ウインド・リバーのレビュー・感想・評価
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【極寒のネイティブアメリカン保留地で起こった事件を苛烈に描く。「ボーダーライン」「最後の追跡者」で現代アメリカの暗部を描いて来たテイラー・シェリダン渾身の一作でもある。】
ネイティブアメリカンの闇
静寂と冷気
この映画はとても静かだ。
だけどとても胸に刺さる。
今回雪の中で見つけた友達の娘の遺体。
友達がとても辛そうにしている時にかける言葉が本当に胸に刺さる。
「時間が癒してくれるなんてのは真実ではない。
だが、痛みには慣れるんだ」
この言葉は同じ痛みを感じたものからしか出てこない言葉だ。
私も父を亡くしており、
どこにぶつけていいか分からない気持ちがあった。
もう10年以上も前の事だが未だに傷は癒えていない。
だけど、痛みには慣れてきた。
ほんとうにその通りだと感じた。
コリーも娘を亡くしている立場のためこの言葉が出たんだろうと思う。
綺麗事ではない。
また罪を償わせるだけでは気持ちが落ち着かないってのも分かる。
そんなんで済ませてたまるか、と言うのが正直な所だ。
だからコリーのあの決断には私は賛成したい。。。
そしてオルセン、色気を封じ込めてなかなか演技が良かったと思う。
催涙スプレーをかけられて、あとのあの演技は女優魂を感じて胸が熱くなった!
あと、急に始まる銃撃戦、とても興奮する。
なにかが起きる!という予感はしていたが痺れた。
アメリカ先住民保留地
とても寒いアメリカ先住民保留地で殺人事件が発生、警察権を唯一持っているFBIから若い女性捜査官(エリザベス・オルセン)が派遣されてくる。
彼女はハンターをしている白人(ジェレミー・レナー)を頼ることに。
かなり陰惨な話だが、エリザベス・オルセンの、捜査官としてはイマイチで天然だけど、真面目で一生懸命なキャラが救いとなり、最後まで目を離せない。
運など無い世界
銃ね…
事件としての目新しさは感じられないし寡黙なスーパーマンが1人いて頑張る若いねーちゃんがいるってのも既視感が拭えないし。銃が無いと生きていけない、殺される前に殺せ、女を人間として扱わない男たち、悪者の風貌はこうでなきゃ感、侵略者と被侵略者。嫌な感じがこれでもかってぐらい満載だけど、なぜか離脱したいとは一瞬も思わなかった。なぜだろ?
悲痛で言葉にならない
意志の強さ
暴力と銃でしか解決できない場所
雪深い田舎だと考える事は同じか。
うちの近くでは、中高生の通学バッグはTHE NORTH FACEだらけ。頼むからアウトドアや休日で使ってくれ。
愚痴から始まりましたが、今回のレビューはウインド・リバー。ある女性が雪深いの地にて遺体発見される。地元のハンターと雪深い地に慣れていない女性FBI捜査官が真相に迫る物語。
ネイティブ・アメリカンネタ(差別、今の暮らし)が絡んでいるものの、雪深いド田舎&冬何もやる事が無くなる習慣を考えればこのネタで無くても起こり得る事件だし、日本は今治安が良いから感心が湧くのであり、昔なら日本でもあったろうなと思う。
(雪深い県の方が籠りがちで、やる事も少なくなり性的行為が季節的に多くなる傾向は、統計で拝見し自分も雪深い県出身なので納得しております。)
なので私には凄い事件・内容だとも思えず、寒い山間地域への予備知識が増えたぐらいでした。山育ちだからだろうな。。。。
「雪山登山や、山菜収集登山、夏登山する時は服装は十分注意下さい!」と思える映画でした。(内容からかなりかけ離れてますがw)
とことん悲しむんだ、共に生きたいなら
映画「ウインド・リバー」(テイラー・シェリダン監督)から。
まずはタイトルが気になったが、物語前半、道路脇の看板に登場した。
「ウインド・リバー 先住民保留地」(INDIAN RESERVATION)
そのアメリカ辺境の地「先住民保留地」で起こる事件は、
酷いとしか表現できない差別問題であるが、
娘を、開拓してきた奴らに犯され殺された、先住民の父親は、
どこに怒りをぶつけていいのか、途方に暮れていた。
そんな時、親友の主人公が声を掛けた。
「時が癒すと言うが、実際は違う。
気休めに過ぎないが・・痛みには慣れる」と前置きをして、
主人公自身が同じようなことを体験し、
悩み苦しんだときにカウンセラーに言われた言葉らしい。
「いい知らせと悪い知らせがある」
「悪い知らせは、君が決して元には戻れないこと。
娘の死を埋められるものなどどこにもない。
いい知らせは、事実を受け入れ、苦しめば、娘と心の中で会えること。
娘がくれた愛も喜びも憶えていられる。
痛みから逃げちゃダメなんだ、逃げると失う。
娘の思い出すべてを、1つ残らずな。
初めての一歩から最後の笑顔まで消えちまう。
