スリー・ビルボードのレビュー・感想・評価
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報われない?映画
引き込まれるが人を選ぶ作品
さよならの朝に~を鑑賞後に売店の列に並んでいたら、
前の人がこのパンフを買っていたため気になって評判を調べたところ好評価だったので鑑賞。
残念ながら娯楽映画好きな私にとっては合わないタイプの映画でした。
確かに前評判通り、細かな表現や感情の移り代わりなどの描写は上手いため、
ストーリーにぐいぐい引き込まれてしまうのですが、
そのストーリー自体が重くスッキリしないために
引き込まれれば引き込まれるほどテンションが酷いことになるという悪循環。
以前鑑賞した「ノクターナル・アニマルズ」と似ているような雰囲気でした。
あちらのほうが鑑賞後のテンションは酷かったですが。
結論として、楽しい映画が見たい!娯楽映画しか見れない!という方は鑑賞を避けたほうが無難です。
ただ、芸術映画好き!ノクターナル・アニマルズ好き!という方にはお勧めできる作品かと思います。
このような映画も楽しめれば幅が広がるとは思うのですが。残念。
ある種の宗教映画?
タイトルなし(ネタバレ)
思ったよりよかった。腐りきった街、腐りきった警官。。もっと仕事しろよ!から始まり。。何だか共感できる人が出てこないぞ~。。上品のかけらもないバカ親バカ息子、ゲスな人。クレイジー過ぎる。性格も感情も読みにくいキャラクター達(^o^;)そんなに人って何かがあって変わるものなのか、後半は優しくなったりします。間違ってるかも知れませんが私が思うに自殺した所長も黒人の所長も逮捕できない犯人だと知っていたんじゃないかな。軍関係者だというヒントを与えバッジも付けず捜査しろと言ったのは。。。自分たちは逮捕できないって思ったから。。とか。。。妄想しすぎかな。。何せ終わりかたが。。えって
やっと見れた
何が正解なんだろう、、と終わったあとに考えた
人それぞれにストーリーがあり
何を行うことが正解なのか分からなかった
しかし、最終的には3つのビルボードを作ったことで物事が発展していった。子供をレイプで殺された母親の心境、ガンで死んでしまう前に自殺した署長の心境、大切な署長が死んだ部下の心境、とにかくたくさんの人の気持ちが入り混じっていて見てて何人もの人の心に移入しているような気持ちになった。あっという間に見終わってしまった。最優秀主演女優賞を獲得したのも納得の演技だった。ぜひ沢山の人に見てほしい。
自分のこともあなたのことも、まだまだ知らない。
スリービルボードにはやられたのです。はいはいこういう人ね、と思いながら見ていた先入観をぐわんとぶっ飛ばされ衝撃を受けました。
私はまだまだ無知。自分のことも、人のこともまだまだ知らない。そう思いました。
知っていたけど、人は一面ではなく、美しさ、脆さ、強さ、弱さ、醜さなどをまだらに抱える切ないいきものだ、ということを改めて突き付ける物語です。
ほとんど地獄であるこの世界から、生きていくために胸に留めておきたい希望ってやつを、あたしはスクリーンから見つけたいんだ、と改めて思いました。
被害者遺族の見せる傲慢。小者な刑事が人の優しさに震えて良いことをしようとする瞬間。部下思いで家族思いだけど彼が選択したのは自殺。
ミルドレッドにも、署長にも、ディクソンにも、わかるよという気持ちと、それはあかんのじゃない?と思う気持ちとがあって、総合すると愛おしくかんじる。
ディクソンはスリービルボードで出逢わなければ毛嫌いして終わりの人物だけど、こうやって描かれると、彼に寄り添いたい気持ちがする。脚本の妙なんだろうかね。
特に支配的なママとの関係辺りに。
成人男性が、力で絶対ねじ伏せられる(やったらあかんけど)老親のいいなりになってしまう程の虐待って、相当だと思う。対決したら勝てるのに、やろうとする地点に立てない程、自分を認められないディクソンが、家の外で悪態を吐く。これは必定。避けられない。
ディクソンが署長の手紙を読んでいるシーンと、入院先で自分が怪我させた広告社の彼(彼かわいい)にオレンジジュースをもらって、あってなったところが、忘れられない。
砂漠で見つけたオアシス?地獄に仏?そんなやつ。
ミルドレッドとディクソンが旅立つラストはきらめきを感じた。向かう先に何があろうとこの旅立ちをえらんだあなた方は多分何かに勝利した。
ミルドレッドのひとりになるとちょっと乙女な感じで、よかった。
皮肉と空回りの連続
娘をレイプされ殺された母親、人種差別する白人警官、ガンで余命少ないけど愛されてる警察署長。
19歳に鞍替えした元旦那、広告屋の兄ちゃん。
わかりやすく威嚇しにきた強面兄ちゃん。
どんどん話が進んで、色んな人が絡み合って空回って、放火したり、窓から突き落としたり、ハイテーブルを星一徹ばりにひっくり返ったり、わちゃわちゃしながら進行する。
署長の自殺も衝撃だったけど、広告費を払ったり、権力には逆らえなかったけど、続けることで何かが変わるんじゃないか、っていう希望なのかなとも思った。
署長の後任の黒人署長が、権威の言いなりでえーーーー?!って思ったけど、結局人間は肌の色や立場は何も関係ないのね、と思わされる作品だった。
最後、始末しに行こうと思ったけど殺すかどうかは追い追い考えよう、というラストに希望を感じた。
小男が、ゲームオブスローンズのティリオンで、ああ、ここでもお前はいいヤツだな、としみじみしたなぁ。
完璧な映画
遺書
犯人捕まったら、「犯人捕まったよ。ありがとう署長」とか広告だすのかな〜!?とか観賞後思いました。
金銭的にはワザワザそうするのは難しいでしょうけど。
暴力する心理を考察したくて作品を観たんですが、考察する為の内容はなかったような。
条件反射的に暴力する、それを抑止するのは署長の遺書だったりするわけで。
遺書では、警官を褒めてどう行動を改善していけば良いのか(確か)書かれていました。
「愛」が警官の反射的暴力性を変えた、みたいなところでしょうか。
怒りの捨て場所
ミズーリーの片田舎、妙にリアリティのある住人達が織りなすサスペンス風人間ドラマ。もっともらしい常識、権威に対する主人公の舌鋒が冴えわたる。映画としてよくできているのだがサスペンス手法で考え落ちは卑怯だと思うので辛目の評価。ミズーリーからアイダホまで2500Km、ちょっと出かける距離じゃないし、そこから先が見たいのね、一件落着してくれないと引きずるから・・・、そこが狙いか?
マニア受け
意表を突く傑作。
私なら作品賞と脚本賞に今作を選ぶだろうと思った。何しろ
インパクトといい物語の落としどころまで完璧に意表を突く。
こんな映画観たことないけど一生残りそうだと思わせてくる。
今作で「恥じ入る」ことの意味を体感した。あの看板のせい
で批判の目にさらされた所長だが死後の手紙で母親を褒める、
広告屋を傷めつけた警官がリンチに遭い入院したベッドでは
その広告屋からジュースを差し出される、放火を庇った男を
見下していた心を母親が食事の席で突かれる、など攻撃では
ない形で相手に投げ返すボールのように、心を砕く優しさの
描き方が秀逸で、酷い暴力のあとにこんな柔和なやりとりの
連続で揺さぶってくる内容なのだ。そしてまさかの締め括り、
これも予想外。絶対そうだろうと思う結果すら外れてしまう。
重く苦しいのにどこか笑いと希望に溢れている点も不思議だ。
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