のみで十分な見応えを感じさせる。
特にこの年の助演男優賞を受賞したサムロックウェル演じるディクソンは見ものだ。
ウィロビー署長の死に強い憤りを感じ、感情の赴くがままに問題の看板を管理する広告代理店のオーナーであるレッドを暴行の末、2階の窓から叩き落とす長回しのシーンや犯人の疑いがある人物に対し、あえて暴行を受けることでDNAを採取することに成功する終盤の血まみれのシーンなど、まさに体を張った名演で観客の心を静かに熱くさせる。
後味の良いラストではないものの、メインキャラクターの覚悟を持った生き様が素晴らしいと感じた。
自身のやり方が正当であると決して疑わずにいる素振りを見せるミルドレッドが実は娘に対しての深い後悔の念を抱いていたり、レイシストでキレやすく厄介者な存在のディクソンを実はウィロビー署長が大きく評価していたりと各キャラクターの意外な一面があって、そこが大きくストーリーに関わっていく点が特徴的で面白いと感じた。
とりあえずディクソンによる窓からレッドぶん投げの長回しシーンは2018年の洋画を代表するシーンだと思う。
脚本、素晴らしい
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