苦しめ、マーティン。とことん悲しむんだ、共に生きたいなら」
とても心に残ったアドバイスだったし、胸が張り裂けそうになった。
社会問題をわかりやすく教えてくれた
アベンジャーズの2人が出るって事で観ましたw
一見、たったひとつの事件…に思われるシンプルで地味な映画かもしれないけど これ実話だったりします。
白人たちに辺境の地に追いやられたいわばインディアン達。警察も介入出来ない無法地帯では娯楽もなく薬物まみれ。この土地には女の子は少ない…理由は…男の人に嬲られ殺されるから…。
中には娯楽のないこの土地から早く出て行きたいって本当にいなくなった人もいるかもですが
警察は動かないのでね。真相はわからないとこが闇が深い。
こういう社会問題を取り上げた映画って勇気あるよね。
アメリカでの反響は結構良かったみたいですが、
おそらく変わることない闇なんだろうな…と
思わざるを得ないですね。
しかし、ジェレミは実話おおいな…w
犯人に怒りの鉄槌を。そして、どんなに雪深い土地であっても周りの環境を言い訳にしてはいけない。
殺された娘 女の子ナタリー 可哀想…
でも男共が巣くう所へ来た女の子も自業自得だと見られる場合もあるし、場所をよく考えて選ぶべきだったと思う。
レイプした犯人らに対しては絶対許せない気持ちになりました。
犯人らに対して当然の如く、裁き 天罰を下すべし。
そして物語の終盤で、いきなりの銃撃戦は度肝を抜かれました。
テイラーシェリダン監督はこういう緊迫感のあるシーン、表現、雰囲気を上手く作り出すことができたのではないか、と。
ハンター コリー役のジェレミーレナー、クールにきまってました。
撃たれたFBI役の女性ジェーンは生きてて良かった。
FBI女性ジェーン役のエリザベスオルセンは相変わらず綺麗だったし、うまく演じていたと思います。
ネオウエスタン映画
ネオウェスタン映画。
”ファーゴ” (1996)を思い起こさせるような、雪山での殺人事件。テイラー・シェリダーと言えばといえるであろう銃を用いたサスペンスアクション。そして、ネイティブアメリカンの社会の闇という触れることが難しいテーマ。深いところまで見ていくと、とてもユニークかつ、ディープな映画であることは間違いない。カンヌ国際映画祭で「ある視点」部門を受賞したのはまぎれもない証拠。
ストーリーだけを見てみると、いわゆるcliché(使い古されたもの)。いろいろなことがミステリーテイストで起きるのだが、ほとんど全てが予想のできるもの。銃撃戦の展開も、FBI捜査官の若い女性とハンターの関係性も、誰が死ぬかということも。だから、この多くのサスペンス映画が上映されている時代には、視聴者を満足させることは難しいだろう。自分もワクワクすることはできなかった。10年前だったら少し違ったかもしれない。
唯一予想できなかったのは、殺されたナタリーの両親の感情の行方。最初にFBI捜査官ジェーンがナタリーの両親家に行くシーンは一番のシーンだったと思う。現地の警察官と、ナタリーの両親そして現地のハンター、コリーの関係性の強さが見られ、ジェーンがようやくこの事件を単なる文書上の事件ではなく、人の命、家族の命が関わっている殺人事件だということを理解したという瞬間。
そして、エンディングでのコリーが家族を訪れるシーン。全くどうなるか予想できなかった。それを上回る、いいエンディングだったと思う。
ギル・バーミンガムは個人的にハウスオブカードで顔を知ってるかもしれないが、かなりいい役だなと思った。
この映画を観終わった後、思ったことは、この映画は、エリザベス・オルセン演じる若い女性FBI捜査官の話ではなく、ネイティブアメリカンが住むウィオミング州の小さな町の1つの家族の物語であるということ。おそらく、テイラーシェリンダーが描きたかったことは、そこにあるのだろう。
エリザベスオルセンのキャラクターとジェレミー・レナーの家族の歴史なんかは、付け加えられただけのようなものであった。プロデューサーの意見などが入ってしまうスタジオ製作の作品なだけに、しょうがないという部分でもあるが。こういう監督ほど、NETFLIX製作で作ったら面白い作品ができるんじゃないかと思った。
“ファーゴ”(1996)、”スリー・ビルボード”(2017)なんかは、もっと狭い部分に狭った作品です。もっと多くの人にこのような作品を見て欲しい。社会の現状を知れるとともに、自分の住む小さな世界に照らし合わせれるような、小さなかつ、強い芸術が必ず見つかります。
男は強く、女性を守るというステレオタイプでありながら、主人公が素直...
雪に狂いそう
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